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部落解放大阪府民共闘会議、同教育部会 基本要求(回答)(2)
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回答骨子
(要望項目)基本要求
7.【人権啓発、人権関連3法・3条例】
あらゆる人権侵害の現状を把握し、差別解消にむけた具体的施策を講じること。
(1)「改正障害者差別解消法」、「ヘイトスピーチ解消法」、「部落差別解消推進法」の3法及び大阪府人権関係3条例について、教育の役割が重要であることを認識し学校現場を支援するとともに、あらゆる研修でとりあげること。
(回答)
府教育庁では、障がい者差別、民族差別、部落差別の解消のために、教育の果たす役割は重要であると認識しており、これまでも差別のない社会の実現に向けて、人権教育を推進してまいりました。
今後とも障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消推進法の3法及び府人権関係3条例の趣旨を踏まえ、人権教育の推進に努めてまいります。
市町村立小中学校に対しては、研修等において、「障害者差別解消法」「ヘイトスピーチ解消法」「部落差別解消推進法」のいわゆる人権3法及び大阪府人権関係3条例の趣旨について教職員や市町村指導主事に周知しております。また、実践研究協議会の開催等を通じて人権3法及び大阪府人権関係3条例の趣旨をふまえた教材や資料について周知するとともに、各校の実践を交流する等、人権及び人権問題に関する正しい理解を深め、人権課題の解決をめざした人権教育をすすめることができるよう学校を支援しているところです。
府立学校においては、「人権尊重の社会づくり条例」「性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例」「人種又は民族を理由とする不当な差別的言動の解消の推進に関する条例」の施行等を踏まえ、2023(令和5)年4月に「教職員人権研修ハンドブック」を改訂しました。
府教育センターでは、「初任者・新規採用者研修」、「10年経験者研修」、「府立学校長研修」、「府立学校教頭研修」、「小・中学校長人権教育研修」、「小・中学校教頭人権教育研修」、「府立学校首席研修」、「小・中学校新任首席研修」、「小・中学校リーディング・ティーチャー養成研修」、「府立学校リーダー養成研修」、「小・中学校人権教育研修」、「府立学校人権教育研修」及び「支援教育研修」の中で、障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消法の3法を取り上げ、法の趣旨や内容を説明しています。
(回答部局課名)
教育庁 人権教育企画課
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 教育振興室 支援教育課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
(要望項目)基本要求
7.【人権啓発、人権関連3法・3条例】
あらゆる人権侵害の現状を把握し、差別解消にむけた具体的施策を講じること。
(2)「大阪府インターネット上の誹謗中傷や差別等の人権侵害のない社会づくり条例」を周知するとともに、人権侵害の防止及び被害者支援等に関する実効性ある施策を講じること。
(回答)
2022(令和4年)4月に施行された「大阪府インターネット上の誹謗中傷や差別等の人権侵害のない社会づくり条例」の附則の規定に基づき設置した有識者会議の意見を踏まえ、新たな専門相談窓口の設置などの被害者等への支援や、ターゲティング広告などの教育・啓発活動を推進していくほか、不当な差別的言動に対する削除要請の拡充や発信者への説示及び助言の施策を実施していきます。
また、不当な差別的言動に対する削除要請等の拡充等の施策を実施するに当たって、その根拠を明確にするため、2023(令和5)年10月に条例を改正しました。改正条例について、リーフレットを作成し、行政機関等に配布するほか、府ホームページやSNSでの情報発信などにより、府民への周知を図ってまいります。
今後、大阪府人権施策推進審議会のご意見も伺いながら、これらの施策についてしっかりと検証を行い、より適切かつ効果的に実施できるよう努めてまいります。
(回答部局課名)
府民文化部 人権局 人権擁護課
(要望項目)基本要求
8.【インクルーシブ教育基本方針】
