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中間論点整理(文字情報)
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大阪府広域自治制度に関する研究会
平成20年4月1日
≪目次≫
はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
- 道州制の導入が議論される背景
- 広域自治体を取り巻く環境の変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
- (1)市町村合併の進展
- (2)生活圏・経済圏の拡大、グローバル社会の到来
- (3)地方分権改革の担い手
- 現行制度を前提とした改革と限界・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
- (1)広域連携
- (2)広域連合
- (3)都道府県合併
- 抜本的な改革としての道州制への期待・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
- 広域自治体を取り巻く環境の変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
- 道州制の具体的な制度設計に向けた考え方
- 国と地方、道州と市町村間の役割分担のあり方・・・・・・・・・・・6
- (1)内政において、なお国が担うべき役割
- (2)道州と市町村の役割
- 道州立法の拡充・強化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
- (1)国の法令の守備範囲
- (2)広範な条例制定権を保障するための措置
- (3)市町村の条例制定権
- 道州制下の税財政制度のあり方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
- (1)税財政制度のあり方
- (2)道州制間の財政調整制度
- (3)市町村間の財政調整
- 大都市制度のあり方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
- (1)特例的な扱いの対象となる都市
- (2)大都市の位置づけ
- (3)道州と大都市との役割分担
- (4)道州内での一極集中への対応
- (5)地域間財政調整
- 道州の執行機関・議会
- (1)基本的考え方
- (2)選挙制度
- (3)住民自治の保障
- 国と地方、道州と市町村間の役割分担のあり方・・・・・・・・・・・6
- 今後の検討に向けて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
大阪府広域自治制度に関する研究会 委員名簿、開催実績・・・・・・・17
大阪府広域自治制度に関する研究会 「中間論点整理」
はじめに
道州制に関する議論や提言は古くから行われてきたが、平成18年2月28日、第28次地方制度調査会が「道州制のあり方に関する答申」を行って以降、その動きには急なものがある。平成18年9月に成立した安倍内閣は、道州制担当大臣を設置し、翌19年1月にはその私的懇談会として「道州制ビジョン懇談会」が発足するなど、政府においては道州制の導入を視野に入れた検討が進められている。また、各政党においても道州制等地方制度のあり方について議論が行われているところである。
このような動きに対し、道州制議論の当事者でもある都道府県(以下、単に「府県」)は、全国知事会に道州制特別委員会を設置して議論を深め、平成19年1月には、道州制に対する全国知事会としての立場を明らかにするため、「道州制に関する基本的な考え方」(以下、「基本的考え方」)を示した。また、それに引き続き、道州制について具体的な検討が必要と考えられる幾つかの課題について、議論を進めているところである。
しかし、道州制の具体的な姿についてはなお様々な議論があり、単に国の行財政改革を推進するための手段とするような考え方も見受けられる。仮に道州制を目指すとしても、分権型社会を実現するためにどのようなあり方が望ましいのか、地方自らが議論をし、その考え方を示していく必要がある。
そこで、大阪・関西の事情も踏まえ、分権型社会の実現、言い換えれば地域のことは地域自らが考え、地域自らが決め、責任も負うという「地域主権」の確立を目指す立場から、道州制のあり方について検討し、大阪府として基本的な方向性を見出すために「大阪府広域自治制度に関する研究会」(以下、単に「研究会」)は設置された。
研究会は昨年8月13日に第1回会合を開催。これまで7回の会合を開催し、議論を進めてきた。今回はその中間報告として、論点の整理を試みるものである。
1 道州制の導入が議論される背景
冒頭で述べたとおり、最近、道州制の議論が盛んになっているが、その背景として以下のような事柄が指摘されている。
1.広域自治体を取り巻く環境の変化
