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令和6年(2024年)9月4日知事記者会見内容
記者会見項目
- 咲州庁舎におけるサウンディング型市場調査について
- 自殺予防週間について
- 「認知症月間」について
職員
それでは、ただいまより知事記者会見を始めさせていただきます。
初めに、知事よりご説明がございます。知事、よろしくお願いいたします。
咲洲庁舎におけるサウンディング型市場調査について ※この項目で使用した資料はこちら
知事
私からは3点です。まず、1点目についてです。咲洲庁舎におけるサウンディング型の市場調査を行います。
これは、咲洲庁舎に入っているホテル、さきしまコスモタワーホテルの明渡し後におけるテナントの公募条件を検討するに当たってサウンディングをします。市場動向、事業者の活用意向等を事前に把握するための調査をいたします。さきしまコスモタワーホテルとの訴訟等々につきましては、もう既に報告しているとおりです。予定どおり、10月31日までに明渡しを受ける予定にしています。
そして、このマーケットサウンディングですけども、その後の活用ということで、まず対象フロアですけれども、低層階、7階から17階までの計11フロアについて、マーケットサウンディングをいたします。原則として7階から17階の全てのフロアを一括して借り受ける活用案の提案を募集いたします。
この中で、7階から9階についてですけれども、これはホテル仕様の改修工事がまだ未完了になっています。今、10階から17階までについては、もうホテル仕様は完了して、そして実際に10階から17階までがさきしまコスモタワーホテルとしてこれまで使われてきました。そして、7階から9階も貸していたところではあるんですけれども、ここについては、まだホテル仕様の改修工事が途中の段階で止まっているというものです。
今回のマーケットサウンディングについては、7階から17階、全てを対象とすることを原則として、全てを借り受ける場合にどんな活用案がありますかということの募集をいたします。もちろん、現況のまま使用する場合、これが一番多いと思います、今もう既にホテルなわけですから。もちろんホテルはあると思いますが、それ以外にも募集をいたします。ホテル以外で、用途変更してこういった活用があるんじゃないかという提案があれば、それも含めて募集をいたしますので、必ずしもホテルに限ったものではないというものになります。現状、ホテルで今使われているものであります。
そして、スケジュールですけれども、本日から調査を開始いたしまして、現地見学会を9月中旬に行います。そして、9月下旬には質問の受付をいたします。ですので、興味のある事業者の皆さんには、実際、このホテル仕様への改修工事が未完了のところはどうなっているのかとか、そういうことも含めてこの現地の見学会等をさせていただくということになります。そして、10月には提案書を受け付けし、そして、サウンディングを10月下旬から行います。11月の上旬には結果を皆さんに公表させていただこうというふうに思います。この市場調査を踏まえた上で公募条件を設定いたしまして、できれば今年度中にこの公募の手続を終えたいというふうに思っています。詳細につきましては、このホームページを確認してもらえたらと思います。
自殺予防週間について ※この項目で使用した資料はこちら
次です。2点目です。自殺予防週間についてです。
9月10日から9月16日までは、自殺対策基本法に基づく自殺予防週間となっています。近年、自殺者数は増加した後、横ばいの状況にあるという現状です。府では、自殺の対策の取組を強化していこうと考えています。こちらが大阪府の自殺者数の推移ですけれども、全国では平成24年から3万人を下回って、令和2年に11年ぶりに増加をしています。全国と似た動きをしていますが、大阪府においても、令和2年に増加した後、今、横ばいで経過しているという状況です。そして、40代から50代はピーク時から大幅に低下をしてきていますが、29歳以下は平成30年以降増加傾向にあります。若い世代の方の自殺予防対策が重要だというところです。
自殺の背景には様々な社会的要因があると、複雑に関係しているものでもあります。ですので、相談支援の体制の充実をさせること、これが重要だと考えています。近年の若年層の自殺者数が高い水準で推移していますので、自殺予防週間に全国で子ども、若者の自殺防止に取り組む中で、大阪府としてもその対策を強化していこうというふうに考えています。
中身についてです。とりわけ学校の長期休み明けになる9月、重要な時期になります。ここに、こころの健康相談窓口を拡充いたします。そして、民間団体と連携した相談窓口の周知啓発に取り組みます。具体的にですけれども、こころの相談体制についてですが、こころの健康相談統一ダイヤルですけれども、通常は9時半から17時までですが、9月は24時間体制で相談の受付をいたします。ここにありますけれども、0570-064-556ということで、「おこなおう まもろうよ こころ」という当て字もありますけれども、0570-064-556、こちらのダイヤルで24時間体制で相談の受付を行っています。もし何か悩んでいることがあれば、よろしかったら話していただけたらというふうに思います。悩みがあれば、気軽に相談をお願いしたいと思います。
また、若者向けこころの相談窓口ということで、大阪府こころのほっとラインということで、SNSを使った相談も行います。これは対象として大学生、短大生、専修学生、また妊産婦等を対象にさせていただきます。相談は若者向けの相談窓口サイト、大阪こころナビからアクセスできるようにしています。
また、学校については、小学校、中学校、高校、支援学校の児童生徒を対象にしまして、また別途、LINE相談であったり電話相談をこのように受け付けております。24時間のSOSダイヤルもあります。もし悩みがあれば、いろんな相談のチャンネルはありますので、ぜひこちらのほうに、気軽に、悩みがあればご相談をいただけたらと思います。専門の相談員が対応いたします。
