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更新日:2024年3月29日

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部落解放大阪府民共闘会議、同教育部会 要望書(3)

(1) (2) (3) (4) ※4ページに分割して掲載しています。

要望書

  • 3.夜間中学校教育
    1. 【大阪府の役割】2016年12月に公布された「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(以下、教育機会確保法)にあるように、公立夜間中学校の必要性の認識と増設・充実にむけた動きが国段階で明らかにされている。以下、大阪府としての責務と役割をどのように認識しているのかを明らかにすること。
      • (1)「2020年国勢調査」の基本集計によると、少なくとも全国の義務教育未修了の人数が89万8748人であることが明らかになった。大阪府教育庁として、大阪府内全市町村区別の「未就学者」と「最終卒業学校が小学校」の人数を十分に踏まえたうえで、基本的人権としての「学ぶ権利」や「学ぶ機会」を保障する観点から、重要な役割を担っている「夜間中学校」の空白区域解消にむけて、国や各市町村と連携した大阪府のとりくみを明らかにすること。
      • (2)大阪府内の現7市11校は府内全域から受け入れているという、いわば「府立」夜間中学校としての位置づけでなければならない。そのため、大阪府内の夜間中学校のさらなる教育充実にむけて、大阪府として設置市及び生徒居住市町村への支援を具体的に行なうこと。
      • (3)全国的に夜間中学校増設が推進されているが、大阪市の天王寺夜間と文の里夜間について、「廃校」の方向性が打ち出されている。この2校の場所は交通の便がとてもよく、大阪市南部や東南部のみならず、南河内地区など大阪市以外の広範囲から通学が可能である。2校の廃校は、大阪市だけに関わる問題ではない。また、廃校になれば天王寺地域が新たな夜間中学校空白地域となってしまう。この2校廃校問題について、大阪府としての対応を明らかにすること。
      • (4)近辺に夜間中学校が設置されていない地域(南河内地区・三島地区等)には、徳島県・高知県・静岡県のように都道府県立の夜間中学校の設置も可能であることから、義務教育未修了者にたいする大阪府のとりくみとして、府立の夜間中学校設置も視野に入れて、早急に検討すること。
    2. 【就学保障】教育機会確保法では、義務教育未修了者に「義務教育段階における普通教育」の提供を求めている。府内の義務教育未就学者や未修了者の実態もふまえ、夜間中学校在籍期間中の就学援助を保障すること。なお、現在在籍している生徒のなかで、居住市町村の違いによって在籍期間中に保障されていないことがある場合は、改善をはかること。
    3. 【教育条件整備】夜間中学校で学ぶ生徒の学力を保障するため、夜間中学校独自の加配等をはじめ、教職員配置や学級編制の改善、教育活動の充実の予算を国に要望するとともに、大阪府として予算措置をおこなうこと。
      • (1)継続して教頭と養護教諭を配置すること。
      • (2)教科調整時間講師を従来どおり確保すること。
      • (3)専任の事務職員を配置すること。
      • (4)日本語指導の必要な生徒の指導・支援のための人的措置を行なうこと。
      • (5)SCやSSWの配置を拡充させること。
      • (6)夜間中学校に関連する研修を計画的におこない、広く周知すること。
      • (7)夜間中学校に対する旅費配当を継続・拡充すること。
    4. 【識字に関する施策】「国連識字の10年―すべての人々に教育を」の、「すべての人々に教育を」やSDGsの「誰一人取り残さない」という理念にたった、大阪府・大阪府教育庁としての識字教室の成果と直面した課題をふまえ、夜間中学校識字教室や日本語教室などの学びの場の保障、識字施策の充実のため支援すること。また、「大阪府識字施策推進指針(改訂版)」に示されている「関係市教育委員会および関係部局と連携をはかりながら、中学校夜間学級としてのあり方もふくめた検討をおこない、その学校教育活動の充実につとめる」ことに関わる、大阪府としての課題解決にむけて今後の具体的なとりくみを継続すること。加えて、国と連携して非識字者の学習の場を保障するよう強く要請すること。
