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藤の森古墳から出土したガラス玉
藤の森古墳は大阪府藤井寺市、世界遺産登録を目指す古市古墳群の中にあった古墳です。これまで大阪府教育委員会が3回の発掘調査を実施してきました。その結果、古墳の規模は直径が約25.5mの円墳で初現期の横穴式石室が築かれていたこと、古墳が築かれた時期は5世紀後半であることなどが判明しています。ここでは、1965年の第1次調査で発見したガラス玉を紹介します。
ガラス玉は勾玉が3点、丸玉が276点石室内から見つかりました。
写真左2点の勾玉は、尾部を巻き込んだ珍しい形の勾玉で、右側の勾玉で長さが16mmあります。写真右の勾玉は長さが21mmで、内部に気泡が多く含まれています。
丸玉は形や大きさがそれぞれ少しずつ異なります。最大の玉の径は11mmです。下の写真は、丸玉の拡大写真ですが、白く筋のように見えるのはガラスの内部の引き伸ばされた気泡で、藤の森古墳のガラス丸玉は引き伸ばされた気泡が玉の表面に沿って曲がっていることが特徴といえます。これらのガラス玉は引き伸ばし法をもとに製作されており、朝鮮半島からの舶来品と考えられます。