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人権学習シリーズ みえない力 DVを支えているもの/ワークシート2
DVを支えているもの(めやす90分)
ワークシート2
DV神話と実態
- 神話1 深刻な身体的暴力は別にして、他の暴力は被害者が大げさに騒ぎすぎでは?
実態 身体的暴力だけがDVではない。様々な形態の暴力が組み合わさったもので、力の濫用(らんよう)による支配とコントロールである。 - 神話2 夫婦(恋人同士)の問題なんだから当事者間で解決すべき問題なのでは?
実態 当事者間の問題だとされることで、DVは密室の中でエスカレートする。解決には第3者の介入が必要。 - 神話3 夫や恋人が暴力をふるうのは、女性の側にも原因があるのでは?
実態 暴力はふるう側の責任、暴力をふるわれてもいい人はいない。- 「女性の側にも原因」の中身に「妻はこうあるべき」という考えは潜んでいないか?
→ジェンダーとDVの関係について(コラム参照) - 暴力をふるう側は、他の場面でも同じようにふるまっているか?
→相手と場所を見て、暴力という手段を選んでいる
- 「女性の側にも原因」の中身に「妻はこうあるべき」という考えは潜んでいないか?
- 神話4 暴力をふるう夫や恋人もいつかは変わる可能性があるのでは?
実態 加害者の自覚がない限り、周りがいくら努力しても変わることは稀(まれ)である。 - 神話5 子どものためにも別れない方がいいのでは?
実態 DV加害者の多くが、子どもの前で、あるいは子どもに直接暴力をふるっている。- DVを目撃することは子どもにとって虐待である。
→子どもにとっては、「子どものために」別れられても、「子どものために」別れずに我慢されても、理不尽な責任を負わされることになる。「子どものために」ではなく、自分自身の人生の選択として別れるか別れないかを考えるべき。
- DVを目撃することは子どもにとって虐待である。
- 神話6 本当に暴力がいやならいつでも逃げられるのでは?
実態 DV加害者は妻と別れようとしない。別れる時が一番の危機。- 経済的自立の困難/社会の偏見(家族、結婚などについての社会通念など)
- 被害者心理(学習性無力感、生き延びるための手段)/これまで積み上げてきたものの喪失の危機
2.Aさんがなぜ離婚しない(できない)のかを考えて理解してみましょう。
その上で、Aさんとつながるためにどんな言葉を投げかけたらいいかを考えてみてください。
障壁やリスクと考えられるもの |
守られているもの、メリットと考えられるもの |
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