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「施設の衛生」に関する自主点検(解説)
4.施設の清掃方法や頻度を決め、手順書を作成している
【解説】
食中毒予防のためには施設が清潔に保たれ、菌やウイルスを付けないようにすることが重要です。
施設内の清掃箇所や清掃・洗浄の手順などのルールを決めて従事者に周知し、誰が担当しても確実に洗浄・殺菌できるようにしておきましょう。
また、決めた内容は「衛生管理計画」に記載するほか、手順書やポスター等にして、いつでも確認できるようにしておきましょう。
【取組例】
・調理場内の床、排水溝、換気扇の清掃方法や頻度を決めている。
・ルールを決め、衛生管理計画に記載したうえで、従事者全員がいつでも確認できるようにしている。
【参考資料】施設の清掃等の手順書例
5.施設周囲は清掃され、屋外の廃棄物容器は、専用の場所で衛生的に保管している
【解説】
お店の外に置いたゴミから悪臭が出ていると、周囲からのクレームの原因になるだけでなく、ネズミやハエなどを発生させる原因にもなります。
屋外で廃棄物を保管する場合は、周辺に悪影響を及ぼさないように場所を決めて保管し、周囲を清掃するなどの対策を行いましょう。
【取組例】
・排水、ゴミなどにより施設の周囲が不衛生な状態にならないよう、清掃を行っている。
・廃棄物の保管場所を決めており、蓋つき専用容器に入れるなど、汚臭や汚液が漏れないように保管している。
6.調理場内の床・排水溝、天井、壁や換気扇は清掃され、ほこり等がたまっていない
【解説】
調理場の床面や排水溝に食品残渣や汚れが残っていると、菌の繁殖や害虫の発生の原因になるため、毎日清掃しましょう。
また、換気用のダクトや照明器具など、天井にある凹凸にはほこりがたまりやすくなっています。食品にほこりが落ちてこないよう、天井も清掃しましょう。
換気扇は清掃を怠ると、ほこりや油汚れにより、換気の機能の低下や油汚れが異物混入の原因となる場合があるため、定期的に清掃しましょう。
【取組例】
・調理場の床や排水溝、天井、壁や換気扇等には汚れやほこりがたまらないよう、決めたルールに沿って清掃している。
・いつ、だれが、どこを清掃したか、清掃の実施記録を残している。
7.調理場内には、食品への異物混入の危険につながる物品等がない
【解説】
金属やガラスなどの硬質のものが、食品に混入した場合、口の中を切るなど、非常に危険です。
異物混入につながるリスクの高いものは、調理場内への持ち込みや使用しないようにしましょう。
また、調理場内にあるものは、全てが異物混入の原因となるおそれがありますので、調理場内の整理整頓を心がけましょう。
【取組例】
・調理場内に画びょう、ステープラ、折れ刃カッター等のケガにつながる異物混入の危険性がある物品がない。(異物混入の原因になりやすい金属たわしは代替品を検討しましょう。)
・輪ゴム、セロハンテープやラップ等のビニール片、紙片等が異物混入の原因となりうる状態で使用又は放置されていない。
【参考リンク】
大阪府食の安全安心お役立ちポータルサイト(動画で学ぶ衛生管理「異物混入対策について学ぶ」)
8.調理場内は整理整頓を行い、不必要なものは持ち込んでいない
【解説】
調理場内が片付いていないと、作業中に調理器具等の一部が食品に混入してしまう可能性があります。
また、従事者の私物も異物混入の原因となります。調理場内は整理整頓し、調理に関係のないものを持ち込んではいけません。
【取組例】
・個人の荷物やタバコなど、調理に不必要なものは、調理場内に持ち込まないように管理している。
9.調理場内に廃棄物容器が備え付けられている
【解説】
生ゴミなどの廃棄物は、衛生害虫の発生源となります。
調理中にでたゴミをすぐに捨てることができるよう、廃棄物容器を調理場内に備えておかなければなりません。
