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日本労働組合総連合会大阪府連合会 要望書(2)
(1) (2) ※2ページに分割して掲載しています。
要望書
4.教育・人権・行財政改革施策
<継続>
(1)指導体制を強化した教育の確保と資質向上について(※)
少人数学級による子どもの学びの質を高めるために教員や支援員の確保と同時に教員の長時間労働を是正するための客観的な勤務時間管理を行い、「在校等時間の上限(月45時間、年360時間)」を遵守すること。また、教職員の欠員対策については、代替者が確実に確保できるよう、課題解決をはかるとともに、子どもの貧困、虐待、自死に関する対策を進める意味からも、すべての学校にスクールカウンセラー(SC)及びスクールソーシャルワーカー(SSW)の早期配置、もしくは拡充を行うこと。また、SC及びSSWの十分な人材確保へ向けた養成・育成について取り組むこと。
<継続>
(2)奨学金制度の改善について(※)
給付型奨学金制度のさらなる対象者や支給金額の拡充を、積極的に国へ求めること。また、従来からの支援制度のみならず、地元企業に就職した場合の奨学金返済支援制度の創設を検討するなど、新たに大阪府独自の返済支援制度を検討すること。加えて、コロナ禍によって返済が困難な労働者に対する返済猶予措置を講ずること。
<継続>
(3)労働教育のカリキュラム化について(※)
ワークルールや労働安全衛生等、働くことに関する知識を深め活用できるよう、労働教育のカリキュラム化を推進すること。また、労働組合役員や退職者などの経験豊富な外部講師を登用した出前講座や職場見学・職場体験などを含め、働くことの意義や知識を学ぶ時間を設定すること。
<新規>
(4)消費者教育の拡充について
成年年齢が引き下げられたことにより、知識や経験不足に乗じた悪徳商法などによる若年層の消費者被害の拡大が強く懸念されている。とくに高校生や大学生への消費者教育は急務となっていることから、教育現場への啓発活動や支援などの拡充に加え、家庭でも消費者教育を学ぶことができる教材を作成するなどの対策を講じること。
(5)人権侵害等に関する取り組み強化について
<補強>
(a)差別的言動の解消に向けて
大阪府ヘイトスピーチ解消推進条例が施行されているものの、ヘイトスピーチをはじめとする差別行為は無くなっていない。そこで、あらゆる差別の解消に向けSNSやインターネット上に氾濫する差別の実態を把握するとともに、差別解消に向けた具体的施策を講じること。さらには、無意識による無理解や偏見による言動も差別に繋がることから、人権意識の向上へ向けた周知を行うこと。また近年、インターネット上の人権侵害事案も多発していることから、2022年4月施行の「大阪府インターネット上の誹謗中傷や差別等の人権侵害のない社会づくり条例」の趣旨をふまえ、実効性ある施策を推進すること。
<継続>
(b)多様な価値観を認め合う社会の実現に向けて
LGBT等のセクシュアル・マイノリティに対する偏見、差別が根強くあるのは、SOGI(性的指向と性自認)に対する社会の理解が進んでいないことが原因である。そこで、「性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例」に基づき、人権問題として多様な価値観を認め合うことが必要であることから、理解を深めるために、行政・府民一体となって意識変革啓発活動に取り組むこと。あわせて2017年3月に策定された「性的マイノリティの人権問題についての理解増進に向けた取組」方針の検証を行うとともに、見直しにあたってはNPOや有識者など幅広い意見を参考に見直すこと。また、「大阪府パートナーシップ宣誓証明制度」に続き、府内市町村にも条例設置について働きかけを強めること。
<継続>
(c)就職差別の撤廃・部落差別の解消に向けて
いまだ就職差別については根が深い問題である。そのことからも、公正採用選考人権啓発推進員のさらなる拡充を行い、企業への指導を強化すること。また、応募用紙については「統一応募用紙」「厚生労働省履歴書様式例(2021年策定)」の使用や面接時における不適切な質問を行わないよう、企業や関連団体等に対して周知徹底すること。加えて部落差別解消法について、府民に広く周知はもとより、就職を控えた若年層への就業前教育等で徹底し、あらゆる差別撤廃に向けた施策を講じること。
<継続>
(6)財政状況の点検と適正な財政支出について
