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令和2年(2020年)2月18日の記者会見で使用した資料の説明
会見項目「令和2年度当初予算案」で使用した資料
基本姿勢
- 令和2年度は、2025年、さらにその先の将来を見据え、「世界の中で躍動し、成長し続ける大阪」の実現に向けた取組みを加速させていく年です。
- G20大阪サミットの成功や百舌鳥・古市古墳群の世界遺産決定など、世界の中で大阪の存在感が向上する中、2025年大阪・関西万博を控え、大阪は次の飛躍のステージへのターニングポイント。
- 健康危機事象や自然災害に屈しない強靭な大阪を作り上げ、成長の土台である安全・安心に万全を期すとともに、万博を契機とした成長を確固たるものにします。
- さらに、成長により得られた果実を、未来を担う子どもたちへの重点投資につなげます。
- その上で、持続可能な成長・発展の基盤となる大阪都構想の実現に向けた取組みを加速させてまいります。
令和2年度当初予算額
- 令和2年度当初予算は、財政規律を堅持しつつ、「大阪の成長」と「府民の安全・安心」に重点化を図りました。
- 一般会計の予算規模は、社会保障の充実などにより、前年度当初比384億円程度増の2兆6,368億円です。
- 特別会計については、地方消費税の税率引き上げによる地方消費税清算特別会計の予算規模が増加することなどにより、前年度当初比1,611億円程度増の3兆94億円です。
一般歳出の内訳
- 一般歳出の総額は、約2兆円で、目的別のシェアは教育費と福祉費、健康医療費で5割超を占めています。
府税収入の動向
- 府税収入は、地方消費税率の引き上げ等の影響により増収となるものの、実質税収は前年度当初と比べわずかに減少する見込みです。
なお、新型コロナウイルス感染症がサプライチェーンやインバウンド消費へ与える影響が懸念されるため、税収の動向については、引き続き注視していく必要があると認識しています。
地方交付税及び臨時財政対策債の状況
- 地方交付税及び臨時財政対策債の状況ですが、臨時財政対策債は、ピークの平成22年度から半減しているものの、本来は地方交付税としてキャッシュで交付されるべき額に対し、依然として4割近くの発行を余儀なくされています。
歳入の内訳
- 歳入の内訳ですが、実質一般財源は、実質税収がわずかに減少する影響により、微減となる見込みです。
歳出(性質別)の内訳
- 歳出の内訳ですが、人件費、社会保障関係経費、公債費といった義務的経費及び税関連歳出が、歳出の約7割を占めており、硬直化が進んでいます。
- 特に、社会保障関係経費は後期高齢者医療費や介護給付費などの増加に加え、幼児教育無償化の影響もあり、大幅に増加しており、令和2年度は約350億円増加する見込みです。
府債の動向
- 府債の残高は、6.1兆円程度で前年度と比べて減少しています。交付税の代替措置である臨時財政対策債等を除くと、平成19年度から一貫して減少しており、令和2年度は2.8兆円程度となる見込みです。
減債基金の計画的な復元
- 減債基金については、令和2年度の264億円で累計4,149億円を復元し、残りは1,053億円となります。
- 引き続き、計画的な復元を行い、令和6年度までの復元完了をめざします。
財政調整基金の状況
- 財政調整基金の令和元年度末残高見込みは、平成30年度の決算剰余金の積立や、年度を通じた収支改善により、1,564億円となりました。
- 一方、令和2年度当初においては、財源不足により521億円を取り崩す必要があり、残高は1,043億円となる見込みです。
中長期試算(粗い試算)
- 中長期の財政の見通しは、令和2年度税収見込みが前回試算よりも大幅に減少したことや、内閣府試算の経済成長率の低下などにより、税収見込みが減少したことに加え、給与改定、大学統合による新キャンパス整備費用などを見込んだことにより、歳出が増加し、前回試算と比べて、各年度の収支が概ね200億円程度悪化します。(※1)
- 今後も米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症などが景気に与える影響が懸念され、厳しい状況が見込まれますので、各年度の予算編成において事業を精査し、財政調整基金を機動的に活用するとともに、年度を通じた効果的・効率的な予算執行に努めてまいります。
