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公益社団法人 大阪府精神障害者家族会連合会 要望書
要望書受理日 |
令和6年12月19日(木曜日) |
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団体名 | 公益社団法人 大阪府精神障害者家族会連合会 |
取りまとめ担当課 | 府民文化部 府政情報室 広報広聴課 |
表題 |
2024年度(令和6年度)大家連要望 |
要望書
令和6年12月19日
大家連発21号
大阪府知事 吉村洋文様
公益社団法人 大阪府精神障害者家族会連合会
会長
2024年度(令和6年度)大家連要望
【医療】
- 令和6年改正精神保健福祉法において「自治体における精神保健相談支援体制の整備」との章で「市町村等が実施する精神保健に関する相談支援について、「精神障害者の他精神保健に課題を抱える者も対象にできるようにするとともにこれらの者の心身の状態に応じた適切な支援の包括的な確保を旨とすることを明確化する。また、精神保健福祉士の業務として、精神保健に課題を抱える元等に対する精神保健に関する相談支援を追加する。」とのことが掲げられていますが、具体的には相談支援体制がどのように改正されるのかを教えてください。
- (1)保健所の機能
統廃合の区割りが居住区民にとって不合理な分け方となっています。
例えば、島本町が隣の高槻市でなく茨木市に行かなくてはならない。
大阪府では本来の訪問相談業務など本来の保健所業務が減ったわけでもないにもかかわらず、現在大阪府保健所9か所、中核市保健所7か所 堺市保健所 東大阪市保健所 計18か所となり、1995年の22保健所7支所から後退しています。また精神保健福祉士の整理など、人的配置も激減しているとの情報があります。
昨年度の回答ではコロナ感染症拡大時には部内外の応援や保健所業務の外部委託による体制強化をはかったと回答されているが、コロナ以降 今後も専門性の高い業務に対して、応急的な職員配置では丁寧な訪問相談業務への対応には期待できません。
上記のような保健所の大幅な統廃合以降、保健所数、復活と精神保健福祉相談員の増員がなぜ進められないのか、現状をどう認識しているのか、を明らかにしてください。 - (2)市町村相談支援の明確化
法改正により「精神保健の関する相談が市町村で包括的に確保を明確化することと」されていますが具体的には相談支援体制はどのように変わるのかを明らかにしてください。 - (3)相談窓口の高いレベルへの格差の是正を図る援助をしてください。
基幹相談支援センター 地域生活支援センターなど市町村の相談支援体制を市町村格差是正を図るよう援助してください。
- (1)保健所の機能
- 24時間365日、緊急時にも適切に対応できる精神保健福祉医療相談窓口の実施を実現してください。
- (1)「おおさか精神科救急ダイアル」(平日17時から翌朝9時 土日祭日 9時朝から翌朝9時)の受付時間を24時間365日の拡大を去年要望しているとおり電話回線を増やしてください。
現在の日々の対応人数と回線を公表してください。 - (2)常に看護師、PSW、心理士など国家資格の保有者の配置を実現して、24時間365日の緊急時にいつでも対応できるようにしてください。
午前9時から夕方5時は保健所が対応するとされていますが、保健所相談員の多岐にわたる業務の中では、ていねいな緊急対応は不可能です。
- (1)「おおさか精神科救急ダイアル」(平日17時から翌朝9時 土日祭日 9時朝から翌朝9時)の受付時間を24時間365日の拡大を去年要望しているとおり電話回線を増やしてください。
- 精神科救急医療システムによる輪番制受け入れ態勢の抜本的な見直しをしてください。
- (1)地域に戻りやすい圏域での受け入れ体制を保証してください。現在も圏域に基づいた搬送であると聞いていますが、北摂から堺市への搬送など、現状の圏域機能は十分ではありません。
現状では、患者の病院選択が不可能で、また入院後の転院希望も認められず、入院中の面会、退院後の通院に支障をきたしています。 - (2)急性期の緊急危機対応できる受け入れ体制を備えた安心できる病院を選定してください。
令和6度年改訂の精神科急性期医師配置加算の設置基準によれば
精神科救急医療にかかわる実績を一定程度有していること
その病棟に常勤の精神保健指定医が2名以上配置されていること
が要件として挙げられていますが、大阪府救急医療システム輪番病院はこの基準要件を満たすものとして選定されていますか。急性期病棟を持たない病院での受け入れもあります。
- (1)地域に戻りやすい圏域での受け入れ体制を保証してください。現在も圏域に基づいた搬送であると聞いていますが、北摂から堺市への搬送など、現状の圏域機能は十分ではありません。
- 病状悪化で医療につながりにくくて困ったときに、医療とつなぐアウトリーチチームを実現してください。
