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大阪府(市・町・村)民の交通環境を良くする行動実行委員会、日本労働組合総連合会大阪府連合会 要望書(1)
(1) (2) ※2ページに分割して掲載しています。
要望受理日 | 令和6年10月17日(木曜日) |
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団体名 | 大阪府(市・町・村)民の交通環境を良くする行動実行委員会、日本労働組合総連合会大阪府連合会 |
取りまとめ担当課 | 府民文化部府政情報室広報広聴課 |
表題 | 第21次大阪府(市・町・村)民の交通環境を良くする行動申し入れ |
要望書
2024年10月吉日
大阪府知事
吉村 洋文 様
大阪府(市・町・村)民の交通環境を良くする行動実行委員会
実行委員長
日本労働組合総連合会大阪府連合会
会長
第21次 大阪府(市・町・村)民の交通環境を良くする行動申し入れ
貴職におかれましては、ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
また、平素は私たちの活動に対しまして、ご理解とご支援を賜り厚く感謝申し上げます。
さて、本年も第21次「大阪府(市・町・村)民の交通環境を良くする行動申し入れ」を貴台にご要請申し上げます。
何卒、引き続きのご理解、ご指導を賜りますようお願い申し上げますと共に、ご検討の上、データでのご回答を賜りますようお願い申し上げます。
以上
第21次 統一要求項目
1 「地域公共交通」に関する要求
「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」により、多くの総合連携計画が各法定協議会において策定・施行されてきました。また、2013年に成立した交通政策基本法の基本理念に則って、維持可能な地域公共交通網の形成に資するよう地域公共交通の活性化及び再生のための取り組みを推進する旨を目的として法律化されました。
併せて「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」の一部改正2014年に閣議決定され、鉄道・バス・タクシーに係る公共交通を活用した地域公共交通の活性化に取り組むため、各自治体(市・町・村)に法定協議会の設置が求められています。
(1) 第20次の回答では、大阪市、河内長野市、岸和田市、貝塚市、寝屋川市、和泉市、太子町、阪南市、吹田市、箕面市、池田市、能勢町、八尾市において「地域公共交通計画(地域公共交通網計画)」を策定、堺市、富田林市において法定協議会を設置し取り組みが進められているとのことであったが、計画の具体的な進捗状況と法定協議会未設置の自治体についての取り組み及び今後の見通しについて明らかにされたい。
(2) 大阪府が、都市インフラ政策の総合指針として、「大阪・関西のさらなる成長・活力の実現」「防災・減災、安全・安心の強化」「都市魅力の向上と住みよい環境づくり」などに向けて策定した、「大阪府都市整備中期計画」と、その具体的な取り組み内容を示した「道路の整備に関するプログラム」に基づく取り組みの成果と、今後の取り組み内容を明らかにされたい。
(3) 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律が成立し、自家用有償観光旅客等運送が道路運送法上の自家用有償旅客運送と見做されることとなったが、付帯決議にはあくまでも特例であり地域公共交通機関であるバス・タクシーの活用を図るよう求めている。第20次の回答では制度の活用は予定していない旨の回答を受けたが、それ以降の状況はどうか明らかにされたい。
2 交通安全対策に関する要求
警察庁交通局が昨年(令和5年)に行った全国調査結果によると、交通事故件数は307,930件となり前年に比べて7,091件増加(2.4%増加)しています。また、死者数は2,678人となり前年に比べて68人増加(2.6%増加)しています。
都道府県別にみると、交通事故件数については、第1位が東京31,385件、第2位が大阪府25,951件、第3位が愛知県24,547件、第4位が神奈川県21,870件、第5位が福岡県20,173件の順であり、大阪府は東京都に次ぐ多さとなっています。
また、死者数については、第1位が大阪府148人、第2位が愛知県145人、第3位が東京都136人の順に多くなっています。