まず、次のような社会・経済環境の変化があり、それに対応する広域自治体のあり方として、はたして現行の府県のままで良いのか、問われているということがある。
(1)市町村合併の進展
人口減少や少子高齢化が進展するなか、地域においては持てる資源を最大限、効率よく活用することが求められている。また、住民に最も身近な基礎自治体である市町村が、将来にわたり持続的かつ安定的に行政サービスを提供していくためには、その行財政基盤の強化が求められている。こうしたことを背景に市町村の合併、いわゆる「平成の大合併」が進められてきた。
平成11年3月末現在で3,232あった市町村数は、平成20年3月には1,793になった。この間、大阪府では堺市と美原町の合併が実現したほか、関西においても、2府7県で480あった市町村数が、275になっている。(注1)
また、地方自治法に基づく「条例による事務処理の特例制度」などを通じ、都道府県から市町村への権限移譲が進められており、例えば、大阪府では平成10年度から19年度の間に97の事務が移譲されている。さらに、政府の地方分権改革推進委員会では、複数の都道府県において、小規模な市町村も含め移譲がなされている事務については、市町村の事務として法令上制度化することも検討されている。
このような状況は、市町村の規模と権限を拡充させ、府県の役割、特に市町村に対する補完事務を軽減させることにつながり、府県の広域自治体としての位置づけや今後の役割など、そのあり方を問うことにつながっている。
(注1)これ以下、関西2府4県とした場合は、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県の6府県を意味し、関西2府7県とした場合は、この6府県に福井県、三重県、徳島県の3県を加えた9府県を意味する。
<関西における市町村合併の進捗状況>
平成11年3月31日 平成20年3月21日現在
都道府県 |
市 |
町 |
村 |
計 |
市 |
町 |
村 |
計 |
増減率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
福井県 |
7 |
22 |
6 |
35 |
9 |
8 |
0 |
17 |
-51.4% |
三重県 |
13 |
47 |
9 |
69 |
14 |
15 |
0 |
29 |
-58.0% |
滋賀県 |
7 |
42 |
1 |
50 |
13 |
13 |
0 |
26 |
-48.0% |
京都府 |
12 |
31 |
1 |
44 |
15 |
10 |
1 |
26 |
-40.9% |
大阪府 |
33 |
10 |
1 |
44 |
33 |
9 |
1 |
43 |
-2.3% |
兵庫県 |
21 |
70 |
0 |
91 |
29 |
12 |
0 |
41 |
-54.9% |
奈良県 |
10 |
20 |
17 |
47 |
12 |
15 |
12 |
39 |
-17.0% |
和歌山県 |
7 |
36 |
7 |
50 |
9 |
20 |
1 |
30 |
-40.0% |
徳島県 |
4 |
38 |
8 |
50 |
8 |
15 |
1 |
24 |
-52.0% |
関西計 |
114 |
316 |
50 |
480 |
142 |
117 |
16 |
275 |
-42.7% |
全国計 |
670 |
1,994 |
568 |
3,232 |
783 |
817 |
195 |
1,793 |
-44.5% |
(2)生活圏・経済圏の拡大、グローバル社会の到来
現在の都道府県制度は、その境界や区域において明治21年以降、その姿を殆んど変えていない。しかし、交通網や通信手段の発達により、人々の生活圏や経済圏は大幅に拡大しており、府県の行政区画とそれらとの乖離が指摘されている。例えば、大阪市への昼間流入人口のうち39%が大阪府外からの流入であり、就業者・通学者(15歳以上)のうち大阪市への通勤・通学者が占める割合が10%を超える市町村は、大阪府のほかに三重、京都、兵庫、奈良、和歌山の6府県に及んでいる。
また、生活圏や経済圏の拡大に伴い、社会資本整備や環境保全、産業振興などの面で行政課題の広域化が進んでおり、迅速で総合的な対策を可能とするためにも、広域自治体の規模や権限が現在の府県のままで良いのか疑問が示されている。特に関西では、長く続いた経済の低迷や、相対的な地位の低下からの復権が求められているが、それを可能とするためにも、府県をはじめとした行政がそれぞれの区域やセクショナリズムを越えて、総合力を発揮できるような新しい体制への期待が強い。
さらに、グローバル社会の到来は、地域経済に大きな影響を与えている。製造拠点の海外移転や技術流出に苦しむ地場産業、輸入品の攻勢にさらされる農林水産品の産地がある一方、九州のようにアジアへの近接性や自動車、半導体といった産業集積を武器に、グローバル社会のなかで伍していこうとの動きもみられる。