「障害者基本法改正」、「第5次大阪府障がい者計画(後期計画)」、「改正障害者差別解消法」をふまえ、大阪府の「支援教育」を、すべての子どもたちが「ともに生き、ともに学び、ともに育つ」ことを基本とした「インクルーシブ教育」へとすすめていくために、大阪府教育庁としての方針を示すこと。
(回答)
府としましては、個々の障がいの状況や発達段階等に応じた指導・支援の充実を図ることと、すべての子どもの学びが保障されることが重要であると考えています。
こうした考えのもと、大阪府では、2023(令和5)年3月策定の「第2次大阪府教育振興基本計画」において、「基本方針1確かな学力の定着と学びの深化」の重点取組として「障がいのある子どもたちの教育の充実」を掲げ、個々の障がいの状況や一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導・支援を提供できるよう多様な学びの場を設け、学びの連続性や相互連携の強化を図るとともに、地域における支援教育の専門性向上や小中学校等の校内支援体制の充実に向け、支援学校が支援教育のセンター的機能を発揮することをお示ししました。
今後も、すべての子どもが安心して学校生活を送ることができる集団づくりを大切にし、大阪府がこれまでから大事にしてきた「ともに学び、ともに育つ」教育のより一層の推進に努めてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 支援教育課
(要望項目)基本要求
9.【合理的配慮】
「改正バリアフリー法」、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」等の、支援を必要とする子どもの合理的配慮が教育現場ですすむよう施策を講じるとともに、市町村教育委員会に指導・助言すること。
(回答)
大阪府では、同法律が施行される以前より、小学校・中学校・義務教育学校における安全・安心な医療的ケア実施体制の整備に向け、市町村を支援してまいりました。今年度も、「市町村医療的ケア等実施体制サポート事業」を実施し、学校看護師の人材確保や定着支援に取組むとともに、医療的ケア児が転入学する際に必要となる施設整備に係る経費、外部人材の活用に係る経費、市町村教委が行う通学支援に係る経費について、その一部補助を行っています。
また、「令和5年度 市町村教育委員会に対する指導・助言事項」において、支援を必要とする子どもの合理的配慮が適切に行われるよう指導することを明記しており、支援教育担当指導主事会等においても、同法律の施行等について周知しています。
引き続き、各市町村をハード、ソフトの両面からサポートすることにより、「ともに学び、ともに育つ」教育のより一層の充実に努めてまいります。
「バリアフリー法」の改正に伴い、バリアフリー化の推進に活用可能な国庫補助については、2021(令和3)年度より、補助率が引き上げられる等、国においても充実が図られているところです。
今後とも、支援を必要とする子どもの合理的配慮の提供がなされるよう、働きかけを行ってまいります。
(回答部局課名)
教育庁 教育振興室 支援教育課
教育庁 施設財務課
(要望項目)基本要求
10.【貧困等】
20年3月策定「第2次大阪府子ども貧困対策計画」にもとづき、大阪府・大阪府教育庁として実効ある対策と効果の検証をおこなうこと。
(1)家庭の経済状況の厳しさ、地域の状況、ヤングケアラーであること等が、子どもたちの学びに大きな影響を及ぼしている現状をふまえ、その実態や課題の共有・連携を関係機関や市町村とおこなうこと。さらに、「子供・若者育成支援推進大綱」「子どもの貧困対策の推進に関する法律」「子供の貧困に関する大綱」の具体化をはかるため、市町村と連携した施策を講じること。
(回答)
「子どもの貧困を考える関係課長会議」や「市町村子どもの貧困担当課長会議」において庁内関係部局や市町村と実態や課題を共有しながら生活支援、教育支援、孤立防止など総合的に取組を推進しています。
また、法や大綱の趣旨を踏まえ、市町村との連携を強化し、困難を抱える子どもや保護者を支援につなぐ取組等を進めており、引き続き、補助金や取組事例の共有等により市町村の取組を支援してまいります。
(回答部局課名)
福祉部 子ども家庭局 子育て支援課
福祉部 地域福祉推進室 地域福祉課
(要望項目)基本要求
10.【貧困等】
20年3月策定「第2次大阪府子ども貧困対策計画」にもとづき、大阪府・大阪府教育庁として実効ある対策と効果の検証をおこなうこと。
