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「食品等の保管」に関する自主点検(解説)
25.原材料等の保管の方法を決め、手順書を作成している
【解説】
食中毒予防のためには、菌やウイルスが増えないよう、決められた保管温度や期限を守って原材料等を保管することが重要です。原材料等の保管のルールを決めて従事者に周知し、誰でも原材料の取扱い方法を守れるようにしなければなりません。また、決めた内容は手順書やポスターにして、いつでも確認できるようにしておきましょう。
【取組例】
・食材等の納入や保管時の注意点などのルールを決め、衛生管理計画に記載したうえで、従事者全員がいつでも確認できるようにしている。
【参考資料】食材等の保管方法の手順書例
26.原材料の納入時には従事者が立ち会うなど、衛生管理体制があり、納入品は、品質・鮮度・期限表示・異物混入等の確認を行っている
【解説】
納入業者が原材料を納入する際、冷蔵庫や冷凍庫等へ速やかに納めなければ、原材料の温度上昇や異物が混入する原因となります。原材料の納入時には従事者が立ち会うか、冷蔵倉庫など衛生的に保管できる場所へ納入させるようにしましょう。
また、安全な食品を作るために、まずは納入する原材料の安全性を確認することが重要です。原材料の納入時には、納入品の品質(外観、温度帯など)・鮮度・期限表示・異物混入等の確認を行い、記録しておきましょう。
【取組例】
・原材料の納入時には従業員が立ち会っている。(納品された原材料等が放置されていることがないこと。)
・品質・鮮度・期限表示・異物混入等の確認を行い、その結果を記録している。(伝票等への記入可)
【参考資料】食材の入荷・点検記録例
27.始業前に冷凍冷蔵庫の温度確認をしている
【解説】
食品についている菌を増やさないためには、冷蔵庫や冷凍庫で食品を低温保管しなければなりません。
毎日決まった時間に温度を確認、記録し、冷凍冷蔵庫内の温度の異常にすぐ気付けるようにしておきましょう。
【取組例】
・確認した温度を点検票に記録している。
【参考資料】冷凍冷蔵庫の温度記録例
28.冷凍冷蔵庫内で原材料と半製品、製品を区分けし、ドリップ(肉汁)などで汚染しないように保管している
【解説】
生の肉や魚、これらのドリップ(肉汁)には菌が含まれています。冷凍冷蔵庫内では原材料と半製品、製品の保管場所を分け、ふた付き容器や密封できる袋を用いるなど、菌の汚染を広げないよう保管しなければなりません。
【取組例】
・原材料と半製品、製品とは場所を分けて保管している。
・ビニール袋やバット等を活用し、肉や魚のドリップ等による汚染を防いでいる。
【参考例】
29.使用時に原材料の期限表示を確認して使用している
【解説】
原材料の保管中に期限切れにならないよう、先入れ・先出しを徹底し、在庫している原材料の期限を定期的に確認しましょう。また、使用時にも期限表示を確認しましょう。
【取組例】
・期限切れや回収品などの不適切な原材料を使用していない。
・保管品に期限切れの原材料や、腐敗した青果物等がない。
30.米、調味料、缶詰など常温で保存するものは場所を決め管理している
【解説】
常温で長期間保存することのできる食品は、保管場所や期限などの管理がおろそかになりがちです。期限切れの食品がないかチェックを定期的に行うとともに、保管場所の整理整頓を心がけましょう。
【取組例】
・直射日光を避け、衛生的な保管できる場所を定めている。
・周辺に昆虫類の発生がない。
・先入れ先出しを行いやすくするため、日付管理、整理整頓をしている。
31.原材料はダンボール箱等のまま冷蔵庫等に持ち込んでいない
【解説】
ダンボール等の包材は床や地面に直置きされることが多く、汚れを持ち込む原因となります。
また、衛生害虫の温床や異物混入の原因にもなるため、ダンボール箱等に入れたままの状態で、原材料を冷蔵庫に持ち込まないようにしましょう。
【取組例】
・冷蔵庫内にダンボール箱や発泡スチロール箱が入っていない。
32.調製した仕込み品や、調味料等(期限表示のある物)の開封後の使用期限を定めている
【解説】
食品の期限表示は未開封の状態を前提としています。開封後はなるべく早めに使い切るためにも、開封日とともに使用期限を記載するなどして、従事者に周知しておきましょう。
また、調製した仕込み品を複数日にわたって使用する場合も同様に、調製日とともに使用期限を記載するなど、ルールを決めて誰もが分かるように管理しましょう。
【取組例】
・仕込み品の調製日や、開封した調味料等の商品に開封日の記載を行うなど、日付がわかるようにしている。
・一定の使用期限を定めて使用し、従事者がそのルールを把握している。
【参考例】
33.洗浄剤・消毒剤等の薬品類の容器には、内容物の名称を表示等して保管している
【解説】
施設で使用する洗浄剤や消毒剤の希釈液を、他の容器に移し替える場合は、誤使用を防ぐために、誰もがすぐにわかるよう名称等を表示しておくことが重要です。
また、容器内を消毒剤で消毒する場合は、消毒作業中である旨を明示しておくようにしましょう。
【取組例】
・洗剤や薬品等の保管容器には、誤使用を防ぐため、内容物の名称等を表示している。
・名称を表示する以外の方法(色分け等)で明示している場合は、その内容を掲示等によって従事者に周知している。
【参考例】