その際、これまでのような中央集権的で全国画一的な政策ではなく、各地域のもつ個性的な潜在力を掘り起こし、柔軟に活用できるような政策が求められている。また、東京への一極集中を是正し、各地域の活性化を通じて日本全体の活力を向上させるためにも、地域経済の基盤整備を担う広域自治体の政策力の強化や効率性の向上が求められている。
(3)地方分権改革の担い手
住民に身近な行政はできる限り地方にゆだねることを基本として、地方分権改革が進められているが、現在の府県が国から移譲されることになる事務や権限の受け皿として、相応しい規模や体制を備えているかどうかが問われている。
第28次地方制度調査会の答申も指摘したように、国が現在、実施している事務には、本来は地方が担うべきにも関わらず、「統一性」、「広域性」や「専門性」をタテに地方への移譲を拒んでいるものがなお多く存在する。特に、「広域性」については、府県が同様の事務を実施しているにも関わらず、事務の対象が複数の府県にまたがるといった理由だけで、国が実施しているものがある。また「専門性」についても、府県がその規模を拡大すれば、専門能力をもった組織・人員を十分確保できると考えられる。
国から広域自治体への権限移譲を進め、地域主権を実現するためにも、広域自治体もその規模や体制の充実・強化を進める必要がある。
2.現行制度を前提とした改革と限界
以上のように、広域自治体を取り巻く環境の変化は、その区域を越える対応や改革を求めているが、現行制度を前提とすれば、次のような試みが可能である。
(1)広域連携
府県域を越える広域的な課題に対し、複数の府県が任意の協議会などを構成し、連携を通じて取り組みを進めることが可能である。実際に、自治体間の広域連携は各地で様々な試みがなされており、関西においても、琵琶湖・淀川水系の水質保全や広域での産業廃棄物処理等に実を上げてきた。また平成11年、全国に先駆け、官民による常設の広域連携組織として「関西広域連携協議会」が設立され、さらに平成19年には広域連携の一層の強化を図るため、同協議会と7つの広域連携組織を再編統合した「関西広域機構」が発足している。
しかし一般的にみて、広域連携はあくまで各府県の自発的な協力を基とした取組みであり、それぞれの事情を背負う各府県が、納得のいく合意に達する場合に具体的な成果に結びつくものである。利害対立のある案件では、合意形成に時間が掛かることや、合意に達したとしても各府県の利益を公平に配慮する結果、広域エリア全体でみたときに必ずしも最善の成果をもたらしていない、との指摘もなされている。
こうしたことから、例えば広域エリア全体に影響を及ぼす社会資本の整備において、選択と集中の下で最も効率的な投資がなされるよう、各府県の利害を超えた意思形成を可能とするような制度に期待が寄せられている。
(2)広域連合
平成7年6月から施行されている広域連合制度は、様々な広域的行政ニーズに柔軟かつ効率的に対応し、また権限移譲の受け皿を整備することが目的とされている。都道府県による広域連合の例はまだないが、府県域を越える広域的な課題に対応しつつ、国からの権限移譲を進め、地方分権改革を実現しうる制度として有力な選択肢であると考えられる。
関西においては、広域連合を「国主導の制度改革を待つことなく、望ましい地方分権体制への漸進的な改革の有力な手段」と位置づけ、官民協力の下でその実現可能性が検討されている。(注2)
広域連合は現行法に基づく制度であり、実現すれば新しい枠組として、これまで以上に地域一体となった取組みを進めることができ、そこからさらに効果的・効率的な新しい制度へと向かう、重要な一里塚となる可能性がある。
但し、広域連合制度そのものが有する課題も指摘されている。特に、広域連合を設置しても構成する府県が残ること、また広域連合が財政的には構成団体の分賦金(負担金)に依存し、独自の財源を持たないことから、構成団体の利益に反するような意思形成は、事実上、困難ではないかとの指摘がなされている。
(注2)関西の2府7県3指定都市と6経済団体で構成する「関西分権改革研究会」(分権改革における関西のあり方に関する研究会)が、平成17年1月に報告書をとりまとめ。以降、広域連合の検討は、「関西分権改革推進委員会」、「関西分権改革推進協議会」へと引き継がれ、現在は「関西広域機構」で検討が進められている。
(3)都道府県合併
平成16年の地方自治法の改正によって、都道府県についても自主的な合併の道が開かれた。複数の府県を合併しひとつの県にすれば、広域連携や広域連合と比べ、各構成府県(旧府県)間の利害調整や意思形成は効率的に進むと期待できる。
しかし、単なる府県合併に終わっては、国との役割分担は現状と変わらず、地域主権の実現を図る観点からは課題がある。3府県以上の合併であれば、「道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律(道州制特区推進法)」の定める「特定広域団体」となり、国からの権限移譲を求めていくことは可能であるが、現時点では国と地方のあり方を大きく変えるものとはなっていない。
3.抜本的な改革としての道州制への期待
