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八雲遺跡から出土した石器
大阪府守口市に所在する八雲遺跡は、弥生時代前期末から中期初頭の集落遺跡です。ここでは大阪府教育委員会が昭和61年度に発掘調査をおこなったときに大量に出土した微細な石器を紹介します。
遺跡は淀川の堤防のすぐ下に位置し、標高がT.P.2mから3mの低地です。石器は鉄石英(新潟県佐渡市産出)やメノウ(山陰産か)を材料にしており、住居跡、土坑などから出土しました。
写真上段は鉄石英(黄色)、中段は鉄石英(赤色)、下段はメノウを材料にした石ノミという錐状の石器です。ほとんどのものが1cm未満で、写真右下のものの長さは9.3mmです。米粒と比較した写真では、石ノミの大きさが良くわかります。石ノミの使い道はまだよくわかっていませんが、稲作にかかわる祭りや、装飾に使われた可能性が考えられます。
八雲遺跡ではこの石ノミが、6千点以上出土しており、鉄石英・メノウなどの近畿地方にない石材が運び込まれ、石器作りがおこなわれていた様子をうかがうことができます。