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魅力あふれる移管校紹介第12弾「幅広い知識と豊かな人間性を身につける 大阪府立東高等学校」きょういくニュース 第253号 3ページ)
大阪府立東高等学校について
大阪府立東高等学校は、令和5年度で100周年を迎える伝統校です。変化の激しい社会の中で、東高生としてどのような力をはぐくんでいくか、教員、生徒がともに考えながら、普通科・英語科・理数科3学科併置の強みを活かした教育活動を行っています。
その中でも特に、学校目標として掲げている「よりよい社会の創造に積極果敢に挑戦する」人材を育成するため、中核においている「探究」にかかわる活動についてご紹介します。
広いグラウンドと校舎
大阪府立東高等学校 生徒目標
東高 A C T I O N!(1)『学科を越えた学び』
1.「総合的な探究の時間」(1年次)
普通科・英語科・理数科は独自の教育課程で授業を行っていますが、1年次の「総合的な探究の時間」では、全学科が同一の時間に、同一の内容を学びます。3学期に行う「プレ探究」では、自分の興味・関心のある学問分野ごとに学科を越えてチームを編成し、メンバーで関心のある分野から論文を選び、整理してビブリオバトル風に発表を行います。学科独自の学びを通じて異なる視点を持ったメンバーから、大きな刺激を受ける取組となっています。
学科を越えたグループワーク
2.「生徒研究活動発表会」(2年次)
本校では、平成23から28年度まで文部科学省認定のスーパーサイエンスハイスクール(S S H)の取組を、理数科を中心に行っていました。その後、普通科でも探究活動を導入したことをきっかけに、各学科2年生全員の成果披露の場として、毎年2月に生徒研究活動発表会を行っています。
コロナ禍でも学びと発表の場を止めず、現在では、G I G A端末を活用して2年生全員が各教室でオーラル発表を行っています。大学の教員をはじめとして多くの方に参観していただき、その講評でも、取組が年々深化しているとコメントをいただいています。令和4年度は成果報告書も作成し、生徒の探究活動の取組をより多くの人に知っていただく機会を増やすことができました。
生徒研究活動発表会の様子
東高 A C T I O N !(2)『英語科独自の学び』
英語科では、「国際的な視野を持って論理的に思考し、行動できる人材」の育成を実現するため、英語の授業が多いことが特徴です。また英語の授業の半分以上が少人数制で、ネイティブの先生から学べる授業もたくさんあります。
さらに実践的英語プレゼンテーション力を高めるために、1年次から英語による暗唱のスピーチコンテストや様々な発表の機会があり、英語で発表を行う力を自然に身につけることができます。2年次では、個人で発表するスピーチコンテストの他、グループで行う探究活動にも力を入れています。これは、各グループでSDGsをテーマに調査研究を重ね、英語で発表するものです。英語科教員やネイティブの教員が、英語の原稿作成から発表まで丁寧に指導します。校内での発表だけでなく、大阪府の国際関係学科「L E T S※」の合同発表会にも参加しています。
※L E T S:国際関係学科を設置する府立高等学校の愛称。
L E T S でのポスターセッション
東高 A C T I O N !(3)『理数科独自の学び』
理数科では「科学技術の基礎知識を身につけて将来の科学者・技術者をめざす人材」の育成を実現するため、理数関係の専門家をお招きして知見を深める「レクチャー」、仮説・実験・検証を通じて研究力を向上する「探究基礎実習」「理数科集中ゼミ」、その集大成として2年次で「課題研究」に取り組んでいます。物理・化学・生物・地学・数学に分かれて行う取組は大学のゼミさながらで、理数科の先生がほぼ総出で行う研究活動です。
発表の機会も、大阪府のS S H経験校を中心として行われる「大阪サイエンスデイ(第一部・第二部)」や「他校への交流発表」、「全国サイエンスデイ」への参加と、数多くあります。
大阪サイエンスデイでの発表
これからの東高A C T I O N !について
現在、授業後も探究活動に主体的に取り組む生徒たちのコミュニティ「Eラボ」を展開しており、今後も探究活動のさらなる多様化を図っていきます。また授業における探究・研究活動においても、他校間交流の促進や海外姉妹校との交流、また地元京橋での活動などに取り組むべく検討を進めています。
大阪府立東高等学校では、確実な基礎学力の育成のみならず、大学との架け橋となる学びを通じて、今後も、意志ある進路実現と、めざしたい理想の社会づくりに貢献できる人材育成を進めていきたいと考えています。
今宮工科高校との取組
(Eラボ・ピクトグラムの製作)
(教育振興室高校教育改革課)