新型コロナウイルス感染症拡大が長期化する中、市町村は様々な対策を講じ続ける必要がある。しかし、市町村によっては財政が圧迫され、十分な対策を行うことができないこともありうるため、市町村における財政状況をつぶさに点検し必要な支援を行うとともに、国に対して新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を支出するなどの財政支援を強力に求めること。また、補正予算の編成については、二元代表制を尊重し丁寧に予算編成を行うこと。
<継続>
(7)行政におけるデジタル化の推進について
行政によるデジタル化を推進し、オンライン申請などの利便性を高めることで、行政事務手続きの簡素化や行政情報へのアクセス向上などに取り組み、デジタルセーフティーネットの構築をめざすこと。また、デジタル化の推進に伴う情報格差の解消に向けても取り組むこと。
<新規>
(8)マイナンバー制度の定着と活用について
公正・公平な社会基盤としてのマイナンバー制度の定着と一層の活用に向けて、運用状況や住民からの意見を丁寧に把握し、必要に応じて、利用範囲や個人情報保護に関し。適切な取扱いを行っていくこと。あわせて、税務行政体制の効率化をはかるとともに、個人情報の保護体制を強化すること。また、マイナンバーカードの普及促進をはかるため、プライバシー保護のための安全性の周知と個人情報管理体制の強化を行うこと。
5.環境・食料・消費者施策
<継続>
(1)食品ロス削減対策の効果的な推進に向けて(※)
これまで大阪府の「食品ロス削減ワーキングチーム」が精力的に取り組んできた食品ロス削減対策を継続的に実施するとともに、「大阪府食品ロス削減推進計画」の進捗状況、検証を行うこと。また、「おおさか食品ロス削減パートナーシップ制度」による「パートナーシップ事業者」を拡大していくため、外食産業をはじめとする食品関連事業者に積極的な働きかけを行うこと。また、府民に対し「食べ残しゼロ」を目的にした「3010運動」については、コロナ禍において運動の広がりが困難であるが、アフターコロナに向けて引き続き効果的な啓発活動を実施するとともに、「食べきり」を促進することに併せ、食品ロスを無くすための「持ち帰り」を基本とする環境整備を進めること。また、コロナの影響で農作物の破棄も見受けられることから、有効に活用できる方策も検討すること。
<継続>
(2)フードバンク活動の課題解決と普及促進について
2019年5月に成立した「食品ロス削減推進法」に則り、フードバンクに対する具体的な支援を行っていくこと。また、コロナ渦におけるフードバンク活動団体が抱える課題を解決するための相談窓口や活動の関係者で構成する協議体の設置を検討すること。加えて、活動に対する社会的認知を高めるための啓発を強化すること。また、「フードバンクガイドライン」の策定によって支援のあり方が効果的になっているか検証を行うとともに、市町村によって取り組みの濃淡のないよう市町村と連携をはかること。
<継続>
(3)消費者教育としての悪質クレーム(カスタマーハラスメント)対策について
「サービス等を提供する側と受ける側がともに尊重される消費社会」の実現をめざし、一部の消費者による一般常識を超えた不当な要求や、異常な態様の要求行為等の悪質クレーム(カスタマーハラスメント)の抑止・撲滅を推進すること。具体的な取り組みとしては、府独自の判断基準の策定を行うとともに、消費者に倫理的な行動を促すための啓発活動や消費者教育を行うこと。
<継続>
(4)特殊詐欺被害の未然防止の対策強化について
大阪府では、高齢者等が狙われる特殊詐欺の被害が多発しており、未然防止対策の強化が求められる。特殊詐欺の新たな手口や形態を把握し、消費者に対する迅速な情報提供や注意喚起を効果的に行うこと。新型コロナウイルス感染症拡大に乗じた特殊詐欺が発生しており、新たな手口への注意喚起を積極的に行うこと。この間、SNSやアプリなど、幅広い広報媒体を活用して周知をはかっているが、高齢者については、そうした媒体の利用については低いと思われるので、従来型のチラシ・ポスターでの周知の充実もはかること。
<継続>
(5)「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明」とその実践に向けた産業界との連携強化について
