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部落解放大阪府民共闘会議、同教育部会 要望書(4)
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要望書
- 5.進路保障と高校改革の推進
- 【高校入試】入学者選抜におけるこの間の制度改変が、学校現場に大きな影響を与えている。有識者も含めた幅広い層による議論や現場の意見をふまえ、大阪府教育庁としての課題認識と今後の方向性を明らかにし、中学校での進路指導をはじめ中学校・高校現場の教育活動に混乱をきたさないよう、現場に即応した指導・支援をおこなうこと。
- 【高校教育のあり方】地域とのつながりや中高連携を大切にした学校づくりをすすめること。また、学校教育審議会の答申や議論を踏まえ、高校進学希望者全入の実現をめざしたすべての子どもの進路保障として、公立高校が子どもや保護者の多様なニーズに対応する役割を果たす長期計画を策定すること。そして、「高校適格者主義」の見直しなど、すべての子どもの学習機会、学習環境の整備を第一義とした、今後の高校教育のあり方について、方向性を示すこと。
- 【府立高校の再編整備】「大阪府立学校条例」による「再編整備計画」により、今後の再編整備対象校については、現に通学している子どもたちの学習環境、学習意欲が低下することがないよう配慮すること。また、子どものたちの幅広い進路選択を可能とする観点にたち、「地域に根ざす」という理念の実現にむけ、とりわけ人権教育の拠点となる学校の発展や学校ごとに培ってきた特色ある教育の継承など、子どもたちや教職員、地域に不安や混乱が生じないよう努めること。
- 【受験上の配慮】日本語指導が必要な子どもや自立支援コースなどを希望する子どもたちにとっての入学者選抜の機会を保障すること。また感染症の感染により、入学者選抜の機会をうばわれることのないよう適切に対応すること。
- 【チャレンジテスト】調査書の「評定」にかかわって、公平性を担保するための方策として活用している「チャレンジテスト」により、点数学力が特化され、各教科の評価や授業内容、年間指導計画等に大きな影響を及ぼしている。テストの結果をもとに、目標に準拠した評価(絶対評価)を学校間で相対的に比較する制度には、子どもたちの排除につながる等の問題点がある。チャレンジテストに関わる問題点や課題については、総括的に検証するとともに、実施しないことも含めた制度の見直しをはかること。
- 【入試における課題】公立高校入学者選抜における合格者の決定手順について、さまざまな課題や問題点が表面化している。とりわけ外部検定の導入により、経済格差が教育格差につながらないよう、廃止等検討すること。
- 【ステップスクール・エンパワメントスクール】多様な子どもたちの学びに応える高校となるよう、引き続き地域バランス等を考慮するとともに、設置校へのこれまでのとりくみを十分に活かしたものとすること。とりわけ、ステップスクールについては、各校のとりくみが発展・継承されるよう支援するとともに、柔軟なカリキュラムや少人数学級などを継続しておこなえるよう、定数を改善するなどの人的配置をおこなうこと。
- 【グローバルリーダーズハイスクール】「グローバルリーダーズハイスクール」のとりくみが、受験競争の激化や受験指導に偏重することが危惧される。人権問題が生起している現状を踏まえ、部落問題学習や国際理解教育など人権尊重の教育を計画的に実施するよう指導すること。
- 【私立高校の無償化の検証】家庭の経済格差が教育格差につながらないよう高校授業料支援制度を継続するとともに、費用の一時負担や一定の負担が生じることについて、保護者や子どもに正しく周知すること。また、さまざまな生活実態や課題に直面する子どもたちの学びを保障する観点から、私立高校の中退や転学率、生徒支援体制等を検証すること。
- 【公立高校の充実】過度な受験競争の影響を受けて、公立高校入学者が減少している。子どもたちにとって公立高校が魅力ある進路先となるよう学校設備や教育内容の充実にむけた予算措置や、公立高校が培ってきた特色ある教育内容を広く周知できるよう情報発信を強化すること。