(2)SSW・SSWSV・CSWを増員し、福祉行政との連携をはかり、より効果的に活用できる施策・支援をおこなうこと。
(回答)
コミュニティソーシャルワーカー(CSW)については、「第4期大阪府地域福祉支援計画」に基づき、地域福祉・高齢者福祉交付金の市町村への交付を通じて、CSWの配置促進を図っております。
福祉行政との連携については、SSW連絡会の場を活用し、ヤングケアラー支援の講義のほか、SSW、CSW及び行政の担当者が協働の仕組みづくりについてグループワークを行うなど、市町村域と地域の双方での協働の体制づくりを促進しています。
また、重層的支援体制整備事業全体研修会においても、CSW等の福祉分野の関係者と、SSW等の教育分野の関係者に参加していただき、分野を超えた連携体制の構築を働きかけました。
加えて、市町村担当職員等対象としたヤングケアラー支援研修を府内14か所で開催し、SSWやCSWにも参加いただき、多機関連携に向けた関係構築を促しました。
今後も引き続き、SSW・CSW、福祉行政が連携し、支援を必要とする子どもや子育て世帯へ、円滑に福祉サービスをつなぐことができるよう、取り組んでまいります。
府教育庁では、福祉部と連携し、今後とも「学びを支える環境づくりを支援する」こと等をねらいとした事業の取組みを進めてまいります。
市町村立小中学校については、2019(令和元)年度より政令市・中核市を除く府内全市町村のすべての中学校区にSSWを配置できるようにしました。併せて、府で雇用するSSWSVの処遇改善を行いました。
また、より効果的に福祉と連携できるように市町村雇用のSSWを対象とした研修プログラムを実施して、府内全域のSSWの資質向上を図るとともに、SSW、スクールカウンセラー、スクールロイヤーによる地区別の連絡協議会を開催して福祉との連携の在り方について協議を行っています。
SSW・CSW、福祉行政間の連携については、SSW連絡会やCSWブロック別勉強会の場を活用し、SSW、CSW及び行政の担当者がそれぞれ可能な支援を出し合いながらグループワークを行うなど、相互の制度・活動内容の理解の促進を図るとともに、円滑な連携に向けて顔の見える関係づくりに努めています。
加えて、今年度からは、市町村のSSW事業構築や充実に係る検討会を開催し、府で雇用する市町村支援担当のSSWSV、市町村教育委員会、市町村雇用のSSWが参加し、市町村の課題をふまえ、福祉との連携を含めた今後の事業の在り方について検討を重ねているところです。
2023(令和5)年度は、高等支援学校5校と府立中学校2校を含む110校にSSWを配置しています。SSW未配置校においては、SSWSVの定期的な巡回等により、全ての府立高校が必要な時に専門家に相談できる体制を構築しています。ヤングケアラーを含め貧困等に直面している生徒の支援など、SSWの必要性は高まっていることから、効果的な配置等の検討を進めてまいります。
また、子どもたちに対する学習支援や放課後等の様々な体験・交流活動については、市町村が実施主体となり、「学校支援活動」や「放課後子ども教室」において地域のボランティアの方々の協力を得ながら実施されています。
府教育庁としては、広域的な観点から、市町村に対して、経費補助や研修等による地域人材の育成、企業・団体等との連携による子どもたちへの多様な活動プログラムの拡充等を行い、市町村の取組みを支援してまいります。
(回答部局課名)
福祉部 地域福祉推進室 地域福祉課
教育庁 人権教育企画課
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 市町村教育室 地域教育振興課
教育庁 教育総務企画課
(要望項目)基本要求
11.【ヘイトスピーチ】
「ヘイトスピーチ解消法」、「大阪府人種又は民族を理由とする不当な差別的言動の解消の推進に関する条例」をふまえ、ヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)やインターネットに書き込まれる人権侵害事象について、大阪府・大阪府教育庁として「差別を許さない姿勢」を明らかにすること。また、意図的でなくとも無理解や偏見による言動は差別であることを含め、子どもたちや保護者、地域、府民に対して周知するとともに、学校現場のとりくみを支援する方策を確立すること。「ヘイトスピーチの問題を考えるために―研修用参考資料―」の内容についても精査し、府立学校や市町村教育委員会・学校現場に周知徹底をはかること。
(回答)
