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さまざまな主体が連携・協力した地域活動 事例19
茨木市 子ども・学校・家庭が元気になる「弁当の日」
活動のあらまし
「弁当の日」は、献立作成、買い出しからあとかたづけまでを、子どもたち自身で行う取組みです。平成13年10月、香川県の小学校の校長先生によって始まり、全国の1200校超の小・中学校が取り組むまでになっています。茨木市立大池小学校では公民館主催の講演会をきっかけに「弁当の日」の実践が始まりました。
活動のエピソード
ここがポイント1
- 校長の熱い思い -出会いは公民館主催の講演会-
平成24年2月、茨木市立大池公民館で行われた「弁当の日」提唱者の講演を茨木市立大池小学校長(当時)が聞いたのがきっかけ。普段接する子どもたちの姿を見て「もっと自信や意欲をもってほしい」「もっと物を大事にして、感謝の気持ちをもってほしい」「もっとあったかい関係をつくってほしい」「生きる力をつけたい」といった思いをもっていたこと、そして保護者に対しては「食べることを大事にしてほしい」「子どもを認めてたくさんほめてほしい」「親子の時間をつくってほしい」という思いがあったことから、同小学校PTA役員の理解と協力を得て、PTAと学校で「弁当の日」についての合同講演会を開催し、「弁当の日」の取組みが始まりました。
ここがポイント2
- 熱い思いが「つながる・ひろがる」 -子どもと家庭の変化-
大池小学校での実践のなかで、子どもたちや保護者から次のような意見や感想が寄せられ、子どもと家庭がつながっていく様子が見られました。この取組みの様子や成果は、公民館文化展でのパネル展示をとおして地域へも発信されました。平成25年4月校長先生は転任となりましたが、転任先の茨木市立穂積小学校でも「お弁当フェスティバル」として取り組まれています。
[子どもの声]
- お母さんの苦労がわかったから食器運びの手伝いをしている。
- 親の料理に感謝するようになった。
- お父さんのお弁当を作っておいしいと言われたのでよかった。
- 達成感を味わうことができた。自信がついた。みんなにほめてもらって心がすごくあたたまった。
- できなかったことが少しずつできたり、上手になった気がしてうれしかった。
- 食事を作る等に興味をもった。ごはんを作るのが楽しくなった。
- よく「手伝って」と言われてとてもうれしい。「これ、やってくれる?」という言葉がふえた。
- 買い物にさそわれるようになった。無理やり連れていかれるようになった。
- 「これはこうやるのよ」と教えてくれることが多くなった。
[保護者の声]
- 今日は、一緒にお弁当を作れて楽しかったです。これを機に食の事について親子で会話を増やしたりお料理作りのレパートリーを増やしていきたいと思います。お弁当作りも又一緒にしたいなあ。
- 薄暗い中で2人で台所に立ってとても楽しい時間を過ごせて一日心がほっこりしました。ありがとう。思った以上に色々な調理が上手にできるのを見て、大きくなったなとうれしく思いました。
ここがポイント3
- 企業との連携・協働がさらなる「ひろがり」を生みだす
北摂地域における「弁当の日」セミナーは、大阪に本社のある企業が「地域に密着した食育活動」の一環として、小・中学生、幼稚園・保育園、教育関係者、PTA、地域住民などを対象に平成23年から取り組んできました。企業の食育の理念と小学校のめざすものが一致し「弁当の日」の取組みが広がりました。また、栄養士養成の短期大学において「弁当の日」を単位取得の授業として取入れ、質の高い栄養士養成をめざす取組みも始まっています。
問合せ先
茨木市立穂積小学校 072-627-5277