昨年の回答では、「各保健所において、精神保健福祉担当者等が、医療機関や訪問看護、居宅介護事業所市町村など地域における様々な関係機関と連携し、多職種で当事者、ご家族に対して受療支援や治療継続支援など病状に応じた必要な支援を実施しています」とのことですが、緊急性も踏まえた多職種連携は、現状では実現は無理です。多職種専門チーム体制が必要です。
にも包括に掲げられているアウトリーチチームの立ち上げに、国に推進予算を強く訴えるとともに大阪府として責任ある実施計画を明らかにしてください。
仙台市、福島県、東京都、静岡市、三重県、京都府、奈良県、和歌山県、岡山県などの自治体では、アウトリーチチームの必要性を認め、アウトリーチ事業を実施しています。大阪府でも実施に向けて協議の場を作って大家連もその協議の構成員として参加することを必須要件とすることを強く要望します。
*三重県こころの健康センターが発行している『アウトリーチマニュアル』に、アウトリーチ事業をすでに実施している自治体が挙げられていましたので、上に追加しました。 - 精神科医療機関における身体拘束・行動制限に関する改善を実現してください。
隔離拘束に多くの当事者が恐怖で傷ついて、医療不信に陥り、その後適切な治療を受けることが難しくなっています。
現状の大阪府による病院実地指導では拘束実態の適否を指導していますか。
また院内行動制限最小化委員会の検討内容についても指導検証が必要ですが現在の指導検証はどのようにされていますか。 - 改正精神保健福祉法の規定に基づき、大阪府下で起こった精神科病院内の虐待事件について、通報の実績を開示してください。
「法令により毎年公表する」と昨年回答された通り令和6年4月1日より現在までの虐待通報状況を公開してください。 - あらゆる年齢の精神障害者 手帳1級だけでなく2級3級所持者対象に重度医療費助成を実現してください。
当事者の自立には経済的な負担解消が大切で医療費助成が必須です。
生活実態は、1級、2級、3級はほとんど同じで、障害者年金での暮らしは大変厳しいものです。
令和6年度の手帳1級者に対する重度医療費助成制額と今後2級、3級手帳所持者への重度医療費助成実施を想定した予算額を明らかにしてください。
令和3年4月よりの精神病床への入院補助制度や利用実態の詳細を開示してください。 - コロナが5類に移行したことにより、PCR検査やコロナ治療費の窓口負担が重くなり、障害者の生活を圧迫するものになっています。従来通り無料にすべく財源を確保してください。
- 先発医薬品選定療制度の先発薬を選んだ時、ジェネリック医薬品の製造上の違いによる効果の違いがあるため、患者の訴えを尊重して、ジェネリック医薬品を押し付けることなく、先発医薬品を適切に選択できるよう柔軟に対応することを医療機関に啓発してください。
【地域生活】
- 教育
- (1)大阪府職員並びに一般市民(教育職員、医療関係者、障害者地域支援事業所職員、地域自治会役員)への精神疾患理解および精神障害者の権利にかかわる人権教育の徹底をはかってください。
昨年度の実施状況(日程、場所、内容、対象者、参加人数)を一覧で明らかにしてください。
また今後それぞれの研修に当事者、家族の体験を伝える場を設定してください。
家族の体験を話す機会は、大阪府こころの健康総合センターベーシック研修(精神保健福祉医療新任職員研修)、摂津市(予定)2か所でしかお話の機会はないのが実情です。
全市町村には広がっていません。
全市町村に家族の体験を話す場を広げるため今後、大阪府はどのようにされるのかを明らかにしてください。 - (2)高校の授業の中に家族や当事者の体験を聞く機会を盛り込んでくださいと要望を続けていますが、昨年は一度も教育の現場でのお話の機会はありませんでした。大家連、当事者団体と連携して、家族や当事者の体験を聞く機会を各高校に広げてください。
- (3)高校の保健体育教諭への精神疾患を理解するための意志、地域支援者など精神保健福祉の現場を知る人や家族講師にした研修の実施を教育センターにうながしてください。
- (4)令和6年度改定の「みつめよう一人ひとりを」という教材が作成されているようですが、どのように活用されているかを明らかにしてください。
- (1)大阪府職員並びに一般市民(教育職員、医療関係者、障害者地域支援事業所職員、地域自治会役員)への精神疾患理解および精神障害者の権利にかかわる人権教育の徹底をはかってください。
- 住まい
- (1)公営住宅の障害者単身入居枠について、昨年度の実施数を開示してください。
さらなる入居機会の拡大措置は図られているかも明らかにしてください。 - (2)大阪市平野区の市営住宅の自治会当番について自治会の対応で障害者が自死する事件がありましたが、住民および自治会の障害に対する意識改革のために本年度はどのようなことがなされたかを明らかにしてください。
また、清掃の手間に関してはシルバー人材センターなど業者委託などで、負担軽減を図るべきであり、それに対する手間賃も行政負担を要望してきたが、本年度はどのように対応してきたか明らかにしてください。 - (3)福祉と住宅供給をセットにした国の民間住宅空住戸の供給をもとに「住宅セーフティネット検討会」のとりまとめ後、大阪府では民間住宅の供給を進めることがどのように検討されているのか明らかにしてください。
