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更新日:2013年11月25日

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第4回 大阪府広域自治制度に関する研究会 資料1

大阪府広域自治制度に関する研究会
第3回会合(H19年11月13日)論点整理

1.道州制下における税財政制度のあり方について

国・道州・市町村のあり方

  • 道州制下において、国が内政において担うこととなるのは、各制度の骨太部分(グランドデザインの設定)のみとなり、残りの部分はすべて道州が担うことになると考えるべき。
    すなわち、具体的な制度内容は道州によって異なることになる。
  • 同じようなあり方は、道州と市町村の間の役割分担においても想定することができる。
    道州制導入の目的が、住民の受益と負担の関係を明らかにした上で、住民自らの責任と負担で自由に行政サービスを選択できるような社会を築く、ということであるなら、各道州が設定する市町村行政の枠組も出来る限り大枠・大綱的なものであるべき。

⇒「市町村への関与が少ない」道州のあり方を想定することになる。

財政調整制度の基となる行政サービスの「初期値(デフォルト)」

  • 道州間の財政調整制度の目指すべきところは、各道州に基準となる行政サービスを賄うだけの標準となる財源が保障されていて、それを超える部分については、自らの税源(税率を上げること)によって確保していくというあり方。
  • 各道州がそれぞれの選択で、行政需要に見合う税財源構造を確保する。
    但し、その前提として出来るだけ均等化するような税源ベースの配分をしておくべき。
  • 極力、財政調整はしないほうが良い。(調整総額はミニマムに、制度はシンプルにするほうが良い。
  • 一般的な考え方として、同じ税負担なら同じ行政サービスが享受されることを保証するということがある。
    この考えに基づきつつ、財政調整が最低限のものになるよう「同じ行政サービス」、すなわち、各道州の行政サービスの初期値を設定していけばよい。
  • 道州内の市町村の財政調整制度、行政サービスについても同様のあり方を求めることができる。

⇒財政調整制度の基として、各道州共通の行政サービスの初期値(デフォルト)を想定する必要がある。

「初期値(デフォルト)」の設定の仕方

  • 北海道は道州制を導入しても面積は変わらず、広域化のメリットを享受できない。
    また財政状況も比較的厳しく、北海道が成り立たない道州制は想定すべきではない。
    (但し、全ての地域を同じ制度に入れる必要はないかもしれない=準州を想定)
  • 例えば、この北海道を基準に、国土として維持するための最低限のサービスを想定して、初期値とすることは可能である。
  • その基準値は、単純な算定で得ても構わない。
    例えば、現在の基準財政需要額×指数でもよい。
  • 個々の事務ごとに、サービスの程度や供給方法など財政需要を積み上げて算定していくと、自治体のやるべき仕事を細かく決めてしまうことにつながり、各道州が自由にサービスを競うということにならない。
    また、初期値が必要以上に大きくなってしまう。
  • どの道州も共通して行うべき最低限のサービスは、それほど大きなものとならないのではないか。
  • 道州と市町村のあり方も同様に、例えば、消防と救急医療サービスのみで初期値を設定し、その範囲内で財政調整を行うというようなあり方を考えるべき。
    それを超えるサービスについては、各市町村がそれぞれの税率のなかで財源を確保していく。

⇒初期値(デフォルト)は出来るだけシンプルに、かつ小さく想定すべき。

リージョナリズムと道州間の連帯

  • 州の場合、初期値を超えるサービスを行う場合、その財源を増税で賄うということもあるが、各道州が税源涵養のための施策を競い、税収を増やしていくということがある。
  • 道州制はリージョナリズムに基づき、広域的な地域で経済開発を進めていこう、道州間で極力自由に競争を進めていこうという側面があるが、条件不利地域は必ず出てくるので、一定、富裕州から困難州への富の移転ということはあり得る。

⇒道州の場合は、税源涵養による税収の増、及びその道州間の再配分といったことも考え得る。

2.そのほか

道州、市町村の税源

  • 応益性は、具体的に利益をどう図るのかという問題があり、現実には示すことが難しい概念である。
    むしろ、きちんと役割分担を決め、明確に仕事の割り振りを決めた上で、各政府レベルでの所要額を見積もり、それに見合う収入額を確保するために、どのような財源が適切か検討するほうがよい。
  • 市町村の固定資産税は、元は地租である。
    これはシャウプ勧告の際、固定資産税の税源が動かないことに着目し、優先権を市町村に与えた。
    逆に動きやすい財源はより広域の政府レベルへ委ねるという考えはある。
  • 税源が広域に移動する消費税や法人税は、道州に相応しい税源と言える。
    但し、法人税は国と分割することも考えられる。

国の関与

  • 財源調整の仕組みについては、国にイニシアチブを取られないようにする発想が必要。
  • 調整のための機関として、国と地方の共同機関を設けるということはあり得る。
    但し、地方がイニシアチブを取ることは必要である。
  • 調整財源に国税を入れるかどうかという話と、意思決定の仕組みは分けて考えるべき。

徴税機関の一元化

内国歳入庁のような機関を道州レベルで設置して、徴収機関を一元化する可能性もある。

受益と負担の関係

受益と負担の関係は住民にとって見えにくい。
但し、道州が権限や事務の面で自立するとともに、財源の上でも自立することで、住民にとって負担の内容を明らかにすることにつながる。

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