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更新日:2024年2月1日

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府立高校生によるメタバース空間を活用した大阪・関西万博に向けた機運醸成の取組み(きょういくニュース 第262号 4ページ)

メタバース空間「大阪府立バーチャル高校」について

令和5年9月に大阪府教育庁は、府立学校の生徒たちが大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」の実現に向け、世界中のさまざまな人と協働し、新しい価値を創造することができるメタバース空間「大阪府立バーチャル高校(愛称「EEnen(ええねん)」)」を構築しました。

広場の画像(舞台とイチョウの木)
大阪府立バーチャル高校「EEnen(ええねん)」

Tシャツを着たロボットの画像大阪府立バーチャル高校「EEnen」への入室は、アプリ「cluster」においてワールド検索、もしくは、メタバース空間「バーチャル大阪」からワープの2つの方法があります。空間への入室前に、自身を仮想表現するアバターを自由に設定することができます。令和6年2月末までに複数回入室した人は、同年3月中旬以降、本空間オリジナルのアバターとして、府立鶴見商業高等学校の生徒が日本のお祭りではお馴染みの「ヨーヨー」と大阪・関西万博公式キャラクターの「ミャクミャク」をイメージしてデザインしたTシャツを着たアバターを選択することができるようになります。

鶴見商業高校の生徒がデザインしたTシャツ

メインエリアは自然あふれる公園のイメージで、大阪府のシンボルツリー「イチョウ」、イベントエリアには発表ができるステージと映像を投影できるスクリーンが設置されており、国内外のさまざまな人が集い一体感のあるイベントの実施ができる仕様になっています。
また、交流エリアにはグループワークができる机や椅子と、議論した内容を記載できるホワイトボードを設置し、Learnエリアからは調べ学習で活用できる外部リンクにアクセスできます。様々な人とコミュニケーションをとるだけでなく、協働的な学びの中で疑問に思ったことを空間を利用して調査したり、自らの意見を他者に共有したりすることが可能となっています。学習の休憩時間や他のアバターが入室するまでの待ち時間には、アクティビティエリアの積み木を飛び移っていき高台まで到達できるかに挑戦できる遊びのある空間となっています。

広場の写真2枚
大阪府立バーチャル高校「交流エリア」 大阪府立バーチャル高校「交流エリア」

山の上にいるアバターの画像、図書館の画像
大阪府立バーチャル高校「アクティビティエリア」 大阪府立バーチャル高校「Learn」エリア

大阪府立バーチャル学校「EEnen」で実施された4回のイベントについて

第1回公開記念イベント(9月実施)

大阪府立バーチャル学校「EEnen」を公開した9月、「大阪・万博について英語で学ぼう」をテーマに商業系高校4校(大阪ビジネスフロンティア高校、淀商業高校、鶴見商業高校、住吉商業高校)の生徒約100名がメタバース空間に一堂に会し、アバターを用いて「楽しい」「嬉しい」「応援」などの感情をエモート機能(アバターにジェスチャーやダンスなどをさせて、挨拶や感情表現をする機能)で表現し、他校生徒とコミュニケーションをとりながら、大阪と万博について英語で楽しく学ぶ公開記念イベントを実施しました。

大画面の前にアバターが集まっている画像、アバター同士の交流画面
イベント「大阪・万博について英語で学ぼう」 挨拶や感情を表現するエモート機能

第2回イベント(10月実施)

商業系高校が中心となり大阪工業大学 水野研究室と共同開発した「文豪かるた」を用いて、文学・商品開発・知的財産権について学ぶイベントを実施しました。約130名が参加し、メタバース空間において「アバターがかるたを取る」という新しい体験をするとともに、著作権フリーとなった有名な文学作品に触れ親しむことができました。

文豪かるたの説明をスクリーンで見ているアバターの画像
イベント「文豪かるたで学ぼう」

有名なセリフから、作家を選択する画面
イベント「文豪かるたで学ぼう」 文豪かるたを選択している画面

第3回イベント(11月)