「2050年カーボンニュートラル」の実現に向け、すでに「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明」を行った大阪府が、市町村に対してもさらに表明が進むよう働きかけること。とりわけ、政府の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が供給側の取り組みを中心としていることから、住民など需要側の行動を促す意識喚起の取り組みを積極的に進めていくこと。さらには、「大阪府地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」で示した2030年に向けて取り組む項目について市町村と連携するとともに、府民・事業者への周知は行うこと。また、実行計画の進捗状況、支援内容についても明らかにすること。
グリーン成長戦略で実行計画が策定されている14分野を中心に、産業界との情報交換・意見交換を強化し、地元の事業所における取り組みの推進状況、今後の推進計画などに関して広く共有化を図り、規制の見直しなどを含めて、地方自治体として必要な支援を強化していくこと。
<継続>
(6)再生可能エネルギーの導入促進について
再生可能エネルギーの導入促進にあたって、条例を整備し調査コスト・開発リスクに対する各種補助金の充実を図るとともに、再生可能エネルギーを効率的に利用するために、高効率・大容量の蓄電が可能となる技術開発や、スマートグリッドの構築を支援するしくみを構築すること。
6.社会インフラ(住宅・交通・情報・防災)施策
<継続>
(1)交通バリアフリーの整備促進について
公共交通機関(鉄道駅・空港等)のバリアフリー化促進と安全対策の充実のため、駅のエレベーターやエスカレーターの設置が進められている。これら設備の維持管理・更新費用に対する財政支援措置を行うこと。特に、設置後の補修等の財政的補助について検討すること。
<継続>
(2)安全対策の向上に向けて
鉄道駅の転落事故等を防止するためのホームドア・可動式ホーム柵の設置がさらに促進されるよう、利用者10万人未満の駅に設置する費用に対する助成や、令和4年度まで固定資産税を軽減する特例措置についてのさらなる延長等、税制減免措置等の財政措置の拡充・延長、設置後の補修について助成を行うこと。また、高齢者や障がい者の方への介助については交通事業者に委ねられているが、結果として事業者の人的負担も増加していることから、地方自治体や民間、地域の協力を得ながら「社会全体で交通弱者を含めた利用者の安全を確保し、支えていく仕組み」について検討すること。
<継続>
(3)運輸事業の交通安全対策・環境対策等について
国民生活を支えるインフラ整備に寄与するための「運輸事業の振興の助成に関する法律」に基づき、安全運行確保の為の交通安全対策や環境対策等に関する運輸事業振興助成補助金の継続と同補助金の適正な交付を行うこと。
<新規>
(4)交通マナーの向上について
コロナの感染拡大の影響により、宅配業者も増加している。それにより自転車を巻き込む事故も増加している。原因はさまざまではあるが、ひとつに自転車運転者マナーの問題も指摘されている。事故防止のための自転車専用レーンの整備や、自転車運転者への法令遵守やマナー向上への周知・徹底を図ること。
<継続>
(5)キッズゾーンの設置に向けて
保育中の子どもや通園中の園児や保育士が巻き込まれる事故が多発している。防止するため、保育施設周辺の道路に「キッズゾーン」の設置や危険カ所がないか総点検を実施するとともに、安全確保のため、ガードレールの設置が求められていることから、危険カ所から優先して未設置の所は早期の設置を行う事。あわせて、歩行帯、横断歩道、ガードレール、信号や幹線道路の白線や表示が見えにくくなっている箇所も散見されることから、必要なメンテナンスも行う事。引き続き対策必要箇所の把握・設置が進むよう、各市町村への指導・支援を行うこと。また、運転手にも広く周知するため、免許更新の際に注意を呼び掛けるなど、キャンペーン等を実施すること。
先行的に東大阪市・堺市・枚方市・箕面市での設定がされているが4市に留まっている。
※自治体HPでの設置状況把握:東大阪(19所)、堺(不明)枚方(不明)、箕面(不明)
<継続>
(6)防災・減災対策の充実・徹底について(※)
市町村が作成しているハザードマップや防災マニュアル等を効果的に活用して、避難場所の把握や防災用品の準備等自助・共助の視点のもと、府民が具体的な災害対策に取り組むよう、積極的・継続的な啓発活動を実施するとともに、精度の高い情報収集に基づく伝達体制を構築すること。災害時における避難所についての環境整備についてもはかること。また「おおさか防災ネット」の運用状況(登録)について推移を示すこと。
