ここから本文です。
全日本建設交運一般労働組合 要望書
要望書受理日 | 令和6年6月20日 |
団体名 | 全日本建設交運一般労働組合 |
取りまとめ担当課 | 府民文化部 府政情報室 広報広聴課 |
表題 | 要請書 |
要望書
大阪府知事 吉村 洋文 殿
2024年6月20日
全日本建設交運一般労働組合
中央執行委員長
全国ダンプ部会長
関西ダンプ支部執行委員長
要請書
日頃から地元建設労働者、業者育成、地域住民の仕事とくらしを守る取り組みにご尽力されていることに敬意を表します。
さて、政府は建設産業の担い手の処遇改善として、今年3月から設計労務単価を12年連続で政策的に引き上げました。また、昨年の中建審・基本問題小委員会での持続可能な建設業に関する議論が行われ、今国会において建設業法・入契法改正案で「標準労務費の設定」を打ち出し、成立しました。
24年問題への対応や建設産業の維持・発展に向け、従来の「民民契約にタッチしない」との見解を見直して、重層下請構造の課題にも踏み込んだ施策として期待するものです。しかし、末端で働くダンプに対する単価たたきは依然として続いており、その結果が過積載などの違法運行に結びついています。交通安全運動を推進する立場に立って諸施策を講じることが求められています。
つきましては貴自治体発注工事にかかわり、下記の事項について要請致しますので真摯に対応し、発注当局としてご回答をください。
記
1. ダンプ労働者が交通安全を最優先にして働ける職場環境づくりのため、具体的な措置を講じて下さい。
(1)公共工事に於ける大型ダンプの標準積算の全国平均は、直接工事費で約62,000円、工事原価で約79,000円(税込み)です。直轄工事現場における単価の支払い実態を掌握し、少なくとも直接工事費を上回る単価の支払いを各受注業者へ指導して下さい。
(2)今通常国会で成立した「建設業法及び入契法」にもとづいて、今後中建審で作成する「標準労務費」については、建設現場で働くダンプ・建設職人など「個人事業主」に支払われる「常用単価(経費込み)」も対象となるよう政府機関へ上申してください。
(3)週休2日制では、日給制の車持ちダンプ労働者は月単位では減収となります。対応策として労務費補正係数を1.15に引き上げ、各発注工事現場において直接労働者へ支払われるよう具体策を講じて下さい。
2. 公共工事で働く労働者の賃金・労働条件を確保するために公契約条例を早急に制定してく ださい。その際、車持ちダンプ労働者や資材取引についても適用対象にして下さい。
3. ダンプの過積載根絶と交通安全の推進について
(1)「ダンプ規制法第12条団体等」である建交労加入ダンプに対して、個別現場で優先使用措置が取られるよう請負者を指導して下さい。「現場説明書・指導事項」を曲解し、遵守を怠る請負者に対しては、出先事務所や出張所の責任者から正確な指導をするよう事務連絡等の通知をして下さい。
(2)ダンプの過積載が増加しています。過積載根絶の有力手段として過積載防止装置(重量リミッター)の開発と装着義務化について政府機関へ上申して下さい。
(3)ダンプの不正改造や背番号を表示しない違反行為が目立っています。当該車両については建設現場への入場禁止措置を取らせるなど、関係業界への指導徹底をして下さい。
4. 「盛土規制法」の施行に合わせて、発注者・元請が建設発生土の管理を徹底して下さい。
(1)国交省・指定副産物の省令一部改正にともなう「土砂受領書の交付」を徹底させる為に、搬出先の土砂管理について、他の工事現場から運ばれた発生土と混合しないよう保管方法を明確にする措置を講じるよう国へ上申して下さい。
(2)貴自治体の責任で適正に管理された処分場やストックヤードを確保して下さい。また、建設発生土処分は元請業者に最終処分場まで管理をさせるよう盛土規制法等の改正を国へ上申して下さい。
(3)建設発生土の運搬については、ダンプ運転手に搬出先などの情報(名称・所在地、搬出量など必要書類)が書面にて通知されるよう措置すること。また、元請業者の責任において、トレーサビリティシステムまたはGPS装置貸与等による追跡システムの構築及び実施について国へ上申して下さい。
5. 労災保険の特別加入の促進について
(1)建設職人基本計画の主旨に基づいて、車持ちダンプ労働者など一人親方の就労者が「労災保険の特別加入制度」に加入するよう、関係省庁・業界団体等と連携して具体策を講じて下さい。
(2)また、法定福利費を確保する立場に立ち、「一人親方労災保険料相当分」がダンプなど当該の就労者に直接支払われるよう措置を講じて下さい。
6. 貴自治体の発注工事現場で働く車持ちダンプ労働者に対して、受注企業の責任で「建退共証紙」が貼付されるよう指導を徹底して下さい。
工事を受注した各企業が実施している「新規入場者アンケート」の中に「建退共加入証明書及び手帳写し」を提出させ、「建退共制度」が二次以降の下請業者まで徹底されるよう指導して下さい。
以上