ヘイトスピーチは、人としての尊厳を傷つけ、差別意識を生じさせるものであり、許されないものと認識しています。
大阪府としましては、ヘイトスピーチを禁止する府の強い姿勢を府民に見える形で示し、ヘイトスピーチは許さないという共通認識を社会に根付かせるため、「大阪府人種又は民族を理由とする不当な差別的言動の解消の推進に関する条例」を2019(令和元)年11月に施行し、府民向けリーフレットを活用するなどして啓発を行ってまいりました。また、2021(令和3)年度からは、条例施行月である11月を条例啓発推進月間と定め、条例の周知・啓発の取組みを集中的に行っています。
引き続き、人種又は民族を理由とする不当な差別的言動の解消の必要性に対する府民の関心や理解が深まるよう、この条例の周知を図るとともに、ヘイトスピーチの解消に向けて取り組んでまいります。
府教育庁としては、教職員がヘイトスピーチについての理解を深め、人権尊重の精神を基盤に在日外国人に対する差別を許さない態度を培うとともに、すべての児童生徒に対して一層適切な教育を進めることが重要であると認識しています。2022(令和4)年には、「ネット上の偏見・差別について考える学習活動体系」を作成するとともに、ヘイトスピーチについて考える教材の指導のてびき等を作成・配付し、活用を進めているところです。加えて、2015(平成27)年に作成し、2017(平成29)年、2020(令和2)年に改訂した「ヘイトスピーチの問題を考えるために-研修用参考資料-」については、「大阪府人種又は民族を理由とする不当な差別的言動の解消の推進に関する条例」の施行をふまえ、引き続き市町村教育委員会及び府立学校への周知に努めるとともに、必要に応じて改訂を進めてまいります。
また、意図的でない場合であっても無理解や偏見による言動が差別となる場合があることについては、「人権教育COMPASS」や大阪府教育センターで実施する人権教育研修で紹介しています。
(回答部局課名)
府民文化部 人権局 人権擁護課
教育庁 人権教育企画課
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
(要望項目)基本要求
12.【虐待】
20年4月施行「改正児童虐待防止法」、16年6月「改正児童福祉法」をふまえ、虐待防止に努めるとともに、家庭支援をおこなうこと。また、子どもへの虐待について教職員の認識を深めるとともに、虐待を受けている子どもたちのSOSを見抜く力や迅速かつ適切な対応ができる力を身につけるための研修をおこなうこと。
(回答)
児童虐待は、子どもの心身の発達に深刻な影響を与え、時には生命の危機に発展する重大な人権侵害であるとの認識のもと、複雑困難化している児童虐待問題等に対応するため、子ども家庭センターでは、2016(平成28)年度から介入を中心とする相談対応課と、支援を中心とする育成支援課を設置しました。
また、子ども家庭センターの体制強化については、2019(令和元)年に策定した児童福祉司の増員計画において、国の配置標準を踏まえ、高い専門性の確保・維持の観点から、計画的に毎年20人程度増員することとしております。
また、法的対応の専門家である弁護士や、子どもの受傷原因を診断する医師等からなる「大阪府児童虐待等危機介入援助チーム」と連携するとともに、子ども家庭センターに警察官OBを配置しています。
さらに、2019(令和元)年8月に知事を座長とする大阪児童虐待防止推進会議を設置し、児童虐待の早期発見・早期対応のためのオール大阪での取り組みを進めています。
家庭支援については、地域での見守りや市町村の役割が重要であり、要保護児童対策地域協議会を中心に取り組んでおり、今後とも、児童虐待の防止に向け全力で取り組みます。
府教育センターでは、「小・中学校長人権教育研修」、「小・中学校教頭人権教育研修」、「府立学校長研修」、「府立学校教頭研修」、「小・中学校人権教育研修」及び「府立学校人権教育研修」の講義等の中で、虐待を受けている子どものサインに気付くことや関係機関等との連携について認識を深めています。
また、2014(平成26)年、2015(平成27)年及び2021(令和3)年に「人権教育リーフレット こどもの虐待」を作成・改訂し、府内小・中・高等・支援学校に配付しています。
小・中・高等・支援学校の初任者研修においても、児童虐待の現状や学校における対応、学校と福祉との連携について理解を深めています。
(回答部局課名)
福祉部 子ども家庭局 家庭支援課
教育庁 教育振興室 高等学校課
(要望項目)基本要求
