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更新日:2025年2月8日

ページID:101885

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蔀屋北(しとみやきた)遺跡

遺跡:蔀屋北遺跡(しとみやきたいせき)

所在地:四條畷市砂四丁目地内

時代:弥生から江戸

調査期間:令和6年10月から令和7年1月

主な遺構:水田跡、杭列、ピット、土坑

主な遺物:須恵器、土師器、木製品

蔀屋北遺跡の概要

蔀屋北遺跡は、弥生時代~江戸時代にかけての複合遺跡です。文化財保護課では、平成13年度から平成21年度まで、なわて水みらいセンター建設に伴う発掘調査を実施しています。古墳時代中期から後期にかけての建物跡や区画溝が見つかっており、5つの居住域が想定される一大集落跡の存在が明らかとなっています。朝鮮半島との往来に用いられた可能性のある準構造船や半島から伝播した馬との関連が考えられる馬具などが出土しており、半島から移り住んだ馬飼い集団が営んだ集落であると考えられています。

調査地点位置図

図1:調査地点位置図(●:調査地点)

今回の発掘調査の成果

今回の調査地は、遺跡の北東端に位置しています。第1調査区(北側)、第2調査区(南側)に分けて調査を行いました(写真1)。古墳時代中期~中世の遺構・遺物が見つかりました。

調査区全景

写真1:調査区全景(上の矢板囲いの範囲が第1調査区、下が第2調査区)

第1調査区

何度も洪水の流入を受け、その度耕作をやり直すような土地利用がされてきたことが分かりました。水田跡では、人あるいは動物の足跡が確認できたほか、古墳時代後期の畦畔の痕跡を検出しました。下層では、古墳時代中期の溝、ピット、土坑を検出しました(写真2)。ピットの一つから木栓と土師器高杯が出土しました(写真3)。木栓は、建築部材あるいは何らかの構造物の部材と考えられ、別材に差し込んで留め具のように用いられたと考えられます。

第1調査区古墳時代中期の遺構

写真2:(第1調査区)古墳時代中期の遺構

第1調査区古墳時代中期のピットから出土した土師器高杯と木栓

写真3:(第1調査区)古墳時代中期のピットから出土した土師器高杯と木栓(左下)

第2調査区

畦畔は確認できませんでしたが、第1調査区同様水田跡の広がりが確認できました。古墳時代中期の遺構面では、調査区全面で土坑、ピットを検出しました(写真4)。遺物の出土した遺構は少なかったものの、土坑の一つからは製塩土器片が複数出土しました。

第1調査区、第2調査区ともに杭が数点出土しており、この杭は洪水の流入で不安定だった土地で耕作を行う上で必要なものだったと考えられます(写真5)。

第2調査区古墳時代中期の遺構

写真4:(第2調査区)古墳時代中期の遺構

第2調査区杭の出土状況

写真5:(第2調査区)杭の出土状況

 

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