また、この周知啓発にご協力いただいています、民間企業の方にもご協力をいただいております、自殺を防いでいこうということの周知啓発についてです。一つは、デジタルサイネージの活用ということで、自社ビルであったり、あるいはサッカースタジアムのサイネージで相談窓口を周知いただいています。これはガンバ大阪、セレッソ大阪、FC大阪さんにご協力をいただいています。大塚製薬さんにもご協力をいただいています。
それから、コラボのリーフレットであったりポスターの作成、これは医療機関、学校、市町村等で配布する自殺予防周知啓発、そういったことのリーフレットやポスターの作成、学校等に貼るもの、これについてもご協力を民間の皆さんいただいております。コラボリーフレットでいきますと、関西テレビさんであったり、民間の企業の皆さんにそういったものをご協力いただいております。
そして、若者向け相談窓口案内カードの配架ということで、大阪府内のインターネットカフェ、あるいはその漫画喫茶等にカードを配架しております。これは日本複合カフェ協会加盟店舗ということで、このインターネットカフェ、漫画喫茶等に若者向けの相談窓口のカードなんかも置いています。いろんなチャンネルがありますので、ぜひ悩みがあれば相談いただきたいですし、こういった何とか自殺を防いでいこうということに周知していく、啓発活動をしていくことにご協力をいただいている民間企業の皆様に感謝を申し上げます。
「認知症月間」について ※この項目で使用した資料はこちら
そして、3点目です。9月は認知症月間になります。この9月ですけども、今年1月に施行されました「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」、これに基づいて、初めて認知症月間というものに取組をいたします。
大阪府においては、認知症の方を含めた一人一人がその個性と能力を十分に発揮できる社会をつくっていこうじゃないかという基本的な共生社会の考え方というのがあります。その中で広く認知症についての理解を深める取組を特にこの月間の間、強化して実施をしていきたいと思います。
中身ですけれども、まず認知症月間における具体的な取組ということで、啓発イベントを開催いたします。9月17日から9月30日まで、「認知症にやさしいまちSAKAIパネル展&物販会」、これは堺市と協力して行います。堺市役所本館エントランスにおいて、認知症に関するパネルであったり、いろんなマルシェであったり、折り鶴のワークショップであったり、また、この折り鶴は大阪・関西万博の会場等でも展示をする予定にもしております。「認知症にやさしいまちSAKAIパネル展&物販会」、堺の市役所で行っていますので、ぜひお越しいただけたらなと思います。
また、シンポジウムを開催いたします。9月19日、15時から16時ということで、これは阿倍野にあります阿倍野の小ホール、区民センターで「認知症と共に生きる共生社会を考えよう」ということで、これは認知症の当事者の方であったり、あるいはお医者さんであったり、その関係者の方に入ってもらってシンポジウムを開催いたします。そして、府内各所で啓発ポスター等を掲出していきます。9月21日は認知症の日といたしまして、オレンジライトアップをします。例えば太陽の塔において、この認知症の日でぜひ皆さん知ってくださいということで、万博記念公園の太陽の塔のライトアップをしていきます。
それから、次ですけれども、9月17日ですが、府庁においておおさか希望大使を任命いたします。委嘱状の交付式を行います。これは何かというと、この希望大使というのは認知症の方本人になっていただきます。認知症の方ご本人が自らの言葉で語って、そして、認知症になっても、希望を持って前を向いて活動する姿を積極的に発信していただける方、広く認知症に関する啓発活動を行う方、そういった認知症の当事者の方に、実際におおさか希望大使になって就任をしていただくことになります。その委嘱式を行います。これは市町村からの推薦に基づいて、こちらで委嘱をする、この方に委嘱するという方を決定いたしました。
活動内容ですけれども、府であったり市町村が行う研修であったり、認知症の普及啓発活動に参加をしていただいたり、その協力をいただく。また、認知症サポーターの養成講座の講師であるキャラバン・メイトへの協力等もやっていただくということになります。ここにありますけども、認知症サポーターというのはもう既にある制度ですけれども、認知症の人やその家族の応援者となる、これは研修を受けていただくと認知症サポーターとなるんですけれども、認知症サポーターになることをぜひご検討いただけたらなというふうに思います。現在、令和5年度末時点で大阪府内の認知症サポーターの方は85万人の方がいらっしゃるという状況です。令和8年度末までに100万人を目標として、認知症サポーターの輪も広げていこうと思います。
そして次、これは新しい制度になりますけれども、大阪府認知症サポート事業所の登録を開始いたします。何かというと、これは認知症に関する正しい知識を持って、そして、認知症の人に対して優しい取組を行う民間事業者を登録していきます。例えば銀行であったり、スーパーであったり、小売店であったり、いろんなところで認知症に関して知識があり、また、そこに優しい対応をする、そういった事業所さんを大阪府認知症サポート事業所として登録をしてまいります。ここにステッカーもありますが、そういったことを、この輪を広げていこうと思います。
そして、対象ですけども、登録基準を満たす府内の日常生活であったり社会生活を営む基盤となるサービスを提供している民間事業者の方です。その方が運営する事業所ということで、具体的には、事業所の責任者の方が認知症サポーターであるということと、何らか認知症に対する優しい取組をしているということが登録要件になりますが、詳しくはこちらのほう、ホームページで展開していますので、こちらを見ていただけたらというふうに思います。民間事業者の皆さんの積極的な登録をお願いしたいと思います。
そして、将来的にはこの認知症サポート事業所については大阪府から公開をしていこうと思います。なので、認知症の方が外にお出かけに出られるときに、ああ、ここは認知症サポート事業所登録なんだというのが分かるように、そういったものを広げていこうというふうに思います。また、その周りの方も含めて認知症サポート事業所がここなんだということを知っていただいて、そして、その輪を広げていけたらと思います。認知症の方が住みやすく暮らしやすい、そういった大阪府をめざしていきたいというふうに思います。