加えて、被害を低減させるための施設・装備を充実し、コロナ禍でも災害発生時に機能する医療体制を整備・強化すること。また、市町村が作成した「避難行動要支援者名簿」の更新や、発災時を想定した避難行動、地域住民や事業者とも連携した具体的な訓練等、市町村の支援を行うこと。さらに、災害発生時における情報提供ツールのホームページについて、見やすくわかりやすい様に工夫を行うこと。加えて、コロナ禍における新たな防災計画を策定し、それぞれの状況に応じて感染拡大期・安定期・終息期に分けて具体的に示すこと。また「避難所の感染対策・訓練」だけでなく、災害時に府民が避難を躊躇しないようコロナ禍での避難対応のマニュアル・指針を広く府民へ示すこと。地域における防災の担い手となる、防災の資格である「防災士」の取得を促すための広報や、大阪府が養成研修実施機関として登録すること。特に「女性防災士」の取得の促進をはかるとともに、資格取得助成の市町村を拡大するよう支援すること。
※養成研修実施機関(関西では滋賀・奈良・和歌山・兵庫。府内では箕面市のみ)
※資格取得助成(府内では堺市堺区、松原市のみ)
<継続>
(7)地震発生時における初期初動体制について
南海トラフ地震の発生が懸念されているが、地震発生時においては、初期初動体制が極めて重要である。各自治体においては、有期・短時間・契約・派遣等で働く職員が多くを占めていることから、緊急時に十分な対応ができるよう人員体制を確保すること。また、震災発生においては交通機関が麻痺していることから、勤務地にこだわらず職員の自宅から最寄りの自治体に出勤し対応にあたる等、柔軟に対応できるよう日常的に市町村間の連携を行えるよう、各自治体に働きかけを行うこと。また、企業・住民への日頃の防災意識の啓発と、災害ボランティアセンターなどとの連携など、いつ発生するともわからない災害への対策を強化すること。
<継続>
(8)大阪府北部地震に対する継続支援について
2018年6月に発生した「大阪北部地震」の被災自治体への支援を継続して行うとともに、国に対しても必要な措置を求めること。特に、府域内で同じ全壊、大規模半壊の被災者の間でも支援の有無に差が生じている点について、広域行政として何らかの措置ができないか検討を進めること。
また、民間所有建築物について、特に学校・病院の耐震診断・改修の早期実現に向けて引き続き支援・広報を行うこと。
(9)集中豪雨等風水害の被害防止対策について(※)
<継続>
(a)災害危険箇所の見直し及び防災意識の向上と啓発について
予測不可能な風水害が頻繁に起こり、予想以上の被害が発生している。災害の未然防止のための斜面崩壊、堤防決壊等への対策が非常に重要であることから、すでに整備済みであっても、危険度が高いとみられる地域の未然防止の観点からも日頃の点検や対策を講じること。また、災害がより発生しやすい箇所を特定し、森林整備等の維持・管理を重点的に行うこと。加えて、住民の資産に影響を及ぼす可能性のある情報の提供について、地域の実情を踏まえ、慎重かつ確実に実施するとともに、必要に応じてハザードマップの見直し点検を行いながら、一層の周知・広報を行い、日頃の防災意識が高まるよう取り組むこと。
<継続>
(b)災害被害拡大の防止について
大型台風等大規模自然災害発生時における安全確保の観点から、事業活動を休止する基準の設定等必要な仕組みを整備するとともに、府民への制度の周知・理解促進を図ること。さらに災害発生時においては府民に不安を与えない様コロナ対策を行った上での対応を行うこと。
<継続>
(10)激甚災害時における公共交通機関の早期復旧に向けた取り組み
自然災害による鉄道被災は、鉄道用地外からの土砂・倒木流入や河岸崩壊などによって被害が拡大する事例が多く、こうした複合災害により発生した鉄道被災に際しては、復旧を事業者任せにすることなく、治山・治水事業とあわせた一体的・包括的な対応を、国及び地方自治体が責任を持って進めるよう関係機関に働きかけること。また、鉄道の早期復旧にむけてより密接に事業者や地権者といった関係主体との連携を積極的に図ること。
大規模災害時に踏切が閉じたままになったことで救急・消防の対応が遅れないよう、改正踏切道改良促進法の施行にあわせた実行性のある対応を進めること。
<継続>
(11)公共交通機関での暴力行為の防止とその対策について
