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第2回 大阪府広域自治制度に関する研究会 資料
大阪府広域自治制度に関する研究会
第1回会合(H19年8月13日)論点整理
なぜ道州制か
1.社会経済情勢の変化
- 少子高齢化・人口減少社会の到来、経済のグローバル化の進展は、地方行政の枠組みを変えるべき背景ではあるが、道州制導入の必要性に直接つながるものではない。
- 経済のグローバル化の中で、各地域が道州制の導入によってその特性や総合力を発揮し、世界とつながることで地域経済の活性化につながるという考え方はある。
- 交通社会資本の整備による時間距離の短縮や生活圏の広域化等に対応した自治組織が必要であるという考え方は、自治組織の広域化を求める論拠のひとつである。
⇒どのような道州を目指すのか、そのイメージを共有したうえで改めて議論したい。
2.道州制のめざすもの
- 道州制は何かを実現するための手段。その何かを明らかにすることで道州制の必要性を明らかにすることができる。
- 道州制導入によって、地方分権を抜本的に(加速度的に)実現することができる、複数の府県をあわせ、かつ、その権能を強化することでより効率的な行政が可能になる、などが考えられる。
- これまで国、都道府県、市町村ともフルセットで同じテーマに取り組んできた。
- 道州制の導入によって、住民に身近な行政は市町村が担い、道州は企業誘致や国際観光に特化するという仕組みが出来れば、大きな変化をもたらすのではないか。
- 広域自治体(中間自治体)の役割をポジティヴに説明することは難しいが、今の府県では自立した政府になり得ず、道州という形で自立した政府をつくること自身に意味があると考えられないか。
⇒国、広域自治体、基礎自治体の3層制の下で、広域自治体の役割がどうあるべきか議論を深めたい。
3.大阪・関西のとっての道州制の必要性をどう整理するか。
- 広域自治体改革を「関西の復権」と結びつける前に、東京への一極集中を如何に是正するかという視点が必要なのではないか。
関西はむしろ東京以外の地方のひとつに過ぎないという危機感を持つべきではないか。 - 制度論としては関西にだけ資して、他の圏域には役に立たないという制度は考えにくい。
全国的視点で制度のあり方を検討するなかで、関西がこのように良くなるということを議論する必要があるのではないか。
⇒国全体のあり方を変えるという視点に立ちつつ、大阪・関西にとっての必要性や効果を考えるというスタンスで議論したい。
4.そのほか検討の視点
- 現行の都道府県制度では対応できないのかという議論が必要。
- 国の押し付けに対し、対抗策を用意するという観点が重要ではないか。
- 道州制について広い関心を得るには、関西州政府がどういう仕事をして関西を良くしていくのか、具体的で分かりやすい例が必要ではないか。