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府中遺跡から出土した淡路型器台
和泉市に所在する府中遺跡は、縄文時代から近世に至る複合遺跡です。これまでの調査では縄文土器や方形周溝墓に供えられた弥生土器などさまざまな遺物がみつかっています。
今回紹介する淡路型器台は、大阪府教育委員会が道路建設に先立ち府中遺跡の南東部分で実施した調査により発見したものです。発掘調査は平成17年度の試掘調査から始まり、平成25年度まで続きました。
調査の結果、弥生時代後期から古墳時代の自然流路の肩から大量の土器が集中して出土する「土器だまり」がみつかり、出土した土器の中に淡路型器台5点が含まれていました。
淡路型器台は淡路島とその周辺地域を中心に出土する器台で、口縁部が段状に広がり円錐形の脚部を持つ特徴的な形をしています。口縁部には櫛描文や波状文などの文様を入れ、円形浮文などの装飾を施したものあります。
写真左の2点は口縁端部の刻み目と脚部の三角形のスカシ孔が特徴です。右の3点は脚部のスカシ孔は円形で、奥の2点は口縁部に装飾は施していません。
こうした淡路型器台のような特殊な土器が数個体出土したということは、府中遺跡と淡路島との間に交流があったことを物語っています。