鉄道係員に対する暴力行為の件数は、高止まりという状況であり、お客様トラブル事象やカスタマーハラスメントに分類されるような事象も数多くある。働く者の安全・安心の確保のためにも、公共交通の利用促進とともに、利用者側のマナーやモラルといった部分に対する理解促進を図ることから、事業者によるさまざまなキャンペーン等の取り組みも進められているが、行政として「公共交通の安全安心な利用」に向けた啓発活動の強化等の対策を講じること。また、駅構内や車内での巡回・監視等の防犯体制のさらなる強化を図るとともに、公共交通機関の事業者が独自で行う施策(防犯カメラの設置や警備員の配置等)への費用補助等の支援措置を早急に検討すること。
<継続>
(12)交通弱者の支援強化に向けて
誰もが買い物ができ、医療・介護、各種行政サービス等が受けられるよう、地域の実態を調査し、その結果を踏まえて、バス路線の整備を含めた公共交通による移動手段の確立、移動販売や商業施設の開設・運営への支援等、必要な対策を推進すること。「大阪スマートシティパートナーズフォーラム」による取り組みの効果の検証を行うこと。
<継続>
(13)持続可能な水道事業の実現に向けて
持続可能な水道事業の実現のため、水道事業体における専門性を有する人材の確保・育成、技術継承および水道の基盤強化のための労働環境改善に向けた取り組みに対する支援や経営基盤が脆弱な小規模水道事業者への支援を行うこと。
7.新型コロナウイルス感染症対策関連施策
(1)感染拡大防止に向けた対策強化について(※)
<継続>
(a)医療提供体制の強化について
新型コロナウイルス感染症による医療崩壊を生じさせないため、重症病床をはじめとした新型コロナウイルス感染症患者の受け入れのみならず、一般医療に制限をかけることのない医療提供体制を整備すること。加えて、中等症病床にて重症者の治療が可能となるよう高度な医療機器の増備を行うこと。また、当面の病床確保のみならず、新たな感染症の拡大などの緊急時に耐えうる医療人材の確保や、公・民の医療機関による連携を強化すること。
<継続>
(b)感染者受け入れ体制の強化について
新型コロナウイルス感染者を受け入れる療養施設(ホテル等)は、自宅療養を必要とする特別な事情を要する患者を除き、受け入れを可能とする充分な確保を行うこと。また、宿泊患者の急な容体悪化に迅速に対応するため、医師の配置や医療機関との連携を強化すること。さらには運営上の課題に対する相談窓口の設置をおこなうとともに、運営する施設の従業員に対する感染防止対策に掛かる費用を負担すること。府民の感染による不安をできるだけ解消し、迅速な支援につながるよう、電話による相談体制を拡充するとともに、変異株の特性を踏まえた感染症の状況や予防方法、感染防止策などの情報を外国人や障がい者などが確実に受け取るこができるようにすることを含め、正確な情報伝達を行うこと。
<継続>
(c)PCR検査の拡充について
新たな感染拡大の予兆を掴み、拡大を未然に防止するためにもワクチン接種と並行しながら、PCR検査等の検査体制を拡充するとともに、濃厚接触者に指定された者の検査を確実に行うこと。また、過去にクラスターが頻繁に発生している医療機関、高齢者施設、保育所、福祉施設等については、定期的な検査を行うなどクラスター発生を未然に防止する措置を強力に推し進めること。さらには、無症状者による感染拡大を防止するためにも、感染リスクの高い対面での業務を行っている労働者に対して、希望する労働者が簡便に検査を受けることが可能な体制を整えること。加えて、新たな変異株の発生と拡大に備えスクリーニング検査体制の拡充と専門家による研究を支援すること。
<継続>
(d)感染防止のための支援拡充について
医療機関、高齢者施設、学校、保育所、対面サービス業のみならず、さまざまな事業所が感染防止のためにマスクや消毒液など物資の購入や換気設備の設置を行っていることから、必要な物資の購入等に対する費用の助成を行うこと。また、通勤、オフィスワークにおける感染防止のため、時差出勤やテレワークを導入する事業所に対して、自治体としての指針を示すとともに、中小企業など労務管理が脆弱な事業所に対する相談窓口を設置し体制整備を強化すること。
<継続>
(e)緊急事態宣言等の発令に伴う説明と周知について
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令に伴う感染拡大防止の効果を発揮し、事態を収束するためには、意識と行動変容を促し、意義と目的を共有することが重要であることから、府民へ客観的根拠に基づく丁寧な説明とメッセージの発信を行うこと。また、飲食店をはじめとする各事業に対し休業要請を行う場合も同様に、現在に至るまでの休業要請に対する検証を行うとともに、感染防止対策の有効性も勘案したうえで、客観的根拠に基づく要請内容とすること。
