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更新日:2009年10月23日

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知事と生活文化部との議論(概要)

日時 平成20年5月30日(金曜日)9時15分から11時00分
場所 第一委員会室

【生活文化部】
(大阪府男女共同参画推進財団について説明。資料1から3ページ)
この項目を最初に持ってきたのは、財団職員の思いをいろいろ考えたから。大阪の男女共同参画施策の中核、指令塔としてやってきたドーンセンターと財団なので、組織をもう一度作り直すのは非常に大変な作業。
自立化するにしても、よるべき財政的基盤をいただきたい。他部局のことで申し訳ないが、社会福祉事業団は、この何年間かけて自立化してきた。ただ、事業団に対して特別養護老人ホーム、軽費養護老人ホームを全て無償で渡すという形で自立化を促進してきた経緯がある。
ドーンセンターは公の施設であり、財団は確実な収益を確保する手段を何も持たずに、これから生きていくことになる。そのへんはいろいろお考えいただきたい。
どうしても成り立たないということになれば、財団廃止になることもあろうが、もう1年様子を見させていただきたい。

【知事】
男女共同参画課は職員何名か。

【生活文化部】
11名

【知事】
その職員の方々は主にどのような業務を行っているのか。

【生活文化部】
条例の運用、計画の進捗管理、事業者の顕彰・支援、DV計画策定などを担っている。

【知事】
府職員を財団にも派遣しているが、専門性やノウハウが吸収されていないのか。

【生活文化部】
府職員は総務機能を中心に担っている。

【知事】
実際の相談業務は府の職員はできないと思うが、NPOをどう管理するのか。どういう施策や計画をするのか。財団と府の職員の関係は。

【生活文化部】
企画立案や財団にどういう仕事をやっていただくかは本課できちんと計画を立て、財団にお願いするという関係。

【知事】
財団は何をするのか。

【生活文化部】
相談や啓発、情報収集や提供。たとえば、相談については、NPOがファーストコンタクト(初期対応)をするが、難しい相談には替わって対応したり、関係機関に照会が必要なものなどは、財団のプロパー職員に電話が回ってくるので、しかるべきところにつなぐ。そのようなことで専門性を発揮。

【知事】
財団の職員が専門性をもって回答するのでなく、どこかにつなぐのか。

【生活文化部】
財団の職員も相談に対応するし、関係機関の方が適切であれば、他につないだりもする。

【知事】
財団の職員の方は法的な資格はあるのか。

【生活文化部】
法的な資格はない。

【知事】
何をもって専門性か。

【生活文化部】
平成6年に財団を設立したときからプロパー職員を雇っている。その中で培われた相談業務。講座についても企画立案。あるいは、マスコミや関係機関、学校、企業のネットワークを有している。それらを総称して専門性と考えている。

【知事】
府の役割として担うことは不可能か。

【生活文化部】
どうしても不可能とは思っていない。それは年数の違い。府の事務職員は2、3年でどんどん替わる。どうしても専門性やネットワークが育ちにくい。一方、財団はプロパー職員という形で業務を担ってきたので、蓄積がある。直ちには業務を代替できないと思っている。数年かけて専門性を蓄積すれば、可能。ただ、人材育成の期間をどう見るかだと思う。

【知事】
府庁のそういうやり方に問題がある。ノウハウを蓄積できないような人事のやり方や、財団がなくなると同じ人数を配置するのはおかしい。効率化を図るべきで、民間では考えられない。何人かは要るだろうが。

【生活文化部】
効率化を図った後でも、何人か要る。財団職員であろうが、府職員であろうが、人件費としては同じ。

【知事】
府の職員の人員配置の中で、事業を縮小して人員をカットしてよいかという議論があるが、財団にどういう意味で府職員を派遣しているか分からない。財団のノウハウが府庁に溜まる仕組みが行政として必要。これから組織再編も考えないといけないが、何年かで人事異動でばらける中で、男女課にノウハウが蓄積されないことが問題。

