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更新日:2009年7月31日

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大阪府広域自治制度に関する研究会「最終報告」のポイント

大阪府広域自治制度に関する研究会「最終報告」のポイント(文字情報)

「あるべき国・広域自治体・基礎自治体の姿を目指「あるべき国・広域自治体・基礎自治体の姿を目指して」
~コンパクトな道州とダイナミックな調整システム~

一.広域自治体改革が求められる背景と道州制への期待

  • 生活圏・経済圏の拡大と行政課題の広域化、
    府県域を超える地方分権改革の担い手、
    市町村合併の進展と市町村の行財政能力の向上

  • 広域自治体改革が求められているが、現行制度に基づく改革(広域連携、広域連合、都道府県合併)には限界
  • 抜本的な改革として道州制に期待
  • 道州制の導入を通じて、これまでとは異なる施策の「最適化」を目指す。
    • 府県の区域を超えた「最適化」
      (スケールメリットの追求、各府県フルセット主義からの脱却を目指す)
    • 省庁タテ割り行政を超えた「最適化」
      (地域の実情に応じた総合的な施策が可能に1+1=3を目指す)

二.道州制の制度設計に係る基本的考え方

2つの「最適化」を可能とするために、道州制はどのような姿であるべきか?

  • 「地域主権型」の道州制
    自立した地方政府として、自らの圏域のことは自らの意思と責任で政策を実行し、その成果も圏域で暮らす人々の間で分かち合う

★道州制が「地域主権型」であるためには、どのような設計思想が必要か?

1.国・道州・市町村の役割分担のあり方

  • 内政は原則として、企画立案から管理執行まで地方が一貫して担う。
  • 国は外交や防衛など国が本来果たすべき役割に純化。
    国の役割は「国専管事務」として基本法に限定列挙。
    「国専管事務」以外は地方の事務とし、国は原則立法できないこととする。
  • 全国的な統一性が必要な施策は「全国共通事務」とし、その規律には次の2つの方法。
    • (1)地方間の自主的な調整によって共通条例
    • (2)上記原則の例外として、国会の立法で規律
  • 道州と市町村の関係は、
  • (1)道州の役割を広域行政や専門性・技術性を要する行政に重点化
  • (2)住民に身近な行政は市町村が総合的に担い、府県の事務を大幅に移譲
  • (3)市町村の行う事務については極力、関与も支援も行わないことを基本に「コンパクトな」道州を目指す。

道州と市町村の関係イメージマトリクス

どの枠を選択するかは、具体的な事務によって、また道州制の導入時と何年か運用を経た後では異なるが、市町村が自らの判断と責任で行政を行い、納税者にとって受益と負担の関係を明らかにするためには、基本的には矢印の方向を目指すべき。

コンパクト

  • 現在、都道府県が実施している事務は大幅に市町村に移譲。
  • 道州は以下のような広域事務に軸足を移す
    • (1)圏域を単位とする社会資本整備
    • (2)広域的な環境保全・管理
    • (3)地域経済政策及び雇用政策
  • 道州の役割は限定的なものとし、保健、福祉、義務教育など住民に身近な行政は市町村が総合的に担う。
  • 規模や能力に課題のある市町村は、市町村間の水平補完により支える

大きい

  • 現在、都道府県が実施している事務は、市町村の規模や能力に応じ移譲を進める。
  • 対象が散在する広域的な行政や、より高度で専門的な行政課題に重点化しつつも、広範な分野の行政を担う。
  • 保健、福祉、義務教育など市町村が担う行政についても、広域的な観点から補完する。
  • 規模や能力に課題のある市町村は、道州が補完する。

緩い

  • 市町村が行う事務・事業については、極力、関与や支援は行わず、市町村の自立的な執行を基本とする。

★強い

  • 道州が担う役割について、市町村の権限や事務・事業と重複、抵触する場合、より広域的な利益の実現を図り、市町村とも積極的に調整を行う(市町村に対する関与、補助負担金の交付も含む)。

