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更新日:2023年12月15日

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令和5年(2023年)12月13日 知事記者会見内容

記者会見項目

  • Jクレジット制度を活用した事業者の脱炭素化の取り組みについて
  • 年末の交通事故防止運動の実施について

職員
ただいまから知事記者会見を始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
初めに、知事よりご説明がございます。知事、よろしくお願いいたします。

Jクレジット制度を活用した事業者の脱炭素化の取り組みについて ※この項目で使用した資料はこちら

知事

私からは2点です。

1点目です。もずやんEXPOグリーン募金箱参加事業者募集についてです。これは何かというと、カーボンニュートラルを実現していく中で、大阪の中小企業、また大阪の事業者の皆さん、省エネ・再エネ、CO2排出削減の取組をされている事業者の皆さんがいらっしゃいます。それを国の制度でクレジット、財産的な価値にするという制度があって、取引の対象にするというものがあるんですが、それを活用しまして、排出量を削減した、見合った分のクレジットを大阪府に寄附してもいいよという事業者の皆さんにはご協力いただいて、寄附をしていただいて、そしてそれを大阪府から万博に寄附をするということを考えています。万博においては、会場そのものをカーボンニュートラルにしていくという取組をするわけでありますので、そこにこの万博で排出されるCO2の排出量の一部を相殺すると。そして、カーボンニュートラル実現に向けた機運を高めていくということを進めたいと思っています。

具体的な制度ですけれども、大阪府においては、事業者の脱炭素化を促進するというために、事業者の再エネ・省エネの促進をしています。その中で、これがそれになりますけども、CO2排出量の削減量を集めて、国の制度を活用します。これがクレジットです。その制度は既にあります。世界的にヨーロッパなんかでも既に取引もされている、一般的な考え方です。排出量を取引するというものになります。クレジットを創出するプロジェクトを実施していきます。

ここでクレジット創出するわけですけれども、それについては2025年の大阪関西万博に寄附をして、万博で排出されるCO2の排出量の一部と相殺をすると。そのことによって万博のカーボンニュートラル実現にも貢献をしていこうと、そしてそれをまたレガシーとして、万博後もそういった企業が増えてくるように、事業者が増えてくるようになればいいという考え方で進めていきます。

プロジェクトの流れですけれども、まず再生可能エネルギーを導入する企業であったり、あるいは省エネ設備を導入する企業、今増えてきています。また、そういった企業の促進、後押しをしています。結果、温室効果ガスの削減をされます。その削減されたCO2削減データというのがありますから、それを提供します。

この取組に参加していただける参加事業者を会員として、その会員からの削減データを取りまとめます。取りまとめて、その削減データをJ-クレジット制度事務局、これは国がもう既につくっている制度ですが、環境価値をクレジット化します。そこで一定、認められれば認証されます。認証された分が創出クレジットというものになります。この創出クレジットを2025年万博に寄附をします。

このJ-クレジット制度というのは、もう既に国にあります。国でもう既にある制度なんですけれども、再エネや省エネの取組によるCO2排出量の削減量を金銭価値を用い、取引可能なクレジットとして国が認証する制度になります。2025年大阪関西万博においてはクレジット利用前、想定される会場内ではCO2の排出量がありますが、それを会場内での排出量の相殺に用いていくということになります。そして万博が終了した後は、そういったCO2の排出量削減に取り組む企業を増やしていこうじゃないかと、その大きなきっかけになればいいというふうにも思っています。

恐らく将来的には、実際にこういったものについても取引価値が通常に発生して、そして取引されるという状況にはなってくるんだと、日本もそういう状況になってくると思います。まだそこまでなっていませんけれども、そういった基本的考え方の下に、やはり温室効果ガスを減らしていきましょうというのが大本の考え方、SDGsの観点が根本にあります。

参加事業所の取組によるCO2削減データを大阪府が取りまとめます。それぞれの中小企業だと非常に少ない量、大きな量じゃないかもしれないけれども、それを大阪府が取りまとめることで一定の固まりになります。それでクレジットをつくっていきます。大阪府が取りまとめた上でJ-クレジット制度事務局に申請をして、事務局によって、これは全国的な制度ですけど、一定認証されると。認証された部分をクレジットとして評価されますから、その評価された部分を大阪府から万博に寄附をいたします。