- 【学校現場への支援】市町村教育委員会との連携をはかりながら、中高連携および、進路保障のよりいっそうの充実が求められている。入試制度の改編が進路指導はもとより、中学校教育・高校教育全般にさまざまな影響を及ぼしている。現場に過重な負担や混乱が生じないよう、必要な支援をすること。とりわけ中学校現場においては、これまで以上に子ども・保護者への精確かつ迅速な情報提供や対応等、よりきめ細かな進路指導が求められている。真に子どもたちのためとなる進路保障・進路指導の充実をはかるため、加配を活用して専任教員を配置するなど、中学校現場への支援をおこなうこと。
- 【高校見学・体験入学・進学フェア】高校見学・体験入学、進学フェアを実施するにあたっては、次のことを踏まえ実施すること。
- (1)中学生の参加に際して、中学校教職員などの引率を要しない旨を高校に周知・徹底すること。
- (2)計画一覧や公立高校ガイドが1学期の進路懇談等、進路指導に適切に活用できるよう、早期作成や迅速な配布をおこなうこと。
- (3)進学フェアにおいては、子どもたちが高校の特色を理解し自らのニーズに応じた学校選択ができるよう、発信する情報に充分に留意すること。
- (4)感染症の罹患により参加することができなかった子どもに対して、情報を発信できるよう工夫をすること。
- 【出願に関わる課題】公立高校入試における出願期間について、配慮を要する子どもたちなどの実情に鑑み、充分な出願時間が確保できるよう努めること。また、オンライン出願の導入にあたっては、子どもや保護者の負担増加や不利益が生じないよう、十分に配慮するとともに、市町村教育委員会や中学校現場に対してていねいに周知すること。
- 【入試に関わるジェンダー課題】「大阪府性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例」をふまえ、私立を含む高校入試において不必要な性による区別等がないよう、子どもたちの人権を尊重することを第一義とした環境整備に努めること。
- 【教育保障】同和地区出身の子どもたちをはじめとする、すべての子どもたちの教育保障をおこなうこと。
- (1)独立行政法人「日本学生支援機構」に対し、以下の要望をおこなうこと。
- ア.給付型の奨学金制度を拡大すること。
- イ.引き続き、給付額・貸与額増額、募集枠拡大、そして、学力基準の廃止を求めること。
- ウ.当面、無利子奨学金(第1種)だけでなく有利子奨学金(第2種)についても所得連動型の返還とするよう求めること。とりわけ、経済的により厳しい状況に置かれている第1種・第2種の併用者を支援するものとなるよう強く求めること。
- (2)大阪府育英会奨学金制度について、以下のとおり改善すること。
- ア.給付型の奨学金制度を拡大すること。
- イ.給付額・貸与額を増額すること。
- ウ.サービサー(債権回収会社)の活用をおこなわないこと。
- (3)府立高校の入学料等の未納指導にあたっては、「教育的配慮」の観点にたち、現に通学している子どもたちの教育を受ける権利を奪わないよう、慎重に対応すること。
- (1)独立行政法人「日本学生支援機構」に対し、以下の要望をおこなうこと。
- 【高校生活支援カード】「高校生活支援カード」については、子どもたちをとりまく状況に応じた支援をおこなうために活用するような施策を講ずること。また、市町村教育委員会にも「高校生活支援カード」の有効的な活用の好事例を周知すること。
- 【私学の入試日程】私学の入試制度・日程などについては、受験者の負担増とならないよう、公立中学校の教育課程などに十分配慮するよう調整すること。
- 【高等職業技術専門校】公的職業教育機関「高等職業技術専門校」の中卒枠の維持に努めること。また、次年度の定員枠については、早期に周知をおこなうこと。
- 【夜間定時制高校】現在の夜間定時制高校が、事実上、後期中等教育の「最後の担い手」として役割を果たしていることをふまえ、夜間定時制高校で不合格者を出さないよう、志願状況に応じて募集学級数や募集人員の増など、希望者全入にむけ必要な措置をおこなうこと。また、支援学校高等部既卒者が夜間中学校で学び直した後、定時制高校等へ入学できるようにするなど、夜間中学生の進路保障につながる制度改善をおこなうこと。
- 【高校中退に関わる課題】高校中退者を減らす対策を講じること。
- (1)単位制や進級規定の弾力的運用などをすすめること。
- (2)中高連携のとりくみの充実など、子どもたち一人ひとりを丁寧に指導できるよう大阪府教育庁として支援策を講ずること。
