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更新日:2016年9月12日

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大園遺跡(おおぞのいせき)から出土した土錘

大園遺跡は、大阪府の南部、和泉地域の高石市、和泉市、泉大津市の三市にかけて広がる遺跡です。大阪府教育委員会は、第二阪和国道、府道松原泉大津線の建設に伴い昭和49年度から昭和56年度にかけて発掘調査を実施してきました。調査の結果、大園遺跡は旧石器時代から近世までの複合遺跡であることが判明しました。とりわけ古墳時代や中世の集落、大園古墳の発見は、和泉地域の歴史を解明する大きな手がかりとなりました。出土した遺物には、旧石器時代の石器から弥生土器、土師器、須恵器、埴輪、その他の石製品、鉄製品、木製品などさまざまな種類の資料が含まれます。ここでは、昭和50年度発掘調査地から出土した古墳時代の土錘を取り上げて紹介します。

土錘の集合

土錘の代表例

土錘とは、土でつくられた漁網のおもりです。大園遺跡の昭和50年度調査区では200点を超える土錘が出土しており、上の写真はその一部です。これらの土錘はさまざまな形のものがあり、大きく棒状土錘と管状土錘に分けることができます。土錘の焼成は、大半が土師器のように軟質ですが、中には硬い須恵質の土錘もあります。

下の写真は土錘の代表例、左から順に棒状土錘1点、管状土錘(紡錘形)1点、管状土錘(円筒形)3点を並べて撮影したものです。写真の棒状土錘は、長さ7.7センチメートル、両端に直径0.6センチメートルの孔があけられています。紡錘形の管状土錘は、最も多く約70点出土しています。

円筒形の管状土錘は、写真の3点の代表例のように大きさにバリエーションがあり、大・中・小と3サイズに分かれるようです。写真右端の一番大きな管状土錘は、長さ11センチメートル、直径7センチメートル、孔の直径2.8センチメートルで重さが686.3グラムあります。同じようなサイズの土錘は約40個出土しています。

このような大型の土錘をつけた網を使用する漁は、地引き網漁のような協働作業が必要で、大園遺跡では組織的な漁業が行われていたと考えられます。

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