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さまざまな主体が連携・協力した地域活動 事例36
東大阪市 「若江岩田きらりプロジェクト」
活動のあらまし
地域の若手商店主が中心となり、「地域を盛り上げていこう!」を合言葉に平成26年(2014年)4月に立ち上がったのが「若江岩田きらりプロジェクト」です。プロジェクト立ち上げのきっかけは、市の商業課からの地域振興の若手発掘コーディネート事業(商店街の枠組みを超えた、地元の商業エリア全体の活性化を目的とした事業)でした。プロジェクトの企画は、プロジェクトメンバーが子育て世代であったことと、子育て世帯が商店街から離れていることから、「子育て」をテーマに「できること!」を探すところから始まりました。現在は、保護者対象の教室や小学校への訪問授業等、子育て世代の親や子どもたちに視点を置いた様々な取り組みを実施しています。
活動のポイントとエピソード
ここがポイント1 それぞれの強みを活かした企画!-様々な取り組みー
若江岩田きらりプロジェクトのイベントや教室は、プロジェクトメンバーが特定の分野のプロという強みを活かした企画に溢れています。毎月開催している「きらりえがお塾」※1では、メンバーが持つプロとして培った経験とノウハウを伝えることで、保護者の学びにつながると共に、育児中の保護者の出会いと憩いの場になっています。教室の内容は、「手作り和菓子体験」・「親子でパン教室」・「酒粕をつかった調理や自分で作る調味料」・「お米のおいしい食べ方&保存の仕方」・「フラワーアレンジメント」・「キッズダンス」・「音楽リトミック」・「文章の作り方」等多岐に渡ります。メンバーの数と知識の数だけ多種多様な学習の場を提供しています。また、地域の学校での訪問授業も行っています。きらりプロジェクトを知った小学校の保護者から、保護者が企画する授業への協力依頼があり、訪問授業を行うことになりました。それからは、毎年小学3年生の「商店街」についての授業や、小学5年生の「お米」についての授業を、3年生と5年生の全クラスを中心メンバーが回って訪問授業を実施しています。お店のことも知ってもらうことで、子どもたちが話を聞きに来店することや声をかけられることも多くなったそうです。専門的な経験をもとに生活に直結した知識は、子どもたちにとってわかりやすく楽しい授業となっています。
※1「きらりえがお塾」:NPO法人「きらりっこ」が運営する「みんなの広場 きらりっこ」において、2才までの子どもを持つ保護者対象の子育てをテーマにした教室。
ここがポイント2 多様な広報の手段による情報発信!
きらりプロジェクトのイベントの広報は、HPの他、各戸のポストへの投函や駅前でのビラ配りだけでなく、市の商業課にもお手伝いしてもらい、市政だよりへの掲載も行っています。また、地域の人に知ってもらえるように、SNSを活用し地域の人からまわりの人たちに発信してもらう方法もとっています。最近では、地域広報紙等のメディアに発信するだけでなく、地域のマスコミからの取材も受けています。地域の中のニュースや情報(地域内の個人や団体が行っている活動等)は、マスコミも入手しにくく欲しい情報の一つであることから、積極的に活用することでお互いにWINWINの関係を築くことができています。様々な広報手段から地域へ情報は浸透し、イベントは大盛況となっています。
ここがポイント3 教室づくりと家庭への情報提供の工夫!(班づくり・ゲーム・伝言カード)
きらりプロジェクトの中でも最大のイベントが「若江岩田きらり商店街~ぼくもわたしもお店屋さん~」です。イベント企画の発端は、「これから成長する子どもたちにプロの技術を少しでも学んでもらい、身近に感じて興味を持って楽しんでもらいたい」、「これからも若江岩田の街に住みたいという気持ちを持ち続けてほしい」というメンバーの思いから始まりました。街全体を盛り上げ、活気あふれる街にすることを目的とした子ども向け職業体験イベントです。男女共同参画センターを会場としているため天候に左右されず、フロアすべてを借り切ることで、フロア全体を自由に使って実施することができています。地域の商店や学習塾、整骨院、テレビ局などが一堂に会するイベントであり、子どもたちは地元店舗のブースにて、食べ物屋さんやアナウンサーの仕事を体験し、楽しみながら職業(仕事)を体験しています。チケットを購入すれば、各店舗の商品を購入したり食べたりもでき、ギャラリーではゆるキャラ撮影会やクラフトはがきつくり体験等、盛りだくさんのイベントとなっています。このイベントは、これまで知る機会の少なかったお店や店主の人柄に接してもらうことで、子どもたちや保護者の方にも地域店舗の新しい魅力を知ってもらい、地域への愛着を持ってもらうきっかけとなっています。
きらりプロジェクトは、今後、えがお塾を卒業した年代の親子や保護者対象の講座等、子どもや子育て世代への活動をさらに広げていき、地域活性化を進めていきたいと考えています。今日も若江岩田の街と人々を盛り上げるために活動しています。