【生活文化部】
財団を設立した平成6年当時は、施設を造って、それを管理し、そこでのソフト事業も財団を作って行おうという考えの下で設立された。ノウハウをどこに蓄積するのがいいのかという議論はあるが、われわれは財団に現に蓄積されているものをどう活用したら、一番府民のためになるのか、大阪府のためになるのか。こういったことを考えて、できれば財団存続をお願いしたいが、透明化に問題がある、もっと効率化すべきなどいろんな議論がある中で、「自立化」という今日の提案に至った。

【知事】
今までの経緯を継続していたら何も変わらない。そこを変える意識のもとに、僕は府庁に送り込まれたと思っている。財団にノウハウが蓄積されるなら府庁はいらなくなる。行政の中枢部分やノウハウ部分については、当初の経緯はあっても、そこを府が積極的に取り入れないと、行政としてどうなのか問われる。大阪を担う男女共同参画を推進する中枢の要として、ノウハウがないのはどうか。それとも財団に任せたほうがいいのか。

【生活文化部】
何もかも丸投げではない。実態的にそのような運営になっているとは思っていない。企画立案は本課でやっていく。財団と連絡調整し、具体の相談ではこういうニーズが多いとか、こうつなげば女性の安全、安心を図ることができるとかの情報を聞いている。
財団に蓄積されたノウハウは財団にしかないというわけではない。連絡調整をきちんと取っているし、企画立案ということでわれわれがリードしている。アウトソーシングする部分として財団を活用している。

【知事】
本庁があって、財団があって、NPOがあってという構図はわかりにくい。企画立案と実行部隊の2つが普通。こういう仕組みは素直に理解できない。財団を間に入れている意味は何か。企画立案だけに府が止まるのでなく、もう一歩進めるところは進めて、企画立案と専門性の実行部隊の2つの部隊にすっきりさせる。府庁にノウハウを蓄積して、それでNPOを育てる。2つの組織でやったほうが、男女共同参画推進がもっと幅広く企画実行できる。組織マネジメントの仕組みからも、中枢の企画立案と発注のNPOの実働部隊。間に財団が入っているのは非効率で、ノウハウがどちらに溜まるのかはっきりしない。

【生活文化部】
間にひとつ中2階があるというのは知事の言われるとおり。ただ、私の理解では3段ではなく、本課11人、財団11人が一緒になって合計22人で男女施策をやってきた。
なぜこういう体制になったかというと、当時小さな政府を作りたいということで第三セクターがいいだろうと、70も80も作った時期がある。そういう考えで来ている。中2階を取って1階と2階だけにするのは非常にいい。ただ、今現実にあるものをどういう形で活かすか。
私の正直な考え方では、財団プロパー職員を府の職員として採用していただけたら非常にいいと思うが、絶対無理だという話になっている。
たとえば、施策が半分になって22人でなく、15人、14人でやるということになった時に、財団プロパー職員5人が抜けると、また一から職員を養成することになる。また、現実に問題に対応する職員もいる。これがコスト的に非常に高いのではと考える。

【知事】
自立させて財団としてやってもらうのはありがたい。何でも行政がやるのでなく、NPOを養成し、半分くらいになるように。11+11=22はだめ。チーム構成はPTと相談させてもらう。いずれにせよ、府があって、財団があって、NPOがある考えは僕にはない。府庁で中枢機能を担っていただいて、NPOもそれなりにノウハウを蓄積しているだろう。自立化については、この案を受けてもう一度PTと検討させてもらう。

【PT(財政課)】
(別添「私立高等学校等授業料軽減助成・育英会奨学金貸付制度の見直し案について(改革PT案)」の説明)
4月25日にPTとの意見交換で、非課税世帯の助成金額を下げていること、所得階層毎のバランスが悪いとの指摘があった。そこで、25万円を据え置き、540万円を超える部分を変更。540万円は、毎年勤労統計で5人以上の事業所で働いている方の平均年収。育英会貸付金の見直しも併せて行う。

