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近畿夜間中学校生徒会連合会 要望書
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署名37,247筆とともに、下記の要望文を受領しました。
要望受理日 | 令和5年2月26日(日曜日) |
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団体名 | 近畿夜間中学校生徒会連合会 |
取りまとめ担当課 | 教育庁 市町村教育室 小中学校課 |
表題 |
私たち夜間中学生が安心して学べるようにしてください |
要望書
大阪府教育委員会 教育長 橋本正司 様
私たち夜間中学生が安心して学べるようにしてください
私たちは戦争・植民地支配、社会や学校教育の抱えるさまざまな矛盾などによって、学齢期に義務教育を受ける権利を奪われました。そして、今、ようやくたどり着いた夜間中学校で学んでいます。
2009年度、大阪府は就学援助と補食給食の補助を打ち切りました。その後も新たなことをふくめ、夜間中学校に関する多くの課題が残ったままになっています。そのような状況の中、国や文部科学省の動きは大きく変化しています。2016年12月には、「教育機会確保法」が制定され、法律には、夜間中学校での勉強を希望する人がいたら、地方公共団体は安心して勉強できるようにする必要があると書かれ、夜間中学校の設置が進められています。
2022年5月に「国勢調査」(2020年実施)の結果が新たに公表されました。最終学歴が「小学校卒業」の人は、全国に80万4293人いることがわかりました。また、「未就学」の人数は、9万4455人にのぼり、中学校までの義務教育を終えていない人は合わせて89万8748人となっています。
大阪府全体では、中学校までの義務教育を終えていない人が合わせて4万2399人おり、本当に深刻な状況が今も続いていますが、大阪府内には夜間中学校に通学しにくい空白地域がまだまだあります。また、大阪市は合わせて1万3633人となり、全国に20ある指定都市のなかでも一番多くとても厳しい状況となっています。
そのような状況にもかかわらず、大阪市では全国の動きとは逆に、約50年の歴史がある「天王寺」や「文の里」の夜間中学校の廃校計画があり、現在も2校廃校の検討が続けられています。学校施設の充実や日本語指導教員の配置などを理由にあげていますが、そのことが本当に必要で大事だというのであれば、今ある「天王寺」や「文の里」の夜間中学校で実現すればよいことです。また、生徒人数の減少も理由としていますが、今回の「国勢調査」の結果で夜間中学校を必要とする人たちが今もなお多く取り残されているのが現実です。「天王寺」や「文の里」の夜間中学校を廃校にして、交通の便がよい天王寺地域に、新たに夜間中学校のない空白地域を作らないでください。義務教育未就学や未修了の人たちの「学ぶ機会」や「学ぶ権利」を奪うことは基本的人権にかかわることです。
この間、新型コロナウイルス感染拡大予防対策の影響をうけて夜間中学校でも「学ぶ機会」が大きく奪われました。私たちの「学ぶ権利」が保障され、新型コロナウイルスの影響で長い期間失われた「学ぶ機会」を取り戻すことができるように在学期間の延長などの救済方法を考えてください。
少しでも早くさまざまな問題を解決し、私たち夜間中学生が安心して学べるように、次のことを要望します。
- 「国勢調査」結果の厳しい実態を深刻に受けとめ、「天王寺」と「文の里」の夜間中学校の2校を絶対に廃校にはせず、このような時こそ、国や大阪府と大阪市が精一杯力を合わせて2校を必ず存続してください。
- 夜間中学生がどこに住んでいても、入学から卒業までの間、就学援助を受けられるようにしてください。
- すべての夜間中学校で、補食給食が実施できるようにしてください。
- より多くの人が夜間中学校のことを知ることができるように広報活動をこれからも充実させてください。
- 新型コロナウイルスの影響で「学ぶ機会」が長い期間失われたことに対し、適切な保障をしてください。
- 夜間中学生の卒業後の学びの場を拡充してください。
2022年9月 近畿夜間中学校生徒会連合会 会長