先に述べたように、社会経済情勢の変化は、国や市町村との役割分担の確立、広域的な行政課題への迅速で効率的な対応、グローバル社会における地域経済の振興など、広域自治体に対し様々な課題をもたらしており、それらの課題に対応するためにも、広域自治体そのものの改革が求められている。しかし、現行制度を前提とした改革には限界があり、これらの課題を包括的に解決し得る抜本的な改革が求められている。そのための手段として、道州制に期待が寄せられているのである。
第一に、府県はその区域内で施策の「最適化」を図る存在と考えることができるが、道州制はこの府県の区域を越えて、より広域の単位で施策の「最適化」を可能にすると考えることができる。すなわち、複数の府県がひとつになることによって、スケールメリットの追求が可能になる、各府県が同様の施設をフルセットで整備することを避けることができる、などの効果が期待できるのである。
第二に、道州制は地域主権の実現を通じ、これまでとは異なる施策の「最適化」も可能にすると考えられる。すなわち、国から地方への権限移譲を可能にすることで、省庁ごとのタテ割り行政を越えて、地域の事情に応じた総合的な施策を可能にするものと考えることができる。
道州制の意義は、この2つの「最適化」を同時に追求できることにある。特に、関西においては、中小企業の潜在力を活かしたより戦略的な産業振興、琵琶湖・淀川をはじめとした流域単位の総合的な河川管理と環境保全、様々な地域資源を活用した広域での観光振興などの分野で、新たに「最適な」施策を見出すことができるのではないか。
より広域での最適化を「1+1=2」と喩えるならば、これまでとは異なる施策の最適化も可能とすることで、道州制は「1+1=3」を目指す改革と捉えることもできる。後者の最適化を果たすことで、道州制による改革の成果は、何よりもその最終の目的である住民福祉の向上をもたらすものと考えられる。
2 道州制の具体的な制度設計に向けた考え方
それでは、そのような改革を具体化するための制度として、道州制はどのような姿であるべきなのか。次章以下、道州制の制度設計の基礎となる幾つかの課題を示すとともに、それぞれについて当研究会でなされた議論と、そこからさらに見出された論点について整理していくこととする。
「基本的な考え方」は、道州制に対する地方の立場を明らかにしたものであり、そこに示された「今後具体的な検討が必要と考えられる課題」は、道州制を地域主権の実現へとつなげるために重要な要素を提示していると考えられる。そこで当研究会としても、これをベースにしながら整理していくこととしたい。
1.国と地方、道州と市町村間の役割分担のあり方
道州はいかなる役割を担うのか。国と道州、そして市町村との間の役割分担や関係はどのようなものになるか。これは、道州制下における税財政制度や、道州の組織・体制など、道州制の具体的な姿を求める際の基礎となるものである。
基本的には次の4点を原則とすべきと考える。
- (1)行政が果たすべき役割は何かを考え、民で実施可能なものは民に委ね、行政全体のスリム化を図る。
その上で、国と地方の役割分担を抜本的に見直し、 - (2)国の役割は、外交や防衛など国が本来果たすべき役割に純化し、内政に関する事務は原則として、企画立案から管理執行まで一貫して地方が担う。
- (3)地方の役割とされたものについては、「近接性の原理」や「補完性の原理」に従い、可能な限り市町村が担う。
- (4)道州は都道府県に代わる広域自治体として、市町村と役割を分担しながら、主に地域における広域行政を担うこととする。
しかし、道州が担うべき役割とは具体的にどのようなものか、これだけでは明らかにならない。それを明らかにするためには、これらの原則を踏まえつつ、さらに以下のような課題について検討を加える必要がある。
(1)内政において、なお国が担うべき役割
内政に関する事務については、原則として地方が担うとしても、国が内政には一切関わらないというあり方は考えにくい。連邦制を採用する国家においても、国籍や通貨、度量衡など国が専属的に権限を有する領域や、国民生活の均一性や利便性を確保するため国が統一的な扱いを定めているものがある。
一方、内政についてなお国が担うべき役割があるとしても、そのことが地方の自主的で自立的な行政運営を妨げる口実となってはならない。その上で、次のような論点が考えられる。
〔論点〕
- 国が、企画立案から管理執行まで一貫して担うべき、内政の領域があるのではないか。
例えば、- (1)国でなければ出来ない事務(国家財政、通貨制度 等)
- (2)事業規模や効果が全国的なもので、国が一括して担う方が明らかに合理的な事務(航空管制、気象予報 等)
- (3)国が全国一律で直接規律しなければ国民生活上、重大な支障が生じるもの(金融政策、度量衡、知的財産制度 等)
などが考えられるのではないか。
- 上記を除く内政分野については地方が担うとしても、この「地方が担う」とされた事務について、国の関与を想定しなければならない事務があるのではないか。例えば、
- (1)地方が事務を執行するために、全国で統一された基準の設定が必要になるもの(環境基準、労働基準 等)