この要因は、交通渋滞の慢性化、違法駐車の高止まり、自動車・自転車などのドライバーと歩行者のモラル低下などが指摘されています。
平成25年施行の「改正道路交通法」において、自転車の車道走行の原則がルール化されたことにより、各地域において自転車走行空間が整備されつつある一方、自動車との混在による危険性が高まり、若者や高齢者による自転車事故が増加しています。加えて、電動キックボードなどの新しいモビリティにより引き起こされる交通トラブルについても懸念されています。
また、道路と関連施設の不備などが交通事故の多発を招き、バス・ハイタク事業やトラック事業の輸送効率が阻害されています。
(1) 交通事故防止対策(再発防止対策)における、統計的分析と、事例的分析による交通事故防止対策の具体的な成果について明らかにされたい。
(2) 自転車通行空間の整備について「大阪府自転車通行空間10か年整備計画」の計画期間が令和7年度までとなっているが、第20次回答以降の整備状況と計画の達成状況について明らかにされたい。
また、府内の市町村における、自転車ネットワーク計画の策定状況について明らかにされたい。
(3) 定時・定速運転を確保するためのバス優先レーン、バス専用レーン、バス優先信号の第20次回答以降の導入状況の変化について明らかにするとともにさらなる整備・促進を図られたい。
(4) 物流事業においては、輸送の効率化に向けた企業努力にも限界があることから、第20次回答以降の各自治体における駐車場附置義務条例制定の進捗状況について明らかにするとともに、主要な商業・業務集積地域における専用のパーキングエリア、荷捌場などのさらなる整備・促進のための制度の設立などについて検討を図られたい。
(5) 交通事故の減少や慢性的な渋滞の解消に向け、交差点の改良や狭隘・危険道路の改善、ガードレールやミラーなどの設置促進・整備を求めるとともに、第20次回答以降、具体的な整備で進捗があった事案について明らかにされたい。
(6) 二輪車の危険走行について、自転車やバイク等を使用してのいわゆる「フードデリバリー」による、信号無視や車道の無理な横断、死角等からの飛び出しなど悪質な運転は、事業用自動車の交通の安全を妨げる行為であり、その取り締まりや教育指導等の取り組みが強化されてきていることは評価するが、依然として危険運転等が散見されることから、さらに取り組みを強化されたい。
一方、電動キックボードについては、この間、人身事故や悪質運転などが社会問題化する中、その普及に慎重な対応を求めてきたにもかかわらず、最高速度が時速20キロ以下のものについては、16歳以上であれば運転免許は不要、ヘルメット装着は任意とするなどの規制緩和がなされたことは遺憾である。自転車等の取り締まりや教育指導等の対策も未だ十分とは言えない中、事業用自動車にとっての道路交通環境の悪化は明らかであり、より厳格な取り締まりや教育指導等の対策に取り組まれたい。
3 違法駐車の防止にかかる条例制定に関する要求
違法駐車の取り締まり 放置車両の確認事務は、令和5年4月1日現在、全国418警察署において、53法人に委託しており、約1,900人の駐車監視員により行なわれ、令和4年中の放置車両確認標章の取り付け件数は、84万4,598件(うち駐車監視員によるものは56万3,587件)となっています。また、「大阪府交通対策協議会」が策定する府民運動大綱において「めいわく駐車・放置自転車追放」を運動重点の一つに定め、毎月20日を「めいわく駐車・放置自転車追放デー」に設定しているが、大阪府内の駐車監視員及び放置車両確認標章の取り付け件数ならびに第20次以降の状況について明らかにされたい。
【条例未制定の自治体】
第20次の回答では、「違法駐車等の防止に関する条例」について、令和4年4月現在、府内19市2町であったが、現在の状況について明らかにされたい。
【条例を制定している自治体】
条例制定後の効果を検証するとともに、今後の新たな計画などがあれば、内容を明らかにされたい。
4 交通環境対策に関する要求
公共交通機関は快適で住みよい街づくりや都市機能の向上などを整備する上で重要な役割を担っています。
また、超少子・高齢化社会への対応、地球温暖化防止対策の観点からもハード・ソフト両面からの総合的な対策が急務となっています。
(1) 自動車総量を抑制するための交通需要マネジメント(TDM)施策を重視した地域レベルでの対応も不可欠であり、自治体としての基本的な考え方を明らかにされたい。