    5. 【設置市との連携・支援】夜間中学校の新増設にむけて、94年2月22日の確認を遵守し、設置市教育委員会より申請があれば、「文科省手引」をはじめ「大阪府人権教育推進計画」にもとづいて引き続きとりくむこと。ならびに大阪府教育庁の「人権教育基本方針」「人権教育推進プラン」をふまえ、誠実に対処すること。また、夜間中学校の教育条件整備の充実にむけ、関係部局にはたらきかけるとともに、政令市を含む設置市教育委員会のとりくみの把握と支援につとめること。
    6. 【合理的配慮】しょうがいを理由に就学を「免除」「猶予」された人々やしょうがいのある生徒が学ぶ夜間中学校に対して、義務教育の完全保障の観点にたち、21年5月成立「改正障害者差別解消法」や、21年3月策定「第5次大阪府障がい者計画」(合理的配慮の実践や支援の拡充等)をふまえ、しょうがいのある生徒が修学旅行などの宿泊を伴う行事や校外での学習に参加できるよう、人的支援などをおこなうこと。また、しょうがいのある生徒の通学介助に関わり、生徒が日々通学できるように、地域支援事業の活用などを含めて、人的支援などをおこなうこと。
    7. 【給食】「教育機会確保法」により、地方公共団体には教育機会の確保等に関する施策を実施するための必要な財政上の措置を講じることが求められている。とりわけ、大阪府内の昼間の中学校で無償化も視野に入れた給食実施がすすんでいる実態をふまえ、夜間中学校においては就学援助制度同様に居住市町村負担を導入することも含め、設置市教育委員会に補食給食の維持・復活にむけて、フードバンクの活用などを含め具体的支援や働きかけをおこなうこと。
    8. 【広報活動の強化】夜間中学校を必要としているすべての人の学習権を保障する観点にたち、夜間中学校についての広報活動を強化すること。
      • (1)大阪府内の夜間中学生が参加する連合運動会や作品展、新入生歓迎会など、大阪府全体の学校行事で使用する会場の確保等を大阪府教育庁としておこなうこと。また、ポスター等については、今後も継続して作成・配布ができるよう予算措置をおこなうこと。あわせて夜間中学や生徒募集に関する府ホームページや府内すべての市町村広報への掲載を拡充し、多言語対応も含め有効に活用していくこと。
      • (2)夜間中学生への情報提供者になりうる支援者(教職員・福祉関係者・自治会関係者・国際交流関係者など)への研修や周知をおこなうこと。
    9. 【卒業後の進路保障】夜間中学校卒業生の進路保障をすすめること。支援学校高等部既卒者が夜間中学校で学び直した後、定時制高校等へ入学できるようにするなど、すべての夜間中学生の進路保障につながる制度改善をおこなうこと。また、夜間中学校卒業生の進路保障として、夜間定時制高校・多部制単位制高校などにおける展開授業や日本語指導等に対する人的保障をおこなうこと。
    10. 【生徒の健康】
      • (1)夜間中学校に高齢の生徒やさまざまな国籍の生徒が多く在籍している実態をふまえ、現行健康診断および保健室の実態を点検するとともに、大阪府内の全夜間中学校に保健室が設置されるよう、設置市教育委員会に指導すること。
      • (2)夜間中学校で学ぶ生徒の実態に見合った健康診断・相談活動がおこなわれるよう、設置市教育委員会に指導すること。とくに、年齢にあわせて健康診断の受診項目を増やすこと。
      • (3)国や大阪府で健康診断やスポーツ振興センターなどに関連する説明文書や資料について在籍生徒の母語での翻訳をおこなうこと。
    11. 【夜間中学校への受け入れ】学齢超過者(若年)に対して安易に夜間中学校への就学をすすめるのではなく、対象者の教育を受ける権利を尊重し、本人や家族の希望、意向を十分に配慮した丁寧な対応がおこなわれるよう、市町村教育委員会にはたらきかけること。また、学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)等に関わり、学齢期の子どもの夜間中学校への受け入れについては、懸念される課題もあることから、慎重を期すよう、市町村教育委員会にはたらきかけること。
  • 4.ジェンダー平等教育
    1. 【差別的な構造に対する課題解決】いまなお、女性に対する差別的な構造が根強く残っている。働き方・暮らし方の根底にある、幼少の頃から長年にわたり形成された固定的な性別役割分担意識やアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)等を性別に関わらずなくしていくとりくみを大阪府として具体的にすすめること。