- (2)国民生活や企業活動を円滑ならしめる上で、全国的に統一した処理をすることが合理的なもの(食品表示、道路標識 等)
などについては、国が執行基準や手続き等を定めることになるのではないか。
- 地方が担う事務について、一定の範囲で国の関与を認めるとしても、それを必要最低限のものとする具体的な仕組みが必要なのではないか。
- 国から道州へ移譲する事務・権限の内容を大きくすればするほど、却って国の関与を受けやすくなるという指摘があるが、そのことをどう思うか。
(2)道州と市町村の役割分担
先にも触れたように、道州と市町村との役割分担については、住民に身近な行政は出来る限り市町村が担うことが基本となる。しかし、市町村の具体的な事務の姿は、市町村に対する道州のあり方によって大きく変わってくると考えられる。どのようなあり方を目指すべきなのか、一定の方向を見出す必要がある。
〔論点A〕―道州の事務の範囲―
ひとつの指標として、「道州の担う事務の範囲を、現在の府県のように広い範囲のものと考えるのか」、あるいは、「もっと特定の分野に重点化されたものと考えるのか」ということがある。言い換えれば、「大きな道州」を目指すのか、「コンパクトな道州」を目指すのかとしてもよい。それは、具体的には次のような論点に置き換えることができる。
- 市町村が自らの判断と責任で行政を行うためには、現在のような重層的な役割分担を避け、道州と事務や権限を明白に仕分けるべきではないか。
- 道州の役割は、(1)圏域を単位とした社会資本整備、(2)広域的な環境保全・管理、(3)地域経済政策及び雇用政策など、より広域の行政や専門性・技術性を要する行政に重点化していくことが考えられるのではないか。
- 道州が市町村に対する補完を行うとしても、市町村の規模や能力が現在の中核市並みに揃うと想定するなら、対象が散在する行政分野や、より高度で専門的な領域に重点化できるのではないか。
- 逆に小規模市町村がなお多く残ると想定されるなら、保健、福祉、義務教育など本来は市町村が担うとされる事務についても、道州が事務を行う必要が生じるのではないか。
〔論点B〕―市町村への関与の度合―
また、道州の市町村への関与の度合から、「強い道州」を想定するのか、むしろ「緩い道州」を考えるのかという指標も考えることができ る。それは次のような論点に置き換えることができる。
- 道州は自らの施策を実現するため、道州立法(条例)による市町村に対する義務付け・枠付け、または補助金等の交付によって、積極的に市町村への関与を図るべきか。
- 逆に、市町村が行う事務・事業については極力関与や支援は行わず、市町村の自立的な執行を基本とするべきか。
次頁の図は、論点Aと論点Bの2つの指標をマトリクスにしたものだが、道州と市町村の間の役割分担(関係)のあり方を、4つのマスで類型化している。現実には、単純にこの4つのうちひとつを選ぶということにならず、具体的な事務によって選択されるマスが異なる、あるいは道州制の導入時と何年か制度運用を経た後では、選択されるマスが異なることもあるかもしれないが、ここでは道州と市町村の関係のあり方を俯瞰するものとして、このなかから一定の方向性を選択することになると考えられる。
2.道州立法の拡充・強化
道州が自らの意思と責任でその仕事を担うとするなら、道州が自らの仕事について決定権を有しなければならない。しかるに現状のように、法令の規定や補助金の交付要綱などを通じ、国が道州の裁量を大きく制約するようでは、道州の自由で自主的な行政運営は阻害される。道州が決定権を持つためには、国の法令(以下、「国法」)の守備範囲を基本的事項にとどめ、道州の広範な条例制定権(自治立法権)を確立する必要がある。
(1)国の法令の守備範囲
それでは、国法の守備範囲はいかにあるべきか。国法に規定する「基本的な事項」とは具体的には何か、それを明らかにするためには、さらに次のような論点がある。
〔論点〕
- 国と地方の役割分担に関し、国と地方の責務、財政負担のあり方、これらの調整原則など国法に規定すべきではないか。
- 道州と市町村の役割分担についても国法に規定するのか。それとも、国の役割を限定的なものとするため、各道州の立法に委ねるべきか
- 地方が担う事務について、なお国が企画立案を行うものがあるのではないか。そのことについては国法で定めることになるのではないか。
- 国法に規定されていても、その性格に応じて道州条例の規定を優先して適用すべきものがあるのではないか。例えば、道州が担う事務について、国法が基準等を定める場合、自治立法による上書き(上乗せ・横出しなど)を認めるべきではないか。
(2)広範な条例制定権を保障するための措置
また、国法に規定する内容を基本的な事項に止めるとしても、国が過剰な関与を行い、道州の自主性を不当に制約せぬよう、道州の自治立法権を保障するための措置がなされなくてはならない。そのためには、次のような論点がある。
〔論点〕
- 国法の役割を限定する法規範を設ける必要があるのではないか。