- (3)「公私間の転入学制度」が、子どもたちの進路保障の一環としてよりよいものとなるよう努めること。
- (4)高校中退、不登校の子どもたちを支援する各種事業を継続すること。
- (5)さまざまな課題が集中する高校への具体的な支援・施策をさらに強化すること。
- (6)妊娠した子どもが学び続けることができるよう支援すること。
- 【高校就職】就職を希望する高校卒業予定者の就職決定を促進するため、商工労働部、職業安定所と連携し、各種施策を充実すること。高校生の就職支援の充実にむけて、新たなとりくみなど検証し、拡充するとともに、就職慣行の変更については、子どもたちに不利益が生じないよう、実態を把握・検証し各関係機関と連携すること。
- 【求人票】精確な求人情報が就職希望者に明示されるよう、大阪府・大阪府教育庁として対策を講ずること。また、また、民間企業による求人票の電子化については、子どもたちの主体的な進路選択が阻害されないよう留意すること。
- 【働く前に知っておくべき13項目】中・高校卒業者を対象とした「働く前に知っておくべき13項目」「同7項目」の発行を継続するとともに部数を拡大し、全府立学校生・中学卒業者全員に配布すること。また、総合学習や進路指導での活用をはたらきかけること。さらに、厚生労働省作成「知って役立つ労働法(働くときに必要な基礎知識)」の周知をはかること。
- 6.帰国・渡日等の子どもたちの教育
- 【実態把握・人的配置等】外国籍の子どもが増加するなか、日本語指導が必要な子どもたちの実態を正確に把握し、必要な支援を講じること。
- (1)帰国・渡日等の子どもたちの就学や十分な教育を保障すること。また、帰国・渡日の子どもたちの実態、学校のとりくみを基本に必要な教職員を引き続き配置すること。
- (2)少数言語を母語とする子どもたちの文化やアイデンティティの保障、母語保障、学習言語の獲得のために必要な人的配置をおこなうこと。「母語による学習サポート」を具現化するための「日本語教育学校支援事業」の予算を縮減しないこと。また、「教育サポーター」派遣の対象を府立高校から小・中学校にも引き続き拡充すること。
- (3)日本語指導が必要な子どもたちの多様な実態や支援を通じてみえてくる課題解決をはかるため、NPOとの連携を強化し、サポート体制を充実させること。
- (4)「DLA」(外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメント)の活用、「『特別の教育課程』による日本語指導」について、引き続きすすめること。また、府立高校の日本語指導に係る「特別の教育課程」の実施にむけて、具体例を示す等、支援をおこなうこと。
- 【外国人教育研究会への支援】帰国・渡日等の子どもたちの教育を保障するため、大阪府人権教育研究連合協議会への人的配置の拡充、および「外国人教育研究会」未設置の市町村に対し、組織整備を求めること。
- 【政治教育】「特別の教科 道徳」においても、主権者教育や参政権がとりあげられている。政治的教養を育む教育については、外国籍の子どもを排除しない指導となるように、大阪府教育庁作成のガイドライン等の周知及び有効な活用を促すこと。また、外国籍の子どもたちの参政権については、各国でのとりあつかいについても教職員に周知し、適切に指導できるように研修すること。
- 【生活・労働問題】帰国・渡日の子どもたちの健康保障や親の生活・労働の問題など、さまざまな課題があるなかで、当面、以下のことについての施策を拡充すること。
- (1)府営住宅など、住宅を保障すること。また、住宅に関わって必要な情報は多言語で提供すること。
- (2)在日外国人に必要な情報を多言語で提供するとともに相談体制を拡充すること。また、災害等の急を要する非常時には、情報を即時提供できるシステムを整備すること。「やさしい日本語」については、行政・学校で活用できるように整備すること。
- (3)外国人に対する入居差別について民間業者への指導を徹底すること。
- (4)「国連識字の10年-すべての人々に教育を」は2012年で終了したが、「すべての人々に教育を」という理念にたち、大阪府としてのとりくみの成果と残された課題の解決にむけ今後の方策を明らかにすること。また、渡日者などを対象とした「日本語読み書き教室」を設置している市町村への支援や、「おおさか識字・日本語センター」の活用や連携をすすめるための大阪府としての支援を継続するとともに、「識字推進指針」が未制定の自治体へのはたらきかけを強めること。