この趣旨に賛同していただける事業者を募集いたします。これはEXPOグリーン募金箱と名づけていますが、もずやんEXPOグリーン募金箱を立ち上げましたので、その募金箱にCO2削減量の技術とか排出量、その分を寄附してもらえたらというふうに思っています。そのための入会事業者を募集するという手続です。

対象事業者ですけども、大阪府内に事業所を持つ事業者になります。12月13日水曜日、本日から募集を開始します。

対象となるCO2削減の取組ですけれども、例えば太陽光発電の設備を導入した事業者であるとか、あるいはLED照明設備を導入した事業者、電気自動車またはプラグインハイブリッド自動車を導入した事業者、高効率のボイラーの導入、あるいはポンプ・ファン類への間欠運転制御、インバーター制御または台数制御等の導入。

具体的にどのぐらいがイメージかということなんですけれども、1年間で10トンCO2以上削減する。その排出量を削減する事業者について、感謝状を贈呈させていただきます。また、150トン以上CO2を削減する事業者の方がこの募金箱にCO2削減を寄附していただいた場合には、感謝状贈呈式での感謝状を贈呈いたしています。CO2の排出の削減量を提供いただく。そして、一定のクレジットが創出された場合、府から感謝状、ありがとうございましたという感謝状を贈呈させていただきます。

その事業者については府で参加事業者の名称を公表します。つまり、このCO2削減に努力をされている、新しいものに取り組んで温室効果ガスを減らしていこうということに積極的な企業でありますよ、企業、事業者ですよということを世間に向けても公表していきます。また、自社のホームページでも参加実績等を掲載していただければと思います。

カーボンニュートラル実現に向けた社会的貢献、これは企業価値の向上にもつながると思っています。今の現代の社会においてCO2削減であったり、あるいはカーボンニュートラルに向けた技術、SDGsへの取組、そういったものが企業価値に直結する時代でもあります。そういった中で、事業者名の公表等、こういったことに積極的に取り組んでいる事業者だということを大阪府からもともに発信をさせていただければと思います。

この感謝状贈呈の10トン以上というのは大体どのぐらいかというイメージなんですけれども、家庭6軒分の太陽光パネルの設置、これで大体1年間で10トンになります。あるいは200本の蛍光灯をLEDに全て替えた場合、大体10トンの削減になります。そして、20台のガソリン車を電気自動車に入れ替えた場合、これも大体10トンです。これは目安ですけれども、大体このぐらいが10トンになります。
10トン以上CO2削減量を大阪府にご寄附いただいた事業者に感謝状を贈呈させていただきます。

これを機に、再エネ・省エネの取組をぜひ実施していただけたらと思いますし、また、既に実施しているところはそれを積極的に発信してもらえたらと思います。そして、再エネや省エネに取り組む事業者を増やしていきたい、増えればいいなというふうな思いで、事業者の皆さんにぜひこの事業に参加してもらえたらと思います。

年末の交通事故防止運動の実施について ※この項目で使用した資料

二つ目です。年末の交通事故防止運動についてです。令和5年、年末の交通事故防止運動、12月1日から12月中開始をしています。特に1年のうち最も交通事故が多いのは12月になります。一層の注意が必要になります。

運動の重点ですけども、交差点における交通事故の防止。夕暮れ時と夜間の交通事故防止、そして、飲酒運転の根絶、これが運動の重点になります。

スローガンですが、「あぶないよ いそぐきもちに しんこきゅう」「夕暮れの ライトは迷わず 早めから」「『なにで来た?』 乾杯前の合言葉」、この三つがそれぞれスローガンになります。

それぞれここに書いていますけれども、やはり交差点における交通事故が増えておりますので、急ぐ気持ちがあったときもそこは一旦深呼吸。そこに危険がありますよということが一つのスローガンです。もう一つ、夕暮れどきですね。夕暮れどきに事故が増えますから、夕暮れになったらもう迷わずライトを早めにつけてください。「夕暮れの ライトは迷わず 早めから」ということがスローガンになっています。もう一つは飲酒運転根絶ですね。12月、忘年会のシーズンにもなります。飲酒運転は、これは駄目ですから、犯罪です。「『なにで来た?』乾杯前の 合言葉」と、お酒を飲んだときは絶対に車に乗らないようにお願いをします。