私からは以上です。
質疑応答
職員
ありがとうございました。
それでは、府政・公務に関するご質問をお受けいたします。質問されます方は挙手の上、社名とお名前をおっしゃっていただきますようお願いいたします。
それでは、幹事社の読売新聞さん、よろしくお願いします。
咲洲庁舎におけるサウンディング型市場調査について
記者
読売新聞の山本です。
大きく3点ありまして、まず1点目に咲洲庁舎の市場調査についてですけれども、改めて空きスペースができることを、基本的には民間のほうに、民間の事業者に入ってもらうということなんだと思うんですけれども、民間に入ってもらう理由ですね、府として執務スペースとして活用するような方向性もゼロではないと思うんですけども、民間の事業者に入ってもらうと、そこの理由についてお考えを伺えますでしょうか。
知事
執務スペースについては一定確保をしている中で、この咲洲庁舎、WTCビルは非常に高いビルでもありますから、執務スペースを一定確保した上で空きスペースをどうするかということで、この間ホテルとして貸出しをしてきました。ですので、今後もやはりここは収入というのがそのまま大阪府の財源になりますから、そして、このビルを維持する費用も当然必要になってくるという意味で、有効活用をしていくべきだという考え方です。
ですので、この点については、これまでもホテルとして活用してきましたので、もちろんこれは訴訟になっているわけですけれども、実態としてホテルとして活用してきたところもありますので、ここは民間の力を活用することによって、大阪府とすれば収入を確保する、そしてまた、空きスペースを置いておくわけではなくて、ここを活用することで社会を活性化させていく、空き室を眠らせるようなことはしないという基本方針で、民間活力でこの不動産を生かしていくという基本的な考え方です。
関西国際空港開港30年について
記者
ありがとうございます。
もう1点は、本日、関西国際空港が開港してからちょうど30年となります。ちょうど30年を迎えて関空が今の姿に至るまでいろんな課題を乗り越えながら進んできた部分があると思うんですけれども、現状、知事としては関空の大阪にとっての存在価値、存在意義というのはどのように捉えておられるのか、改めて伺えますでしょうか。
知事
関空については、極めて大阪、そして関西にとって重要な国際空港、海外との窓口になっているというふうに思っていますし、これからもさらに大阪の成長のため、飛躍のために関西国際空港、あるいは関空ファーストとして、関空会社とともに活用をしていきたいと、大阪の成長、また大阪の関西の世界との玄関口としての役割をより高めていきたいと思っています。
30年の歴史という意味で見ると、一つ、当然ここまで来るのに一筋縄では全くなくて、今こうやって関西国際空港が非常に活性化してきている大きな理由とすれば、僕は当時の橋下知事の行動というのが非常に大きかったというふうに思います。もともと関空というのは非常に赤字で、閑古鳥が鳴いて、なかなかもうどうしようもないというような状況でした。これは実際の話です。それをどうするかということで、その中で、もともと関空というのは神戸というか、あっちが、国際空港は埋立てで神戸のほうにつくったらどうかということを、神戸が反対をして、兵庫が反対をし、兵庫、神戸かな、そちらが反対をしてそれで関空ができたにもかかわらず神戸空港ができて、結局この神戸空港、神戸空港というのはそんな大きな空港じゃないんですけど、それで神戸にも空港というのができた。そして関空もあり、そして伊丹もあり、この3空港をどうするのだというところの本質的な、ある意味取組ということが非常に重要になってくる中で、当時の橋下知事が、伊丹を廃港にするということをある意味宣言をされて、そして、そこから大きく動いたと思います。
国もそこから、じゃあ、どうするかという本腰を入れ始めたというふうに思います、関空の扱いについても。結果、関空についてはコンセッション、民間の活力を使うということで、3空港を一体して民間が運営していくという方式を取り、今はオリックスとヴァンシがやってくれて関西エアポート社が運営をしている。そして、また戦略としてもLCCを導入していこうと。そして、貨物を重視しようということの戦略に切り替えて、その戦略の中で非常に関空が活性化してきたということがあると思います。そして、関空が選ばれる空港になり、非常に関空が息を吹き返してきたと。その中で、インバウンドも含めて大阪や関西の魅力というのは非常に高いですから、関空が選ばれるようになってきているというところだと思います。
もともと24時間空港ですから非常にポテンシャルが高いわけですが、そのポテンシャルが生かされ始めているというところだと思います。そして、そのポテンシャルをさらに生かすということで、これはこの間議論してきて、この夏、私も入って方針を決定しましたけれど、発着の枠数を23万回から30万回に増やすという発着枠数の拡大、これが正式に認められることになりました。関係者の協議も踏まえてですね。
そしてターミナルの改修、これは行ってもらったら分かると思いますけど、かなり関空のターミナルが今、変わったものになっています。とりわけ来年の万博の頃には完全に、実はさらにその先にもちょっとあるんですけども、万博の頃には非常に処理能力が高い、本当に世界の国際空港に近いものになってきている。入退場についても様々な最新技術を使い、そしてまた国際線を強化するというところで、関空として生まれ変わって、そしてその機能をさらに高めているというのが現在だというふうに思います。もともとは非常に中途半端な空港で、赤字で閑古鳥が鳴くような空港でした。国際空港なのか国内空港かもよく分からないし、国も明確になかなか位置づけないようなところで、ある意味そういった大改革を経て今があるというふうに思っています。
関空の魅力、可能性をさらに高めるべく、先ほど申し上げた容量の拡張であったり、第1ターミナルの改修というのを今はもう終了いたしていますので、万博時もそうですけれども、関空の可能性というのは、これからも非常に多くの方が利用される、まさに大阪・関西の世界の玄関口のハブ空港として、ハブ空港というか、そこが最終目的地なんですから、ハブという意味ではちょっと違うんですけれども、大阪・関西エリアに来ようと、そこの拠点として、玄関口として非常に強力な空港と今、民間の方針の下で、民間の感覚も入った空港経営がなされ、非常に関空自身は大きく飛躍をしてきたというふうに思います。これまで一筋縄ではなかったというふうには思っていますが、先人の様々な努力があって今があるというふうに思っています。