- (1)公営住宅の障害者単身入居枠について、昨年度の実施数を開示してください。
- 地域の日中の居場所
- (1)疲れやすい、体調の波がある、大勢の人との交流が難しいなど精神障害者の特性に合った就労に特定しない集いの場を拡充してください。
同じ病気の人としゃべることができ、お茶を飲めるような、安心できる集いの場、居場所の実現を望む声が大家連にも多く届いています。
特性に合わせて選べる場所は極めて少なく、現在の就労に特化した就労継続 就労移行の障害福祉サービスの目的になじめずこぼれ落ちる人が多く、自宅にひきこもる人が多いのが現実です。生活介護 自立訓練 地域活動支援センターの拡充と充実が望まれます。
親亡き後も安心して地域で暮らすことができる場の実現が切望されています。 - (2)現在の障害福祉サービスが就労に限定されがちですが、富田林市市では地域有志で立ち上げた集いの場があります。このような場への公的な支援(財源支援)をして活動が拡大するようにしてください
廃校利用などを可能とする場の情報提供などにも積極的に取り組んでください。 - (3)日中活動の場の職員の精神障害理解を進めて支援の質を高め、安心できる支援の構築と推進が望まれます。
精神障害の理解についての支援職員研修に府として取り組んでください。その研修には精神障害者の日常の暮らしを知る家族の体験を語る場を必ず取り入れてください。 - (4)相談支援事業者の精神障害へ理解が乏しいことも多々あり、当事者にあった居場所につながりにくいことがあるので、現行の相談支援従事者研修の内容は不十分と考えます。相談支援事業者の障害特性の理解をすすめて質の向上を図るための研修を実施してください。
- (5)就労移行支援事業所から障害者雇用ビジネスによる紹介先事業所での障害者対応に人権侵害が起こっている例があるが、就労移行支援ビジネス業者の質と業務内容のチェックを担う公的な部署の設置を推進してください。
- (6)障害者地域福祉サービス事業所が不足しているにも関わらず、ホームヘルパーなど福祉サービスに携わる人たちへの報酬の改悪、生活介護型事業所への報酬の時間要件の厳格への緩和策を講じてください。
- (7)事業所がたちゆかなくなっています。障害福祉サービスの場が減少し後退しています。大阪府としての救済策を講じてください。
- (1)疲れやすい、体調の波がある、大勢の人との交流が難しいなど精神障害者の特性に合った就労に特定しない集いの場を拡充してください。
- 国の「引きこもり支援推進事業」を大阪府はどのように実施しているのか、本年度の相談受付数、具体的な事業をあきらかにしてください。大阪府、市町村の「引きこもり支援相談窓口」を開示し、広く周知を要望してきたが、実施内容と実績を明らかにしてください。
- ヤングケアラーについては現在支援が進んでいるが、親、18歳以上の子供、兄弟姉妹、配偶者などその他のケアラーについての支援が放置されています。大家連は昨年度要望でもすべての家族の負担の実態を調査し、必要な公的支援体制の構築の要望をしてきましたが今後の実施計画を明らかにしてください。
- 障害者差別解消相談窓口について
- (1)大阪府障がい者差別解消条例に基づく市町村の障害者差別相談窓口の周知が不十分でありまた、機能しているとは言えません。適切な情報提供で積極的に周知を図ってください。
12月1日配布の府政だよりでは障害者差別への啓発ポスターが掲載されていましたが、連絡先がQRコード表示になっており、デジタル弱者が取り残されるものとなっています。リンク先のホームページも種種雑多な情報が掲載されており、連絡先情報としてすぐ使えるものとは言えません。 - (2)ある市に相談をしたけれど、担当者が合理的配慮に関する正しい知識を持っておらず、窓口紹介をするのみで、、当事者家族の抱える問題の解決につなぐ対応をしてくれませんでした。
相談対応者のレベル向上の研修を行ってください。
- (1)大阪府障がい者差別解消条例に基づく市町村の障害者差別相談窓口の周知が不十分でありまた、機能しているとは言えません。適切な情報提供で積極的に周知を図ってください。
- 災害時福祉避難所の問題
- (1)大阪府の市町村における災害時福祉避難所設置状況に関する一覧表を作成 公開してください。
精神障害者にとって、緊急時の情報取得、即行動に移すことは難しいことです。平常時から、避難所を公表することによって、不意の災害時の不安はかなり解消されます。 - (2)精神障害者にための福祉避難所へ直接避難できるシステムを構築してください。
一時避難所に一旦避難したうえでの振り分けを受けなくてはならないことは環境変化に大変弱い精神障害者にとっては、避難を断念せざるを得ないことにもなり。かねません。精神障害者への合理的配慮に欠けることにもなります。
- (1)大阪府の市町村における災害時福祉避難所設置状況に関する一覧表を作成 公開してください。