事故の発生状況の特徴についてです。今年は交差点、交差点付近の交通事故による死者・重傷者事故が増えています。
死者・重傷者の死亡事故は前年比増で1,696人から1,793人、これは重傷者を合わせてですけれども、約97人増加しています。

そして状態を見ますと、青が自転車で、オレンジが二輪車です。つまり、自転車が一番多くて、自転車と二輪車を合わせれば、約75%の死亡事故、重傷者の事故というのは自転車、二輪車で起きているという状況です。
類型でいくと、出合頭が約半分弱、そして右折時が約20%になります。

季節でいいますと、やはり10月から12月が最も多いということになります。先ほど申し上げました12月が一番多いです。これはなぜかということですけれども、やはり日の入り時刻の前後1時間、この時間帯が、非常に事故が起きやすくなります。日の入り時刻が、12月、冬が深まるにつれ、早まってきます。そして、この日の入りの時間の前後1時間のあたり、ここはちょうど夕方の交通量が多い時間帯と冬場は重なるということになります。そして、周囲が暗くなる早さが早まるのもこの時期であります。暗くなったと思ったら、あっという間に暗くなると。それが人間の目になかなか順応できずに、相手の発見に遅れるということにもつながります。

ですので、10月から12月が最も多くて、とりわけ12月が、一番事故が多い時期ですので、そういった特徴がありますので、ぜひ注意をしてもらえたらと思います。いわゆる薄暮時間帯の死者・重傷者が多いということです。

飲酒運転による死者数ですけれども、ここもやはり12月が最も多いということになります。これは過去5年間分ですかね。飲酒運転、忘年会の時期ではありますけれども、非常にここは注意をしてもらえたらと思います。

事故防止のポイントです。やはり一つ、事故類型から見ても交差点です。信号を守っていただいて、そして横断、道路横断時の左右確認、安全確認をお願いします。夕暮れどきの時間帯、ここが一番事故が多いです。夕暮れどき、夜間、歩行者や自転車を利用する人は明るい色の服装、あるいは反射材を活用してもらえたらと思います。ドライバーはできるだけ早めにライトを点灯してください。

飲酒運転。飲酒運転は犯罪です。「しない・させない・許さない」というのを徹底してもらえたらと思います。12月、交通事故が多い時期でもありますので、安全運転をよろしくお願いいたします。

僕からは以上です。

質疑応答

職員
ありがとうございました。
それでは、府政・公務に関する質問をお受けいたします。質問される方は、挙手の上、社名とお名前をよろしくお願いいたします。
それでは、最初に幹事社の朝日新聞さん。

Jクレジット制度を活用した事業者の脱炭素化の取り組みについて

記者

幹事社の朝日新聞です。

J-クレジットについてお伺いします。数字があればなんですけども、そもそもこの万博で排出されるCO2排出量の量がどれぐらいかということと、あと今回の取組の具体的目標みたいなものがあれば、聞かせてください。

知事

1社でも多く参加をいただきたいというふうに思っています。万博については、具体的な数値はありますけれども。

職員

すみません、事務方から数値的なところでご説明させていただきます。
万博協会のほうで排出量というのは算定しておりまして、まず万博の中で使う電気とかガスについては3万トンぐらい出ると。そのうち、ほとんどがCO2フリーのものを使うんですけれども、幾分か残ってしまうものがありまして、それが1,300トンぐらいあるというところで、ここをこのクレジットの寄附で賄っていこうと思っております。
それ以外も、例えば来場者の移動とか、宿泊とか、いろんなもので出るものがあって、そういったものも含めると、かなりの大きな数字、400万トンぐらいになるんですけども、ここについてもできる限り、J-クレジットの寄附というところで相殺をめざしていこうというふうに考えているところです。

ライドシェア関連について

記者

ありがとうございます。
もう1点だけ。項目外でライドシェアなんですけども、一部報道なんですけども、政府がライドシェアについて、タクシー会社による雇用を条件に地域限定での導入を認める方針となったというような報道がありました。これまでの府がめざしてきた方向性と比べると、事業者をタクシー会社に限っている点で相違があるかなと思うんですけども、報道も含めて、改めてこのあたりのお考えを聞かせてください。

