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さまざまな主体が連携・協力した地域活動 事例20
阪南大学国際観光学部 「大学と自治体との連携」 地域が元気になるしかけ作り
活動のあらまし
大学にも少子化の大きな波が2018年に訪れ、各大学は学生の確保に向けて、これまで以上に知恵を絞り実行することが求められています。一方、文部科学省は平成25年度より地(知)の拠点整備事業を打ち出し、地域に貢献できる大学への補助を始めました。これを機に全国の大学は「研究大学」と「地域大学」に分けられ、それぞれの使命に向けて一層の努力をすることが求められています。阪南大学国際観光学部では、個別の地域との連携事業や地域と地域をつなぐハブになることをめざした学生とともに行う地域での活動に取り組んでいます。連携事業を続けているうちに、地域をつなぐための三本柱ができました。連携イベントの開催、地元教育モデルの構築、地域クラウドの開発の三本を柱にして、現在、活動を進めています。
活動のエピソード
ここがポイント1
- 連携イベント「大坂の陣400年祭」の開催 -地域と大学、地域と地域をつなぐハブとしての機能をはたすために-
2014年は大坂冬の陣、2015年は夏の陣の400年めに当たり、さまざまなところでイベントの開催が企画されていますが、阪南大学国際観光学部ではそれ以前から実行委員会を作り、道明寺合戦の地である藤井寺市・柏原市・羽曳野市で、スタンプラリーやフリーハイキングなどの2度のプレイベントを行いました。さらに八尾市・東大阪市・岸和田市・泉佐野市・堺市・大和郡山市などの有志、そして天王寺区を加えて、広域のイベントに成長させ、地域のネットワークづくりを行っています。
ここがポイント2
- 地元教育モデルの構築 -子どもたちが地元を愛する心を育てるために-
地元教育とは「子どもたちが地元を愛する心」を育てる教育です。地域は空間的な仕切りですが、地元という言葉は「愛着」を連想させますので、あえてそう名づけました。往時はお祭りが子どもたちを地元に親しませる教育の場でありましたが、近頃は機会が少なくなっています。お祭りの魅力に比肩する楽しさをもった教育モデルを提唱し、実践し、成果をあげるよう努めています。主な取組みとしては、河内長野市教育委員会ふるさと交流課主催の「ぐるっとまちじゅう博物館」事業の一環として、烏帽子形城模擬合戦(2010年・2011年)、ちょうちん測量実験(2012年)、こんにゃく作り体験(2013年)などの小学生を対象にした体験学習の実施や、同市教育委員会青少年育成課主催の「駅前こども教室」における小学生たちの商店取材のサポート。また、大阪府・堺市・羽曳野市・藤井寺市による百舌鳥・古市古墳群世界文化遺産登録推進本部会議主催の「百舌鳥古墳群こども観察隊」やNPO法人子育て支援「ぽけっと」主催の「松原こども探検隊」のサポートなどがあります。年齢の離れ方がちょうどいいのか、大学生と小学生は実によく馴染みます。いずれの企画も大学生が子どもたちの活動を支えて成功させ、保護者からも絶賛されました。
ここがポイント3
- 地域クラウドの開発(みささぎナビ) -暮らしやすい地域づくりも一緒に考える-
「みささぎナビ」とは、地元企業が羽曳野市観光協会に声をかけ、総務省地域情報化アドバイザーの指導を仰いで立ちあげた古市古墳群のナビゲーションサービスです。情報提供者として、地元の観光ボランティアの会である史遊会と阪南大学国際観光学部が加わり、産官学民の連携事業となっています。情報はスマートフォンのアプリケーションとして発信し、タブレット端末でも閲覧できます。観光情報の発信を目的とした企画ですが、防災情報・バリアフリー情報・交通情報なども充実させつつあります。
問合せ先
阪南大学国際観光学部 072-332-1224(代表)