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更新日:2024年5月24日

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6.N事件(令和4年(不)第47号事件)命令要旨

1 事件の概要

本件は、(1)学校法人が、学校法人の教員や保護者等の関係者のみが閲覧できるウェブサイトに組合を批判する声明文を掲載したこと及び(2)学校法人の校長が、従業員を集めた定例集会において当該声明文に関する発言を行ったことが、それぞれ不当労働行為であるとして申し立てられた事件である。

2 判断要旨

  • (1)学校法人からのニュースレターを受け取った学校法人の関係者のみが閲覧できるウェブサイトに、学校法人が本件声明文を掲載したこと及び定例集会において、校長が当該声明文に関する本件校長発言を行ったことは、組合に対する支配介入に当たるかについて、以下判断する。
    • ア 本件声明文について
      組合が、自身のホームページ上での宣伝にとどまらず、学校法人の最寄り駅等でのビラ配りを行う等、活発に情報宣伝活動を行っていた状況において、意見表明を行わないことにより、関係者から学校法人が反論できないと受け取られるリスクがあったため、学校関係者らに対して、自らの見解を述べておく必要があった旨の学校法人の主張は一定理解できるところである。
      また、本件声明文は、学校法人の見解の表明や説明範囲にとどまるもので、使用者の言論の自由の範囲を逸脱したものとみることもできず、組合の主張を公に否定し、非難・中傷するものともいえないことから、本件声明文は、支配介入に該当するとはいえず、この点に係る組合の主張は採用できない。
    • イ 本件校長発言について
      本件校長発言は、組合が公表した主張は事実ではないとして学校法人が拒否している旨の見解を表明し、学校法人の立場を説明したものとみることができ、組合員ないし組合に対する強制、威嚇、報復、又は利益の誘導などを含むとはいえず、使用者の言論の自由の範囲を逸脱したものであるとみることもできない。
      前記ア判断のとおり、学校法人が学校関係者らに対して、自らの見解を述べておく必要があった状況といえ、また、上記判断も併せ考えると、学校法人が、学校法人の従業員に対し本件声明文の発表について周知を行い、当該事項に関する説明を行うために、定例集会の場で本件校長発言を行ったことは、手段として不当であったとはいえず、本件校長発言が支配介入に当たるという組合の主張は採用できない。
  • (2)以上のことから、本件声明文のウェブサイトへの掲載及び定例集会における本件校長発言は、労働組合法第7条第3号の支配介入に該当する不当労働行為に当たるとはいえず、この点に係る組合の申立ては、棄却する。

3 命令内容

本件申立ての棄却

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