知事

まだまだ国においては、これからさらに議論が深まっていくところになると思います。最終的な結論ではないと思います。一定の方向性が示されるのは、年末に示されるということなので、それは一定方向性が示されると思います。

これまでライドシェアといえば、都市部のライドシェアというのは非常になかなか難しい環境にもありましたけれども、都市部のライドシェアも認めてもらいたいということはこの間伝えてきていますので、この年末の中間的な報告というか、最終方針ではないと思いますので、都市部における、特に万博時においてライドシェアが必要だということが組み込まれるように要望していきたいと思います。

また、雇用の形態であったり事業主体等々についても、我々大阪府がめざすライドシェアと、これはもう一般的な、ライドシェアの本来に近い姿だと思いますが、都市部でやるとなると、そういったことが必要になってくるという部分は、今後も引き続き要望を重ねていきたいと思います。最終結論が出たものではないと思います。

職員

次、ご質問される方は。よろしいですか。よろしいですか。
毎日新聞さん。

教育の無償化について

記者

毎日新聞の井上です。

教育の無償化について、知事の見解というか、考えをお伺いしたいんですけども、東京の無償化であるとか、奈良もそうですが、いろいろと各自治体で無償化の取組が進んでおります。国で共通の無償化の基盤といいますか、そういったものをつくってもらいたいということは、せんだっての京都府議会の知事答弁でもあったりとかして、だんだんだんだんそういった考え方が広がっているのかなという気もするんですけれども、以前ツイッターで、知事は36万円という数字で全国で、一律まずそこから始めたらどうかというようなことを発信されてたように思うんですけど、ちょっとその点の意図といいますか、お考えを伺わせていただけますでしょうか。

知事

まず、36万円ではなくて39万円だったと思います。そもそもなんですけれども、やっぱり教育の無償化というのは、僕はこれから進むべき方向性、大きな方向性だと思っています。それは、これは僕自身、大阪市長時代から取り組んでいることでもあります。つまり、今日明日、昨日今日出た話じゃなくて、僕の一つの政治的な考え方の一つ、重要なことの一つであり、また、それは維新の会においても教育の無償化というのは公約にも掲げ、重要な党の価値観の一つです。もちろん、政治家の身を切る改革、財政改革であったり、投資機構であったり規制改革、経済成長、そういった党の基本的な考え方がありますけれども、その指針の中で柱の一つになるのが教育の無償化です。だからこそ、維新の会の憲法改正事項に教育無償化、これは国の方向性として入れようよということまで意思決定をしている。これからどんどん少子化、子どもの数が減っていく、高齢化になっていく中で、やはりこの教育というのは非常にお金がかかる分野であり、そして、この教育への投資、子どもたちが行きたい学校、学びたいところで学べるようにする、少しでもそっちの方向に近づけていくということは、非常に重要な価値観だと僕は思っています。これを政治の方向性として示しているというのが一つの考え方です。

なので、市長時代、当時はありませんでしたけれども、幼児教育の無償化と、所得制限のない幼児教育の無償化は大阪市長時代にやりました。市長に当選して、5歳児の無償化を1年目に着手をして、そして、任期中に5歳児から3歳児までの幼児教育の無償化をやりました。その後、安倍総理のもとでこの制度については国の制度となりましたから、全国の制度になって僕はよかったなと思っています。また、知事となり、特に高等教育を担当することになるんですけれども、そのときに、やはり担当で、高校がとりわけ知事の担当で、国は大学というのは基本、小中学校は、幼稚園、就学前、そして保育、小中は市町村という、基本的なそれぞれの担当の枠組みがあるんですが、知事ですから、高校についての無償化、授業料の完全無償化ということを今、取り組んでいるところであります。