- (5)「日本語教育の推進に関する法律」に則り、外国人等に対し、その希望、置かれている状況及び能力に応じた日本語教育を受ける機会の確保を最大限おこなうこと。
- (6)帰国・渡日の子どもたちの体験交流会などを開催すること。またNPO等が実施する各種イベントに対する助成の内容を明らかにすること。
- (7)定住外国人に係わる行政施策・行政サービス等についてはすべての外国人在籍校に引き続き周知すること。
- (8)帰国・渡日に特化した就労につながる機関を設けること。また、それに準じるNPO等の事業に助成すること。
- 【入試】高校入試に際し、引き続き受験上の配慮をすること。また、入試制度の変更によって帰国・渡日等の子どもたちに不利益が生じることがないように以下のように対応すること。
- (1)「特別枠」の実施校・受入人数の拡大、母語による入試などいっそうの改善をはかること。
- (2)入試「配慮」、「特別枠」の編入学年による資格要件を撤廃すること。当面、「日本語指導が必要な帰国生徒・外国人生徒入学者選抜に係る応募資格の申請手続き」の変更に伴い、中学校現場への十分な周知をはかること。
- (3)「帰国生枠入試」についても、子どもたちの状況に柔軟に対応すること。
- (4)大阪府公立高校入学者選抜の改変に伴い、帰国・渡日の子どもたちや保護者への精確な情報提供や対応等、よりきめ細やかな進路保障・進路指導が求められている。これらの充実をはかるため、中学校現場への十分な指導と支援を引き続きおこなうこと。
- (5)私立高校へも、帰国・渡日の子どもの入試に関わって配慮するよう周知すること。帰国・渡日の子どもたちが入学している私立学校には、大阪府として支援すること。また、府立と私立との連携をすすめること。
- 【入学時の通訳】帰国・渡日の子どもたちが入学する際に、保護者の高校教育への理解と協力のため通訳が必要な場合は、別途、保護者に対して説明する場を設けるなど、引き続き支援策を講じること。
- 【多言語通訳派遣の拡充】帰国・渡日の子どもたちの教育保障のために、大阪府として多言語通訳の派遣制度を拡充するとともに、通訳者に対する研修や多数在籍校、少数点在校への支援通訳の常時派遣をおこなうこと。また、派遣条件「帰国3年以内」については引き続き弾力的に運用すること。
- 【多数在籍高校】帰国・渡日の子どもが多数在籍する高校に対し、以下の施策をおこなうこと。
- (1)教職員加配の増員をおこなうこと。
- (2)帰国・渡日の子どもの支援、中国語授業の増加などに対応するため、中国語の教員採用選考テストを実施すること。
- (3)日本語指導の充実をはかるため「日本語指導」の教員採用選考テストを実施すること。
- (4)多文化共生教育の充実をはかるため、「多文化共生」や「国際理解」に関する経験のある教職員を積極的に採用すること。
- (5)中国語指導員や韓国・朝鮮語指導員の継続配置・増員をはかること。
- (6)多言語の指導助手の配置をはかること。
- (7)編入学の帰国・渡日の子どもたちに学習等の支援策を講じること。
- (8)エンパワメントスクールの帰国・渡日の子どもたちに対する学習等の支援策を講じること。
- (9)「高校生活支援カード」については、一人ひとりの子どもたちをとりまく状況に応じた支援をおこなうために活用するような施策を講ずること。また、市町村教育委員会にも「高校生活支援カード」の有効的な活用の好事例を周知すること。
- (10)高等学校就学支援金と奨学給付金の受給対象となる子どもへ確実に支給されるよう申請書の多言語対応等のてだてを講じること。
- 【教育サポーター】帰国・渡日の子どもたちの教育保障のために、「教育サポーター」を養成すること。また、「専門員」は府立高校と同様に市町村においても活用できるよう事業を充実すること。
- 【教科書等の翻訳】帰国・渡日の子どもたちに必要な補助教材の作成や教科書の翻訳をおこなうこと。学校行事・保健連絡等「家庭への連絡文書対訳集」を学校現場で必要とされる言語で作成し、周知すること。とりわけ、ホームページの内容を適宜、更新すること。また、教科学習の指導資料等の作成にあたっては、解放共闘教育部会との協議をおこなうこと。10年6月作成DVD「在日外国人教育のための資料集 違いを認め合い共に生きるために」の周知に努めること。
