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日本労働組合総連合会大阪府連合会 部落解放大阪府民共闘会議 要望書
要望受理日 | 令和6年9月18日(水曜日) |
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団体名 | 日本労働組合総連合会大阪府連合会 部落解放大阪府民共闘会議 |
取りまとめ担当課 | 商工労働部 雇用推進室 労働環境課 |
表題 | 就職差別の撤廃に向けた取り組み強化への要請 |
要望書
2024年9月18日
大阪府知事
吉村 洋文 様
日本労働組合総連合会大阪府連合会
会長
部落解放大阪府民共闘会議
議長
就職差別の撤廃に向けた取り組み強化への要請
日頃から貴職におかれましては、地域の雇用の安定と安心して働ける環境作り、さらには、労使関係の安定、企業倫理の向上のために、ご尽力いただいていることに敬意を表します。
さて、私たち連合は、就職差別をはじめ、すべての差別をなくすための人権教育や啓発活動に、構成組織・NPO・NGOとともに取り組んでいるところであります。
連合では活動の一つとして、採用選考における就職差別の実態を把握するため、2023年4月、直近3年以内に新卒または中途採用試験を受けた、全国の15歳から29歳の男女を対象に、インターネット調査「就職差別に関する調査」を実施しました。
調査報告書の中から、「統一応募用紙」「厚労省の参考様式に準じた応募用紙」を使用していない事業所で、本人の適性・能力の判定に必要のない「本籍地・出生地」や「家族構成・家族の職業や収入の記入」を求めている実態や、業務遂行に必要としない「健康診断の実施・健康診断書の提出」がいまだ行われているなど、差別に繋がるおそれのある実態が少なくないことが明らかになりました。
貴団体におかれましても、今回の調査結果から、「職業安定法第5条の5」「男女雇用機会均等法」や「統一応募用紙」の趣旨をふまえ、就職差別をはじめ、あらゆる差別の廃絶に向けた人権教育・啓発活動の一層の取り組み強化を会員企業に対して徹底していただくようお願いします。
記
- 「統一応募用紙」「厚生労働省履歴書様式例(2021年策定)」の使用を企業や関連団体等に対して周知徹底すること。
- 個人の能力に必要としない「戸籍謄(抄)本の提出」や、面接時における「本籍地・出生地」、「家族構成・家族の職業や収入」、「男女差別につながる未婚・既婚や結婚の予定」等の質問は行わないこと。
- 応募時における健康診断の実施や健康診断書の提出は、業務遂行に必要な特定職種に限定すること。
- 厚生労働省「採用選考時にSNS調査」の実態把握(1250社)では、4%(約50社)の企業が調査を実施していた。その内訳として2割が外部業者委託(約10社)、8割(約40社)が自社で調査したと回答している。大阪府内の大学で協力を得て取り組んでいる「SNS調査に関するアンケート」の実態を明らかにすること。
また、大阪府として「身元調査は、明らかに職業安定法に反する行為であること」を明確に発信すること。 - 企業がSNS調査の実施で、本人から同意を得たと回答した企業は3割しかなく、7割の企業が同意を得ていない実態が明らかになった。「同意書」の内容と運用の基準が曖昧であることから、明確な基準を設けるよう、国や企業に働きかけること。
- 国連「ビジネスと人権」作業部会の訪日調査報告において、公正採用人権啓発推進員を促す厚生労働省の指導を例示し、事業主は「部落問題など人権問題の理解と認識に基づく公正な採用選考」の確保を求められることについて報告されている。企業に対し「人権デューデリジェンス」の観点もあわせて公正採用選考を周知啓発すること。
- 上記、就職差別をはじめとする、あらゆる差別の廃絶に向けた人権教育・啓発活動の強化を図ること。
以上