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更新日:2010年8月31日

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府中遺跡から出土した縄文土器

大阪府和泉市に所在する府中遺跡は縄文時代から近世に至る複合遺跡ですが、府中の名前が示すように、古代の和泉の国の役所がおかれていた場所と考えられており、現在も和泉市の中心です。

昭和59年から大阪府教育委員会が実施した発掘調査により、さまざまな遺物が出土しています。ここでは平成18年度と20年度の調査で出土した縄文土器の中から、完全な形に復元できた3点を取り上げ紹介します。

3点の土器はすべて北白川(きたしらかわ)C式という型式に属する縄文時代中期末の土器です。この時期の土器は、口縁部が波打つ波状口縁をもつものが多く、また土器の表面に縄文を施した上から沈線文などで装飾しています。

(1)府中遺跡の縄文土器
(1)平成18年度の調査で出土した縄文土器
写真(1)右側は深鉢で、高さは41cm、口径は26cmです。口縁部が大きな山形の波状口縁になっています。左側は鉢で、高さ33cm、口径39cmです。口縁部に5ヶ所の小さな波頂部をつくり、その下には渦巻文を入れています。土器の足元にある焼けた粘土の塊は土器の周辺でみつかったものです。2点の土器は地面に捨てられたような状態で出土しました(発掘調査情報をご覧ください)。

(2)府中遺跡の縄文土器
(2)平成20年度の調査で出土した縄文土器
写真(2)の土器は深鉢です。底部は欠けてありませんが、復元すると高さ37cm、口径27cmになります。口縁部には楕円形と横長楕円形の文様を交互に入れています。この深鉢は貯蔵穴から出土しました(発掘調査情報をご覧ください)。遺構から出土したことにより、この土器は4000年前から府中遺跡に人々が生活していたことを示す貴重な資料といえます。

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