- 引き続き財政規律を堅持しながら、「府民の安全・安心」と「大阪の成長」に向けてしっかりと取組みます。
- (※1)歳入の減 税収見込みの減少 100億円程度 等
- 歳出の増
- 令和元年度給与改定 60億円程度
- 大学新キャンパス整備 500億円程度(府負担額)
- 府大・市大無償化 30億円程度 等
政策創造の方向性
- 令和2年度の政策創造の方向性ですが、「いのちを守り、成長を支える危機対応力の強化」、「万博を契機とした成長・内外の課題解決をめざす取組みの推進」、「国内外の人々を引きつける都市魅力の向上」、「未来を担う子どもたちが輝ける環境の充実」、「誰もが安心して暮らし、活躍できる環境の充実」を5つの柱としました。
- 「いのちを守り、成長を支える危機対応力の強化」を政策として上位に位置づけるとともに、「万博を契機とした成長・内外の課題解決をめざす取組みの推進」に重点的に取り組みます。
いのちを守り、成長を支える危機対応力の強化
- まず1つめの柱は、「いのちを守り、成長を支える危機対応力の強化」です。
- 現在、世界的に新型コロナウイルスの影響が広がっていますが、近年、新たな健康危機事象や、これまでの想定を超える台風や豪雨などの自然災害が各地で発生しています。
- そこで、健康危機事象への対応力強化、防災・減災対策、災害対応力強化の取組みを進め、成長の基盤である安全・安心を確保していきます。
- 「健康危機事象への対応力強化」では、万博及び未来に向けた感染症対策の強化として、大阪府全域における感染症対策能力を向上させるため、アウトブレイクが発生した場合の対策支援チームを設置します。あわせて、企業、インバウンド、外国人労働者への対策も強化します。
- また、輸入感染症対策として、地域の医療機関が患者発生時に適切に対応できるよう研修を実施します。あわせて、関西国際空港を所管する泉佐野保健所に患者搬送車などを配備します。
- 新型コロナウイルス感染症により経営に影響を受けている府内の中小企業者に対して、府独自の融資制度を創設しました。インバウンドの減少をはじめ、新型コロナウイルス感染症の影響により売上が減少している府内の中小企業者・個人事業者を支援していきます。融資限度額は、1者あたり2億円、融資枠は令和元年度~2年度で、500億円です。
- 「将来の自然災害に備えた防災・減災対策」についてです。
- 森林防災・減災対策については、森林環境税(徴収額:年額300円、徴収期間:令和5年度まで)の財源を活用し、治山ダムの整備、危険木の除去、森林整備などの減災対策を行います。
- 対象は、5年間で56箇所であり、そのうち、令和2年度は、19箇所で事業着手予定です。
- 耐震対策についてです。広域緊急交通路は、災害時に応急活動を迅速に実施するために緊急車両が通行する道路ですが、緊急車両に加え、徒歩帰宅者が安全に通行できるよう、広域緊急交通路について、沿道のブロック塀の耐震化を進めます。
- 対象となるブロック塀の所有者に対し、耐震診断や、ブロック塀の除却・新設のための費用を補助します。
- 「自助・共助・公助の適切な連携による災害対応力の充実・強化」についてです。
- 万博を見据え、最先端技術を活用し、災害対応力の強化を図ります。ドローン等による被害情報の収集や、AIやIoTを利用した被害予測などについての検討をすすめ、世界中から来阪される方々の安全・安心を確保します。
- また、市町村が災害発生時に他の自治体から人的支援や物資などを効率的に受け入れるための計画策定を促進するため、手引書やひな形を作成します。
万博を契機とした成長・内外の課題解決をめざす取組みの推進
- 次に、2つ目の柱は、「万博を契機とした成長・内外の課題解決をめざす取組みの推進」です。
- 2025年大阪・関西万博に向け、万博成功のための準備はもちろんのこと、SDGs先進都市をめざす取組み、スマートシティ化、イノベーションの促進やグローバル競争力強化を進めます。
- 万博を見据えて、このような取組みを着実に進め、その後もさらに取組みを加速させることにより、「世界一ワクワクする都市・大阪」の実現をめざします。
- 「万博成功のための準備の加速」では、万博開催に向けた取組みを着実に進めます。
- 博覧会協会に対して会場建設費を補助するとともに、パビリオン等地元出展について、府民の皆さんの意見をいただきながら、検討を進めていきます。