今後、僕自身は知事としてやっていますので、今もやっていますけども、さらに関空の可能性を伸ばすということ、容量拡張であったり、ターミナルの改修であったり、こういったことは関西エアポート社と協力しながら進めていますし、また地元の理解がなかったらなかなか難しいですから、地元、泉州の市町の皆さんにもご協力もいただきながら、この関空エリアの成長というのは、関空自身の国際空港機能の強化をこれからより一層図っていきたいと思います。大阪・関西の玄関口としての機能の強化を図っていこうというふうにも思います。また、海外のお客さんも多いですから、泉州エリアでの活性化ということも力を入れていければというふうに思っています。あとは、3空港一体で運営されていますから、それぞれが役割分担を明確に果たしながら、もちろん国際線という意味では関空ファーストという中で、関空、伊丹、神戸空港、3者がうまく一体運営の中で大阪・関西の経済成長につなげていければいいなというふうに思っています。
「宿泊税」の引き上げ等について
記者
ありがとうございます。
最後に、宿泊税に関連をして、先般、有識者のほうが、宿泊税について、宿泊税の課税額を引き上げるという答申をしましたけれども、改めてその答申を受けての受け止めと、府としての対応をどうするかということと、宿泊税を引き上げることによって、観光施策とかの財源というのは一定程度確保できるようになると思うんですけれども、知事はかねてから外国人の徴収金という話もされております。財源が確保されている中で、そういう結論が出た中で、引き続き外国人徴収金というのは導入をめざしていくお考えなのか、その点も併せて伺えますでしょうか。
知事
まず今回、宿泊税に関する答申が出ました。中身としまして、100円から200円宿泊税を値上げして、そして200円から500円の範囲で宿泊税をお願いするという答申です。また、免税点についても7,000円から5,000円に引き下げるという答申が出ましたので、この答申に基づいて、大阪府の宿泊税については改正をする予定です。この改正につきましては、改正の条例案を9月議会に提案する予定にしています。
答申の中身ですけれども、この間、先ほどの関空の話じゃないですけども、大阪は国内外から多くの方が訪問してこられる場所にもなり、そして多くの方が宿泊をされています。これは観光だけじゃなくて、当然ビジネスも含めて、大阪というのが選ばれるエリアとして、非常に多くの方から宿泊であったり、そういった需要が多くなってきています。それがゆえに、皆様ご承知のとおりですけれども、なかなか大阪には今までなかったような高級ホテルなんかも建ち始めているという状況でもあります。これはそれだけ需要があるということです。ですので、そういった国内外から含めて、大阪に宿泊の需要がある中で、宿泊税というのは5年に1回見直すという条例になっています。
本来であれば、コロナの期間中に宿泊税を見直す予定になっていたんですけども、5年に1回というスパンであればですね。ただ、まさにコロナ禍でしたから、それはなかなか実質議論できる状況にないということで、据置きの状態になっていました。コロナ禍を経て、今、もう海外のお客さんでいってもコロナ前を超えたというような状況の中で、社会経済活動も復活して、多くの方が国内外から大阪に宿泊をされています。5年ごとに検討するという条例のルールに基づいて今回答申が出されて、専門家等を含めた答申が100円から200円の増額をお願いするという中身ですから、それに基づいて大阪府の条例も改正をしたいと思います。これによって、財源が約20億円台から80億円台に増えるということになりますから、これを基に観光客の受入れ体制の整備であったり、あるいは観光施策の促進であったり、そういった宿泊税の趣旨に合った財源として活用をしていくということを考えています。
外国人徴収金については、非常に論点も多いということで、これは引き続き議論ということになっています。今回、宿泊税に関しては、これまで大阪府でももちろんやってきて、5年に1回見直すというものになっているものでもありますし、他のエリアでも宿泊税というのは通常あるものですから、第一次答申という形で答申が出ましたので、それに基づいて対応するということになります。外国人徴収金につきましては、これは非常に論点も多いということで、専門家の皆さんの意見の中でも、さらに十分な議論が必要だということで、継続議論になっています。その答申の結果を踏まえて大阪府の対応というのは判断をしていきたいというふうに思っています。外国人観光客徴収金について、もうやめたわけでもないし、今、私としては専門家の答申を待っているという考え方です。必要だという考え方は今も変わっていません。
記者
ありがとうございました。
職員
ほかにご質問ございますでしょうか。そうしましたら、朝日新聞さん、どうぞ。
万博期間中のIRの工事関連について
記者
朝日新聞の箱谷といいます。
万博中のIR工事についてお聞きします。今、万博協会とか、あとBIEと対応を調整されていると思うんですけど、騒音とか景観の話、どうしても感覚的な問題でもあって、受け入れられるかどうかというのは人によっても大分違うと思うんですけど、そういう中で、万博に影響が出ない工事対応というものの着地点をどういうふうに見いだしていくのかというのを改めて教えてください。
知事
騒音等については、具体的な対策というのを実際に取りながら進めていくということを、具体的な案というのを詰めていっていますし、構築もしているところでもあります。そういったところを今、深く協議している最中でもあります。これは事業者、大阪府・市、国が協議をしているという最中でありますので、それはどこか一定の段階のところで、こういった内容で進めていこうということが合意して進められればいいというふうに思っています。それぞれが敵対しているものではなくて、万博もIRもいずれも重要な事業ですから、両立させるために、今まさに実務的な協議を含めて、関係者間で調整をしているというのが現状です。