2.道州立法(条例)の拡充強化

  • 道州が自らの意思と責任でその役割を担うためには、決定権をもつ必要。
  • 「全国共通事務」のように、国が地方の事務について立法を行う場合は
    下記のような措置を通じ、道州の条例制定権を保障する必要。
    • (1)国法の役割を限定する法規範
    • (2)国の立法過程への地方の参画
    • (3)国法と道州条例の競合を事後的に調整する仕組み
  • さらに、道州に国法の修正(上書き)権を付与。
    国法の規定の性格により、道州の条例による修正を認める。
    例:全国一律の基準→修正不可、
    最低基準・最高限度→それらを超えない範囲で修正可、
    技術的な標準→修正可
  • 市町村条例についても拡充強化が図られる必要。
    道州と市町村間で施策の整合性を図るため、道州条例に市町村の事務に関わる規定をおくことがあるが、国法と道州条例の関係に準じ、市町村の条例制定権を保障すべき。

3.国・道州・市町村の役割分担の調整

  • すべての事務事業について地域の実情に応じた役割分担や、執行基準・手続きのあり方を確定するにはかなりの時間を要する。
  • まず全国的に標準となる形をつくり、道州制導入後も柔軟でダイナミックな調整システムを通じ、調整(再調整)を繰り返すことが必要。執行基準や手続きは、まずは現行制度を基に標準形を作ることも現実的。
  • この調整システムは、国・道州・市町村間の協議を基本とし、国と地方の垂直的な調整だけではなく、道州間相互、市町村間相互の水平的な調整も含む。
    (霞ヶ関の「押し付け」ではなく、協議をベースに最適なあり方をつくる)

国・道州・市町村の役割分担の調整・再調整イメージ

(競争と協調)各市町村や道州はそれぞれの地域を振興するために、独自の施策を競うが、同時に自らの施策を有効なものとするには、他の市町村や道州、国との協調も必要である。

国・道州・市町村の役割分担(標準形)

市町村優先で役割分担を考える(道州によって役割分担が異なることも)

  1. 多数の市町村が担う意思→市町村の事務
  2. 多数の市町村に担う意思なし、多数の道州に担う意思あり→道州の事務
  3. 多数の市町村・道州に担う意思なし→国の事務

(1)から(3)の過程を繰り返し、標準形を決定。

地域共通性・全国共通性

近隣の市町村(道州)と協議

  • 共通の執行基準・手続きが必要か
  • 互いの施策を整合させる必要があるか

全国の市町村(道州)と協議

  • 全国の市町村(道州)が共に担う事務とすべきか
  • 全国一律の執行基準・手続きが必要か

*この過程は国会に委ねることも

実際の事務配分

個別の市町村の意向に基づき、事務を道州や市町村に配分する。

  • 標準形の事務を担うことのできない小規模市町村の補完
  • 標準形以上を担える市町村への権限移譲
  • 財源調整の方法など
事務配分の見直し

市町村(道州、国)の意向により

  • 道州内の実際の事務配分
  • 地域共通性・全国共通性
  • 国・道州・市町村の役割分担の標準形について見直し。

4.道州制下の税財政制度

  • 国・道州・市町村の役割分担に応じた自主性・自立性の高い制度とすべき。
    (納税者にとり受益と負担の関係がより明らかになるようなあり方を求める)
  • 標準的な役割分担に応じた所要額を確保できるよう税源を配分。課税ベースの分離にはこだわらない。
    (国と地方で課税ベースを共有することも可)
  • 各道州の自立を基本とするが、財政調整制度は必要。但し、道州間の財政調整は極力総額を小さく、制度もシンプルに。
    標準的な役割のすべてを調整の対象とするのではなく、道州が担うべき最低限のサービスに限定。
  • また、自らの収入によって標準的な役割を担うことのできる州(中間州)の数を多くすることで、財政調整の対象を財政力がかなり豊かな州(富裕州)と、財政力の乏しい州(困難州)に限定する。
  • 市町村間の財政調整は道州が担う。