とりわけ、2025年の開催が予定される「EXPO2025 大阪・関西万博」においては、交通円滑化を目的として、TDMによる時差出勤・テレワークや主要道路における混雑区間の迂回などを呼びかけるとされている。
実施にあたっては様々な課題が想定されるが、行政として府民生活に混乱を来すことの無いよう、主体的な対応が必要だと考える。現時点での対応方針について明らかにされたい。
また、広域的な交通施策の充実・整備に向けて、国・都道府県に対して積極的な働きかけをされたい。
(2) 都市部における交通渋滞については、ドライバーの労働時間の短縮や環境負荷の低減などの観点からも重要な課題となっている。幹線道路などの基幹的な継続的なインフラの整備とともに、交差点、踏切、河川横断橋梁などのボトルネックを解消に向けた、幹線道路の機能強化も重要である。
第20次回答以降、ハード対策やソフト対策により進捗があった事案について明らかにするとともに、今後の具体的な整備予定などについて可能な範囲で明らかにされたい。
また、踏切については、ピーク時遮断時間が40分以上の「開かずの踏切」および遮断時間と交通量がともに多い「自動車ボトルネック踏切」や「歩行者ボトルネック踏切」について、大阪府内の状況と今後の改良に計画について明らかにされたい。
(3) 大阪府が取り組む「ノーマイカーデー」(毎月20日)をふまえ、各自治体が独自に取り組んでいる施策の内容を明らかにするとともに、啓発・啓蒙の充実を進められたい。
(4) 大阪府では「公共交通戦略」において、「公共交通の利用促進」を取り組みの一つの方向性としているが、例えば、自家用車の都市部乗り入れを抑制する手段としてパーク・アンド・ライドシステムの導入促進は有効な手段と考えている。
効率的な公共駐車場・駐輪場の整備拡大および民間類似施設への助成措置などについて検討されたい。加えて、交通環境についての学習や利用促進キャンペーンの実施などについても検討されたい。
(5) 地球温暖化防止対策が国際的に重視されていることをふまえ、自動車の総量規制はもとより、低公害車・低燃費車のさらなる普及促進が求められています。
(ア) 各自治体においては、率先して低公害車、低燃費車の普及・利用促進を図るとともに、事業者がインセンティブを付与されるようなモーダルシフトの推進のための助成など、実効ある温暖化防止にかかる具体的な施策について検討されたい。
(イ) エコドライブの推進とその重要性について、府民・市民の理解を促進するため、各自治体における啓発活動や情報提供を積極的に推進されたい。
(6) バリアフリー化の推進にあたっては、駅ターミナルやバスの停留所、歩道、陸橋などの公共施設についても、高齢者や障がいを有する方々の利便性向上に向けた配慮をふまえた整備と公的助成を推進されたい。とりわけ、高齢者・障がい者が巻き込まれる事故も発生しており、行政として事業者との協働による優先整備などの取り組みについても検討すること。
また、高齢者や障がい者の方への介助については交通事業者に委ねられているが、事業者の人的負担を考慮し、行政、民間、地域の協働による「社会全体で支えていく仕組み」について取り組みを進められたい。
都市交通網の整備についての要求項目
1. 自然災害や感染症拡大など非常時の公共交通の運行と安全輸送について
(1) 公共交通の公共性・公益性に鑑み、持続可能な地域公共交通を維持する観点から、豪雨災害による鉄道車両基地及び駅の浸水対策として、施設の改修や効果的装置の開発・設置など、この間各鉄道事業者として取り組みを進めてきてはいるものの引き続き大阪府や国と連携した財政措置の対策や継続した支援について考え方を示されたい。
(2) 自然災害や感染症等発生対策に対して、地域住民の安全・安心な移動を確保するため、安全衛生が徹底された就労環境の確保と必要な備蓄品を配備するための予算化について考え方を示されたい。
2. 交通政策基本計画に基づく公共交通政策の推進について
2023年に改正施行された地域公共交通活性化再生法の目的規定に、自治体・公共交通事業者・地域の多様な主体等の「地域の関係者」の「連携と協働」が追加されたことに基づき、地域公共交通計画の策定に向けた法定協議会に地域の公共交通をより把握している公共交通事業者の代表を参加させるとともに、自治体においても公共交通専任の部署を設置すべきであると考える。また、各エリアで公共交通のあり方が協議され始めているが、地域や事業者がともに、広域な交通体系を視野に入れた総合的な検討を行い、持続可能な交通ネットワークの構築に向けて進められるよう、さらなる支援の強化を図られたい。