- 令和2年度の予定ですが、春頃にロゴマークが決定、6月のBIE総会で登録申請書が承認、秋頃には協会により基本計画が策定されます。
- 今年10月から始まるドバイ博覧会において、参加招請活動やプロモーション活動を行います。
- また、府民や企業の皆さんからの寄附により、2025本の桜を植樹する「万博の桜2025」も進めます。
- 次に、万博を見据えた、災害・危機事象への対応として、都市緑化を活用した猛暑対策を進めます。
- 森林環境税(徴収額:年額300円、徴収期間:令和5年度まで)の財源を活用し、多くの人々が暑くても待たざるを得ないバス停やタクシー乗り場のある駅前広場などで、植栽・微細ミスト・遮熱性の日除け・保水性ブロックなどの対策を行う事業者に補助を行います。
- 補助金額は、バス停やタクシー乗り場のある駅前広場等では、上限1500万円で全額補助、駅のプラットフォーム等では、上限は同じく1500万円で、補助割合は1/2です。
- 令和2年度から5年度までの4年間で、150~200箇所の補助を予定しています。
- 万博を見据えたおもてなし力の強化として、バリアフリーのまちづくりを進めます。
- 鉄道駅については、これまで、すべての人が鉄道に乗降できるようバリアフリールートを1ルート確保する取組みを進めてきたところですが、更に大阪環状線内の駅を中心に、乗換ルートのバリアフリー化などを進めるため、エレベーター設置を行う事業者に対して補助します。
- ホテルや旅館については、福祉のまちづくり条例の改正(今議会に条例案提案予定)により、新設の場合、一般客室のバリアフリー化とその情報の公表を義務化します。既設については、努力義務となりますが、大阪府がバリアフリー状況の現地調査を行うことで、その結果に基づく事業者によるバリアフリー情報の公表を推進します。
- 次に、「SDGs先進都市をめざす取組み」についてです。
- 大阪府では、ゴール3「健康と福祉」を「重点ゴール1」、ゴール11「持続可能都市」を「重点ゴール2」と位置づけました。
- さらに、「重点ゴール1」に関連するゴールとして、ゴール1「貧困」、ゴール4「教育」、ゴール12「持続可能な生産と消費」を位置づけています。
- SDGs先進都市の実現に向け、これらの重点ゴールに関連する取組みを強化していきます。
- SDGsに関する具体的な事業についてです。
- 府民の皆さんの健康づくりに対する意識の向上と実践を促すため、電子マネーが当たるなどインセンティブのある「おおさか健康マイレージ アスマイル」を展開し、検診の受診やウォーキングといった健康活動を支援します。
- 受動喫煙防止対策については、モデル事業として、屋外分煙所の必要経費の一部を補助します。
- 防犯灯・防犯カメラ設置や電気設備の整備など、分煙所本体の整備費用以外の必要経費の半額を補助します。府の補助上限は、1箇所あたり100万円です。
- 令和6年度までの5年間で、20~30箇所程度の整備をめざしており、令和2年度は、5箇所で整備予定です。
- 依存症対策については、依存症の本人及び家族に対する、「普及啓発」「相談支援体制」「治療体制」「切れ目のない回復支援体制」の強化を進めるとともに、相談・支援の拠点と治療・研究の拠点が連携した府独自の支援体制を新たに構築します。
- また、依存症対策の強化として、ギャンブル等依存症に係る府内の実態把握調査を実施します。
- 風しん・結核・エイズ等の感染症対策について、まず、先天性風しん症候群対策として、妊娠を希望する女性やその配偶者を対象に無料で抗体検査を実施するとともに、予防接種費用を助成する市町村に補助します。
- また、結核患者が規則的に服薬できるよう、服薬確認の仕組みを薬局でも新たに実施します。
- エイズについては、現在、ブロック拠点病院(※2)や中核拠点病院(※3)に集中している、患者の定期受診を地域の医療機関でも実施できるよう、患者支援のノウハウや最新の治療薬に関する研修等を実施します。
- (※2)ブロック拠点病院【大阪医療センター】
緊急入院への対応等エイズに関する高度な診療の提供、研究や研修、医療機関や患者からの診療相談への対応等の情報提供を実施。 - (※3)中核拠点病院【大阪急性期・総合医療センター、大阪市立総合医療センター、堺市立総合医療センター】
エイズに関する高度な診療の提供、拠点病院に対する医療情報の提供を実施。