<補強>
(f)ワクチン接種体制の強化について
希望者全員が安心してワクチン接種できるよう、国と連携の上接種体制の構築するとともに、単身赴任者や学生など居住地以外での接種を含めた接種記録の管理や他の自治体等の連携の体制を構築すること。また副反応情報などの確実な情報収集と府民に対する正確な情報提供を行うこと。
<継続>
(g)保健所機能の強化について
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、保健所及び保健センターに求められる役割は多岐に渡り、保健所職員の過重労働が深刻な状況となっている。また、公衆衛生活動の拠点としての役割と当面の新型コロナウイルス感染症対策や新たな感染症など、緊急時においても対応が可能となる職員を増員し、予算措置とともに継続的な体制整備・支援を行うこと。その際、状況に応じて迅速な対応がはかれるようマニュアル等の策定を行うこと。さらには、大阪健康安全基盤研究所と十分連携した感染症対策や公衆衛生活動を強化すること。
<継続>
(h)感染者等への誹謗中傷やパワハラ・差別的扱いの禁止について
医療従事者はもとより、エッセンシャルワーカーや感染者などへの差別的発言やSNSを利用した誹謗中傷などを根絶するため、広く府民に対して啓発活動を行うこと。また、差別的発言に至る背景には、情報の不足による不安や偏見があることから、正確かつ迅速な情報発信をより一層強化すること。さらには、ワクチン接種は自己の判断によるものであり、同調圧力による接種の強制や、接種しない者への差別的発言や不利益な扱いを行わないよう広く府民に対する啓発活動を行うこと。
(2)新型コロナウイルス感染症対策に関する支援の強化について(※)
<継続>
(a)雇用調整助成金特例措置の継続について
雇用調整助成金の特例措置は雇用の維持に重要な役割を担っており、打ち切りや減額を行うことは失業者の増加に繋がり得ること、さらには、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金についても、事業所より休業手当の支払いを受けることが出来なかった労働者にとって、生活を維持するためには必要不可欠な制度であることから、それぞれ新型コロナウイルス感染症による影響が沈静化するまで継続すること。また、財源については新型コロナウイルス感染症対策として一般会計より支出するよう、国に対して強力に働きかけること。
<継続>
(b)新型コロナウイルス感染症拡大における各種支援制度の支給迅速化について
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響により、雇用調整助成金や事業所を対象とした営業時間短縮等協力金、個人を対象とした休業支援金など、さまざまな支援制度については、支援を必要とする者が確実に支援を受けることができるよう認知度を高める取り組みを強化するとともに、支給の迅速化へ向けた体制を整備すること。
<継続>
(c)生活困窮者への支援について
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により失業・休業を余儀なくされた生活困窮者が増加していることから、支援金を拡充するとともに生活相談者自立支援の相談窓口を充実させること。特にシングルマザーをはじめとする「ひとり親」家庭に対する支援を強化すること。また、住居確保給付金の12カ月を超えたさらなる延長や、緊急小口資金・総合支援資金の特例貸付における返済の据置期間の延長など、実効性ある支援を国に対して求めること。さらには、現行の支援制度の活用状況を検証し、支援を必要とする者に確実に届くよう認知度を高める取り組みを行うとともに、活用の進んでいない市町村に対しては活用促進へ向けた働きかけを行うこと。加えて、複雑な手続きが制度の利用を妨げることのないように手続きを簡素化すること。
<継続>
(d)事業所支援の拡充について
新型コロナウイルス感染症の影響により、飲食・観光業のみならずサプライチェーンで連なる事業所や、対面サービス業、さらには人流を抑制することによって危機に陥っている産業などさまざまであり、企業の経営努力のみで補え切れるものではないことからも、新たな支援制度や補助金の創設など国に対して求めること。
以上