記者
関連で、今、一定の段階でというお話があったと思うんですけど、BIEのケルケンツェス事務局長は9月末にも問題を解決したいというふうに言っていて、知事としては9月末までに対策の合意が取れて解決できると考えていらっしゃるのか、お考えを教えてください。
知事
もちろん今、協議して最終調整している段階ですけども、できるだけ早くそれは対応を決めていければいいと思っていますが、具体的にこの時期というのはあるものではありません。
記者
9月末は難しいと見ているというわけではなく、まだ分からないということですか。
知事
分からないというか、今、関係者で鋭意協議をしているというところです。またケルケンツェス局長も、おっしゃっていたとおりですけれども、報道されているとおりですから、ケルケンツェス局長にも一定国からも詳細に説明をしながら、関係者間で理解が得られるように進めているというところです。
記者
分かりました。
あと確認なんですけど、万博中にこの工事を中断するということになれば追加負担も当然出てくると思うんですけど、これに府・市とかの税金が使われないということでいいのか改めて確認させてください。
知事
報道されたとおり、ケルケンツェス局長も万博中に工事の中断を求めるものではないということもおっしゃっておられました。どうすれば両立できるかということを今、協議しているところであります。
記者
もちろんそうなんですが、仮説の話にはなってしまうんですが、その工事を仮に少しでも中断するとなった場合には追加の対応とかが求められると思うんですけど、それの負担で税金を使われないかというのを改めて確認したいんです。
知事
そこに税金を使うつもりはありません。
記者
分かりました。ありがとうございます。
あと最後に1点だけ、そもそもの話になっちゃうんですけど、万博中にIRを工事するというのは一定の反発とかも事前に予想されたと思うんですけど、昨年秋の実施協定の段階で万博中に工事をしないということを盛り込まなかったというのはなぜなんでしょうか。
知事
工事をしないというか、これまで協会とも協議をしながら、万博期間中の工事をどうするかということについて、会場に対して悪影響を生じないような対策を取っていこうということを協議して、そしてそれを公募条件に定めて、公募条件として皆さんにも公表しながら、そして事業者も応募をされたという経緯があります。そして、区域整備計画等においても万博期間中の工事があって、そしてそれについてはやっぱり悪影響を生じないような措置を取ろうということを条件として進めてきているということがありますから、そしてそれは国も認可をされていますから、そういった意味では国とも協議をしながら進めてきている内容だということです。誰かが単独で進めたものではないということです。
記者
ありがとうございます。
職員
ほかにご質問ございますでしょうか。そしたら、共同通信さん、どうぞ。
大阪府学校教育審議会の答申について
記者
共同通信の鶴留と申します。
8月の下旬の話になるんですけれども、大阪府の学校教育審議会のほうから府立高校の入試の改革についての答申が出たと思います。この中で、府立高校の一般入試を数週間程度早めるのが望ましいといった文言も盛り込まれていたんですけれども、それに対して私学団体や中学校の現場からは、一方的だといった批判ですとか、入学までの期間延長で素行が悪化したり学力低下が懸念されるといったような意見も出ています。まず、この答申案についての知事の受け止めを伺えますでしょうか。
知事
この答申案については、子どもたちの教育的な観点からどういった入試制度がふさわしいかという観点から、まさに専門者を交えて答申が出されたと思っていますので、それに基づいて最終的には教育庁で判断していくということになるんだろうと思います。僕自身は、この答申は至極真っ当なものだというふうに評価をしています。最終的には教育庁が判断するということになろうかと思います。子どもたちが入試をしてから入学するまでの準備期間であったり円滑な移行であったり等々も踏まえて、そういった提案もされていますし、また、入試によって複数校を志望できるようにするというような制度であったり、あるいは特色ある入試制度というようなことも答申でされていますので、そういった意味では、やはり子どもたちの教育の観点からどういった入試制度がふさわしいだろうかという観点から答申された、僕自身も非常に納得できるものだというふうには思っています。最終的には教育庁において判断されるということになると思います。
記者
ちょっと関連する部分はあるんですけれども、授業料の完全無償化の影響といいますか、効果が現れて、私学の専願率が上がっているという状況の中で、公立離れが進んでいるという状況があると思います。知事はこれまでも公私が切磋琢磨すべきだというふうにおっしゃっておられました。今後、府教委や公立高校側と、この公立離れを阻止するために、どういった取組を進めていくべきだと考えておられますでしょうか。
知事
やはり公立高校自身も、どういった学校として、公立高校としてこれから必要な教育は何だろうということをより追求していく必要があると思いますし、そうすべきだと思います。要は、学校というのは子どもたちのためにあるので、学校のために学校があるんじゃなくて、子どもたちのために学校がありますから、その視点で僕は教育行政というのは考えています。
そう考えたときに、例えば専願率が上がったというのは、これは裏を返せば、それまでは経済的な事情で行きたい学校に行けなかった子どもたちの選択肢が増えたと見るべきだと僕は思っています。それをよしと見るのかよしと見ないのかという評価はあるかもしれません。いや、それはやっぱり家計において経済的に裕福なところだけが行ければいいんじゃないか、それはある意味その家庭の問題だという判断の価値観もあると思いますが、僕は高校はそれじゃないと思っていまして、99%が高校に入学するわけですから、やっぱりどんな家庭環境であったとしても、経済事情であったとしても、子どもたちが行きたいと思える学校に行かせてあげたいと思うし、その選択肢の幅をできるだけ認める社会をつくっていくべきだという考え方です。ですので、よく私学の専願が増えた、公立を潰すのかとか言われるんですけども、いやいや、それは今まで経済的な理由で行きたい学校に行けなかった子どもたちが行けるようなったんじゃないかと、僕はそういうふうに思っています。