3. 悪質クレーム(カスタマーハラスメン)への対策強化について
近年、様々なハラスメントが社会問題化しているが、交通・運輸産業においても悪質クレーム(カスタマーハラスメント)が大きな問題となっている。各事業者でも対策を講じているところではあるが、大阪府としてもハラスメント防止に向け、各事業者と連携し利用者に対する啓蒙活動等を強化されたい。
4. 大阪・関西万博への対応について
2025年に開催される大阪・関西万博について、交通アクセスの脆弱性を補うため、関西地域において出発地から目的地までシームレスな移動手段を提供するための観光・交通分野でのより広範で積極的な支援の拡充を図られたい。
また、会場の夢洲につながる唯一の鉄道路線であるOsaka Metro中央線の沿線には官公庁や大企業もあり通勤利用者が多いことから、万博開催期間における時差出勤やテレワークの推奨などについて官公庁が積極的に推進するとともに経済団体に協力を要請されたい。
5. MaaS促進事業の取り組みについて
利用者視点に立った関西MaaSの実現のために、自治体・企業間の情報共有・意見交換をより緊密に図ることができるよう大阪府が主導して「関西MaaS推進連絡会議」の活動をより強化されたい。
一方で、MaaSを使いこなすにはスマートホンの活用が必要であり、高齢者にとって利用が難しいことが一つの課題であると考える。高齢者が公共交通を活用して外出することは、健康維持やまちの発展にも繋がることから、超高齢社会において重要な課題となる。高齢者への公共交通利用促進について、具体的な対策や考え方を示されたい。
以上
バス関係 要求項目
1. アフターコロナにおけるバス事業について
鉄軌道・バスをはじめとする公共交通は長期化したコロナ禍にあっても安心・安全な公共交通の責務を果たし、社会インフラの一部として国民の生活と移動を守り続けました。しかし現在、全国的にバス路線の縮小・廃止に歯止めがかからず、2008年度から2022年度までの間に全国で約2万キロの路線が廃止されました。その要因は超少子高齢化による人口減少と都市部への一極集中、モータリゼーションの進展など、利用者の減少が多くを占めていましたが、近年では要員不足を理由として不採算路線を中心に路線の休廃止、さらには事業撤退する事業者さえ出てきており、バス路線は崩壊寸前の状態にあります。そうなれば住民の生活においても大きいな影響が生じることから、人々の移動を支える公共交通を維持・存続させるためには公的支援など、これまで以上に踏み込んだ施策が求められています。
貴自治体におかれましては公共交通の重要性を再認識頂くとともに、広く公共交通の利用促進を喚起されるとともに、国が定める交通政策基本法の基本理念にもとづき交通政策に関して、地域の関係者間の役割分担と合意の下で望ましい地域公共交通ネットワークを形成する新たな枠組みの構築について積極的に推進されたい。
2. 改正地域公共交通活性化再生法と地域公共交通計画について
改正地域公共交通活性化再生法において、地方自治体における地域公共交通計画の作成を努力義務化されました。このような状況を踏まえ、地方自治体が早期に地域交通に関するマスタープランとなる計画(地域公共交通計画)を策定し、事業者任せとなっているバス路線を、交通事業者をはじめとする地域の関係者と協議しながら公共交通の維持発展と改善策や移動手段の確保に取り組める仕組みづくりについての進捗状況を明らかにされたい。
3. 公共交通を有効活用するモビリティーマネジメントについて
公共交通を活性化・再生するためには、従来から取り組んでいる新路線の整備、運行ダイヤ・運賃の改定等、交通事業者を中心とした供給者側の取組だけでは限界があり、需要者側である地域の住民、学校、企業等の公共交通の利用促進の取組を自治体として支援することが求められています。そうすることで地域住民の一人ひとりに自主的な意識の変化を促し、公共交通需要の増加や路線の拡充にもつなげることが可能です。さらに都市部における主要道路では交通渋滞も頻発していることから、交通総量の抑制や環境負荷の軽減にも寄与し、持続可能な公共交通の実現が可能となることから、さらなる積極的な支援をされたい。
4. バス運転士・整備士の確保に向けた支援策の創設について
