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西野々遺跡
西野々遺跡(にしののいせき)
- 所在地:富田林市伏見堂
- 種類:集落跡
- 時代:中世
- 調査期間:令和2年11月から令和2年12月
- 主な遺構:中世の掘立柱建物、井戸、土坑、焼土充填遺構
- 主な遺物:土師器(はじき)、瓦質土器(がしつどき)
西野々遺跡は富田林市伏見堂に所在し、石川右岸の河岸段丘上に立地しています(図1)。
図1 西野々遺跡の位置
令和元年度の試掘調査で新たに発見された、中世(鎌倉時代・室町時代)の遺跡です。
今回の発掘調査は、府営農村総合整備事業「伏見堂地区」に伴って約190平方メートルを対象として実施し、中世の掘立柱建物、井戸、土坑、焼土充填遺構を検出しました。
写真1 調査区全体写真
中世の掘立柱建物
鎌倉時代前半ごろに建てられたと考えられる掘立柱建物を4棟検出しました。中でも掘立柱建物02は南北3間(約4.3m)、東西2間(約3.6m)の規模で、最も大きいものです。柱穴は直径30から50cm程の円形で、内部に井戸を備えていました(写真2)。この掘立柱建物群は12世紀後葉ごろに営まれ、13世紀前葉から中葉にかけて廃絶したと考えられます。
写真2 掘立柱建物03検出状況(南から)
焼土充填遺構
掘立柱建物03の東側で検出しました。南北2.7m、東西3.3mの隅丸方形で、深さは36cmほどを測ります。埋土には焼土や炭化物、周辺土壌がブロック状に混じっていました。また土坑の底面や壁面は焼けていません。埋土の中からは青磁椀や鉢、瓦などが出土しています(写真3)。
写真3 焼土充填遺構(南西から)