5.大都市制度のあり方

  • 東京都区部や政治経済機能の集積の進んだ一部の大都市のみを特例の対象に。
  • 大都市は道州に包括される基礎自治体。
  • 道州と大都市の役割分担は大都市の意思と能力を尊重。
    但し、道州の策定する戦略や計画、道州が圏域全体をにらんで行う施策との整合性が必要であり、そのための調整システムを用意。調整システムの参画を義務づけることも。
  • 広域的な効果や影響を及ぼす事業については、道州・大都市の双方から切り離し、共同実施主体に執行を委ねることも可能。
  • 道州全体のバランスとネットワークを配慮し、地方の拠点都市とも同様の調整。

道州間の財政調整制度イメージ

  • HIは一人当たりの平均税収額(平均歳出額)。
  • ある行政サービスを基準に、同じ内容の行政サービスを受けるためのコストを考えると、人口密度が低い地域はコストが高く、また人口密度が高い地域も過密などからコストが高くなる。
    したがって、一人当たりのコストは線CDEFを描く。
  • 各道州の一人当たりの税収額は通常、人口密度が高いほど高くなると考えられ、線AGを描く。
  • 道州間の税収格差を緩和するため、財政力が豊かな州(線EG)が一定額を拠出(△EFG)し、財政力に乏しい州(線AE)へ交付する(△EBA)。
    拠出金額=交付金額。したがって、各道州間の収入格差はBFに緩和。
  • それでも賄うことができないコスト(EBCDで囲まれた部分)をさらに国が補填する。
  • また、基準となる行政サービス以上のものを供給する場合(線JK)については、当該道州が独自に課税して財源を調達する。
  • 点Eをはさんで存在すると考えられる「中間州」の数を多くすることで、それよりも左にある「困難州」とそれよりも右にある「富裕州」の間に、財政調整の対象をなるべく限定する。

(出所)齊藤愼、中井英雄「再考・道州制」『日本経済新聞』2008年5月20日朝刊。

道州と大都市間調整のイメージ

  • 大都市圏内での水平連携と中枢機能の発揮
    <例:高次救急医療への共同対処と基幹病院の設置>
  • 道州と大都市間で施策の整合性を確保
    <例:道州単位での物流戦略の策定と大都市が行う港湾整備>
  • 圏域全体をにらんだ一体的な施策
    <例:流域単位の河川整備計画の策定とそれに沿った総合的な河川管理>
  • 共同実施主体
    圏域全体に影響・効果を及ぼす事業の共同実施
    <例:都市鉄道の整備・運営>
  • 地域間財政調整機能
    <例:道州が一体的に課税し、上流の山間部に重点的に投資>

6.道州の執行機関・議会

  • 圏域全体のバランスとネットワークを保ちながら経済発展を図り、その果実も圏域全体で分かち合うという道州の目的にかなうような執行機関や議会のあり方を考える必要。
  • 制度は道州毎に異なってもよい。議院内閣制的な制度についても検討すべき。
  • 道州議会の選挙制度は、道州全体の利益を代表する観点から比例代表制の採用(併用)が望ましい。
  • 住民自治の基本は代議制であり、直接民主制的な手段でそれを補完すれば足りる。
  • 道州の組織は現行のような国の省庁を映したあり方ではなく、道州全体の視野から総合的な施策立案が可能となるような組織とすべき。

7.国のあり方

  • 国会を含め、国の組織・機能は大幅に見直し。
  • 地方への人員・財源の移管は国の行財政改革が目的ではなく、十分な検証が必要。
  • 従前の国の仕事のやり方や組織をそのまま道州へ移すことにならない。

三. おわりに

道州制を地域主権型にするためには、当事者として国の議論、制度設計の作業に積極的に参画すべき。
但し、大阪府には次の点に配慮を望む。

  • 大阪府には過疎地域がないことを考慮すること。
    道州の役割を考えるとき、過疎地を抱える近隣府県の経験に学ぶ必要。
  • 具体的な制度設計のあり方は、海外の事例に学ぶこと。
  • 地方分権改革を着実に前進させること。

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