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更新日:2009年10月14日

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木の本遺跡から出土した石庖丁

大阪府八尾市に所在する木の本遺跡は、隣接する田井中遺跡・志紀遺跡まで広がりを持つ、弥生時代の拠点的な集落の一つです。平成12~13年に大阪府教育委員会が八尾空港敷地内で実施した中部防災拠点整備事業に伴う発掘調査で、土坑や溝、河川の跡などから弥生時代初め頃の土器や石器、木製品など多くの遺物が出土しました。

石庖丁とは、弥生時代に特徴的な農具の一種です。二つの孔に紐をかけて指を通し、親指と刃先で稲穂をはさんで摘み取ります。木の本遺跡では、大、中、小の各サイズが揃ったほぼ完全な形の石庖丁が、一つの穴に収められた状態で見つかりました。

最大のものは長さ28.0cm、幅6.1cm、厚さ0.7cm、最小のものは長さ11.0cm、幅4.3cm、厚さ0.5cmあります。石庖丁は、各個人が使い易いように大きさや紐穴の位置を決めていたらしいことから、この4点は両親と子供二人の一家族の持ち物だった可能性もあります。また、石材はいずれも、二上山の春日山付近に産地を持つ白みを帯びた輝石安山岩です。この石は、石庖丁の素材として弥生時代の初め頃に限って使われることから、大阪にやって来た弥生人がその故郷である北部九州と似た色調の石材を選んだものと推定されています。

石庖丁(いしぼうちょう)

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