【生活文化部】
288万円層について、18万円を25万円にするのは一定評価する。問題点は2つ。288万円から430万円の世帯が25万円が18万円になること、それと、540万円で切られること。
500万円以下は月収25から30万円くらいで、年齢なら40歳台から50歳台。大阪市内の家計調査では、月27万円ほどの消費出があるが、教育費などのお金がかかるこの層にとって、月6千円の負担増は大きい。
540万円以上で切っているが、軽減助成があったという意識する層は、500から800万円で半分。800万円以上は意識せず。もともとのPT試案に近くなるが、500から800万円の真ん中あたりとなる680万円くらいで意識してほしい。

【知事】
540万円は所得の平均ですよね。

【PT長】
5人以上の企業の平均です。18万円を25万円、430万円までを25万円とすべきということか。

【生活文化部】
個人的にはそんな感じかなと思う。

【生活文化部】
(資料4ページ「私立高等学校等授業料軽減助成」の説明)
(資料5ページ「私立幼稚園経常費補助金」、11ページ「役員報酬」の説明)

【知事】
これは生活文化部で新たに作成した資料か。理事長には非常勤も入っている。非常勤で700万円以上だと、世間から見ると高い。常勤のみのデータが欲しい。幼稚園は園長のことでなく、理事のことを聞きたかった。理事が家族の場合もあるのではないか。

【生活文化部】
私立学校法では親族の理事は2名が限度。園長は理事が多い。
この間メールなどがたくさんきている。その中で多いのが、公立が近くにないから仕方なく私立に行っているというもの。保育料は公立は約10万円で私立は約24万円。公立がなくて行っているのに、なぜ私立だけ見直されるのかという声が多い。なお、50通くらいのうち半分は幼稚園に関するもの。

【知事】
公立幼稚園の今後の方針は。増やすのか。

【生活文化部】
統廃合、減らす方向。

【知事】
そうすると、まんべんなく大阪府民880万が、公立が近くにあるという状況ではなくなる。

【生活文化部】
府民からのメールでは、公立はたまたま近くにあるが、事実かどうかわからないが、共働きが優先され、公立に入れなかったという声もあった。

【知事】
公立は所得制限はないのか。確認必要。公立幼稚園が所得によって変われば不公平がなくなる。

【生活文化部】
公立が近くになく、私立に行かざるを得ない。

【知事】
これから統廃合すれば、公立がないのが普通になる。

【生活文化部】
現実として74%私立、26%公立。1/4のアンバランス、不公平感がある。

【知事】
これからなくす方向で、統廃合される。

【生活文化部】
(資料6ページ「私立高等学校等経常費助成」、11ページ「高校人件費の公私比較について」の説明)

【知事】
先ほどの話に戻るが、高校法人の常勤理事と幼稚園の理事の年収データをください。根本的なことだが、教育基本法で私立が教育の一翼を担うことになっているが、公教育として公立と同じ条件にしなければならないのか。

【生活文化部】
公立と私立は7対3を行政が決めており、生徒や父兄の立場からは同じ条件にすべき。

【知事】
公費の充て方だが、公の位置づけのもと公費が充てられているからといって、公立の学校と同額でなければならないとは思わない。私立は自由な校風で、土日にも進学に絞った教育を自由にやらせているが、公立は土曜日の授業ができない。私立は自由にがんばれば独自性を出せ、勝負ができ、生徒を集めることができる。そうなれば授業料も上げられるというのが根本である。公の教育だから助成は与えるが、公私の格差というなら、学習指導要領、指導方法や学校5日制も公立と全く同じにしないといけない。
生徒の立場に立っても所得の問題で高校に行けないようなことは行政としてやってはいけないが、平均所得世帯までは助成し、それを超える世帯は、自分たちの収入に見合った進学先を見つけるべき。それが、入試制度であり、小中の完全義務教育と違うところ。そうでないと、例えば医学部に行くから何千万負担してくれと言う話にもなる。
平均所得を下回る世帯、非課税、保護世帯は行政がサポートする必要があるが、平均収入を上回る世帯では、自分の家庭環境を見て進路先を選ぶべき。国公立しかないと言われたら、それに向けて一生懸命勉強する。それが基本的な発想。