- (※2)ブロック拠点病院【大阪医療センター】
- 働き方改革の取組みとして、府職員の意識を変え、時間外勤務を縮減するため、職員端末機を一斉にシャットダウンするシステムを導入します。
- プラスチック対策については、昨年のG20大阪サミットにおいて、海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2050年までにゼロにすることをめざす「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有されました。
- このビジョンの実現に寄与するため、対策を進めます。
- 環境・エネルギー技術シーズ調査として、脱炭素や海洋プラスチックごみ対策に関する、環境技術(シーズ)や環境課題(ニーズ)を調査し、調査結果を踏まえ、環境先進技術の実用化を促進します。
- また、石油由来原料を使わないバイオプラスチック製品の研究開発等を行う府内中小企業に対し、費用の一部を補助します。
- 人権をめぐる課題への対応として、昨年、人権3条例を改正・制定しました。
- 性的指向や性自認の多様性が尊重される社会、特定の外国人等を排斥するような不当な差別的行動が解消される社会の実現をめざします。
- 性的マイノリティの人々への誤解、偏見、差別をなくすために、啓発イベントやシネマ広告を行うとともに、令和2年1月に先月スタートした、パートナーシップ宣誓証明制度の広報を行います。
- また、若い世代をターゲットに、適切なインターネット利用を促すことを目的に、大学と連携してシンポジウムを開催します。
- 「先端技術の活用によるスマートシティ化」の推進についてです。
- スケジュールとしては、万博までを、3つのフェーズに分けて取組みます。まずは、2021年までの第1フェーズとして、行政サービスのデジタル化などすぐにできることからスマートシティ化を実践します。次に2023年までの第2フェーズとして、実証実験を通じて先行事例を蓄積します。そして、2025年までの第3フェーズとして、実証実験から社会実装に段階を進め、都市全体の利便性の向上を図ります。大阪・関西万博では、先端技術のデモンストレーションを行い、スマートシティの基盤を確立していきます。
- 取組みにあたっては、4つの重点テーマを設定します。「国内外の先進事例の収集と府域への導入検討」「行政のスマートシティ化」「府域全体のスマートシティ化」「戦略の推進基盤づくり」を通じて、スマートシティ化に向けた基盤構築を進めます。
- スマートシティ化推進の具体的な取組みとして、府庁内のICT環境整備を進めます。庁内の情報基盤のあり方を検討するとともに、ペーパーレス会議用のタブレット100台や遠隔会議システムを導入します。
- キャッシュレスについては、現在、本庁の、本館・別館・咲洲の手数料納付窓口では、現金納付しか受け付けていませんが、POSレジシステムを改修し、電子マネー・クレジットカード・LINE Payでも納付ができるようにします。
- 府内でスマートシティの先進的な取組みを行う市町村をサポートするため、市町村に対して、補助金を交付します。
- 府立学校でのスマートスクールの取組みも進めます。補正予算も活用し、全府立学校177校において、高速大容量通信に対応した校内LAN環境を整備します。
- そして、ICT環境を有効に活用し、令和2年度は、「グローバル人材の育成」「日本語指導」「不登校生徒への支援」「障がいのある子どもの就労支援」の4つの教育課題について、4校・1拠点(教育支援センター)でモデル事業を実施します。
- モデル事業の結果を踏まえ、府立学校において、ICTを活用し、すべての子どもの学びを支援していきます。
- 「健康・医療をはじめ様々な産業分野でのイノベーションの促進、グローバル競争力強化等による産業基盤の充実」についてです。
- 健康医療関連産業の世界的クラスター形成としては、現在、未来医療国際拠点の形成を進めている中之島において、再生医療の実用化・産業化を推進するため、細胞・組織の管理に必要なビジネスモデルを検討します。
- 北大阪健康医療都市(健都)では、健都内外をつなぐコーディネート機能の構築に向けた検討を行います。
- また、令和2年度に予定されている国が進める国際バイオコミュニティ圏の選定を獲得することをめざしています。その獲得と、将来的な国際バイオコミュニティ圏の実現に向けて必要となる取組み内容を検討します。
