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「従事者の衛生」に関する自主点検(解説)
38.従事者に対し年1回以上の衛生教育を実施している
【解説】
食中毒予防のためには食品衛生に関する正しい知識が欠かせません。
そのため、従事者に対し、年1回以上の衛生教育を実施し、実施した記録を残しておきましょう。
【取組例】
・従業員(アルバイトやパートを含む。)に対して、衛生教育を実施し、その結果を記録している。
【参考資料】衛生教育実施記録例
39.作業開始前の健康チェックを行っている
【解説】
従事者からの菌・ウイルスの汚染、異物の混入を防ぐため、調理開始前には健康状態と頭髪、爪などの身だしなみをチェックし、その結果を記録する習慣をつけましょう。責任者は毎日結果を確認し、体調不良がある場合は、仕事を休ませたり、食品に直接触れる作業から外すなど、必要な対応を行いましょう。
【取組例】
・作業開始前に健康チェック(発熱、下痢、嘔吐、手指のケガ、爪の長さ等)を行っている。
・健康チェック表を作成し、自主点検を行った結果を記録し、責任者が確認している。
【参考資料】従事者の衛生点検記録例
40.清潔な作業着を着用している
【解説】
作業着に付いた食品残渣などの汚れは、菌・ウイルスの汚染や異物混入の原因となるため、清潔な作業着を着用しなればなりません。
【取組例】
・従事者が着用している作業着に汚れ等がなく、清潔である。
・交換できるよう、洗濯された作業着を複数枚用意している。
・必要に応じて使えるよう、マスク、手袋を備えている。
41.調理場への入室時に、帽子の着用等の毛髪等の異物混入対策を実施している
【解説】
毛髪の混入は、食品の異物混入の主な要因の一つです。
1日に抜ける毛髪は数十本とも言われ、調理従事者の毛髪が落下し、食品に混入することを防ぐためには、帽子の着用が重要です。
また、ヘアネットや粘着ローラーがけ等の対策も有効です。
【取組例】
・調理場の従事者は帽子を着用している。
・毛髪等の混入対策として、ヘアネットの着用や入室前の粘着ローラーがけ、絞り袖の作業着の着用等が望ましい。
42.調理従事者の検便を定期的に実施している
【解説】
従事者からの菌・ウイルスの汚染を防ぐため、調理開始前には健康状態の確認が必要ですが、症状がなくても、病原体を保有している場合もあります。(健康保菌者や不顕性感染者とも言われます。)
調理従事者の定期的な検便検査の実施により、病原体の保有の有無を確認することで、従事者からの食品汚染を防止に努めましょう。
【取組例】
・定期的に検便(腸管出血性大腸菌、赤痢菌、サルモネラ属菌等)を実施し、結果を確認したうえで、検査結果を保管している。
・検査の結果、陽性であった場合の対応を決めている。
【参考リンク】
外食で注目すべき食品従事者が保菌する腸管系病原菌(出典元:多店舗展開する外食事業者向けHACCP業種別手引書資料編)(外部サイトへリンク)