【生活文化部】
私学には建学の精神のもと、公立と異なるさまざまな教育をしており、これは国民の多様性という観点で民主主義の下支えとなっている。ただし、私学は自由奔放でいいのかということだが、私立学校法などでコンプライアンスや情報公開が求められており、理事構成の親族制限もその流れ。私立学校も公教育を担う存在として適正性を保とうということになっている。
財源論は長い論争があり、公私が同額でなければならないかは立場で異なるが、昭和45年くらいに交付税措置がなされ、昭和50年には私立学校振興助成法が通り、財源も一定、公教育を担う存在として措置されている。国は国標準額を定めているが、他府県を見るとこれは最低ラインで、ほとんどが上乗せをしている。この中で、国標準額以下に補助金を切り込むことで公教育の下支えをしっかりしていると言えるのか。
結局、私学へ行っている人だけに授業料の転嫁を行われるのではないか。経常費助成は今年からカットされるので、在学生にも転嫁される可能性がある。私立学校にカット余力があるではないかというが、余裕があるところばかりではない。知事の言う理事長報酬が高いところを合わせても1億円くらいにしかならず、削減額の24億円はでてこない。また、なぜカットする上に、19年度の単価を使っているのか。

【知事】
自分の家庭環境に応じて進路先を選ぶことを生徒はどう思われるのか。

【生活文化部】
家庭環境に応じて進学先を決めるのは、長期的にアナウンスしてればよいが。行き届いてから。今の在校生を直撃するのはどうか。

【知事】
多くの人は、私学については、初芝学園の問題などもあり、どうなんだと思っている。経営への不信感があり、行政としてしっかりやらないといけない。

【生活文化部】
(資料8ページ「私立高等学校等教育振興助成費」の説明)
この中に、校舎の耐震化やアスベスト対策など、安全・安心に関わるものが含まれている。

【知事】
振興助成金は、この分は守られているのか、組み替えなどは。

【PT(財政課)】
この部分は廃止です。

【生活文化部】
(資料9ページ「私立専修学校等振興助成」の説明)

【生活文化部】
(資料12ページ「(財)大阪府文化振興財団」の説明)

【知事】
センチュリーは府民に根付いていると考えているか。

【生活文化部】
知事の言われる「根付いている」範囲にもよるが、センチュリーの存在を知らない方もいるが、部としては、センチュリーは一定根付いていると考えている。

【知事】
根付いていないと文化にはならないのではないか。

【生活文化部】
880万人府民全員がセンチュリーを知っていて、全員が楽しむことが理想的であるが、文化というのは、囲碁・将棋の生活文化から音楽、芸術まであり、様々な嗜好・趣味が関わってくるので、根幹となる文化には一定程度振興、保存が必要。

【知事】
880万人全員が知ってくれ、支持してくれとは思わない。文化について、行政に携わる人や財界の人の中にはインテリぶってオーケストラとか美術とか言うが、府民感覚からすれば、文化の中でお笑いは根付いているというのが私の素朴な感覚。根付かせたいならセンチュリー自身が必死になって前に出て、働きかけて、根付かせる努力が必要と思う。

【生活文化部】
これまでもセンチュリーは相当努力してきており、これからも必死の覚悟。楽団存廃の危機にあり、彼らも一生懸命やっていくと言っている。
この5年間は経営努力は、データに示しているように、ファンを増やし、公演回数も増し、財団が努力している成果が出ている。府民に根付いていくプロセスを見ていただけていると思う。
今、社会貢献事業として裾野を広げる活動をしており、昨年からユース・オーケストラを立ち上げ、80人の若者が楽団員の指導の下、活動始めている。
このような活動はこの数年始めてきたことをご理解いただきたい。この20年間の蓄積で力量を上げてきて、この5年間で経営努力を含め広げる作業を行っている。この流れを大事にしたい。財団も楽団員もそういう意欲を持っている。
金額がいくらがいいかは議論が必要だが、今はそこをしっかり下支えすることが、これからの大阪にとっても必要。
文化はどう評価されるべきか。確かに根付いてこそ文化だと思う。ただ、根付いているかどうかを含めて、私たちはどんなに誇れる文化資産・財産を持っているかということすら知らない場合も多い。それを皆で知って大事に育てていくことを行政がメッセージとして発しないといけない。それが文化行政で一番大事なことだと思っている。われわれ自身も今まで十分にできていなかったという反省がある。
センチュリーオーケストラも、他のいろんなジャンルの文化活動も、それが大阪にとってどれだけ貴重な財産であって、これからわれわれ自身ももっと発信していかなければならないということも併せて、センチュリーの存在意義を考えていただきたい。