実際これを言うだけではなくて、実行することによって、大阪だけでなく全国にこの輪が広がってきていると感じています。これは奈良の山下知事も、もちろん制度の詳細を見ると違うところはありますが、山下知事も教育の無償化が必要だということで取り組んでおられる。東京都においてもこの無償化をすべきだということで、小池知事が今回発表もされたと。着実に全国に広がってきているなというふうに思っています。これを、やはり全国でやるべきだと。なので、日本維新の会としても、そこは公約でもあり、進むべき道としての方向性を掲げているところです。

具体的にどうするかとなると、やはり全国で取り組むべきだと思っています。もちろん今僕は知事として大阪府民を対象にということで、大阪府でやっていますけれども、何で兵庫はやらないんですかと、何で兵庫県民と大阪府民は違うんですかと、それはもう、他の自治体でもそうですよね。今日も空飛ぶクルマで尼崎の生徒に来てもらいましたけれども、尼崎と大阪なんて線が一つ違うだけで、もうはっきり言ってエリア一緒ですから、そういったときにあまり、何ていうんですか、そのエリアごとというよりは、むしろ僕は全国でやるべきだと思っています。それができるのは国会議員しかいないわけで、我々、国政政党も持っていますから、国政においても働きかけをしている。ただ、与党は自民党ですから、自民党と公明党が本気になったらできますけど、本気になってないのでやりません。これを何とかそこに近づけていきたいという思いがあります。

そのために何が必要かと考えたときに、もちろん大阪の制度については完全無償化、そして授業料の様々なキャップ制度であったり、これは私学団体等も含めてやはり摩擦が生じるところも一部あります。でも、それでも僕は必要だというので今進めています。ただ、これを全国でやる、もちろんそれをやるべき、やろうという人がいれば、これはかなり政治的パワーを使いますので、口で言うのは簡単ですけど、実際なかなかできないと思います。相当な腹くくりがないとできないと思っています。ただ、そこでも少しでも近づけるべきだと思っていて、比較すべきは、全く何もないというところと教育無償化に取り組んでいるところの差を比較すべきだと思います。教育無償化に取り組もうとしている自治体同士で比較しがちで、あっちの制度は悪い、こっちの制度はどうだというのは、よく日本のメディア含めてそういう視点なんですけど、僕はもうちょっと引いた目線で見ていて、比較すべきは何もやってないところと、そして取り組んでいるところだろうと。そこの比較をやっぱり検討しなきゃいけない。そのときに、何もやってない、エリアで何も全くないところと、無償化について一生懸命取り組んでいるところの状態を考えると、僕は教育無償化すべきだと思っている立場ですから、考え方ですから、やっぱりこれはエリアで区切りというよりは全国でやるべきだと思っています。

全国でやるときに何が必要かとなると、もちろん考え方として、そういうのは一切やりませんという知事さんもいらっしゃると思います。けれども、趣旨は確かに賛成だけれども、なかなか財源が生み出せないなと考えていらっしゃる知事さんもいらっしゃると思います。これは現実問題として、やはり財政、財源が必要になってきます。全国の自治体を見たら、交付税措置されてないところは東京都だけですから、都道府県でいくと不交付団体は東京都だけですので、それ以外は大阪府も含めて交付団体ですので、改革をやりながら財源を生み出してやる努力というのは、相当やらないと教育の無償化の財源はなかなか生まれてこない。でも、逆に言うと、一定財源が確保できれば、その理念、趣旨には賛同するよという知事さんは、僕は多いだろうと思っています。なので、それを実現するためには、まず国で一定のベースをつくるべきだという考え方です。国のベースを超えるところについては、それぞれの知事さんの考え方で判断すればいいじゃないかと思っています。

国のベースって何なんですかと考えたときには、今、国制度で授業料の実質無償化というのがありますけれども、その制度の中身を見ますと、590万円世帯のところで所得制限がぷちっと切れています。590万円世帯のところは授業料の支援です。厳密には無償化ではないんですけども、支援として39万円の支援策を取っている。590万円を超えると、一挙にこれがなくなるわけです。厳密に言うと、910万円までの世帯のところで11万円が支援されますけれども、一挙にこれはがくんと階段が下がるわけですね。910万円を超えるとない、ゼロという状況です。590万円を超える世帯って、高校生のお子さんをお持ちの世帯って富裕層なんですかというと、僕は決してそうではないと思っています。教育費って非常にお金がかかるし、世帯で590万円ですから、これ、公務員だったら、共働きだったらそれで完全に超えますからね。共働きだったらはるかに超えると思います。やはりあとは教育にお金もかかる。590万円で子どもが多くいる世帯というのは非常に教育費についても重く負担がのしかかっているし、逆に言うと、子どもの目からいくと、行きたい学校を選べる状況になっているかどうかというところも疑問がつくということになります。