- スタートアップ・エコシステムの構築についてですが、来月予定の国の「グローバル拠点都市」の選定に向け、昨日、京阪神で連携し、提案を行いました。
- 大阪のスタートアップ・エコシステムのグローバル化を促進する取組みを実施します。
- 多くのスタートアップが活躍する環境を整備するために、国の支援を最大限活用しながら、海外のトップアクセラレーター(起業家や創業直後の企業に対し、事業を成長させるための支援を行う事業者)による府内スタートアップへの個別指導等を行うとともに、大阪の魅力を世界に発信することで、大阪・関西万博を機にスタートアップ・エコシステムの拠点形成を進めます。
- 万博開催やIR誘致といった大阪の特性を踏まえ、府内中小企業の深刻な人手不足に対応するためには、外国人材の受入れ促進が不可欠です。
- このため、外国人材と中小企業を円滑にマッチングする効果的なプラットフォーム構築に向け、大阪の産業動向を踏まえた外国人材の受入れや中小企業の人手不足の状況、人材ニーズなどを調査します。
- あわせて、外国人材の受入れ・共生社会づくりを進めるため、国、市町村、経済団体、民間団体の連携のもと、「オール大阪」による地域協議会を設置します。
国内外の人々を引きつける都市魅力の向上
- 次に、3つ目の柱は、「国内外の人々を引きつける都市魅力の向上」です。
- 昨年は、G20大阪サミットの成功、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録、ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催など、世界の中での存在感が高まっています。
- このタイミングを逃さず、IRの実現や、さらなる都市魅力・都市空間の創造を通じて、国内外の人々を引きつける大阪を実現していきます。
- まず、「IRの実現に向けた取組み」についてです。
- 事業予定者の選定手続きを進めるとともに、それにあわせて、国への申請に必要となる、区域整備計画を作成します。
- また、多くの方々に、IR誘致に向けてご理解をいただくため、セミナーや公聴会を開催します。
- あわせて、ギャンブル等依存症対策の具体化も検討していきます。
- 次に、「世界に存在感を示す都市魅力・都市空間の創造」についてです。
- グランドデザインの推進として、具体的なまちづくりについて検討します。
- 大阪城東部地区は、大阪府立大学・大阪市立大学が統合して開学する新大学の都心メインキャンパスが令和7年度を目途に設置予定であり、また、スマートシティの社会実装フィールドとして例示されるなど、新しい動きが出てきています。
- このような動きを踏まえ、大阪市と連携し、地区全体のまちづくりの実現に向けた方策を検討します。
- 夢洲での万博開催、IR誘致の動きや堺臨海、泉州沿岸部、関西国際空港などの地域資源を最大限活用し、大阪府域のベイエリアの活性化をはかるため、大阪市・堺市と連携し、ベイエリアの将来像や整備の方向性をとりまとめます。
- 新大阪は、リニア中央新幹線・北陸新幹線等が結節し、広域交通の一大ハブ拠点になります。
- この地域について、大阪市と連携し、国内外にプロモーションを行い、民間による都市開発の機運醸成を図るとともに、導入すべき都市機能の具体化に向けた検討を行います。
- うめきたについては、2期のまちづくりを推進するために、土地区画整備事業や公園整備事業を行う大阪市に補助を行います。
- 道路・鉄道ネットワークの整備についてです。
- 大阪モノレールの延伸ですが、令和2年度、現地工事に着手します。
現在営業している門真市駅から、(仮称)瓜生堂駅まで延伸することとしており、これにより、新たに4路線の鉄道と結節し、モノレール全体では10路線と結節することになり、利便性が高まります。
開業目標は、令和11年です。 - 淀川左岸線延伸部、なにわ筋線についても着実に事業を進めます。
- 観光、文化・スポーツ施策の充実についてです。
- 万博記念公園駅前周辺地区において、「大規模アリーナを中核とした大阪・関西を代表する新たなスポーツ・文化の拠点づくり」を推進します。現在、事業者の公募を行っており、本年5月から6月頃、最優秀提案者を決定する予定です。