そして一方で、公立高校についても、やはり、さっきの入試の話ではないけれども、子どもたちの教育にとって必要な公立教育というのは何だろうか、学校において必要なことって何だろうかというのをより深めてもらいたい。それは最終的には子どもたちのためにやってもらいたいというふうに思っています。
全体とすれば子どもの数はこれから減ってくることは間違いないわけですから、学校の再編は当然必要になってくるとは思います。だって、僕が子どものときは、大阪の公立高校に僕は通いましたが、子どもの数は200万人の時代でした。今は子どもの生まれる数が70万人ですから、半分以下になっている。学校だけが同じ状態にあるというのはあり得ないわけで、僕が通っていた高校時代と明らかに子どもの数も違うわけですから、再編というのは必要になってくるだろうというふうにも思います。
そういう意味で、私学自身も定員割れというのは起きているというのが事実。これはやっぱり子どもの数が少なくなってきているから、当然そうなってくる中で、やはり公立においても、今後子どもたちがいろんな社会で活躍する、すばらしい、いい教育というのは何だろうというのをより追求していくべきだと思います。そうなるとやっぱり選ばれる学校になってくると僕は思います。
これは何もみんなが100点を目指せ、偏差値が高い学校を目指せと言っているわけではなくて、その人に、子どもたちに合った学校、個性を伸ばす教育って何だろう、公教育、公立高校の果たすべき役割って何だろうというのをもっともっと追求していくべきだというふうには思っています。例えば、学習に課題がある子どもたちを積極的に受け入れようと頑張っている公立高校もありますし、そういったところに特色を持っていこうという高校もありますし、グローバルリーダーズを育てようという高校もあるし、これから子どもの数が少なくなってくる中で、やはり高校教育、求められる公教育というのは何だろうということを、これを機に、よりそこを深めてもらいたい。学校のための学校ではなくて子どもための学校であってほしいというふうに思っています。
記者
ありがとうございます。
職員
ほかにご質問ございますでしょうか。そうしましたら、読売テレビさん、どうぞ。
府立高校の再編について
記者
読売テレビの加藤と申します。
入試の話が出たので関連して一つ伺いたいんですけれども、府立高校の再編の仕組みについて、一つだけではなくていろんな条件の下で再編を考えられていると思うんですけれども、最近は日本大学の研究チームでも、通学距離が長いと精神的にも悪影響があるというようなところもあった中で、再編が進めば進むほどその自治体では府立高校がないというところも出てきているかと思いますので、そういった条件というところ、3年連続の定員割れだとか、見直しの可能性はあるのか伺えますでしょうか。
知事
3年連続で定員割れしたらすぐ閉校するというものではありませんので、それはご承知のとおりだと思います。その上でなかなか増える見込みもなく、改善の見込みもないとか様々な諸条件をもって判断するというものでもあります。その中で通学についてですけれども、じゃ、高校生が通学する範囲はどこまでなのかというのをちょっとよく考える必要があるかなと思っています。例えば、市単位で学校がゼロになるとよく言われるんだけれども、市単位で見るのが本当に適切なのか、いろんな交通網というのは発達をしていますから、特に大阪というのは平地で、全国でも2番目に面積が小さな都道府県で人口がある意味多い都道府県でもあります。それゆえに交通網も発達している中で、交通を理由とするというのはどこまで考えるべきかというのは、よく教育庁においても検討してもらいたいなと思います。
例えばですけれども、過疎地は高校生も通う距離が非常に長かったり、あるいは山を越えてなどいろんな学校もあったりする、そういった都道府県も非常に多いけれども、大阪は言っても通学の距離というのはそこまで、僕は長いものではないんじゃないかなとは思っています。16歳の子どもが通うということなので、例えばこれが小中学校だったら分かりますけど、ただ今どき中学生でも実際に自分で学校を選んで遠距離で通ったりする子どもたちもいますけどね。そういった観点からすると、16歳以上のときの自分というのを当てはめたときに、通学の範囲がどこまでその人にとって、よく学校がないと言うんですけど、学校がないという評価をどこまでするのかというのはちょっとよく検討してもらいたいなと思います。
振り返って皆さんも考えてもらったらいいかなと思うんですけれども、皆さんが高校時代どうだったのか、そして通っていた距離等もちょっと想像してもらったらとは思うんですけれども、確かに中学生ぐらいだとまだまだ小学校から上がったというところですけれども、高校生なんてもう体は大人ですから、僕自身は河内長野から河内松原の生野高校という学校に通いましたけども、当時電車で多分40分か50分ぐらいかかったとは思います。当時は第7学区という学区がそれぞれ決められていたわけですけれども、高校時代に河内長野の学校に帰っていたわけではありませんし、それで距離があまりにも遠くて学校がないというものでもないんじゃないかなとは思います。16歳以上になったときにですね。小さな子どものお母さん、お父さんが手をつないで学校に連れていく年代ではないですから、そう考えたときに通学距離というのをどこまで考えるのかというより、学校の個性を僕はもっともっと追求したほうがいいんじゃないかなとは思っています。
ただ一定、地域学校というようなことをやるのかちょっと分からないですけども、そこはよく通う学校がなくなると言うんだけども、それは大阪府という単位で高校というのを見たときに本当になくなると言えるのかなと。150校今ある中で1市1校というのがいいのかどうか、あるいは交通至便なところの学校優先というか、そういうところを選ぶのか、いろいろ考え方はあると思いますけども、もちろん通いやすいほうがいいとは絶対に思いますので、通いやすいところに学校があるというのはあったほうが当然いいとは思いますから、そういう視点も当然重要だと思います。市に学校がないから行くところがないというのは、16歳以上になったらちょっと違うのではないかなと思います。
職員
