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府中遺跡から出土した弥生土器
大阪府和泉市に所在する府中遺跡は縄文時代から近世に至る複合遺跡ですが、府中の名前が示すように古代の和泉の国の役所が置かれていた場所と考えられており、現在も和泉市の中心です。
昭和59年から大阪府教育委員会が実施した発掘調査によりさまざまな遺物が出土しています。ここでは平成14年の発掘調査で確認された第3号方形周溝墓に供えられた弥生土器をとり上げ紹介します。
方形周溝墓に供えられた土器を供献土器と呼びますが、これは死者をおくるための器といえましょう。第3号方形周溝墓の供献土器は、出土した土層により2つのセットにわけられます。基本的なセットの内容は大小の壺、甕、台付鉢、高坏、水差形土器などで、1個または2から3個ずつ出土しています。埋葬部分は残っていませんが、供献土器が2セットにわけられることから、第3号方形周溝墓には2人の人が葬られた可能性があります。