【知事】
府民の誇りに思ってもらわないと。この5年間は一生懸命されているということだが、以前は、その活動が不十分だった原因は。

【生活文化部】
既に他のオーケストラがある中で府が設立した経緯があり、民間オーケストラの営業を圧迫しないようにスタートしたところがあった。しかし、それではいけないということで、5年前に民間から理事長を迎え、大きく方向転換した。

【知事】
民間を圧迫してはいけなかったということか。

【生活文化部】
いけないというわけではないが、後発のオーケストラなので遠慮していた。

【知事】
活動をしなくても自分たちの生活は守られ、府から多くの補助が出ていた。

【生活文化部】
それを変えるためにこの5年間府の補助率も大幅に下げたし、今後も下げる形で今経営改革を進める計画を作っている。

【知事】
昨日吉本の社長に会った。吉本のタレントをどう思うか分からないが、オーケストラや美術が上という人もいるが、大阪ではお笑いは一生懸命やり、働きかけている。ピラミッド中でも1割も飯を食えない。その競争の中でお笑い文化を広げている。センチュリーには今回10万人の署名が集まったが、1口500円(ワンコインサポート)くらいでいいなら、500円ぐらいにしか思ってくれないのではないか。それで誇れるオーケストラなのか。府民に支えられ、働きかけ、しっかり価値を認められるように。吉本のように不断の努力をやってこそ府民に理解されるものになる。もっと支えられる楽団になってもらいたい。枠組みは全体の収入のうち半分くらいは公演や演奏会の事業収入で、1/4は府民で支えられるように。10万人も署名してもらえるんだから。残り1/4は府とは言わず公費。府だけではないが。20年度は予算がほぼついてるようだが、21年度に向けて府民から支えられるような活動に期待したい。

【生活文化部】
正直言って事業収入で全体の半分というのは難しい。地方のオーケストラの実績を見ると公的補助率は平均47%。その中でセンチュリーへの補助率を1/4、25%以下にするのは非常に難しい。

【知事】
10万人に署名してもらえるのだから会員を募ってはどうか。

【生活文化部】
センチュリーファンクラブを新規に立ち上げて、会費をいくらにするかは別にしても、なるべく会員を募ってがんばっていきたい。

【知事】
1人2000円であれば、10万人で2億円になる。クラシックで1コイン(500円)しかいただけないなんて、それで誇れるクラシックなのか。それだったらこれだけのお金を使わなくても、民間でやっている方にお願いすればよい。大阪で誇れるようにするには、府民と行政一体で支えてやっていかないと。そうしないと根ざさない。それでだめなら大阪に根ざさなかったと判断せざるをえない。

【生活文化部】
10万人と言われるが、シンフォニーホールには1700人しか入らない。10万人を1700人で割ると、100回か200回に1回公演を聴けるかどうかというレベル。なかなか10万人を集めるのは難しい。やはり何らかの特典がないと会員が集まらないと思うし、その特典をどういう形にするかということになると、限界がある。

【知事】
特典ではなく、皆が文化として残そうということ。できる活動はある。府民に広まり、それで支えられる。

【生活文化部】
もちろん方向性としては、今われわれは財団と、もっともっと皆さんに支えてもらえるような財政構造に変えていこうと話しをしている。ただ、知事が言われるようなボリュームは、なかなか難しいと思っている。どの辺を目標にするということを協議している。
10万人の署名は全国のオーケストラ文化に対する考え。だれかの下支えがないと成立しない文化であることは事実。センチュリーオーケストラに大阪としてどう対応するのか非常に注目されていることも事実。