- 【学校生活サポート事業】NPOとの協働による「帰国・渡日児童生徒の学校生活サポート事業」について、とりわけ多言語対応の進路ガイダンスを市町村と連携して今後も充実、継続すること。
- 【高専などでの入試配慮、受け入れ実態】高等職業技術専門校などへの入校に対しても、府立学校に準じた「特別配慮」をおこなうこと。また現状での帰国・渡日の子どもたちの受け入れ状況の実態を明らかにすること。
- 【就職】就職を希望する帰国・渡日の子どもたちの就職決定を促進するため、各種施策を充実すること。
- 【就学・就労、在留資格】経済的理由で就学できない、安定した収入を得られる就労ができない子どもたちの実態を把握し、課題解決へとりくむこと。また、15年の法務省通知をふまえ、「家族滞在」であっても就労が決まれば「定住者」に在留資格が変更できること等、18年の法務省通知によってその対象範囲が緩和されたことなど必要な情報があれば直ちに学校はもとより本人や家族に提供し、就学、就労など進路を保障すること。
- 【ヘイトスピーチ】「ヘイトスピーチ解消法」、「大阪府人種又は民族を理由とする不当な差別的言動の解消の推進に関する条例」をふまえ、ヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)やインターネットに書き込まれる人権侵害事象について、大阪府・大阪府教育庁として「差別を許さない姿勢」を明らかにすること。また、意図的でなくとも無理解や偏見による言動は差別であることを含め、子どもたちや保護者、地域、府民に対してより周知するとともに、学校現場のとりくみを支援する方策を確立すること。「ヘイトスピーチの問題を考えるために―研修用参考資料―」の内容についても精査し、府立学校や市町村教育委員会・学校現場に周知徹底をはかること。
- 【小学校外国語】小学校外国語については、多文化共生教育、多様性教育といった観点を大切にするよう市町村教育委員会を指導すること。
- 【啓発】保護者や府民に対して、帰国・渡日等に関わる問題についての啓発をよりいっそうおこなうこと。
- 【差別事象の実態把握】人種や民族、国籍に関する配慮を欠く不快・不適切な言動(レイシャルハラスメント)が生起している。教育現場や就職・進学における差別事象の実態把握を徹底するとともに、解決にむけたとりくみや防止するための施策、研修を充実すること。また、DVD「在日外国人教育のための資料集 違いを認め合い共に生きるために」を周知すること。
- 【実態把握・人的配置等】外国籍の子どもが増加するなか、日本語指導が必要な子どもたちの実態を正確に把握し、必要な支援を講じること。
- 7.同和教育推進のために
- 【基本姿勢】同和教育・人権教育について大阪府教育庁としての基本姿勢を明らかにすること。あわせて、02年度大阪府教育委員会通知「同和問題の早期解決に向けて」の趣旨を改めて周知徹底すること。
- 【人権啓発、人権関連3法・3条例】あらゆる人権侵害の現状を把握し、差別解消にむけた具体的施策を講じること。
- (1)「改正障害者差別解消法」、「ヘイトスピーチ解消法」、「部落差別解消推進法」の3法及び大阪府人権関係3条例について、教育の役割が重要であることを認識し学校現場を支援するとともに、あらゆる研修でとりあげること。
- (2)「大阪府インターネット上の誹謗中傷や差別等の人権侵害のない社会づくり条例」を周知するとともに、人権侵害の防止及び被害者支援等に関する実効性ある施策を講じること。
- 【推進計画・推進プラン】「大阪府人権施策推進基本方針」と、これに伴い改定された「大阪府人権教育推進計画」、大阪府教育委員会の「人権教育基本方針」および「大阪府人権教育推進プラン」等にもとづき、あらゆる差別をなくすための施策、啓発をおこなうこと。
- 【人的配置】大阪府教育庁として、同和地区を校区に含む学校(旧同和教育推進校)に対して、さまざまな施策を活用した支援をおこなうとともに、その実態に即した教職員配置や課題に対応した人的措置をおこなうこと。
- 【貧困等】20年3月策定「第2次大阪府子ども貧困対策計画」にもとづき、大阪府・大阪府教育庁として実効ある対策と効果の検証をおこなうこと。
