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更新日:2024年10月25日

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5.F事件(令和5年(不)第71号事件)命令要旨

1 事件の概要

本件は、会社の代表取締役から指示を受けた取締役が、組合員2名に対して、組合からの脱退勧奨を行ったことが不当労働行為であるとして申し立てられた事件である。

2 判断要旨

(1)取締役が、組合員2名に対して、組合からの脱退を勧奨したことについて、当事者間に争いはない。

会社は、本件脱退勧奨について、組合活動の妨害や弱体化を図ろうとする支配介入意思はない旨主張する。

しかしながら、使用者による組合員に対する脱退勧奨は、それ自体が組合の弱体化に繋がり、組合活動への妨害的な性質を持つ行為であるとして、支配介入に当たるとされているのであるから、会社主張は採用できない。

(2)会社は、(a)組合脱退勧奨を撤回し、謝罪する旨記載した書面を組合に提出したこと、(b)団体交渉において代表取締役が、不適切な行為をしたことを謝罪する旨、二度と繰り返さない旨述べたことをもって、再発の可能性はなく、仮に不当労働行為に当たるとしても救済の必要性はない旨主張する。

しかしながら、当該書面には、今後同様の行為を二度と行わない旨を誓約する文言の記載がないこと、団交において、二度と行わない旨誓約する文言を記載した書面の提出を会社は拒んでいるといえることなどからすれば、将来に向けて正常な労使関係を実現していくためには不十分といわざるを得ない。

したがって、再発の可能性がない根拠とはならず、救済の利益は失われていない。

(3)以上のとおりであるから、会社が、組合員2名に対し、組合からの脱退を勧奨したことは、組合に対する支配介入に当たり、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であり、かつ救済利益もあると考える。

3 命令内容

誓約文の交付

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