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さまざまな主体が連携・協力した地域活動 事例17
茨木市 育児サークル「アンファン広場」 商業施設での子育てサークル活動
活動のあらまし
アンファン広場は、公共施設で実施されている親子広場などに参加しにくい保護者にも、子育ての楽しさや仲間づくりの大切さを感じてもらうことを目的に、多くの人が買い物に立ち寄るスーパーマーケットで開催されている育児サークルです。エレベーター前のフロアをベンチで囲い、保育用マットを敷いて実施しています。通路を歩く買い物客からは、活動の様子がよく見え、ピンク色のエプロンをかけたスタッフが、気軽に声をかけることで参加しやすい環境を作っています。主となるメンバーは、家庭訪問支援員、保育サポーター、親学習リーダーなどの子育て支援に関する経験者で、代表を中心にアンファン広場の活動を支えています。プログラムも、子育てに役立つプログラムや子どもが楽しむプログラムだけでなく、保護者自身が興味や関心をもって楽しく参加できるプログラムを実施することで、参加者が主体的に活動することにつながっています。
活動のエピソード
ここがポイント1
- 店側もメリットを感じる協働関係
アンファン広場と店側の双方がメリットを感じている。公共施設などでの子育てサークルに参加しにくい人への働きかけや支援が必要であると考え、多くの人たちが行き交うフロアで活動している。場所代や光熱費の負担がなく活動が継続しやすくなっている。また、広告チラシへの掲載や店内掲示・放送をしてもらうことにより、たくさんの人たちに活動を案内することができている。店側は、第2・第4水曜日に開設するアンファン広場に参加するためにやってくる子ども連れの人たちが増えてきており、ついでの買い物にもつながるという点でメリットを感じている。また、社会貢献活動のひとつとして地域に発信することができ、地域につながった店づくりをめざしていることもアピールできている。
ここがポイント2
- 人のつながりと粘り強い働きかけ
開設前にどの店で開設するのが効果的かをリサーチした。代表の住む場所から市の中心部にある子育て支援施設までは遠いことから地元で開設しようと考えた。また、駅前には、大型スーパーもあるが、売り場が広すぎ、駐車料金がかかることからも適当でないと考えた。現在、アンファン広場を開設しているスーパーは地元に密着した店であり、協力を得られやすいと考えた。駐車場が無料で参加したいと思った人が車でも店に来やすい条件も整っていた。20年以上前、代表が地域での子育てサークルの必要性を感じ、自分たちで開設しようと考えて公民館や学校の余裕教室の利用を相談したが断られた経験から、交渉には人間関係ができていることが重要だと考えるようになった。12年前にこのスーパーができた時、アルバイトとして勤務することで人間関係を作った。2年間の勤務の後、売り場での子育てサークルの開設を提案したが断られた。その時にもあきらめることなく、まずは自分自身の力量を高める必要があると考え、大阪府の子ども家庭サポーターの研修や大阪府の親学習リーダー養成講座を受講し専門性を高める努力をした。その後、社会的に子育て支援の必要性が多く論じられるようになったことに加え、専門性に裏付けられた提案をすることでアンファン広場の開設について理解が得られた。
ここがポイント3
- 大切にしている店側との信頼関係
エスカレーター前のフロアには必ずスタッフを配置したり、ボランティア保険に加入するなど参加者の安全には最大限に配慮している。安全を最優先することで、参加者が安心を得るとともに、店側に事故などでの迷惑をかけないようにしている。また、活動をやりっぱなしにするのではなく、参加者にアンケートをとり、感想やスタッフの思いなどを毎回店に報告している。店はそのアンケートを通して、活動の内容、スタッフの頑張りや苦労、参加者の思いなどを知ることができ、信頼関係を作りあげることにつながっている。
問合せ先
育児サークル「アンファン広場」 代表 田中 090-8934-4121 (携帯)