- 国の立法課程への地方の参画を保障することが必要なのではないか。
- 国法と道州条例の競合を事後的に調整する仕組みが必要なのではないか。
(3)市町村の条例制定権
一方、市町村もまた自らの意思と責任でその仕事を担うとするなら、市町村の決定権も道州との間で保障されなくてはならない。このため、道州条例と市町村条例の関係について、どのように考えるべきかという論点がある。
〔論点〕
- 市町村の条例制定権についても、国法と道州条例の関係のあり方と同様に考えるべきか。
3.道州制下の税財政制度のあり方
道州制下の税財政制度については、地方が自己決定と自己責任のもとで政策展開ができるよう、国と地方の役割分担に応じた、自主性・自立性の高い制度とすることを原則とすべきである。さらに、受益と負担の関係を明らかにして、どのような施策を幾らの負担で行うのか、住民自らが判断できるようなシステムを作らなければならない。
このため、国から地方への移転財源に頼ることなく、自らの税収によりその役割を担うことを基本に、自立性が高く偏在性の少ない地方税体系を構築する必要がある。国と地方の税源配分を抜本的に見直し、国から地方への大幅な税源移譲を行うとともに、地方の課税自主権を強化しなければならない。また、国庫補助負担金などの国からの移転財源や地方債についても検討が必要になる。
道州制導入の目的が各地域に自立的な経済圏を形成することにあり、道州間の経済力格差も小さくなると期待されることから、現在の交付税のような財政調整制度は不要になるとの考えもある。しかし、現実には地域間の経済力格差には埋め難いものがあり、その格差にも関わらず、全ての道州が最低限必要な行政サービスを担えるよう、財政調整制度が必要になると考える。
なお、調整財源については、道州自らの税収に求める考え(水平調整)と国税に求める考えがある(垂直調整)。国税に財源を求めると、国への依存を深めるのではないかとの懸念から、調整財源を道州の税収のみに求めるべきとの議論もあるが、諸外国の制度をみても、水平調整のみとすることは現実には難しいと考えられる。
これらを前提にした上で、さらに次のような論点が考えられる。
(1)税財政制度のあり方
現実的なアプローチとしては、国・道州・市町村間で明確に仕事の割り振りをした上で、各政府レベルでの所要額を見積もり、それに見合う収入額を確保するために、適切な財源(税源)を当てはめていくことになると思われる。その上で、さらに次のような論点がある。
〔論点〕
- 固定資産税のように課税対象が移動しないものを市町村の税源とし、消費税や法人税のように課税対象が広域に移動するものは、道州または国の税源としていくということが考えられるのではないか。
- 国と地方がそれぞれの役割に応じて税収を確保する上で、一部の税については国と地方が課税対象を同じくすることもあるのではないか。
- 財政面での地方の自由度を高めるため、国庫補助負担金や国の直轄事業に対する地方の負担金は廃止すべきではないか。
- 地方債の発行と償還については、自らの責任と負担で行うことを基本に、必要に応じて共同発行の仕組みを取り入れるなど、国の同意をはじめとした関与や現在の交付税のような財源保障は行わないこととすべきではないか。
(2)道州間の税制調整制度
道州間の財政調整制度については、次のような論点がある。
〔論点〕
- 住民にとって受益と負担の関係を明確にするため、財政調整制度はなるべくシンプルなものとすべきではないか。
- 各道州の自主的・自立的な行政運営を尊重するためには、財政調整制度で保障の対象(基準)とする行政サービスの内容(初期値)もできるだけ限定すべきではないか。
- 道州の税収に調整財源の一部を求める場合、税収が豊かで調整財源の拠出州となる道州との調整をどのようにして行うのか。
- 地方六団体が求める「地方共有税」のように、国税として徴収される税収にも調整財源を求めつつ、調整に地方の意思が反映されるような制度が考えられるのではないか。
(3)市町村間の財政調整
道州制下においても、小規模市町村が依然存在すると考えられること、少子高齢化や産業構造の変化によって都市部への人口集中がさらに進むと予想されることから、市町村間の財政力格差は避けられないと考えられる。すべての市町村が住民にとって必要不可欠な行政サービスを担うには、財政力格差を一定調整し、必要な財源を保障することが必要となる。これには次のような論点がある。
〔論点〕
- 市町村間の財政調整は国が行うのか、道州が行うのか。
- 市町村間の財政調整についても、道州間と同様のあり方を考えることができるのではないか。すなわち、制度はなるべくシンプルなものとし、制度の基準となる「初期値」もできるだけ限定すべきではないか。
4.大都市制度のあり方
現行の府県と市町村の関係において、政令指定都市に代表される大都市特例があるが、道州制下において、これをどのように考えていくのかという課題がある。
第28次地方制度調査会の答申は、大都市圏域においては、「道州との関係においてふさわしい仕組み、事務配分の特例及びこれらに見合った税財政制度等を設けることが適当である」としている。
