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更新日:2024年6月5日

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(きょういくニュース 第266号(2024年6月) 4ページ)
特色ある学校づくり「大阪府立柴島高等学校」

大阪府立柴島高等学校

大阪府大阪市東淀川区柴島1丁目7番106号
06-6323-8351
学校ホームページ(外部サイトへリンク)

経 緯

昭和50年、地域の熱い期待のもと、本校は誕生しました。創立以来、人権教育をベースに、「一人ひとりの違いを認め、互いを尊重し合える人間関係の中で、自分の持てる力を最大限に伸ばす」ことを教育の柱として歩み続け、今年で50周年を迎えます。
平成8年には、大阪府で最初の総合学科として再スタートしました。総合学科ならではの多様な選択科目と本校独自のコアカリキュラムにより、将来、社会で生きていくために必要な資質や能力を養成する取組みをすすめています。
また、平成18年には、これも大阪府で初となる「知的障がい生徒自立支援コース」が設置され、平成30年からは「通級による指導」も始まりました。障がいの有無にかかわらず、それぞれの生徒が「ともに学び、ともに育つ」という経験を積み重ねることで、共生社会の実現に寄与できる豊かな人権感覚を育んでいます。

柴島高校の外観

 

 

 

 

 


校舎の外観

 

柴島高校の敷地内

校内の風景 

教育目標など

本校は「生徒一人ひとりを大切にし、それぞれの“力”を最大限に伸ばしていく学校」をめざし、以下の4点を重点目標として、教育活動を展開しています。

1.違いを認め合い多様性を尊重する人権教育・集団育成の取組みをすすめるとともに、様々な課題を抱える生徒への支援を行う
2.「知的障がい生徒自立支援コース」及び「通級指導教室」の設置校であることも踏まえ、「ともに学び、ともに育つ」教育をさらに推進する
3.総合学科のシステムを活用し、それぞれのニーズに応じた教育内容を提供することにより、生徒の進路実現をサポートする
4.コアカリキュラムをはじめとする様々な取組みにより、思考力・判断力・表現力や主体性・協働性を育成する

違いを認め尊重し合える関係づくり

〇「学校開き」「クラスミーティング」「託すHR」
本校は「自分のことを伝える」「他人の話を真剣に聴く」ということをとても大事にしています。そのため、毎年4月早々に「学校開き」を行っています。全校生徒が体育館に集まり、その中で2・3年生の代表者が前に立って、自分の立場や思い、考え方、悩みや葛藤、将来の夢や決意など、自分のことを自分の言葉で話します。そして、代表者の言葉を真剣に聴いている2・3年生の姿を見て、1年生も「ここでなら自分のことを話しても大丈夫」という本校の空気感に触れることになります。
この「学校開き」を受けて、1年生は1泊2日のHR合宿に出かけます。そこでは、クラスごとに一人ひとりが自分のことを語り、それをクラス全員で聴くという「クラスミーティング」が行われます。それぞれの思いや考え方を受け止めながら、無理に同調するのではなく、違いがあることを理解したうえで、否定したり排除したりしないということを考えます。また、2・3年生もそれぞれ、LHR等の時間を利用して、新クラスでのミーティングを行います。
その後、各学年で、学校行事やHR活動、授業などをとおして、安心して話せる関係が構築され、違いを認め合い多様性を尊重する集団が形成されていきます。さらに、12月には、3年生が1・2年生のクラスに入り、3年間を振り返っての思いや後輩に伝えたいことを語る「託すHR」が行われます。そして、これを聴いた1・2年生が翌年4月の「学校開き」をつくっていくことになるのです。これら一連の取組みこそ、長年にわたり本校で大切に紡がれてきた伝統であり、文化であると言えます。

学校開き
学校びらき

クラスミーティング
クラスミーティング

託すホームルーム
託すHR

「アミティエ」(知的障がい生徒自立支援コース)と共生推進委員会

本校には「知的障がい生徒自立支援コース」が設置されており、「アミティエ」という愛称で呼ばれています。フランス語で「友情」を意味する言葉で、「障がいのある生徒も一緒に過ごす周りの生徒も、みんなアミティエになれるように」という願いが込められています。
「アミティエ」の生徒はそれぞれが自分のクラスに属し、周りの生徒と繋がりを持って、互いに刺激を受けながら学校生活を送ります。「違いを認め合い、ともに成長する」という理念のもと、HR活動や学校行事はもちろん、多くの授業でも、ともに学んでいます。
また、本校では、生徒会の組織として各クラスから共生推進委員が選出され、障がいの有無にかかわらず全ての生徒が安心して過ごせる環境づくりをめざして活動しています。共生推進委員はアミティエ生との日常的な「ランチ会」や年3回オープンする「アミティエカフェ」、本校生徒のみならず地域の小中学生も多数参加して盛りあがる「アミティエ交流会」(12月)などの企画や運営に携わり、全校生徒を巻き込んだ「ともに学び、ともに育つ」取組みの中心になっています。