なので、この590万円の国の所得制限を撤廃すべきだと思っています。ここを撤廃すれば、あとは、39万円を超える部分をどう制度設計するかはそれぞれの知事が考えればいい。東京都の場合はこれが、39万円を超えるところが、47万円でしたかね。約47万円だったと思いますけど、記憶違いだったら申し訳ない。47万円。大阪府の場合は63万円です。大阪府の場合は、授業料だけじゃなくて、施設整備費という、払う側からすればほぼ授業料と一緒の恒常的な費用である施設整備費というのが実はあるんですけれども、これは全国的にあることが結構知られていないんですが、実際、でも、これは、当事者になればそういったものがあるというふうに気づきます。東京は大体20万円以上が多分施設整備費だったと思いますけど、授業料以外にそういうのがある。全国的にあるんですけれども、大阪の場合はそれも含めて63万円のキャップというのをつくって、そして、これは私学団体とも協議をしながら完全無償化というのを実現しているというところです。

ただ、それは39万円を超えるところの制度なので、これは、大阪はこの制度であったとしても、この件は違う制度というのは僕はあってもいいかなというふうに思っていますので、知事としても、それぞれの都道府県知事において、この39万円をベースにして、そこからどうするかということについては、それぞれの都道府県知事が判断して実行することが可能になると思います。いわゆる財源論についてはかなりそこでクリアされますから。なので、あとは、国として、この教育の無償化、特に高校生をお持ちの、お子さんがいる学校がそういった教育の無償化のほうに進むべきなのか、いや、そこは価値は低いから違うところにお金を払おうとするのか、これは予算の優先順位の話かなと僕は思っています。

僕の価値観は、やっぱり教育の無償化とか、あるいは次の世代をつくる子どもたちとか、そちらのほうに重点投資すべきだというのが基本的な考えですので、今、そういった取組を実際に大阪では、言うだけじゃなくて、やっているという状況です。なので、あとは、国が590万円の所得制限を撤廃すれば、全国で僕は高校の無償化は広がると思います。あとは、高校無償化が必要、完全無償化は無理にしても、大きな道は開けてくると思います。あとは、そういったものを必要とするか、必要としないかの価値判断だろうと思っています。今の自民党、公明党の政権はそこに価値を見いだしていないということだと思います。

記者

その件で、来年度の予算の政策要望ですとか、全国知事会での提言ですとか、そういったところで大阪府として行動していくということはあり得るんでしょうか。

知事

まず、文科大臣に既に直接要望していますので、あとは、全国知事会にその項目を入れるべきとするのかどうかということについては事務的に進めていければというふうに思います。

職員

読売テレビさん。

万博会場 大屋根(リング)の現地視察について

記者

読売テレビ、坂梨といいます。お世話になります。

今日の夢洲のリング視察についての質問です。囲み取材を終えた後に2度目の視察を行われたと思いますが、1度目に関しては感想を伺ったんですけれども、再度、より高い位置に視察へ行かれて、何かの眺望の変化ですとか、変わったこと、感じられたことがあればお伺いしたいです。

知事

20メートルのところから見る景色と12メートルのところから見る景色は圧倒的に違うなということを感じました。つまり、リングの外側のところは高さが20メートルになるわけですけれども、そこから見る景色、存在感はさらに圧倒的だったと思います。やはり空と海と、そして都市部と、非常に空と海が近い万博だなというのを感じました。それから、20メートルのほうもメディアが一部入っていたと思いますので、またそこを見ていただけたらと思います。