【取組例】
・調理中に出たゴミをすぐに捨てることができる容器がある。
・汚臭や汚液の漏れがなく、溜まったゴミは毎日廃棄している。
10.トイレは毎日清掃を行っている
【解説】
ふん便には、さまざまな菌やウイルスが含まれています。特にノロウイルスはふん便から周囲に飛び散りやすく、トイレで汚染が広がる可能性があります。
調理場に菌やウイルスを持ち込まないようにするためにも、トイレは毎日清掃し、清潔にしておかなければなりません。
【取組例】
・1日1回以上、トイレを清掃している。
・誰がいつ清掃したか、トイレ内の汚れ(吐物や下痢便など)の有無を確認し、記録している。
11.客席の床・テーブル・イスを毎日清掃している
【解説】
お客様の使用する客席等に汚れやほこりがあると、不衛生なだけでなく、食品への異物混入の原因となります。
客席の床やテーブル、イスも毎日清掃しましょう。
【取組例】
・客席に食べこぼし等のゴミが残っていないように清掃している。
(客席がない場合は、売り場等の客の来店スペースが清潔に保たれていること。)
12.掃除用具はいつでも使えるように、一定の場所に保管している
【解説】
清掃用具は、必要な時にいつでも使えるよう整理整頓した状態で、場所を決めて保管しておきましょう。
【取組例】
・清掃用具の保管場所を決めて、整理整頓して保管している。
・清掃用具の破損等があれば、交換等している。
13.そ族昆虫の駆除を実施している
【解説】
店舗を衛生的に保つためには、ネズミや衛生害虫の駆除も必要です。定期的な駆除の計画を立てて、実施しましょう。
また、店舗内の生息状況を調査し、その結果をもとに適切な方法や頻度で駆除を実施すると効果的です。
【取組例】
・年に2回以上(モニタリング調査を実施している場合は必要に応じて)、そ族昆虫の駆除対策を実施し、記録している。
・業者委託している場合は、その実施記録を保管している。
【参考資料】駆除記録例
14.そ族昆虫対策として、施設内のそ族昆虫の生息調査(モニタリング調査)を実施している
店舗内にネズミが侵入しやすい場所や、衛生害虫が発生しやすい場所を調べる、トラップを設置するとなど、そ族昆虫の生息状況を調査し、その結果をもとに適切な方法や頻度で駆除を実施すると効果的です。また、侵入や発生を防止することができます。
【取組例】
・トラップ等を設置し、施設内のそ族昆虫の生息状況を調査し、記録している。
・調査結果をもとに、そ族昆虫の駆除及び侵入防止措置が実施されている。
15.塩素系消毒薬の清掃・処理セットを常備している
【解説】
ノロウイルス食中毒を予防するためには、調理従事者による食品への二次汚染を防ぐことが非常に重要です。
ノロウイルスは感染者の便や嘔吐物等に大量に含まれるため、店舗内で利用客や従業員が嘔吐した場合、清掃・処理を適切に実施する必要があります。
従業員が感染を受けないよう、事前に清掃・処理セットを準備しておきましょう。
【取組例】
・ノロウイルス対策として、下痢や嘔吐物の清掃・処理セット(塩素系消毒薬、希釈容器、ガウン(エプロン)、靴カバー、マスク、手袋、ゴミ袋、ペーパータオル等)をいつでも使用できる状態で用意している。
16.嘔吐物等の清掃・処理の方法を決め、手順書を作成している
【解説】
ノロウイルス対策として、嘔吐物等を清掃・処理する際は、感染をうけないように適切な手順で処理することが大切です。
事前に処理方法のマニュアルを決めて、周知しておきましょう。
【取組例】
・ノロウイルス対策として、下痢や嘔吐物の清掃・処理マニュアルを決め、従事者全員がいつでも確認できるようにしている。
【参考資料】
ノロウイルスの感染を広げないために!!(大阪府作成)
2次感染の予防のポイント(具体的な処理・消毒方法等)、家庭用塩素系漂白剤の希薄方法等
【参考リンク】
感染性胃腸炎にご注意!(大阪府ホームページ)