    2. 【ジェンダー平等教育の推進】ジェンダー平等教育を推進するために、以下のことにとりくむこと。
      • (1)女性差別撤廃条約の基本理念をふまえ、国の「第5次男女共同参画基本計画」および「大阪府男女共同参画推進条例」、「おおさか男女共同参画プラン」(2021-2025)の重点目標の具体的取組にある「子どもの頃からの教育及び意識啓発の推進」をすすめること。そのために大阪府ジェンダー平等教育基本方針を策定すること。
      • (2)「小・中学校及び府立学校における男女平等教育指導事例集」(03年7月)に記載した「男女平等教育の推進についての基本的な考え方」の周知徹底及びジェンダー平等教育啓発教材等の活用が進むよう方策を講じること。
    3. 【隠れたカリキュラムの点検】各種名簿の混合化や並び方、基準服などの実態把握と、就学前の幼稚園等も含め各学校園での「隠れたカリキュラム」の点検をおこなうこと。学校園での生活・行事・進路指導などを性別役割分担意識にもとづいておこなわないよう指導すること。また、ジェンダー平等教育の推進状況を把握するための具体的な調査を毎年、大阪府すべての学校園においておこなうよう指導すること。
    4. 【不必要な男女別調査】各種調査における男女別統計の意義や必要性を見直し、不必要な男女別調査・統計の廃止にむけとりくみ、市町村教育委員会にもはたらきかけること。また、国に全国学力・学習状況実態調査の性別欄の廃止を求めること。なお、性別が必要な調査等の場合には「性別」ではなく「性自認」または「性別(性自認)」とするなど十分な配慮をおこなうこと。
    5. 【セクシュアル・ハラスメント防止】教育現場におけるセクシュアル・ハラスメントを防止するために、以下のことにとりくむこと。
      • (1)17年に改訂された「教職員による児童・生徒に対するセクシュアル・ハラスメント防止のために」(セク・ハラ防止ガイドライン)について、改訂のポイントも含め周知するとともに、QA集を指針にあわせ改訂し、実効あるものとなるよう大阪府教育庁として指導すること。
      • (2)「『セクシュアル・ハラスメント防止のために』―障がいのある幼児・児童・生徒の指導や介助等における留意点-」「児童生徒健康診断の実施におけるセクシュアル・ハラスメント等の防止について」の活用状況を明らかにし、健康診断等にかかわる医療関係者も含め周知徹底をはかること。
      • (3)20年から府立学校に通う子どもたちに実施している「セクシュアル・ハラスメントに関するアンケート」の結果など検証し改善していくとともに、2次被害等がないか配慮すること。
      • (4)セクシャル・ハラスメントの根本的解決にむけた対策を大阪府・大阪府教育庁として講ずること。
    6. 【被害者救済システム】「子どもを守る被害者救済システム」の子どもたちへの広報と、さらなる充実に努めること。また、それに関する研修について充実させること。
    7. 【あらゆる暴力を許さない社会づくり】配偶者・恋人等からの暴力、セクシュアル・ハラスメント、性犯罪、買売春、ストーカー行為等の暴力は、人権侵害であるという認識を深めるための教育をすすめ、あらゆる暴力を許さない社会づくりにむけてとりくむこと。
    8. 【DV防止】改正「DV防止法」「大阪府配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する基本計画(2022から2026)」を周知し、具体的とりくみをすすめること。
      • (1)DV防止に関する啓発や資料の活用をすすめること。
      • (2)暴力の未然防止の観点からの若年層への啓発として、性の教育を充実させること。
      • (3)加害防止に向けた教育・教材の構築にとりくむこと。
    9. 【労働者教育】キャリア教育の推進にあたって大阪府の実態に合わせ、子どもたちが夢や希望をもてるような人権尊重・ジェンダー平等・労働者の権利の視点にたった労働者教育としての「キャリア教育」を推進すること。
    10. 【性の多様性】「大阪府性的指向及び性自認の多様性に関わる府民の理解の増進に関わる条例」などをふまえ、大阪府教育庁「性の多様性を理解するために」の冊子等の活用をすすめ、性の多様性についての理解を深めるとともに、差別解消にむけての具体的とりくみをすすめること。
      • (1)教育実践の推進・教材開発等、また、基準服・体操服の着衣や並び方等、教育のあらゆる場面で「性的指向・性自認」(SOGI)の考え方をひろめ、子どもたちの人権が守られるてだてを講ずること。
