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大阪府歯科保険医協会 要望書
要望受理日 | 令和5年8月22日(火曜日) |
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団体名 | 大阪府歯科保険医協会 |
取りまとめ担当課 | 府政情報室 広報広聴課 |
表題 | 口腔保健事業の充実等を求める要望書 |
要望書
2023年8月22日
大阪府知事
吉村 洋文 殿
大阪府歯科保険医協会
理事長
口腔保健事業の充実等を求める要望書
応接項目
1.口腔保健事業、患者の受診抑制対策
- (1)失業や廃業、減収及び物価高騰等により経済的理由から受診抑制がおこらないよう、府民に対して医療費の一部負担金を減免する制度を充実させること
- (2)福祉医療費助成制度における乳幼児医療と重度障がい者医療、ひとり親家庭医療の対象者を抜本的に拡充し、無料化すること。老人医療費助成制度を復活させ、妊産婦医療費助成制度を新設すること
- (3)成人歯科健診は、18歳以上から高齢者になるまでの間に健診の空白期間を作らず、無料で各自治体が実施するよう、施策を講じ補助を行うこと
2.国保統一保険料の問題
- (1)高額な保険料の原因である、府内統一保険料化を止めること。高くなった大阪府の保険料を下げるため、大阪府一般会計法定外繰り入れを行うこと。
3.歯科医療提供体制
- (1)地域の基幹病院への財政支援を強め二次・三次の歯科提供体制を整備すること
4.歯科医院経営等への支援
- (1)新興感染症対策費を補償すること
- (2)国の交付金だけでなく、府の独自予算でさらなる物価高騰対策支援を講じること
- (3)支援金などの申請手続きはオンラインに限定せず、柔軟に対応すること
- (4)歯科医療機関に対する情報は府内すべての歯科医療機関にいきわたるよう徹底すること
5.審査・指導
- (1)保険医療機関に対する指導にあたっては、近畿厚生局との連携を前提にしつつも、選定委員会への積極的な参画と公正で民主的な運営のために独自性と主体性を持つこと
- (2)指導大綱に定められている「懇切丁寧」な指導を徹底すること。録音や弁護士帯同の申し出に対し、当局が取り下げるよう促すなど、指導大綱から逸脱する事例が大阪で起こっている。当該技官・事務官を厳正に処分するとともに再発防止策を示すこと
- (3)技官や事務官の質の向上に努めること
指導にあたる職員に対する教育の場を定期的にもち、人権の尊重をはじめ、犯罪捜査のごとき権限は与えられていないなどの法的位置づけ、および指導目的と趣旨を周知すること
被指導者が相談できる苦情申し立ての窓口や第三者機関を設けること - (4)立合い人の選択の自由を認めること
保険診療の質的向上及び適正化を図ることを達成するため、被指導者に指導時の助言や指摘が正確に伝わる必要がある。被指導者の理解を深めるためにも、立合い人を被指導者の自由選択とすること - (5)指定後1年以内を目途に実施されてきた新規個別指導がコロナ禍の影響で、1年を超えた指導実施が散見される。そのため、持参物を大幅に軽減すること。また、積み残している新規指導の指導計画を具体的に示すこと
文書回答項目
1.大阪府政
- (1)カジノ建設も含め、広域行政一元化条例を背景とした不要不急の大型開発を見直すこと
- (2)大阪府地域医療構想(第7次大阪府保健医療計画)における急性期病床等の削減を取りやめること
- (3)保健所・保健センターの配置や有無、人員規模がどのように感染症対策等に影響したかを検証すること。保健所等の施設(設備)や専門職を含む人員を拡充し、非常時に備えた保健所機能を整備すること
2.国民健康保険事業
- (1)各市町村が実施している保険料の減免制度を残し、市町村・国保組合への補助金を増額し、市町村を支援すること。
- (2)資格証明書、短期保険証を交付しないよう市町村を指導すること。また18歳未満のすべて子どもの保険証は1年以上とするよう市町村を指導すること
3.口腔保健事業
- (1)学校歯科健診で「要受診(要精検)」と診断された児童・生徒の受診状況と、「口腔崩壊」状態になっている児童・生徒の実態を調査すること。児童・生徒が確実に治療を受けられるよう教育委員会や学校への援助を強めること。医療ネグレクトの早期発見と早期対応のために、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーの配置を進めること
- (2)府下の全小中学校で給食後の歯みがきに取り組めるよう、自治体・小中学校へ必要な援助をすること
- (3)小中学校でのフッ化物洗口の取り組みを進めるため、「フッ化物洗口マニュアル」並びに「市町村教育委員会のためのフッ化物洗口導入の手引き」を策定すること。フッ化物応用事業に取り組む市町村への補助金制度を創設すること
- (4)「児童虐待チェックシート」を改定し、子どもの身体的特徴の項目に「多数のむし歯がある」を、保護者・家庭の特徴等の項目に「歯みがき習慣がない」をそれぞれ追記すること
- (5)大阪府内の児童相談所、保健所に嘱託歯科医を配置し、一時保護児童の口腔の健康状態をチェックする仕組みを整えること
- (6)障がい者(児)歯科医療に対応する一次医療機関を増やすこと。当該医療機関を対象とする財政支援策および高次歯科医療機関との相互連携を支援すること
- (7)障がい者(児)が身近な地域で安心して健診や治療を受けられるよう、一次医療圏に所在する障がい者歯科診療施設を案内するリーフレットなどを作成すること
- (8)中小事業所や共同作業所などで就労する障がい者を対象に、歯科健診の機会を増やすなどの口腔保健事業を推進し、障がい者の口腔衛生の向上を図ること
- (9)府内歯科診療所に対して、障がい者(児)への歯科保健医療サービスの提供状況を調査し、「東京都医療機関案内サービス ひまわり」のように、府民に対し障がい者の歯科診療に対応する医療機関を案内すること
- (10)歯科口腔保健の推進に関する法律(口腔保健法)に基づき予算化し、理念にとどまらない実効性を担保する条例を制定すること
4.歯科医療の供給体制・人材育成支援について
- (1)AIDS患者、HIV感染者の歯科医療受診システムを確立すること。AIDS患者・HIV感染者が安心して受診できる医療機関をWEB等で広報すること。
- (2)地域での歯科医療の提供体制を拡充する観点から、地域歯科診療支援病院などの整備を進めること
- (3)大阪府内の歯科衛生士養成施設に通い将来府内で働こうとしている人で、経済的理由による就学困難者を対象にした無利子の奨学金制度を創設すること。また、卒業後、大阪府内で歯科衛生士として5年間継続して働いた場合には、返済を免除すること
- (4)大阪府内の歯科技工士養成施設に通い将来府内で働こうとしている人で、経済的理由による就学困難者を対象にした無利子の奨学金制度を創設すること
5.審査・指導
- (1)大阪府指導監査課、近畿厚生局と大阪府歯科保険医協会、3者の懇談の場を設けること
- (2)当会の会員を対象にした保険講習会に技官を派遣すること
- (3)新興感染症から府民の健康を守る観点から、歯科初診料注1に規定する施設基準の研修会「院内感染防止対策」を大阪府が開催すること
- (4)改定時集団指導は全国一律のものに限定せず、質疑応答の機会を設けるなど、改定された内容が開業医にわかりやすいものとなるよう工夫すること
- (5)高点数を理由とした個別指導、集団的個別指導は廃止すること
以上