- (1)家庭の経済状況の厳しさ、地域の状況、ヤングケアラーであること等が、子どもたちの学びに大きな影響を及ぼしている現状をふまえ、その実態や課題の共有・連携を関係機関や市町村とおこなうこと。さらに、「子供・若者育成支援推進大綱」「子どもの貧困対策の推進に関する法律」「子供の貧困に関する大綱」の具体化をはかるため、市町村と連携した施策を講じること。
- (2)SSW・SSWSV・CSWを増員し、福祉行政との連携をはかり、より効果的に活用できる施策・支援をおこなうこと。
- 【いじめ】大阪府におけるいじめ・不登校、暴力行為の実態を明確にし、その解決のための施策を明らかにすること。「いじめ防止対策推進法」の目的にも「児童等の尊厳を保持するため」とあるように、いじめは「重大な人権侵害行為で、差別であり、絶対許されない行為」であることをふまえ、大阪府教育庁として、日常から人権学習や学級集団づくりをとおして、管理職をはじめ教職員に差別やいじめを見抜く確かな人権感覚を育てるよう、府立学校および市町村教育委員会を指導すること。
- 【メディアリテラシー】SNSによる「いじめ」をはじめ個人情報の流出、犯罪などへの対策を講じること。また、人権教育の視点からメディアリテラシー教育の必要性を認識できるよう、研修を充実させること。
- 【大人連】大阪府人権教育研究連合協議会が、大阪府内はもとより、全国の同和教育・人権教育の発展、深化に果たしている役割について、大阪府教育庁としての見解を示すこと。今後も、同和教育・人権教育を推進するための研究組織に対する支援を拡充すること。
- 【人権教育の継承・管理職の課題】世代交代がすすむなかで同和教育・人権教育を継承し、創造していくための大阪府教育庁としての認識・施策を明らかにするとともに、とりわけ管理職が職場の「指摘しあう関係性」や「高めあう教職員集団」をつくるための方策を示すこと。
- 【任用と研修】管理職(民間人校長を含む)、指導主事、首席、指導教諭等の任用については、人権感覚の鋭さ、同和教育・人権教育等の実践を重視すること。また、管理職の鋭い人権感覚・適切なリーダーシップの発揮等、管理職研修の充実を大阪府教育庁としてはかり、市町村教育委員会に対しても指導・助言すること。さらに、新規教職員の採用においても、人権感覚の鋭さ・豊かさを重視した採用とすること。
- 【体罰・パワハラ・セクハラ】教職員等による体罰、パワー・ハラスメント、セクシュアル・ハラスメントなどの人権侵害を防止するための具体的方策を示すこと。
- (1)人権侵害が発生した場合の組織的な対応システムについて明らかにすること。また、相談員の研修の充実をはかること。
- (2)20年から府立学校に通う子どもたちに実施している「セクシュアル・ハラスメントに関するアンケート」の結果や効果を検証するとともに、2次被害等がないか配慮すること。
- (3)部活動における体罰、あらゆるハラスメントの実態を把握し、対策を講じること。
- (4)「子どもを守る被害者救済システム」の広報と、さらなる充実に努めること。
- (5)子どもの人権尊重の観点から、「性の教育」をはじめ子どもをエンパワメントするとりくみを実施するよう、市町村教育委員会に指導・助言すること。
- 【にんげん活用】人権教育読本「にんげん」の活用推進にむけた大阪府教育庁としての考え方をすべての市町村教育委員会に指導徹底すること。また、活用状況を調査するとともに、実践的な経験交流を深めるために、引き続きセミナー等の報告の機会をつくるようとりくむこと。また、16年度改訂版を配布した人権教育教材(CD)等の活用をすすめる方策を明らかにするとともに、活用の検証をおこなうこと。「特別の教科 道徳」についても、人権課題を学習する教材として「にんげん」の使用促進を含め、多様な教材を活用するよう指導すること。
- 【進路・中退防止】同和地区を校区に含む学校(旧同和教育推進校)の進路課題についての認識を明らかにすること。その際、経済的・学力的に厳しい子どもたちの後期中等教育を受ける権利を保障すること。
また、高校生活を続けられるよう、冊子「中退の未然防止のために」の周知徹底や、高校中退問題解決にむけての施策を明らかにすること。 - 【自死】大阪府・大阪府教育庁として子どもたちの自死にかかわる状況を把握し、生命と人権を守る具体的施策を講じること。
- 【リバティおおさか】大阪人権博物館(リバティおおさか)と協力・連携するとともに、人権に関する教職員の研修や府民への啓発等、リバティおおさかの事業や資料の活用を促進すること。