ほかにご質問ございますでしょうか。そうしたら、時事通信さん、どうぞ。
国の移住支援について
記者
時事通信の梅垣と申します。
政府の取組に関するお尋ねなんですけれども、結婚をきっかけに東京から地方に移住する女性に対して支援をしようという政策を政府が打ち出して、それはちょっと差別的じゃないかみたいな指摘があって撤回したという経緯がありました。こうした政府の対応についてどのように思われるかということと、あと女性のほうが地方から中央に流出しがちだという傾向があるようなんですけれども、こういったところに対してどういう対策を打つのが適当だと知事としてお考えでしょうか。
知事
まず、一時期報道でも取り沙汰された政策というのはとんでもない愚策だなと思いました。これが採用されることはないだろうと思いました。実際に多分採用されないと思います。お金で釣るようなやり方は全くもって無意味だと思うし、東京から出てたしか60万円でしたかね、その場合は60万円を給付しますというやり方で何か問題の解決の糸口がつかめると思うのであれば、それは全く見当違いの政策だなと思います。誰がこんな政策を考えたのかなと思っていましたし、これは普通に考えたら実際に採用されることはないだろうなと思っています。実際に採用されないと思います。
ただ、ここも本当に難しい問題でもあって、女性が都心部、とりわけ東京に流入が多いというのは事実だと思います。これを簡単に解決できないから一極集中の問題とかもあるわけですけれども、それぞれのエリアで自分の目標とか夢とかを実現できるような都市像とか社会像というのをつくっていく必要があるんだろうと思います。東京に行かなければできないなと若い女性が思うことで東京に行く方も多いというのが現実だと思いますので、逆に言うとそれは経済的な理由、経済的な理由というのはそこにやりたい仕事があるとか、やりたいことが東京でしかできない、東京だったらこんなすばらしいことができるのではないか、経済規模も大きいですから。そういった意味で選ばれるというのは、実際にあるんだろうなとは思います。
ですので、逆に言ったら何でそういった選択を取られるのかなと考えると、仕事とかあるいは夢とか目標とかを達成できる場面がなかなか地方部にはないんじゃないかなと思われる方が多い。いや、そうじゃないんだよと、このエリアで目標や夢が実現できるんだよというような経済をつくっていく、社会をつくっていくということが長期的には必要なんだろうと思います。なので、今、僕自身は大阪府の知事ですから、やはり大阪において、あるいは関西ぐらいの単位だと思うんですけど、道州単位ぐらいだと僕は思っているんですけど、道州の単位で自分の夢とか目標をかなえられるし、仕事もしっかりできるよねと言えるような安心感を持てるようなものをつくれば、みんながみんな東京に行くわけではないだろうと思っています。
それを何かお金で60万円渡すから東京から外に行ってくださいというのは「はい、分かりました」とはならないんじゃないかなと思います。本質的にはやはり東京一極集中の問題だと思いますし、東京一極ではなくて、僕は大阪でまず二極をつくりたいと思って今も政治家をやっているわけですけれど、もっと言うと将来的には多極分散型の社会をつくっていくべきだと思っています。それがなかなか実現できていない、東京一極集中がどんどん進む中で、そこで自分の夢や希望やあるいは仕事が見つかる、だからそちらに行こうという思いで行かれる人が多いと思うので、その思いを地元でも実現できるような社会を目指していく、そのためには道州単位ぐらいで多極分散型の国家をつくっていったほうが僕はいいんじゃないかなと思っています。そのほうが住居費にしても、全部が東京に集まると当然住居単価が高くなって生活単価が高くなってくるわけですから、分散させたほうが豊かな暮らしができるんじゃないのかなとは思っています。
職員
ほかにご質問ございますでしょうか。そうしましたら、木下さん、どうぞ。
大阪・関西万博関連について
記者
フリーの木下です。2日に万博協会が公表しました防災実施計画で3点ほど伺います。
一つは、前回の会見でもお聞きしたんですけど、防災実施計画と、それから、そのマニュアルという話をされていたと思うんですけど、今回の防災実施計画で大きな計画というのは最後という話やったと思うんですけど、ここから先に、マニュアルの中でバージョンアップしていくという考え方もあるんでしょうか。それとも、マニュアルというのは完全、小さいものという考え方なんでしょうか。
知事
いや、マニュアルの中でより具体化していくということなんだろうと。詳細化していく、具体化していくのがマニュアルなんだというふうに思っています。なので、防災実施計画そのものを変えるということには僕はならんと思うんですけれども、基本的な計画の下に具体的な行動マニュアルというのをつくっていくと。そして、それはおおむね年内を目途に、協会としてマニュアルをつくっていくということになると思います。また、これは大阪府・市でも会場外のところがありますから、この基本計画を基に会場外でのマニュアルというのをつくって、行動計画というのをつくっていくということになるかと思います。
記者
その点を踏まえてですけど、そしたら、会場外のところは府・市もこれから細かくしていくということなんですけど、今回の実施計画の中で懸念点が幾つかあったんですけど、そのうち大きなところで二つお聞きしますと、一つが、前も、何回も聞いていますけど、避難計画のところで、橋と、夢舞大橋と夢咲トンネルが使えなくなった場合のときに船舶で代替するということですけれども、地震が想定されると思うんですけど、当然、津波が来ますからすぐに船舶は使えないとは思うんですけど、この船舶を使うというときの時間のスケジュール感といいますか、橋があかんようになって、そして船舶をどのタイミングでどういうふうに使うかと、その点をお願いします。
知事