ランチ会
ランチ会

アミティエ交流会
アミティエ交流会

通級による指導

多様な生徒が入学する本校では、「通級による指導」を主要な取組みの一環として位置づけています。様々な発達特性により学習や生活に困難を感じている生徒に対して、一人ひとりの状況に応じた指導を行う中で、自分の良さや個性を活かすことを大切にしながら、他者と繋がり自立するために必要な力の獲得をめざしています。対象生徒は「ライフスキルトレーニング」という授業を選択して教育課程内で指導を受けますが、必要に応じて放課後に指導することもあります。

未来を創る学力の育成

〇総合学科ならではの多様な選択科目
総合学科では、あらかじめ決められた科目だけを学ぶのではなく、多くの選択科目が設定されており、生徒一人ひとりの興味、関心、進路希望などによって、それぞれが科目を選択して、自分だけの時間割をつくります。本校は、普通科の教科・科目に加え、農業、商業、福祉、看護といった教科の専門科目を設置しています。学校設定科目も多く、トータルで80を超える科目の中から選択することができます。このような総合学科のシステムを最大限に活用して、多様なニーズに応じた教育内容を提供するとともに、それぞれの進路実現をサポートすることが、本校の大きな特色の一つです。
また、本校の教員による授業はもちろん、専門人材が講師となっての授業、大学や専門学校からゲストティーチャーを招いての講義や演習、地域の企業や病院、保育所や福祉施設をはじめとする関係機関と連携した実習やフィールドワークなど、各科目で多彩な学びができるのも本校の大きな魅力となっています。具体的にどのような科目があるのか、ぜひ本校のホームページを覗いてみてください。

グラフィックデザイン
グラフィックデザイン 

家庭園芸
家庭園芸

基礎看護
基礎看護

コアカリキュラム

本校独自の「コアカリキュラム」と総称する科目群を中心に、生徒たちは様々な課題に取り組みながら、自ら学ぶ姿勢、自分で判断し決定する力を養います。この学びが社会人として自立し様々な人々と協働しながら生きていくための資質や能力の基礎になると考えています。
「コアカリキュラム」は、生徒全員の必修科目として、3年間を通じて体系的に取り組まれます。1年次には、「ライフプラニング」(産業社会と人間)において、自分の将来や生き方、他者との関わりを考えるとともに、様々な人権問題などについて学びます。2年次には、「協働」(総合的な探究の時間)において、チームで様々な課題にアプローチして解決するための学習を行い、「小論文」(学校設定科目)では、情報を読み取ったり自分の考えを文章にまとめたりするためのスキルを磨きます。3年次には、「卒業研究」(総合的な探究の時間)において、各自がテーマを設定して研究をすすめ、その過程や成果を論文とプレゼンテーションによって発表します。また、これらと並行して、3年間、毎朝のモジュール授業である「論理演習」(学校設定科目)を行い、全ての学びの基礎となる論理力を高めます。

グループワーク
グループワーク

ディスカッション
ディスカッション

プレゼンテーション
PTAへのプレゼンテーション

広報活動

たくさんの方々に本校の特色や魅力を知っていただきたいという願いから、本校では広報活動に力を入れています。
学校ホームページについては、令和5年に、全面的にリニューアルしました。本校の特色を「あ、色んな人がいる。」というキャッチコピーで示し、「人権教育」と「未来を創る確かな学力」を両輪とするコンセプトをビジュアル化しつつ、生徒のいきいきとした姿を見ていただくことで、「主体的に行動する」というイメージを表現しています。
広報担当教員を中心に議論し、デザインや色づかいにも工夫を凝らし、本校の特色と魅力を強く発信するものに仕上がりました。併せて、学校紹介パンフレットやオープンスクール用のポスターも統一したコンセプトで作成しており、いずれも非常に高い評価をいただいています。ぜひご覧ください。
また、本校の特色や魅力を直接アピールする機会として、「進学フェア」「地区高校合同説明会」や各地域での高校説明会などに積極的に参加するとともに、本校のオープンスクール(学校説明会)も充実させています。特に、近年では、生徒が主体となった広報活動が活性化しています。例えば、校内外を問わず、学校紹介のプレゼンテーションは生徒会執行部が見事に務めます。また、年3回実施するオープンスクールでは、広報委員の生徒が受付、誘導、校内見学の案内などを行い、優れたホスピタリティを発揮します。さらに、来場者歓迎のため、ダンス部、和太鼓部、軽音楽部、吹奏楽部などが、ときには部活動の垣根を超えて、素晴らしいパフォーマンスを披露します。このように、生徒が前面に登場する場面をたくさんつくることで、中学生にとって本校生徒がロールモデルになっているようです。実際、「オープンスクールでの先輩の姿に憧れて柴島高校を選んだ」という声もいただいています。
引き続き、広報活動のさらなる充実や、本校の特色と魅力の発信に努めていきます。

ホームページのトップ画面
ホームページのトップ画面

オープンスクールで案内する広報委員
オープンスクールで案内する広報委員

オリジナルソング「バトン」
 本校オリジナルソング「バトン」のパフォーマンス
 

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