しかし、どのような大都市がその特例の対象となるのか、大都市は道州に包括される基礎自治体のひとつなのか、道州から独立した特別の自治体となるのか、その基本的な枠組みは明確ではない。また、道州と大都市の関係のあり方や、大都市に認めるべき「事務配分の特例」の内容についても、具体的な記載はない。
関西には4つの指定都市が存在し、それぞれの都市圏が連たんして重なり合うとともに、全体として拠点性の高い集積を形成していることから、関西において道州制を考える場合、これらの課題について十分な検討が必要である。以下、主要な論点を整理する。
(1)特例的な扱いの対象となる都市
東京都の区部や大阪市のように政治経済機能の集積が進み、多くの昼間人口を抱えるような大都市は、ほかの都市とは異なる特別な行政需要が存在すると考えられる。一方、現行の政令指定都市をみると、昼間人口比率が100%を下回る都市も存在するなど、その姿や機能は様々である。そこで、特例の対象とすべき大都市について次のような論点が生じる。
〔論点〕
- 大阪市のように特別な行政需要が存在すると考えられる都市にのみ、一定の特例的な扱いが必要となるのではないか。
- すべての指定都市を特例的な制度の対象とする必要はないのではないか。
(2)大都市の位置づけ
大都市を道州に包括される基礎自治体のひとつと扱うのか、道州から独立した特別の自治体とするのかについては、次のような論点について考える必要がある。
〔論点〕
- 大都市の行政区域を越えて、その都市圏が大きく広がっている現状を考えれば、一定の市域のみを道州から切り分けることは、生活圏や経済圏を分断し、広域的な課題への一体的・総合的な対応をかえって損なうのではないか。
- 関西においては、4つの指定都市のうち3つが昼間人口比率100%を越え、各都市が固有の都市圏を有するとともに、それぞれが連たんし、相互に重なり合うという特徴がある。大都市特例を設けることで、これらの都市圏を分断し、関西の一体性を損なわないようにすべきではないか。
(3)道州と大都市との役割分担
「近接性の原理」や「補完性の原理」に従えば、道州が担うべき事務を除いたすべての事務を大都市が総合的に処理することとし、大都市がその意思と能力によって担い得る事務は、大都市自らすべて実施することが望ましい。一方で、現在の府県と指定都市のあり方同様、圏域全体をにらんで事務を行う道州と、都市圏の振興を図る大都市との間で、いわゆる「二重行政」や「類似行政」を生む可能性がある。
具体的には次頁の図のように、大都市が担うと考えられる事務のうち、都市基盤整備や産業振興など、大都市から見れば「大都市特有の行政需要に対応するため」に行う施策が、その区域や都市圏を越えて効果や影響を及ぼし、道州が行う施策と重複する可能性がある。
例えば、大都市が物流拠点として整備した空港が、道州が整備した圏域の基幹空港の機能と重複し、需要を奪い合うことで道州全体の競争力を損なうことがあり得る。このような課題に対応するため、次のような論点が考えられる。
〔論点〕
- 大都市が担う一定の事務については、そのほかの事務とは分けて考え、単純に大都市の意思を優先するのではなく、効果や影響を及ぼす範囲を考慮し、道州と大都市の施策を整合させる仕組みを考えていくべきではないか。
- 大都市圏に係る課題で大都市の行政区域を越えるもの、例えば、都市交通のようなものは、大都市、周辺都市、道州が加わった独立の事業体に切り離すことで、効率的な事業実施が可能となるのではないか。
- 道州が圏域全体のバランスやネットワークを考えて作成する計画・戦略と、大都市がその都市圏の振興のために作成する計画・戦略を調整する仕組みを設けることで、道州と大都市間の整合性を図ることができるのではないか。
(4)道州内での一極集中への対応
道州制への懸念のひとつとして、これまで県庁所在都市が有していた中枢機能が失われたり、農山村への支援が細ることで、州都や大都市圏への集中が進み、周辺地域の空洞化が進むというものがある。道州制の具体的な制度設計を考えるなかで、この懸念をいかにクリアしていくかという観点から、次のような論点が考えられる。
〔論点〕
- 大都市圏と周辺地域のバランスをいかに保つか、ネットワークをいかに形成するかということが道州行政の最も大きな課題となるのではないか。その際、道州内の均衡ある発展を目指すのか。むしろ広域での選択と集中を通じ、地域の特色を活かした発展を目指すのか。
- 関西においては3つの都市圏が連たんし、重なり合っているが、これらの都市の個性と特色を活かし、都市間で適切に役割分担を行うなかで道州全体の発展を図る必要があるのではないか。
(5)地域間財政調整
現行制度においては、指定都市域の地方税収は全てが指定都市の税収となるのではなく、指定都市を包括する府県の税収ともなっている。この税収は府県の施策を通じ、府県内の非大都市部に配分されることで、一種の地域間財政調整の役目を果たしている。道州制に移行する場合、こうした機能をどうするのか検討が必要になる。
〔論点〕