      • (2)部活動においてもSOGIの考え方で子どもたちの人権が守られるよう、関連団体にはたらきかけること。
    11. 【プライバシーを守るための施設の充実】府立学校において、子どもたちのプライバシーを守る視点にたった更衣室や多目的トイレ等の設置をすすめること。また、市町村教育委員会に設置するよう指導すること。さらに、学校園での現状の実態把握をすること。
    12. 【保健体育】保健体育の授業で、性別で分けることなく共学・共修をすすめるよう指導すること。学習内容がジェンダー平等の視点でとりくまれるよう市町村教育委員会に指導・助言すること。
    13. 【性の教育】人権、ジェンダー平等の視点にたち、SOGIの観点を含む個人の自己決定権を尊重する包括的な性の教育をすすめること。
      • (1)性教育指導事例集「わたしを生きる」が学校現場で活用されるようてだてを講ずること。さらに、「性に関する指導」における指導者養成研修での成果にもとづき性の教育をひろげるためのてだてを講ずること。
      • (2)しょうがいのある子どもたちに対する性の教育の必要性についての認識を深め、とりくみをすすめること。
      • (3)「生命(いのち)の安全教育」について、とりくみが交流できるように研修を実施するなど、具体的てだてを講ずること。
      • (4)現代のネット環境下において、性に関する情報を適切に判断し対応できるよう、性情報に関するリテラシー教育をすすめるてだてを講じること。
    14. 【若年層の性的搾取】若年層を性的搾取から守るために、以下のとりくみをすすめること。
      • (1)子どもを性的な対象として搾取する実態や写真・動画の扱われ方等を把握し、対策を講ずること。対策については、単に補導や生徒指導の視点ではなく、人権的な視点で実施すること。
      • (2)「AV出演被害防止・救済法」の周知及び啓発をおこなうこと。
      • (3)性犯罪・性暴力被害者救済に関する相談窓口の周知をおこなうこと。
    15. 【妊娠を理由とした退学等】18年3月文科省通知「公立の高校における妊娠を理由とした退学等に係る実態把握の結果等を踏まえた妊娠した生徒に対する対応等について」を周知すること。妊娠した子どもへの学業継続にむけた適切な対応について実態を把握し、今後のとりくみを明らかにすること。また、妊娠をした子どもへ相談窓口の周知などケアをおこなうこと。
    16. 【私立学校の課題】私立学校においても、すべての場面で人権に配慮した教育がおこなわれるよう指導すること。
    17. 【研修の充実】ジェンダー平等教育(性の教育を含む)の啓発、管理職はじめ教職員がジェンダーに敏感な視点を養うための研修の充実をはかること。
      • (1)管理職や指導主事を対象にセクシュアル・ハラスメント防止やジェンダーに敏感な視点を養うための研修をおこなうこと。
      • (2)教育センターにおけるジェンダー平等教育の研修の充実をはかるとともに、各市町村教育委員会でのジェンダー平等教育に関する研修について支援すること。
      • (3)学校園でのジェンダー平等教育の実践について、とりくみが交流できるように研修を実施するなど、具体的てだてを講ずること。
      • (4)学校園で、教職員対象に実効性のある校内研修が実施されるようはたらきかけること。
    18. 【メディア】メディア等における性の商品化や暴力的表現及び性別役割分担をみなおし、女性の人権を尊重した表現をおこなうよう各方面に大阪府としてはたらきかけること。特に、学校園で配布されるリーフレット等については、ジェンダー平等の視点で点検をおこなうこと。
    19. 【教員養成課程・管理職任用】教員養成課程のカリキュラムにジェンダーに敏感な視点にたった項目をとり入れるようはたらきかけるとともに、管理職選考や教員採用選考テストにジェンダー平等教育の項目を盛り込むこと。
    20. 【男女共同参画社会】子どもたちの男女共同参画意識を向上させるためにも、女性活躍推進法にもとづく21年度改定大阪府教育委員会特定事業主行動計画などをふまえ、男女共同参画社会にみあった女性管理職率にすること。当面、女性比率25%をめざし、30%とするための年次目標を明らかにすること。

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