バス運転士・整備士の要員不足については、地方部のみならず都市部においても運行ダイヤの維持が困難な状況となり、多くの利用者に影響を及ぼしている。とりわけ地方部においては、高齢者の通院や買い物、学生の通学需要さえも維持が困難な状況となり、これ以上の公共交通の崩壊は何としてでも食い止めなければならない。また、安全運行を支える整備士についても同様であり、業界団体や事業者は要員確保にむけて様々な取り組みをおこなってはいるものの、要員が充足するまでには至っていない。
貴自治体におかれましても市民生活に密着した公共交通である路線バスを維持・存続させるために、要員確保に向けた取り組みに積極的に賛同されるとともに、実効性のある支援策を創設されたい。
5. 公契約条例の制定について
公契約条例は自治体が発注する公共工事・業務委託等に従事する従事者の賃金・報酬下限額を設定し、自治体・受注者の責任等を契約事項に加えることを定めた条例であり、ILO(国際労働機関)第94号条約に基づいていますが、現状大阪府下では「賃金下限規制」を含んだ公契約条例を制定した自治体はありません。契約の際に労働基準法等の法令を遵守する旨は確認されてはいるものの、競争入札などで契約単価が下がり、そのしわ寄せが委託された民間事業者などで働く労働者の労働条件低下や、据え置きとならぬよう、公共工事品質の確保や良質な住民サービスの確保、地元企業の育成、公正な競争を促進する観点からも貴自治体におかれましても制定にむけ、積極的に進められたい。
6. 自家用ライドシェアの危険性への理解と慎重な対応について
多くの諸外国・地域で禁止や規制強化がされているライドシェアについては、大阪・関西万博の来場者輸送を理由に一部の政治家が「ライドシェア全面拡大」を声高にさけんでいるが、世界的に見ても利便性・安全性の高い公共交通を持つ日本には不必要である。一旦導入されればタクシーのみならずバス・鉄道にも影響を及ぼし、将来的には公共交通の破壊につながります。ライドシェア等、白タク・白バス行為の合法化は、例外的な措置も含めて輸送の安全や利用者保護のため、貴自治体としても今後も断固として認めることの無いよう強く要請する。
7. 改正道交法への対応と特定小型原付の走行ルール啓発と取り締まりの強化について
2023年7月1日より、改正道路交通法が施行され、歩行者、自転車、自動車など既存の交通主体に加え、特定自動運行の自動車、特定小型原動機付自転車、遠隔操作型小型車などが同じ交通空間を通行するという新たな状況が生じることとなった。ついては、同法参議院附帯決議に基づき、各交通主体の安全を確保するため、車道と分離された自転車道、自転車専用通行帯などの交通空間を計画的に整備されるよう取り組まれたい。
また、特定小型原付(電動キックボード)について保安基準は適用されるものの、大型自動車からの視認性や運転者の走行ルール違反などの危険性も危惧されることから、(ア)歩行者との接触事故の防止について (イ)損害賠償責任保険等へ加入促進に向けた広報・啓発について (ウ)電動キックボード、電動モペットに関する違反、事故件数について、明らかにするとともに、各府県警察と連携し、走行ルールの徹底と事故防止啓発に取り組まれたい。
8. 大阪・関西万博への対応について
開催まで1年を切った大阪・関西万博について、輸送を受け持つバス事業者は、要員不足もあり、大規模イベントに係るシャトルバスの運行を受け持つ余力がないのが実状である。このようなことを踏まえたうえで学識経験者や大阪府・市、交通事業者等が参画している来場者輸送対策協議会における最終段階の輸送計画について明らかにされたい。
また、新たな移動サービスの実践としてMaaSや自動運転等の取り入れについての進捗状況を明らかにされたい。
9. 訪日外国人向け白タク・白バス対策について
国内における主要空港のみならず、大阪府内などの観光地においても在日外国人などによる訪日外国人への白タク・白バス行為が再び増加傾向にあり、検挙される例も報道されている。しかしこれらは氷山の一角であり、SNSを通しての集客や、海外の配車アプリ等によるマッチングをおこない、決済もアプリ内でおこなうなど事態は複雑化している。
貴自治体におかれましても、府・市関連施設周辺等でそのような違法行為がおこなわれていることは関知していないでは済まされないことから、国交省の通報窓口の啓発強化や、警察庁・観光庁等と連携し、白タク・白バス行為を撲滅するための取り組みを強化されたい。
以上