- 現行の府県と指定都市の間にある一種の地域間財政調整の機能を、道州制に移行しても維持することが適当ではないか。
- (4)にあるような道州行政の課題(大都市圏と周辺地域のバランス、ネットワーク)を解決するためにも、このような機能は必要となるのではないか。
5.道州の執行機関・議会
道州の組織については、道州の役割や機能を明確にした上で具体的な検討を進めることになるが、基本的な論点として以下のようなものがある。
(1)基本的考え方
道州を憲法上の地方公共団体とするかどうかについては議論があるが、道州の自治権を制度的に保障する観点から、憲法上の地方公共団体と捉えるべきと考える。また、連邦制として道州制をとらえると、憲法改正が必要となるが、当研究会では現行憲法の解釈と法改正で可能な範囲で道州制の検討を進めることにしたい。
その上で以下のような論点が考えられる。
〔論点〕
- 道州の自治組織権を最大限尊重する観点から、選挙で選ばれた代表機関、正当性をもった政治的な決定機関を持つことのみを要件とし、州毎に制度が異なることも可能ではないか。
- 憲法93条が二元代表制までを求めているかどうかという点についても、議論があるのではないか。(議員内閣制的な制度も検討の対象とできるのではないか)
- 道州の意思形成過程に市町村が参加できる仕組みが必要ではないか。
(2)選挙制度
道州議会の選挙制度については、次のような論点がある。
〔論点〕
- 道州が広域行政に重点化していくのであれば、地域代表としての性格を薄め、道州全体でバランスよく意見を反映できるよう比例代表 制をとることが望ましいのではないか。
- マニフェストを通じた政党選挙を行い、政策的な展望をもった多数派が政策を運営する仕組みとすべきではないか。
(3)住民自治の保障
道州制の導入によって、府県を廃止して、より広域の自治体へ再編することとなるが、それに伴う懸念として、役所の存在が住民から遠ざかり、住民自治が損なわれるのではないかということがしばしば示される。
道州の組織、議会の構成・機能等に関し、以下のような論点が生じる。
〔論点〕
- 住民自治を保障し、各地域の実情を反映した行政を進めるために、旧の府県や国を単位とした支庁や議決機関を設ける必要はないか。
- 住民自治を確保するため、間接民主制を補完するような仕組み(直接民主制的な手段の拡充・強化、情報公開・パブリックコメント、住民投票など)が必要となるのではないか。
- 国から道州、広域自治体から基礎自治体へと権限移譲を進めることにより、むしろ行政に関する決定の場がより住民に近づくことになると考えるべきではないか。
3 今後の検討に向けて
先にも示したように、道州制は、経済社会情勢の変化によって広域自治体が直面する課題に対応し、かつ現行制度における対応の限界を超えるための包括的な改革として期待されている。しかし、道州制の導入は手段に過ぎず、むしろ望ましい成果をもたらすことができるよう、いわゆる「地方分権型の道州制」として制度設計が図られる必要がある。
今回はその制度設計に係る論点として、1.国と地方の役割分担、道州と市町村の関係のあり方、2.道州立法の拡充・強化、3.道州制下の税財政制度のあり方、4.大都市制度のあり方、5.道州の執行機関、議会の5つを柱に議論し、そこからそれぞれ派生する論点について整理した。
今後は、これらの論点についてさらに検討を進め、これまでの議論と併せて最終報告にまとめることとしたい。
また、道州制は国のかたちの見直しに係るものと位置づけられるとしながら、道州制下における国の具体的な姿が見えない、国の機能や組織について検討がなされていない、などの懸念も一部では示されている。今後の議論においてはこのような点も配慮し、道州や市町
村とともに、国の姿がどのようなものとなるのかという観点からも、検討を進めていきたいと考えている。
平成20年4月1日
大阪府広域自治制度に関する研究会
大阪府広域自治制度に関する研究会 委員名簿
座長 |
新川 達郎 |
同志社大学大学院総合政策科学研究科長 |
---|---|---|
副座長 |
山下 淳 |
同志社大学政策学部教授 |
委員 |
中井 英雄 |
近畿大学大学院経済学研究科長 |
委員 |
玉岡 雅之 |
神戸大学大学院経済学研究科准教授 |
(注)委員の肩書きは、平成20年3月31日現在
大阪府広域自治制度に関する研究会 開催実績
回数 | 開催日時 | 主な課題 |
---|---|---|
第1回 |
平成19年8月13日 |
広域自治体改革が求められる背景について |
第2回 |
平成19年9月13日 |
国・道州・市町村の役割分担について |
第3回 |
平成19年11月13日 |
道州制下における税財政制度のあり方 |
第4回 |
平成19年12月27日 |
道州制下における大都市制度、道州の執行機関・議会について |
第5回 |
平成20年1月30日 |
道州制の条例制定権の拡充・強化について |
第6回 |
平成20年2月21日 |
道州制にかかる課題について |
第7回 |
平成20年3月31日 |
「中間論点整理」(案)について |