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エネマネ導入事例 事務所-2
事業者概要
エネマネ |
新日本カレンダー株式会社(外部サイトへリンク) (大阪市東成区) | ||
---|---|---|---|
業種 |
製造・販売業 | ||
事業概要 |
カレンダー、団扇、扇子及び紙製品の製造販売、ペット用品の通信販売など | ||
建物用途 |
本社ビル |
延床面積・建物階数 |
約1,600平方メートル・地上4階 |
エネマネ導入による削減効果
削減項目 |
導入前 |
導入後-1 | 導入後-2 | 削減実績 |
削減率 |
削減コスト |
---|---|---|---|---|---|---|
契約電力 |
104kW |
91kW |
64kW |
40kW |
38.5% |
約83万円/年※ |
電力使用量 |
90,588kWh/5ヶ月 |
86,897kWh/5ヶ月 |
63,707kWh/5ヶ月 |
26,881kWh/5ヶ月 |
29.7% |
約43万円/5ヶ月※ |
※関西電力における高圧電力ASの料金単価を参照。
- エネマネ導入時期:2010年3月
- 導入システム名:SMARTMETER ERIA(外部サイトへリンク)
- BEMS事業者名:日本テクノ株式会社(外部サイトへリンク)
需要者の声 (日本テクノ株式会社が、新日本カレンダー株式会社の奥山氏にお話を伺った記事を転載しています。)
省エネをはじめたきっかけ
「省エネ活動の発端は、私が三田工場での取り組みに感銘を受けたのがきっかけです。工場とオフィスでは業務形態がまったく違いますが、本社としても何かできないだろうかと考えました」と、総務部総務課の奥山道孝氏は、省エネ開始の経緯を説明してくれた。2009年4月、各部署の若手社員を中心に省エネ実行プロジェクトチームを発足。同社は省エネ行動を社員教育の一環として捉えており、人材育成にも役立てようという考えがあった。活動をはじめるにあたって社内アンケートを行ったところ、空調や照明の使用方法について、社内で気になっているところや、それに対する改善案が寄せられた。集まったアイデアをもとに、実施の有無や実施日について検討し、推進していった。「アンケートを取ることによって、どこの電気がつけっぱなしになっているかなど、自分たちだけでは気づかなかった電気使用の傾向がわかるようになりました。前向きな意見が多く、会社全体で推進するイメージができました」と、奥山氏は手ごたえを感じた。
ERIA活用におけるひと工夫
新日本カレンダーは、カレンダー事業部とペピイ事業部(ペット用品の通販事業部)に分かれており、部署によって取り扱う商品やフロア環境、業務時間が異なる。「当社は空調の設定温度も決まっていないような状況でしたので、フロアごとの設定温度を見極める意味で、温度計を50台一括購入して、社内のあらゆる場所へ配置しました。どの部屋でも目立つ場所に置くことで、空調の設定温度ではわからない本当の室温がわかってきました」。それまでは空調が効きすぎて着込む、冬はのぼせるぐらい暑いという状況もあったという。しかし、温度計を見ることで、従業員それぞれが調整するようになった。
そして、奥山氏は省エネ活動2年目にあたって、さらに活動を推進すべく電気の見える化ができる「SMART MERTER」(スマートメーター)ERIA(以下、ERIA)を導入した。これまでの取り組みに加えて、その成果を実証できるものがあれば、さらに推進できると考えた。
ERIA活用におけるひと工夫
省エネ活動1年目から電力にも注目していた奥山氏だが、ERIAを導入したことにより、各フロアや機器単位での消費電力や使用状況もつかめたという。夏場は空調により多くの電力を消費するが、大半が奥山氏のいる2Fフロアと食堂のある3Fフロアの空調によるものと判明。これらの空調は手元スイッチ1つでフロア全体をコントロールする高出力タイプで、弱から中、中から強へスイッチを回すたびに約10kWもの出力が上がるという。「スイッチのつまみ1つでこれだけの電力が動くことに驚きました。まずは、2Fと3Fの空調の強弱のやりくりで電力のピークを下げ、それでも追いつかないときには、他の階にも呼びかけて、空調の調整の依頼をしました」。また、3Fの食堂では無人時にも空調が動いている状態が見受けられたという。そこで、従業員の食事時間(交代含む)の11時15分~14時30分を食堂の空調の正規使用時間と定め、それ以外の時間帯に会議などで食堂の空調を使用する人にはその使用を控えて、ミーティングルームなどを利用してもらうように呼びかけ、空調の稼動量を下げた。
ERIAは現在、奥山氏のいる部屋に設置されているが、警報設定の30分デマンドにおける1分ごとの進捗表をつくり、ERIAの近くに貼ることで、それまでの使い方が順調なのか否かが一目でわかるようにした。また、こんな工夫もある。奥山氏の席はERIAモニターの設置場所からもっとも近い場所にあるが、振り向かないとモニターを見ることができない。そのため、奥山氏はバックミラーを置いて、いつでも現在の電力使用状況を把握できるようにした。「本当に些細なことですが、効果としては抜群です。状況を常に把握しておかないと気がすまない人にはぴったりではないでしょうか」と笑顔を見せる。導入してから順調に効果がみえる。
省エネ活動の定着と成果
その後も、省エネ意識を維持させるために、活動報告の回覧板を発行し、イラスト付きのPOPでわかりやすく節電箇所を示すなど、継続して活動に興味をもってもらえ、全員が参加しやすい環境づくりを進めた。また、先行する三田工場での取り組みも、CO2の削減でも基準年となる2005年対比で37%削減の成果を出すことができ、CSRに欠かせない活動の柱になっている。三田工場に習って本社においても写真で分かりやすくゴミの分別を示すことで、廃棄物の分別徹底と削減を進めるようになった。省エネ活動は社員の意識も変え、なかには自発的にエコ検定を受験したり、六甲山の森林保全事業に参加する人もいるという。「活動自体が各現場末端へも定着したと実感できるレベルになりました」と奥山氏。すべての活動の背景には、同社が長年培ってきた環境配慮の意識と、奥山氏を筆頭とした省エネチームのがんばりがある。
継続して省エネに取り組んでいます。
ERIAを導入してから4年後の取組みを総務課の奥山氏にあらためてお聞きした。
「ERIAを導入してからも継続してEA21の取組みの一環として省エネに取り組んでいます。設備面では空調更新、屋上の断熱工事、照明の一部LED化に取り組みました。その成果もあり、2014年8月の契約電力は64kW(2009年8月は104kW)と大幅に削減することができました。」と大きな成果を説明してくれた。更新前の空調では、手元のスイッチの出力で電力使用量が大幅に変化したことから、ERIAの表示をバックミラーでこまめに確認されていたようだが、空調更新により電力使用量の大幅な変動がなくなったことと、電力の使用状況も概ね把握することができたこともあり、ERIAの警報もほとんど鳴らなくなったという。ERIAの警報が鳴った時には、人がいないところに空調が使われていないかを点検したり、室内に2つ空調があるところについて1つを停止したりするなど周囲の協力を求めている。
今後の目標としては、契約電力を60kW以下に下げることという。新日本カレンダーの取組みは今日も続いている。