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さまざまな主体が連携・協力した地域活動 事例21
茨木市 「地域多文化交流事業」 まちづくりと人権
活動のあらまし
茨木市のある地域は、1970(昭和45)年の大阪万博開催に向け1960(昭和35)年頃から建設業に携わる人を中心に人口が急増しました。昔から生活が苦しく部落差別があったため家族以外でも助け合って生活する土地柄で、住んでいる人と新しく来た人の区別なく受け入れる地域性がありました。近年この地域に、在日コリアンやイスラム文化の関連施設ができたことがきっかけとなり、多文化共生のまちづくりが始まりました。被差別部落、在日コリアン、イスラム文化圏の人たちが相互に理解し、多文化やそれぞれが抱える人権課題、差別の実態、生活問題等の理解を深め合い、地域で共生できるよう、マイノリティ当事者どうしの連携づくりや地域住民との交流を進めることを目的としてさまざまな取組みが行われています。
活動のエピソード
ここがポイント1
- お互いの食文化を知ることからはじめよう -3つの異文化交流-
在日コリアン・イスラム文化圏の人々・地域住民による交流会を実施し、韓国の食文化やイスラム文化の宗教食、地域で食べられている茶がゆなど、それぞれの作り方を学び、食文化をとおした交流を深めました。食という身近なテーマを取りあげたことにより、3者の相互理解と人間関係づくりにつながりました。
ここがポイント2
- 多文化のネットワークの実現に向けた多文化交流・啓発のさまざまな取組み
○パネルの作成・展示・貸し出し
イスラム文化圏の人々や在日コリアンとの交流、地域の歴史や部落問題の取組み等のパネルを作成、地域まつり等で展示することによって、イスラムやコリア、被差別部落に関わる啓発をおこないました。このパネルは大学や他府県へも貸し出しました。
○地域まつりにおけるコリア伝統文化の啓発
これまで地域の行事につなげることができなかったコリア文化を、地域まつりにつなげるため、舞台の部でコリアの伝統舞踊等をおこないました。舞台では、地域住民や子どもたち、団体それぞれのサークル活動や取り組みも披露され、それぞれの文化に触れることができました。
○リーフレット発行による情報発信・情報収集活動
イスラム文化や在日コリアン、被差別部落の取組み紹介をはじめ、各被差別マイノリティへの差別・偏見の存在などを市民へ広く知ってもらうため、啓発リーフレットを作成しました。
○多文化交流会議の実施
3者の当事者団体による多文化交流会議を実施。打ち合わせや会議を行うことで相互理解を深めるとともに、当事者が集まれる場づくりや多文化のネットワークづくりに取り組みました。
ここがポイント3
- ネットワークが生きた瞬間 -東日本大震災-
2011年3月11日の東日本大震災の影響によって、3月16日にエジプト、バングラディッシュ、モロッコなどの外国籍避難者約130人が地域に避難してくることになりました。これを受け、地域の公共施設を中心に、3団体が連携・協働し、寝床・生活物資・生活用品の確保、通訳ボランティアの確保、避難生活時の支援などの対応をおこないました。こうした対応ができたのは、多文化交流の取組みを重ねてネットワークをつなぐことができていたからであり、受け入れ総数は約170人にものぼりました。この支援の取組みによって、3団体以外の地域関係施設や関係団体・個人との新たなネットワークの構築も生まれました。
問合せ先
茨木市市民文化部人権・男女共生課 072-643-2069