これは、やはり、実際その状況において判断するということになると思います。ただ、南海トラフ巨大地震が起きたときは、もうこれは、恐らく知事とすれば、自衛隊に派遣要請をするというような事態になっていると思います。ですので、そういった状況でこの夢洲付近で船が使えるのかどうなのかというのは、その時点でやっぱり判断することになると思うんです。津波の状況によって、なかなか海の状況って、漂流物なんかもあったりするでしょうから、そこの、海の安全を確認できた上で、当然、中におられる方の島外への支援ということもやると思います。ただ、現実的には、やはり、船という方法もありますけど、現実的にはやっぱり夢舞大橋、それと咲洲・夢咲トンネルというのは、これは南海トラフを想定して、大規模地震が起きても対応できる耐震性というのは強化した上での建造物ですので、それを恐らく点検する日数と、これは状況にもよりますが、それが1日なのか2日なのか、その間、島内に滞在されている方をどうやって、例えば食料であったり、きちんと確保しておくのかということが重要だと思いますし、また、けが等されている方、緊急を要する方は、もちろん訓練もいたしましたけど、例えばヘリコプター等で救助するだとか、あるいは船においても緊急的に救助できるような船で行うということはあると思いますが、全体的な島外への移動というか、避難という意味では、基本的にはやっぱり耐震性が備えている夢舞大橋だったり夢咲トンネル等がメインになってくるんじゃないかなと思います。また、代替手段として船ということも、当然、海ですから、海を着けれますので、そういったことも対応するということになろうかというふうに思います。
記者
そうなりますと、震度6弱ぐらいまで大丈夫という話だったと思うんですけど、そうなると、その間に、夢洲会場内に残る、これが1日なのか2日なのか分かりませんけど、そのときに避難施設として今回挙げられているのが、パビリオンとか催事場とか、それから大屋根リングですかね。この大屋根リングというのは大屋根リングの下のところなのか、ちょっとその辺も含めて教えていただきたいんですけど、これの収容力、協会のほうではピーク時の7割、15万人を避難させるというのが想定だと思うんですけど、この夢洲の会場内でそういったところを使ってどのぐらいの人数を収容できるとお考えなんでしょうか。
知事
これはやはり要配慮者の方を優先しながらということにはなると思います。その上で、パビリオンであったり、それからリングにおいては、基本、下にはなるとは思います、風雨をしのぐという意味では。そういったところで、より配慮、要配慮が必要な人から優先して、施設であったり、そして広くは一般の方もたくさんいらっしゃいますから、パビリオンであったりそれぞれの館内の施設であったり、リングの下、基本的にリングを活用する等して一時避難をして、場所を確保するというのが基本的な考え方だというふうに思います。ちょっとそこの数までは分からないですけれども、そこはしっかり協会において対応できるようにしていくということをこれからさらに詰めていくんだろうと思います。
記者
もう1点、今もおっしゃった要配慮者の優先とか、ヘリを使うというところもそうなんですけど、医療の救護対策のところですけども、会場内で診療所が3か所で、応急手当の場所が5か所か、計8か所ということですけど、お医者さんは診療所のところだけのようなんですけど、これ、そうなると、外の病院との連携とか、ドクターヘリで運ぶにしても、一体ドクターヘリが何機あって、どのぐらい使えるのかというところが大事になるかと思うんですけど、そのあたりはもうお聞きされているんでしょうか。
知事
まず、夢洲の会場内には常設の3か所の診療所がありますし、それから5か所の手当て所がありますので、合計8か所の医療の専門家等が対応している場所があるということになります。その上で、一時的にはそういったところでお医者さんに対応していただくということになりますけども、緊急を要する方については近くの病院等に搬送をするということになります。その搬送手段とすれば、先ほど申し上げた完全に閉鎖されているときはヘリであったり、あるいは緊急手段を使って搬送するということになろうかと思いますが、中で基本的には診療所等もありますので、一時的にはそちらで対応するということになるんだろうというふうには思います。これは夢洲に限らず、南海トラフ巨大地震が起きているというときには、ほかでも、やっぱりかなり広範囲に被災している状況ですから、大阪全体としてやっぱりそこは災害対応をしていくというような状況になっているんだとは思います。
記者
ちょっとまだまだあるんですけど、全体としては、今回の防災実施計画を見られて、これで大体大丈夫になったと思われたのか、それとも、まだまだこれから細かいところを詰めていかないといけないという、そういうお考えなのか、その点はいかがでしょうか。
知事
やはり、これから具体的な細かいことを詰めていかなければならないと思います。具体的な行動マニュアル、対応マニュアルというのをしっかりと詰めていく必要がありますし、万博を想定した防災訓練、そういったことも必要になってくると。昨日は880万人訓練で、僕は、大阪メトロの中央線、これは万博の主要なアクセスルートになりますけれども、そこで地震が起きたときを想定した地下鉄の防災訓練に参加をいたしました。こういったことも一つですし、それぞれの事業所であったりも、やはり、今回、基本計画が出ましたから、しっかり、これを基に具体的なマニュアルをしっかりとつくって、皆が、関係者が連携していくということですから、何か、今回、基本計画が出たからこれで終了というものではないと思います。
記者
分かりました。ありがとうございます。
あと1点だけ。周知というところですけど、この避難計画とか、それを来場者の方々が知っているか知っていないかで全く変わってくると思うんですけど、自分は今どこに逃げたらいいんだという話とか、そのあたりのことは何か考えられているでしょうか。
知事
やはり来場者の方は万博会場内にいらっしゃるわけですから、そこでアナウンスであったり、あるいはサイネージがありますから、そういったサイネージで表示をするということを行うということになります。また、海外のお客さん、海外の人も多いと思いますので、それを多言語で対応していくということが重要だと思いますが、多言語対応をしながら、サイネージであったり、アナウンスであったり、そういったところで周知をしていくと。会場内の周知はそういったところで行うということになると思います。
記者
ありがとうございます。
職員
ほかにご質問ございますでしょうか。
ございませんようですので、それでは、記者会見のほうを終了させていただきます。ありがとうございました。
マイクのほうを幹事社のほうにお返しさせていただきます。