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更新日:2009年10月14日

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大阪の古代寺院から出土したせん仏(せんぶつ)

古代寺院の境内やお堂の内部は、一般の人が立ち入ることのできない仏の世界でした。その仏の世界を美しく飾ることを「荘厳」といいます。特にお堂の内部は壁やとびらの内側一面に無数の金色に輝く小さな仏像を貼り付けて飾ることがありました。それが塼仏(せんぶつ)です。今回は大阪府内の古代寺院遺跡から出土した塼仏2例を紹介します。

新堂廃寺出土曙キ仏(しんどうはいじしゅつどせんぶつ)
新堂廃寺出土塼仏(しんどうはいじしゅつどせんぶつ)

鳥坂寺出土曙キ仏(とっさかてらしゅつどせんぶつ)
鳥坂寺出土塼仏(とっさかてらしゅつどせんぶつ)

富田林市に所在する新堂廃寺は7世紀初頭に建立された日本最古級の寺院で、四天王寺式の伽藍配置をとります。また柏原市に所在する鳥坂寺跡は7世紀後半に建立された寺院の跡で、孝謙天皇が巡礼した「河内六寺」の一つにあたります。いずれも大阪府教育委員会が発掘調査を実施しています。ここに紹介する塼仏とは、仏や菩薩(ぼさつ)の像を浮き彫りにした四角い粘土板のことです。型作りによって大量に製作され、タイルのように壁面や仏像の台座にはめ込んで、堂塔の内部をおごそかに、かつ華やかに見せました。表面を漆喰(しっくい)や金箔(きんぱく)で飾ったものもあります。

新堂廃寺の出土品(高さ5.8cm)は、一枚に中尊(ちゅうそん)と脇侍(きょうじ)からなる3尊を2段に配置する型式、鳥坂寺跡の出土品(左:高さ10.2cm)は、1枚に1体を彫りだす独尊(どくそん)型式です。

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