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更新日:2010年4月30日

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人権学習シリーズ 同じをこえて 参加体験型学習(ワークショップ)を進めるために/5.ファシリテーターの心がけ

参加体験型学習(ワークショップ)進めるために

5.ファシリテーターの心がけ

(1)主役は参加者

ファシリテーターは大事な役割ですが、講演会の講師のように主役ではなく、あくまでも黒子です。進行がスムーズにいけば目立たない存在となり、意見を引き出す存在に徹します。
また、ファシリテーターが正論を押し付けてしまうと、その場は円満に終わったとしても、学習後に参加者が行動を変化させることにつながることにはなりません。どんなプロセスであれ、自分自身で考え他者と意見を交わすことによってこそ、学びが自分の身につき、実際の生活での行動を変えていくことになるのです。

(2)参加者の力を信じる

講師は知識を持っている「偉い」人、参加者は教えられるべき「わかってない」人、という構図を学習の場で見る時があります。けれども、どんな人も、もともと力を持っている存在です。まずは、その力を信じてファシリテーターが参加者に問いかけること。信頼こそが参加者の内側から学びを生みだすのです。

(3)まずは受けとめる

学習を進めていると、ファシリテーター自身が受け入れがたいような発言が出てくるときもあります。自分とは相容れないような意見や発言には反論したくなることもあるでしょう。ファシリテーターだからといって参加者の全てを受け入れる必要はありませんが、「そういう考えもあるんだ」とまず「受け止める」ことが大切です。その上でその発言を学びの教材として、目的達成のために必要な学習展開を行っていきたいものです。

(4)正直であるということ

ファシリテーターは参加者に正直であるべきです。自分では判断がつかないことや考えもしなかったことが学習の場で出る場合もあるでしょう。また、緊張してうまく進行できない場合もあるでしょう。そういった時の自分の状態を「考えたこともありませんでした」「いま、とても緊張しています」といったように正直に参加者に伝えるのです。
このようなファシリテーターの自己開示やともに学ぶ姿勢が、参加者が自分自身のありのままで参加してよいと思えることになり、参加のハードルを下げることにつながるのです。

(5)すべてを一人で引き受けなくてもいい

ファシリテーターは、参加者から出た質問や意見にすべて一人で対応しなくてもよいのです。他の参加者を置き去りにして、一対一の対話になることこそ避けるほうが良いでしょう。傷ついたり、ひっかかったりする言葉や態度があった場合は、そのことが参加者相互の学びの機会となるよう、全体の課題とすることが大切になります。

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