13.【自死】
大阪府・大阪府教育庁として子どもたちの自死にかかわる状況を把握し、生命と人権を守る具体的施策を講じること。
(回答)
2022(令和4)年10月に見直しされた国の「自殺総合対策大綱」に基づき、2023(令和5)年3月に「大阪府自殺対策計画」を策定、「子ども・若者の自殺対策を推進する」を新たに重点施策に位置づけ、庁内外の関係機関と連携し、必要な対策に取組んでいます。
府教育庁としては、国事業を活用し、24時間電話相談やLINE相談などの相談窓口の充実を図るとともに、府内全中学校にスクールカウンセラーを配置するなど、子どもたちが相談しやすい環境を整えています。併せて、各学校において、子どもたち一人ひとりの自尊感情を高め、自他の人権を尊重し、子ども同士のつながりを作り出すため、ホームルームや行事等を通じた人間関係づくりや、互いを認め合う集団づくりを進めるよう、市町村教育委員会に対し指導助言を行っているところです。
なお、文部科学省からの通知にあった「長期休業日が終了した学期初め等の時期において、児童生徒の心身の状況や行動に変化が現れやすいことから教職員等が連絡・協力し法及び法に基づく国の基本方針に沿って対応すること」などを各学校へ周知を行うよう市町村教育委員会に改めて通知しています。
府立高校におきましては、例年、入学段階で宿泊研修などを行い、生徒同士のつながりを作り出す取組みや学校行事、部活動等を通して、生徒が互いに交流する取組みを行っており、その中で互いに違いを認め合う集団づくりを進めています。
また、生徒へのアンケート「いじめ等に関するアンケート調査」、「セクシュアル・ハラスメントに関するアンケート」を実施し、教育相談の窓口を周知するとともに、いじめ、セクシュアル・ハラスメント、体罰等について実態把握に努めています。
さらに、2014(平成26)年度から、すべての府立高校で高校生活支援カードを活用しています。このカードにより、これまでの学校生活において生徒や保護者が不安や困難を感じていること等について入学時の早い時期に把握し、生徒が安全で安心な学校生活を過ごすことができるように引き続き努めてまいります。
私立学校においても、各学校が教科学習や道徳・総合的な学習(探究)の時間・特別活動との関連を図りながら、生命の大切さや人生のかけがえのなさを実感することができる教育を進めているところです。引き続き、教職員と子どもとの間に信頼関係を構築する取組みをはじめ自殺予防についての組織的な対応を、校長会等を通じ、私立学校に求めてまいります。
(回答部局課名)
健康医療部 保健医療室 地域保健課
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 私学課
(要望項目)基本要求
14.【いじめ】
大阪府におけるいじめ・不登校、暴力行為の実態を明確にし、その解決のための施策を明らかにすること。「いじめ防止対策推進法」の目的にも「児童等の尊厳を保持するため」とあるように、いじめは「重大な人権侵害行為で、差別であり、絶対許されない行為」であることをふまえ、大阪府教育庁として、日常から人権学習や学級集団づくりをとおして、管理職をはじめ教職員に差別やいじめを見抜く確かな人権感覚を育てるよう、府立学校および市町村教育委員会を指導すること。
(回答)
2022(令和4)年度問題行動・不登校等調査の結果によりますと、いじめ認知件数は市町村立小中学校で増加しています。いじめの解消率については、小中学校ともに低下しています。2017(平成29)年3月の国「いじめ防止基本方針」改定により、校種を超えての確認が必要であること、安易に解消とせず丁寧に見守りを行うこと等が必要であり、引き続き、すべての解消をめざして取組みを進めたいと考えています。不登校児童生徒数は小中学校とも引き続き増加し、暴力件数も、小中学校で増加しています。
いじめ認知件数 | いじめ解消率(%) | 不登校者数 | 暴力件数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021 |
2022 |
2021 |
2022 |
2021 |
2022 |
2021 |
2022 |
|
小学校 |
45,801 |
55,310 |
86.1 |
79.9 |
6,135 |
7,084 |
3,966 |
5,340 |
中学校 |
7,137 |
9,237 |
77.1 |
76.2 |
11,277 |
12,868 |
2,974 |
3,830 |
(政令市を含む公立小中学校)