商業系高校4校によるダンスパフォーマンスや部活動の演奏、そして各校のPR動画を放映する「文化祭&学校PR」イベントを開催しました。
国内外から約140名と多くの参加があり、商業系高校のダンスパフォーマンスや演奏等にエモート機能やチャット機能を用いて国境を越えたコミュニケーションを図り、フェスのように盛りあがることができました。

巨大スクリーンでライブを見るアバターの画像
イベント「文化祭&学校PR」

ダンスパフォーマンス、多くのアバターが集まっている画像
イベント「文化祭&学校PR」 国内外からの多くの参加者と交流する様子

第4回イベント(1月)

この間、3回のイベントで培ってきたイベント企画運営のノウハウを基に、商業系高校4校が中心となり、大阪・関西万博に向けた機運醸成イベント『「いのち輝く未来社会のデザイン」に関する発表会』を令和6年1月29日にメタバース空間で実施しました。
発表校と発表テーマは次のとおりです。

発表校と発表テーマ一覧
発表校 発表テーマ
鶴見商業高校 『伝統文化が生活に自然に溶け込み気軽に楽しめる社会』
園芸高校 『農福で世界を繋げ-農業高校生の私たちにできること-』
大阪ビジネスフロンティア高校 『高齢者向けフィットネスジム N&L』
大阪ビジネスフロンティア高校 『エンホリ-enjoy holiday-』
水都国際高校 『「宝の砂」月の粉塵(レゴリス)除去に関する研究』

全府立学校から参加チームを募集し、府立学校4校5チームの生徒が発表、淀商業高校・住吉商業高校・東淀工業高校3校の生徒との質疑を行いました。鶴見商業高校の生徒が司会を務め、アバターのエモート機能を駆使した表現で立派な進行をしてくれました。
参加した方々から、次のようなコメントをいただきました。

青い服を着たアバター「千利休の言葉、そして地域連携プロジェクトの皆さんの熱いメッセージ、心に響きましたね。この大阪府立バーチャル高校「EEnen(ええねん)」での出会いも一期一会ではありますが、今回のイベントをきっかけに鶴見商業高校はもちろん、他の高校にも興味をもって繋がってもらえたら嬉しいです。」(鶴見商業高校の発表へのコメント)

黄色い服のアバター「自分たちで野菜を育てる体験だけじゃなくて、収穫した野菜を使った料理も一緒に考えるところまでプロジェクトに含まれているところが、親子で勉強になるポイントだと感じました。」(園芸高校の発表へのコメント)

赤い服を着たアバター「高齢者の方が多くジムを利用しているというところに着目して、高齢者向けのジムをつくろうと考えるなんて商業高校ならではの発想ですね。安全面の配慮はもちろん、通い続ける楽しみも考えているのは大切だと感じました。」(大阪ビジネスフロンティア高校の発表へのコメント)

ロボットのアバター「最近は外国人観光客の数も増えてきましたが、外国人だけでなく、子どもにも日本の文化を体験する機会を作るという発想は、一石二鳥という感じで良いと思いました。
また、そこに昔ながらの日本文化を知っている年配の方をつなげていくというのも素敵なアイデアですよね。」(大阪ビジネスフロンティア高校の発表へのコメント)

白い服を着たアバター「まさに大阪・関西万博のテーマ「未来社会のデザイン」にぴったりの、月に居住するための取り組みからの研究でしたね。レゴリス、初めて聞きましたが、危険で有害なものと決めつけるのではなく、活用していく道を見出すところが個人的に面白いと感じました。」(水都国際高校の発表へのコメント)

大阪から世界を変える可能性のある素晴らしい研究成果の発表があり、大阪・関西万博を盛りあげるイベントとなりました。各校の発表内容に、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会及び大阪府市万博推進局から生徒たちの学びへの励みになるご講評をいただきました。加えて、2025年に開催される大阪・関西万博を一緒に創りあげていこうと熱いメッセージをいただきました。

(教育振興室高校教育改革課)

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