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日本労働組合総連合会大阪府連合会 部落解放大阪府民共闘会議 要望書
要望受理日 | 令和5年10月23日(月曜日) |
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団体名 | 日本労働組合総連合会大阪府連合会 部落解放大阪府民共闘会議 |
取りまとめ担当課 | 商工労働部 雇用推進室 労働環境課 |
表題 | 就職差別の撤廃に向けた取り組み強化への要請 |
要望書
2023年10月23日
大阪府知事
吉村 洋文 様
日本労働組合総連合会大阪府連合会
会長
部落解放大阪府民共闘会議
議長
就職差別の撤廃に向けた取り組み強化への要請
日頃から貴職におかれましては、地域の雇用の安定と安心して働ける環境作り、さらには、労使関係の安定、企業倫理の向上のために、ご尽力いただいていることに敬意を表します。
さて、私たちは、就職差別をはじめ、すべての差別をなくすための人権教育や啓発活動に、構成組織・NPO・NGOとともに取り組んでいるところです。
連合では活動の一つとして、採用選考における就職差別の実態を把握するため、2023年4月、直近3年以内に新卒または中途採用試験を受けた、全国の15歳から29歳の男女を対象に、インターネット調査「就職差別に関する調査」を実施しました。
調査報告書の中から、「統一応募用紙」「厚生労働省の参考様式に準じた応募用紙」を使用していない事業所で、本人の適性・能力の判定に必要のない「本籍地・出生地」や「家族構成・家族の職業や収入の記入」を求めている実態や、業務遂行に必要としない「健康診断の実施・健康診断書の提出」がいまだ行われているなど、差別に繋がるおそれのある実態が少なくないことが明らかになりました。
貴団体におかれましても、今回の調査結果から、「職業安定法第5条の5」「男女雇用機会均等法」や「統一応募用紙」の趣旨をふまえ、就職差別をはじめ、あらゆる差別の廃絶に向けた人権教育・啓発活動の一層の取り組み強化を府内企業に対して徹底していただくようお願いいたします。
記
- 「統一応募用紙」「厚生労働省履歴書様式例(2021年策定)」の使用を企業や関連団体等に対して周知徹底すること。
- 個人の能力に必要としない「戸籍謄(抄)本の提出」や、面接時における「本籍地・出生地」、「家族構成・家族の職業や収入」、「男女差別につながる未婚・既婚や結婚の予定」等の質問は行わないこと。
- 応募時における健康診断の実施や健康診断書の提出は、業務遂行に必要な特定職種に限定すること。
- 就職差別を無くしていくために、大阪労働局および関係部局との連携のもとに実施されている「就職受験結果報告書」の取り組みの現状を明らかにするとともに、普及拡大に尽力すること。また、府内の新規学卒者以外の求職者に対し、府の相談窓口で啓発、就職面接後の聞き取り調査を行うなど、ハローワークと連携し公正な採用選考の取り組みに違反する事象の一掃に取り組むこと。
- 「就職差別に関する調査」では、求職者の1割がSNS調査を行われていた実態が浮き彫りとなったことから、大阪労働局および関係部局と連携し実態把握に取り組むこと。
- 厚生労働省が示している性別欄の任意記載欄など、新たな履歴書の様式例の活用について把握するとともに、府内の企業・学校等への周知・啓発の取り組みについて明らかにすること。
- 上記、就職差別をはじめとする、あらゆる差別の廃絶に向けた人権教育・啓発活動の強化を図ること。
以上