府教育庁としては、この間、いじめを乗り越えるために必要な力を子ども一人ひとりに育むため、様々な資料を作成し、各学校で効果的に活用できるよう、教員を対象の研修を実施するなど、いじめの未然防止に取り組んできました。
また、2017(平成29)年3月の国「いじめ防止基本方針」の改訂に伴い、学校いじめ防止基本方針につきましても各学校において機能的に取り組まれているか、市町村ヒアリングで確認しているところです。
加えて、2019(令和元)年6月に、学校のいじめ対応について、すべての教職員が改めて確認・見直しを行うよう「いじめ対応セルフチェックシート」を作成・配付し、各学校での活用を促しています。
- 「いじめ対応プログラム」2007(平成19)年6月
- 「いじめ対応マニュアル」2012(平成24)年12月
- 「問題行動対応チャート」2013(平成25)年8月
- 「いじめ対応セルフチェックシート【学校用】【教育用】」2019(令和元)6月
併せて、児童生徒の悩みの相談や心のケアのため、府内公立全中学校へスクールカウンセラーを配置するとともに、夜間・休日を含めて24時間対応が可能な電話相談窓口を設置しています。
また、2012(平成24)年7月に府教育庁のホームページに「いじめや学校生活で悩んでいる方へ」のページを開設し教育相談の充実を図りました。
今後とも「いじめは人間として許されない行為である」「いじめは誰にでも、どの学校でもおこりうる」との認識のもと、人権が尊重された教育を推進するとともに、いじめに対しても、各学校が校内組織体制を整備し適切に対応できるよう、市町村教育委員会に対して引き続き指導してまいりたいと存じます。
不登校児童生徒への対応として、教育相談体制の充実を図るため、2023(令和5)年度も、小学校へのスクールカウンセラーの活動時間の拡充を継続しました。
また、今年度新たに、「校内教育支援ルーム」を設置する府内小中学校101校に支援人材を配置し、学習支援や相談支援を進める事業を開始しました。様々な要因が複雑に絡んでいる不登校の対応について、「校内教育支援ルーム」を支援の核とし、スクールカウンセラー等専門家との連携、ICT機器を活用するなど、個々の児童生徒の状況に応じた学習面・生活面等における多様な支援を進めているところです。
加えて、研究所加配教員を18市に配置し、配置市における不登校児童生徒の減少に向けた取組みの推進を行っています。
さらに、長期化する不登校児童生徒に対して、家庭及び適応指導教室と学校が連携し、より個に応じたきめ細やかな支援ができるよう、個別支援計画を作成し、不登校児童生徒の支援に努めるとともに、フリースクール等の民間団体との連携についても研究を進めています。
暴力行為への対応としては、2015(平成27)年度より、中学校において生徒指導機能の強化が図られるよう非常勤講師を配置し、2016(平成28)年度より、小学校においてチーム体制の充実が図られるよう、校長OBやSSWサポーター等を支援人材として配置しました。2017(平成29)年度から3年間、これら小中2つの取組みを統合し、校区の学校が連携し、9年間を通した指導体制の強化に取り組みました。さらに未然防止の観点からは小学校高学年を対象とした非行防止教室や、中学校生徒会サミットなど子どもの発達段階に応じた取組みを行っています。
生徒指導上の課題解決には、児童生徒理解の充実と、校内生徒指導体制の整備が必要であり、家庭・地域・関係機関と連携しながら、学校の総合的な問題解決機能の向上を推進していくことが重要であります。そのため、課題の多い学校には、様々な役割をコーディネートする教員である児童・生徒支援コーディネーターを配置し生徒指導の充実等を図っています。
さらに、虐待・いじめ等の深刻な、あるいは深刻化する可能性のある事案については、2020(令和2)年度から、いじめ虐待等対応支援体制構築事業として、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー・スクールロイヤー等からなる緊急支援チームを、市町村教育委員会の要請に応じて派遣し、市町村及び学校への支援を行っています。加えて本事業では、府内38中学校に非常勤講師を、府内64小学校に教員OBの支援人材を配置し、生徒指導機能の充実を図っています。
併せて、学校と関係機関との連携を進めるため、学校と福祉をつなぐ専門家であるSSWを市町村が主体的に配置できるよう、政令市・中核市を除く府内すべての中学校区への配置をめざして市町村への補助を行い、ケース会議の充実等市町村教育委員会と連携した学校への支援を進めています。