やはり、今回初めて近くで万博のリングを見ました、実際に。これまでは遠いところから、例えば、南港の咲洲庁舎から紹介したり、あるいは起工式なんかでも、起工式だったかな、近くても遠くからしか見れてなかったんですけれども、今回、足元にまで行って実際に万博のリングの上に上って見た景色というのは圧巻でした。これは何か口でうまく表現できないんですけど、口とかスマホではうまく表現できないんですけれども、木造建築物としての世界最大級の一つの大きなスケール、壮大さ、そしてその存在感、美しさ、もう圧倒していたと思います。恐らく万博が始まったらパビリオンだけではなくて、この万博のリングだけを目当てに来られる人も増えるのではないかなというぐらい存在感のある、世界にここにしかないものが今造られていると思いました。

もちろんコスト等をしっかりと管理していくことが非常に大切です。その中で1年半後の万博のリング、今までは30%ぐらいだと思うんですけど、あれが100%につながったときの会場の圧倒的な世界最大の木造建築の魅力、存在感、発信、ここはぜひ皆さんに体験をしてもらえたらなと、体感してもらったらと思います。1回これは見てもらったほうがいいですね。あまりここでしゃべってもなかなかうまく表現できないんです。その存在感、荘厳さ、魅力、美しさ、圧倒的な力というか、これをぜひ皆さんに、また春ぐらいになったら大分できてくると思いますし、リングがつながるような状態になってきたときに1回見てもらえたらと思います。

今日行って感じたことは、今はいろいろご批判も受けていますけれども、むしろ万博が始まったら圧倒的に高い評価になると思います。そのときにこれを本当に撤去してリユースするんですかと、むしろこれはレガシーとして残すべきではないかという意見が圧倒的に出る可能性が強いなというのを今日、30%ですけども出来上がっている実物を見て改めて思いました。

そういったことを頭に入れながら、今後、万博が始まれば僕は完全に変わると思いますけれども、存在感、圧倒的なスケール、魅力、ここをぜひ万博のときまで楽しみにしておきたいということと、あとは当事者ですからこの先どうするかというのは、非常に高い評価になると思いますから、それをどうするかというのはよく考えなければいかんなと改めて思いました。

記者

ありがとうございます。
今、言及がありました一般の方にも感じてもらいたいというところで、機運醸成という観点で、例えば開幕前に一般の方を入れて視察のツアーですとか、あるいは今出ているパースの図ではなくてより一歩進んで、今日、知事がご覧になったような景色を動画か何かそういった形で配信すると。そういった想定もされておるのでしょうか。

知事

それも考えていきたいと思います。今日、目で見たことを口とかスマホとかでうまく伝えられないんですけど、この圧倒的な魅力、存在感、スケール感、これをうまく何とか伝えられたらと思います。その方法として、おっしゃるように直に見てもらうというのも一つだと思いますし、どこまで伝わるか分かりませんけど動画なんていうのもその方法の一つなのかなと。でも、動画でもどこまであの魅力が伝わるのかな。多分プロのカメラマンの人が撮っても、多分テレビで見るより、あそこに立ったときの存在感というのは多分生で実感しないと、体感しないと分からない魅力というのはあると思いますので、ただそれをいかにできるだけ伝えていくのかというのも大切なことなので、伝え方というのは気にしていきたいと思います。

今、工事をやっていますから、僕が行ったのも今日の昼休みの工事の邪魔にならない時間帯に行きました。これから工事が本格化しますので、どこまでそういった参加ができるかというのは当然あるのでね。そういった意味ではちょっとやり方はよく考えて、万博のリングの魅力を可視化していく方法は万博開催前までに、そういった手段ができないものか考えていきたいと思います。

例えば、リアルタイムで河川なんかでもあるじゃないですか、河川が増量しないか水量増量をチェックするためのカメラなんかをつけているんですけど、実際のカメラなんかを設置して、万博のリングの上から見た目線が日々どうなっているかとか、そういったのもある程度、それで100%の魅力は伝わらないけれども、一定程度何か伝えられないかなと思ったりもしますし、ただ工事をやっている最中ですから、その邪魔にならないやり方で、万博のいろんな机上の議論はよくあるんですけども、実際の生の魅力というのを体感してもらえる方法というのを考えていきたいと思います。

記者

ありがとうございます。

職員

ほかにご質問は、よろしいでしょうか。
それでは、記者会見を終了させていきます。ありがとうございました。
マイクのほうは幹事社にお返しいたします。

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