- 公募で選ばれた事業者とともに、国際的なスポーツ大会やコンサート等が開催できる規模(固定の観客席数が1万人を超えるもの)を持つ世界最先端の機能を有するアリーナやホテル等の周辺施設を整備することとしており、アリーナ等の主要施設は、2025年の大阪・関西万博までの開業をめざしています。
未来を担う子どもたちが輝ける環境の充実
- 4つめの柱は、「未来を担う子どもたちが輝ける環境の充実」です。
- いじめ・虐待・教育格差の問題など、子どもたちを取り巻く環境はまだまだ課題が大きい状況です。
- 子どもの健やかな成長を支えるセーフティネットの充実、全ての子どもが平等にチャレンジし、可能性を追求できる教育の一層の充実により、未来を担う子どもたちが輝ける社会をめざします。
- 「子どもの健やかな成長を支えるセーフティネットの充実」についてです。まず里親支援の取組みについて、里親支援機関の整備を進めるとともに、児童養護施設等が里親支援を実施する場合に、里親の新規登録等の実績に応じた加算の仕組み等を新たに実施します。
- 児童虐待対応の拡充、強化についてですが、大阪児童虐待防止推進会議での議論を踏まえ、令和2年度にSNS(LINE)を活用した相談窓口を1か月試行的に設置します。そして、運用にあたっての課題検討を行ったうえで、令和3年度の本格運用をめざします。
- また、子ども家庭センターと警察とのダブルチェックによる「児童虐待の見逃し防止」と「支援の充実」を図るため、独自回線により警察との児童虐待通告事案を全件共有します。
- いじめ等への対応にも注力します。いじめを含む様々な悩みを抱える児童・生徒に対する相談対応の充実するため、SNS(LINE)相談窓口を令和2年度は相談日数などを拡充して通年で実施します。
- また、いじめや虐待等への迅速かつ適切な対応や未然防止に向けて、スクールカウンセラーやスクールロイヤーなどで構成する緊急支援体制を構築するとともに、課題の大きい学校に対してスクールソーシャルワーカーサポーターなどの支援人材を配置します。
- SNS等に起因した青少年の被害を防止するため、SNS等で特定のワード(援助交際等)を検索したり、書き込んだりした場合に、警告の画像等を当該者の閲覧しているSNS等に発信するターゲティング啓発などを実施します。
- 子育て支援については市町村の役割が大きいことから、新子育て支援交付金の優先配分枠を拡充し府から提示するモデルメニューを実施する市町村の取り組みを支援します。具体的には、これまでの既存メニューである「障がいのある子どもへの支援」「子どもの貧困に関する取組み」等に加えて、「不妊治療等への助成」「男性の家事育児への参画促進」「家庭教育支援」「子育て中の外国人サポート」等のメニューを拡充します。
- 次に、「全ての子どもが平等にチャレンジし、可能性を追求できる教育の一層の充実」についてです。
- 授業料等の無償化についてです。大阪の学生が親の経済事情や家庭の個別事情などで進学を諦めることなく、チャレンジできるよう、子育て世帯への支援として、国制度に府独自の制度を加え、府大・市大の授業料等を令和2年度入学生から支援します。年収目安として590万円未満の世帯を無償化するとともに、590万円~910万円未満の世帯については、世帯年収や子どもの数に応じて負担を軽減します。大学院生については国制度では対象になっていませんが、府独自で無償化を実施します。
- また、私立高校等の生徒への授業料支援も引き続き実施します。
- 「障がいのある方への通学の支援」についてです。医療的ケアが必要なために通学バスを利用できない場合、保護者の方が送迎したり、自宅訪問教育を実施しており、保護者の負担軽減や学習環境の提供が課題となっています。
そこで、介護タクシーなどの車両に看護師等が同乗の上、医療行為を行い通学を支援します。府立支援学校5校5人でモデル実施していましたが、令和2年度は希望する府立学校に通う児童生徒全員177人で本格実施します。 - 新大学の設置については、公立大学法人が実施する新大学の学舎(中百舌鳥、杉本、阿倍野、森之宮)の整備及び改修に必要となる基本設計に係る費用の補助等を大阪市と実施します。
- 学力の向上に向けて、小学5・6年生を対象とした新学力テストを令和3年度から実施するため、その準備に令和2年度から着手します。
学力テストで得た子どもの個々の詳細な経年変化データを小学5年生からカルテとして作成し、中学校へ引き継ぐことで、指導効果を向上させ、その後の学習に活かしていきます。
