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全建総連 大阪建設労働組合 要望書
要望書受理日 |
令和6年10月16日(水曜日) |
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団体名 | 全建総連 大阪建設労働組合 |
取りまとめ担当課 | 府民文化部 府政情報室 広報広聴課 |
表題 | 建設労働者・職人、従事者の仕事と暮らしの改善に関する要望書 |
要望書
2024年10月16日
全建総連 大阪建設労働組合
執行委員長
大阪府知事 殿
建設労働者・職人、従事者の仕事と暮らしの改善に関する要望書
《要望事項》
1.改正担い手3法の目標・効果を実現するために、実効性のある具体的な運用を図り、建設現場従事者全体の賃金・単価引き上げ、労働条件改善について
(1)公共工事設計労務単価が12年連続上昇し、全職種平均で23,600円と過去最高値を更新しました。技能労働者の賃金は私たちの調査では横ばいもしくは微増となっていますが今般の物価高騰に賃金の上昇が追い付いていないのが実情です。賃金増加こそが建設産業全体の入職者を多くし、未来ある建設産業を形成するものだと考えています。貴府発注工事での技能労働者の賃金実態などについて教えてください。また適正な賃金が支払われる制度等の実施状況を教えてください。
(2)最終下請まで「標準労務費」が確保され、全ての技能者の適正な賃金確保、処遇改善等が図れるよう元下取引の適正化、建設Gメン等による調査をしてください。
(3)国は、法定福利費を含まない契約は「法令違反のおそれ」と強く戒め、国土交通省は公共工事設計労務単価に加えて支払うべき必要経費は法定福利費を含み41%と明記していますが、法定福利費がもらえている事業主は少数にとどまっています。実態を把握し、あらためて指導を強化してください。法定福利費を請求しても支払われない場合は、しかるべき行政指導を行なってください。
(4)「働き方改革」関連法の施行にともなう、年次有給休暇の取得義務や「週休2日」「週40時間」を基本とした就労の実現、処遇改善を進めるには適正な工期と必要な経費が確保されることが前提となります。予定価格の積算段階では工期が必然的に延びたり、経費が必要になることで諸経費に補正係数を導入し進められていると思いますが、必要経費を確保するため労務費の補正係数を引き上げ、計上された必要経費が確実に賃金に反映されるように指導してください。
(5)「雇用」と「請負」を明確にし、「雇用」には法定福利費を完全に行き渡らせ、「請負」に対しては一人親方等の特別加入労災保険料を含む請負代金での契約を交わすべきです。国土交通省では、社会保険加入や働き方改革などの規制逃れを目的とした「社員の一人親方化」への実効性のある抑制策を議論する新たな検討会を設置していますが、大阪府として偽装請負防止のための具体策についてお聞かせください。
(6)建設キャリアアップシステム(CCUS)は、職能や経験を可視化することで建設労働者の処遇改善につながるものと期待されています。貴府発注工事での建設キャリアップシステムへの対応および普及をすすめてください。
(7)建設業退職金共済制度(建退共)の普及促進のため、受注業者に対する指導と対象労働者の手帳交付を義務付けてください。
1)建退共証紙が確実に現場労働者にいきわたるよう点検指導を強めてください。
2)証紙の不要届(辞退届)については、提出事業所の実態を確認し貼付を徹底してください。また「自社退職金制度」があったとしても、労働者福祉の観点からも貼付指導をお願いします。
2.全国的に公契約条例(公共工事における賃金確保法)の制定が相次いでおり、賃金の下限額が定められた公契約条例により建設労働者の賃金確保に一定の効果を上げています。貴府においても、公共建築物の質の確保と建設業界の健全な発展、現場労働者の「適正な賃金」の確保のため「公契約条例」を制定してください。
3.働いたが賃金や代金が払われないことは絶対にあってはならないことですが、現実には最終下請業者や労働者・職人が「不払い」にあっています。
(1)貴府の発注工事において、下請や職人が不払いにあった場合、建設業法第41条に基づく元請による立替払いを確保し、下請負業者等との間で請負代金、資材費、賃金の不払い等による紛争があったときは、貴府の責任において問題解決を図ってください。
(2)昨年度(2023年4月から2024年3月)の不払い相談件数と解決件数を教えてください。
4.地域建設業の振興や安心して住み続けられる住宅づくりのためにも住宅リフォームや地域商店のリニューアルに関する助成制度を創設してください。
5.アスベストの飛散防止対策は徹底した対応が求められます。アスベスト建材が多数使用されている既存建築物の解体にともなう飛散防止について貴府独自の補助制度を創設してください。
6.アスベスト関連法の改正により規制が強化され、2022年4月から一定規模以上の工事は事前調査結果の報告が必須になり、2023年10月からは有資格者による事前調査も義務付けられました。国は規制の強化を打ち出していますが、それを逃れるために違法行為が行われると国民や建設事業者の健康被害も心配され、アスベストに関する監視・指導体制の強化についても併せて求められます。アスベストの調査・除去費用は建物所有者が負担することとなり、アスベストの健康被害および関連法改正の周知徹底と、国土交通省の「住宅・建築物ストック形成事業」にある「住宅・建築物アスベスト改修事業」について、一般住宅にも使えるレベル3までの調査・除去費用の助成制度に拡充するよう国に働きかけてください。
7.私たちの大阪建設国民健康保険組合(大建国保)に対して特定健診・特定保健指導への助成を改めて要請します。