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さまざまな主体が連携・協力した地域活動 事例14
豊中市 ひがしまち街角広場 「来訪者もスタッフもリラックスできる居場所」
活動のあらまし
開設当時、「千里ニュータウン」では、入居開始から40年以上が経過し、住民の高齢化や建物の老朽化が課題となりつつありました。国の「歩いて暮らせる街づくり事業」をきっかけに、平成13年9月に豊中市の社会実験として、地域から要望の多かった地域交流の場として新千里東町の近隣センター(注)の空き店舗にひがしまち街角広場はオープンしました。半年間の社会実験が終了した後は、ボランティアスタッフを中心に「自主運営」されています。喫茶スペースを設け、飲み物に対するお気持ち料を資金として運営されています。
「街角広場」は老若男女に関係なく誰もがふらっと立ち寄れる場所として、地域の情報交換の場所として、地域活動のための場所として、地域にとって欠かせない場所になっています。
(注)近隣センター:人々が歩いて暮らせるよう、日用品店や公衆浴場、銀行などが営業する地域の核として、それぞれの住区に計画的に設置された場所
活動のエピソード
ここがポイント 1
- 来訪者もボランティアに
「こんな場所がずっと欲しかった」と言って実現した街角広場は、自分たちで作り上げていった場所である。「スタッフだけでなく、来訪者もボランティア」という考えで垣根をつくらず対等な関係を作るよう心がけている。知り合いが来たら、一緒にお茶を飲んで、時には、その人もスタッフとなる。活動当初、福祉委員会などで、日替わりで当番体制をとっていたが、うまく回らなかった。今は、「勝手ボランティア」が好きな時に来て、誰がスタッフと決めないでやっている。気負わず、楽しくやれる雰囲気が長く続く秘訣である。
ここがポイント 2
- ふらっと立ち寄れる気軽さがいい
街角広場は、特に目的がなくふらっと立ち寄って、コーヒーを飲みながら自由に過ごすことができる気軽さが特徴である。そして、いつでも開かれており、誰かがいてくれる場所である。夜は会議室として開放されており、鍵を利用者に預けてスタッフがいなくなる。使用時に近隣から騒音に対する苦情が出ることもあるが、若い現役世代の父親たちが地域で活動できるようになった。
多くの人が集まる中で、情報が集まり、その情報を目的に集まる人も増えた。街角広場では、地域についての新しい情報を整理して、チラシやポスターを見やすいようにレイアウトして掲示したり、東町の広報紙を設置している。身近な話題から課題がみつかり、いくつかの課題解決に向けての取組みが生まれた。千里周辺の荒れた竹林を「なんとかしたい。」という人がいて、竹林整備の小さなグループが生まれた。街角広場に集まる人の参加や声かけにより、現在は、100人を超すグループになり、毎年、恒例のタケノコ掘りが地域の大きなイベントになっている。
ここがポイント 3
- 子どもと大人が一緒に過ごせるのが楽しい
開設時から学校と話し合い、子どもたちが自由に出入りできるよう認めてもらった。下校時に子どもたちが自由に立ち寄るようになり「ただいま」と声をかけるとスタッフが「お帰り」と答える。子どもたちは、お茶をもらったり、けがの手当てをしてもらうこともある。休みの日には、「街角広場」で待ち合わせて遊んでいる。時には、無茶を言ったり、いたずらをすると、そばにいる大人たちが叱ることもある。そんな顔と名前が一致する関係が、地域でも挨拶を交わす関係になり、安全、安心につながっている。「学校の様子がよくわからない」という地域の声もあったので、東丘小学校、第八中学校で行われている行事等を掲載した学校便り、学年便りなどを地域の方々にも見てもらえるよう掲示している。また、街角広場の行事には、中学校の部活動も参加することで、地域の誰もが参加できる街角広場となっている。
問合せ先
ひがしまち街角広場 06-6831-9701