誰もが安心して暮らし、活躍できる環境の充実
- 5つめの柱は、「誰もが安心して暮らし、活躍できる環境の充実」です。
- 女性や高齢者、障がいのある方々、外国人など、誰一人取り残されず、安心して生きていける環境を整備することが行政の使命です。
- 総合的な安全対策、福祉医療のさらなる充実に向けた体制整備、多様な人材の活躍につながる取組み強化という観点から、施策を展開し、誰もが安心して、暮らし活躍できる社会の実現をめざします。
- 「全ての人々が安心して暮らせる総合的な安全対策の推進」では、昨年の交番襲撃拳銃奪取事件を踏まえ、令和2年度中に、整備が必要な全交番等に外側のカメラを整備します。
- また、若年層をはじめとする多くの府民に対して、犯罪の発生情報等をより効果的に提供するために、防犯アプリを構築します。
- 「生涯を通じて心身ともに健康に暮らせる福祉・医療のさらなる充実」についてですが、不足が見込まれる介護・福祉人材を確保するため、来年度から新たに介護サービス事業所における介護ソフトやタブレット端末等のICT導入費を助成します。
- また、介護職員の賃金改善につながる介護職員処遇改善加算(※4)の取得を促進するため、専門的な相談員を介護サービス事業所に派遣し、個別の指導・助言等を実施します。
- (※4)介護職員処遇改善加算
一定の要件を満たした介護サービス事業所で働く介護職員等の賃金改善を行うための介護報酬上の仕組み。事業所は、受け取った加算を賃金改善に充てなければならない。
- (※4)介護職員処遇改善加算
- 障がい者への支援として、福祉3センター(盲人福祉センター、障がい者社会参加促進センター、谷町福祉センター)を統合し、障がい者の相談支援・意思疎通支援・手話言語習得機会確保などの支援を行う拠点施設「福祉情報コミュニケーションセンター」を森ノ宮に整備し、令和2年6月から運営開始します。
- 自殺防止対策については、40歳未満(10歳未満除く)の死因の一位は「自殺」であることから、若年者層向け施策を充実させます。SNS(LINE)を活用した相談体制を整備することで、若者の自殺の未然防止につなげていきます。
- 「多様な人材の活躍につながる取組みの強化」についてです。
- 重度障がい者への就業中への支援についてですが、現行制度では、自営業者・経営者の在宅就労中等は法的な支援がありません。
常時介護を必要とする重度障がい者の日常生活に係る支援を就業中にも行うことで、障がいを理由として、働く意思と能力を持ちながら働くことのできない方に対する就業機会を拡大し、障がい者の社会参加を促進します。具体的には、まずは、現状において国による助成金等による支援を受けられない個人事業主に対して、支援を行います。令和2年度は、大阪市・堺市で試行実施です。 - また、障がい者の雇用状況を改善するため、新たに、特定中小事業主に対し戸別訪問を行い、雇用推進計画の作成や取組内容の支援を行います。
- 外国人材の受入れ促進・共生社会づくりですが、新たな在留資格である特定技能等、外国人材の円滑な受入れを図るとともに、外国人が安心して暮らせる共生社会づくりを促進します。
- 外国人材に対する生活支援として、一元的な相談窓口の運営する大阪府国際交流財団に補助を行います。
- 医療体制の整備については、医療機関への支援のため、医療通訳コールセンターやトラブル相談窓口を設置します。
- 住宅の確保については、家賃債務保証を支援し、外国人等の円滑な入居につなげます。
- 日本語指導については、小中学校に専門スタッフを配置するとともに、地域の体制づくりに向け市町村を支援します。
特別区制度(いわゆる「都構想」)の実現にむけて
- 最後に、「特別区制度(いわゆる「都構想」)の実現に向けて」です。
- 大阪都構想は、広域行政の司令塔を大阪府に一本化し、都市インフラの整備などをスピード感をもって進めることにより、大阪の成長を確たるものとする、持続的な発展のために不可欠な制度です。
- 住民の皆様に、都構想の効果をご理解いただいた上でご判断いただけるよう、広報活動を展開し、令和2年秋から冬の住民投票をめざします。
- なお、府市統合の取組みとして、国際競争力があり、利用者ニーズに合った使いやすい港を実現するため、大阪府と大阪市の港湾管理の一元化の取組みを進めます。令和2年10月1日(予定)に大阪港湾局を共同設置し、事務の一体化を図ります。