【知事】
オーケストラを否定しているわけではない。府民がセンチュリーを支えるかどうか。オーケストラを聴くことは府民もお金を出してくれる。どれだけ府民がセンチュリーを残して欲しいと思うか。行政や一部のインテリ層の人が必要だというのではなく、府民サイドとしてもっとこっちの施策だろうと判断するのが僕の役目。880万府民が全員とは思っていないが、せめて全体の事業費の1/4が府民から支えられるように働きかけて、価値が認められるように。これくらい負担して残してやろうと思って府民が応援するように。

【生活文化部】
幅広く次世代育成の役割を果たすということも含めて、府民の総意として税金で支える部分と、特にセンチュリーを応援してもらえる方をどれだけ増やすかという、両方がある。

【知事】
今の生活文化部の案は到底納得できない。公費が全く0というわけにはいかないが、クラッシックが府民に根付いていない。行政が思っているだけで、ちゃんと小中学校でクラシックを聞かせる教育をやりながが、そういうこともない大阪で。私も小中高で1回くらいしか聞いたことがない。そういう中で楽団といっても疑問。トータルで教育の問題で考えないといけない。今のスキームでは府民に支えられている枠組みとは思えない。

【生活文化部】
知事の言われる趣旨では、19年度の楽団収入が約8億円。公的支援がその1/4で2億円。それも国庫補助金が入るので、府補助金は1億円くらいのイメージ。その額であれば、やはり楽団は存続できないのが今の状況。

【知事】
事業費ももっと減らせるのでは。

【生活文化部】
基本的コストとして、たとえば1500人のお客が入っているところで50人が演奏すると、30人で1人をサポートするという形。公演入場料が3千円か4千円が限度であれば、楽団員の年収を出そうと思えば、年間何回演奏しなければならないのか。現実的に不可能な部分があると感じる。

【知事】
人件費以外もあるはずで努力すべき。芸術にあぐらをかかないで、できるだけ効率化を図らないといけない。シンフォニカや関フィルと比べてどうか。300万円くらいで、アルバイトをしていると聞く。クラシックは否定しないし、教育に関わること。根付かせるのかどうか。このままでは府民に支えられているとは考えられない。

【生活文化部】
(資料15ページ「大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方)」について説明)

【知事】
資料収集については別の場所にと思っている。ホールは基本的には行政が関与すべきでない。昨日吉本の社長にお会いし、提案いただけるということなので、提案を見て、最終判断する。

【生活文化部】
(資料16ページ「(財)大阪21世紀協会」について説明)

【知事】
平松市長から直接連絡あり、一度5者懇でという話を受けたので、一方的な撤退は難しいと思う。一度5者懇で話をさせてもらう。但し、今までの枠組みにいろいろ問題があった。御堂筋パレードも漫然と疑問をもつことなく税を使いやってきた。府民の声をもっと反映させるべき。府民も税が入っていることを知らない。今回問題提起をすると、今までの形には大いに疑問があるとの声も多い。このままやり続けると、21世紀協会は府民の声を反映できない組織になってしまう。水都2009の運営方式についても、事業が決まっていない段階で予算が決まっている。実行委員会で、僕はKY(空気が読めない)みたいになったが、公金なのだから、事業が決まってから決めるのが普通の府民感覚。枠組みに入ってしまうと、府民感覚と違ってしまう。ちゃんとイベントをやるのなら、これだけの事業でと積み上げて、公金を使う。公金を使う以上は、公金を預かるものが責任を持って判断すべきで、そうでないと府民から理解されない。枠組みについて問題されてないなら、こういう話を5者懇でさせていただく。協会内で今まで問題にされてこなかったのであれば、そのことが問題と思っている。私は、そういう認識の下で5者懇に臨んでいきたい。

【生活文化部】
府と市と経済界でする枠組みまで否定されるわけではないのでは。

【知事】
そうではない。枠組み自体は、府、大阪市、経済界がいっしょにやらないと上手くいかないことは十分理解している。

<以上>

※聞き取りにくい箇所があったため、発言内容は一部不正確なところもありますが、ご了承下さい。

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