今後、より適切な子ども支援のための方策を検討してまいります。
高等学校におきましては、令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査から、大阪府の府立高等学校におけるいじめの認知件数は393件、不登校生徒数は4,380人、暴力行為の発生件数は304件となっております。これらの課題解決に向けましては、高校入学後の生徒の定着を図る観点から、出身中学校との連携、生徒同士や教員との人間関係作り、基礎学力の充実といった取組みを進めるとともに、スクールカウンセラーを活用し、さまざまな課題を抱えている生徒の心のケアにも努めているところです。
2023(令和5)年度から、生徒へのアンケート「安全で安心な学校生活を過ごすために」といじめアンケートを統合し、年間3回以上の実施としました。アンケートの実施に伴い教育相談の窓口を周知するとともに、いじめ、セクシュアル・ハラスメント、体罰等について実態を分析し、未然防止対策に努めております。さらに、2014(平成26)年度から全ての府立高校で高校生活支援カードを活用しております。このカードにより、これまでの学校生活において生徒や保護者が不安や困難を感じている等について把握し、生徒が安全で安心な学校生活を過ごすことができるように引き続き努めてまいります。
(回答部局課名)
教育庁 市町村教育室 小中学校課
教育庁 教育振興室 高等学校課
(要望項目)基本要求
15.【体罰・パワハラ・セクハラ】
教職員等による体罰、パワー・ハラスメント、セクシュアル・ハラスメントなどの人権侵害を防止するための具体的方策を示すこと。
(1)人権侵害が発生した場合の組織的な対応システムについて明らかにすること。また、相談員の研修の充実をはかること。
(回答)
「人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ]」においては、「人権感覚を身に付けるためには、学級をはじめ学校生活全体の中で自らの大切さや他の人の大切さが認められていることを児童生徒自身が実感できるような状況を生み出すことが肝要である。」と示されています。
また、「人権教育推進プラン」においても、「人権が尊重された教育」として、「学校教育においては、教科指導、進路指導、生活指導等広範な指導が行われているが、すべての教育活動が、子どもの人権を尊重する視点とそれにふさわしい環境で行われることが重要である。そのためには、指導に当たる教職員が鋭敏な人権感覚・意識を持つことが重要である。」と示しています。
2023(令和5)年3月、教職員が自らの人権意識をより一層高めるとともに、教育現場における差別事象への適切な対応を図ることを目的として、「教職員のための差別事象対応ワークシート」を府立学校及び市町村教育委員会に発出しました。
教職員等による児童生徒等に対する体罰、セクシュアル・ハラスメント等については、児童生徒等の心を傷つけ、その後の成長に避けがたい影響を与えるものであり、個人の尊厳や人権を侵害するものであると認識しています。
そのため、教職員等による児童生徒等に対する人権侵害への防止策としまして、「教職員による児童生徒に対するセクシュアル・ハラスメント防止のために」や体罰防止マニュアル等を作成し、各学校においても研修の充実が図られるよう、各市町村教育委員会へ指導をしています。2021(令和3)年7月には、「教職員等による児童生徒等に対するセクシュアル・ハラスメント等の防止に向けた取組み(教育委員会用・学校園用)」を作成し、予防的な取組みや万が一事案が発生した際の対応について記載した資料を市町村教育委員会及び小中学校に配付しました。
また、2022(令和4)年に施行された「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」及び基本的な指針について、あらゆる機会を通じて周知しているところです。
万一、教職員等による児童生徒等に対する人権侵害が発生した場合には、被害児童生徒等へのケアを第一に行い、加害者に対する指導や再発防止の検討等について市町村教育委員会、関係各課と連携しながら対応を行っていきます。
また、教育センターにおいて、府立学校の教職員に対して「セクシュアル・ハラスメント相談窓口担当者研修会」を実施しています。
(回答部局課名)
教育庁 人権教育企画課
教育庁 教育振興室 高等学校課
教育庁 市町村教育室 小中学校課