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さまざまな主体が連携・協力した地域活動 事例38
岸和田市立公民館 「まちづくり実践プロジェクト」
活動のあらまし
市民が抱える生活課題や地域が直面する地域課題を市民自らが掘り下げ、その解決に向け、生涯学習を生かした主体的な取組みを実施する事業が“まちづくり実践プロジェクト”です。市が事業として地域活動や市民活動を活性化し、より良い地域づくりにつなげることを目的とした取組みであり、取組みを公募し優れた取組みに対して事業委託しています。平成27年度からはじまり平成29年度も6事業が委託を受けて様々な活動に取り組んでいます。
活動のポイントとエピソード
ここがポイント1 地域に根ざした市民による課題解決につながる活動!
子ども(子育て)に関わる課題や少子高齢化の問題等、多くの市町村が様々な課題を抱えています。まちづくり実践プロジェクトは、すでに地域課題として在るものや、まだ顕在化していない生活課題を、市民が見つけ解決していくことを目的にしたプロジェクトです。そのため、委託される事業においても、子どもたちの居場所づくりの講座や障がいのある方の為の防災セミナー、高齢の方を対象とした合唱団等、市民が考える地域課題や生活課題に合わせた様々な事業が展開されています。
<平成29年度実施事業>
- レクリエーションリーダー育成プロジェクト
- 長く自宅で暮らすためのお片付け(実践編)
- 「子育てが楽しくなるまちをつくろう」プロジェクト!ママたちがつくる「乳幼児連れのおでかけMAP」
- 60才から始める男声合唱の楽しみ
- 五感を使って感動体験!親子で楽しむ野あそびくらぶ
- 音で知る岸和田 夏秋編制作事業
事業の参加者からは、課題の再認識や新たな課題の発見があり、地域の中で事業以外でも、課題解決に向けて小さなことからでも行動を始めるようになったとの感想が出てきています。市民が立ち上げた事業が、市民の意識改革に少しずつつながり、高齢者の生きがいづくりや子育て支援等の地域課題や生活課題の解決の一助となっています。
ここがポイント2 委託事業(市民による事業)を行うことによるメリット!
まちづくり実践プロジェクトの委託団体は、公民館関連団体、クラブ連絡会、市民活動団体・NPO法人、社会福祉協議会登録ボランティアグループ、地域団体、市役所各部署関連団体等です。おおむね市民で構成され、岸和田市内で活動する、またはこれから活動していく団体(5名程度)を対象としています※1。事業の委託には、応募団体が公開プレゼンテーションを行い、課題の捉え方や地域適合性、対象者の明確性や費用対効果等の選考項目により、選考委員会※2が評価・点数化し委託団体を決定します。事業が委託されることによるメリットは多岐にわたります。委託された事業は、活動を市の広報紙に載せてもらえることにより認知度が高まり、団体に新たな依頼がくるようになっています。公民館では予算の面で実施できなかった事業や研修においても、委託料内であれば公民館で実施する講座の基準を超えた活用ができ、今まで公民館事業では呼べなかった講師を招聘することができる等、事業をする際の選択肢の幅が広がったことも大きなメリットとなっています。このプロジェクトをきっかけに発足した団体の中には、事業実施後、他の公民館や施設からの依頼や他の団体と合同で発表を行う等、取組みが広がり自立した活動を行うようになった団体もあります。
ここがポイント3 委託事業(市民による事業)による公民館のメリット!
市民が実施する事業を行うことにより、普段は公民館を利用しない人が公民館に来るようになりました。その中には、公民館の他の講座や他の公民館の取組みにも興味を持つ人もおり、市内公民館全体の利用増につながっています。また、高齢の男性を中心とした事業から、今までは少なかった高齢の男性の公民館利用者も増えるなど、公民館にとっても委託事業を実施することが大きなメリットとなっています。また、講師等の招聘において、公民館事業では関わりの少なかった方を委託団体が呼ぶことで、公民館にとっても新しいつながりが増えています。まちづくり実践プロジェクトは、より良いまちづくりにつながるだけでなく、委託する公民館にとって、公民館を知ってもらい利用してもらえるきっかけとなり、委託された団体にとっては、取り組みの幅を広げることや新しいつながりづくりのきっかけになる等、双方にとって効果的な事業であり取組みとなっています。
※1:平成30年度以降は岸和田市民に限らず、市外の団体にまで対象を増やし委託団体を募集する予定です。
※2選考委員会:委員は4名以上で構成。行政(生涯学習部長・市民環境部長)、まちづくりや社会教育・生涯学習に精通した学識経験者。