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公安委員会と改革プロジェクトチームの議論(概要)
日時 平成20年4月24日(木曜日)14時00分から15時00分
場所 第一委員会室
【公安委員会】
この機会に警察の業務内容、大阪府の治安の深刻さ、警察の窮状を知っていただいて、予算要求に理解を求めたい。
警察業務には他部局には無い特殊性がある。府民の日常生活に不安を抱かせ、経済に悪影響を及ぼす犯罪の取り締まり、検挙活動を通じて、治安を守るものである。また、社会のグローバル化・IT化に伴う、国際テロ、サイバーテロ等、新たな犯罪から府民、国民を守ることも重要な任務。府民が笑うための根源的なものは治安であると認識。
警察業務の特殊性として「キツサ」「危険性」がある。例えば変死体を取り扱う検死業務などがある。大阪では平成19年に11,788体を取り扱った。焼死や腐乱した死体の検視をはじめ、C型やB型の肝炎、結核などの感染の危険性がある検視を行い、解剖の必要性がある場合などは遺族の説得や関係者への聴取などといった多くの捜査活動を行う。単純に費用対効果では図れない。また、先日、不審者へ職務質問した際に逃走車にぶつけられ、重体となる事案があった。この警察官が、病床で話ができるようになったとき、まず言ったのは、「心配をおかけしました。自分は早く治して、現場に復帰し、また仕事をしたいと思います」というものでした。キツイという点では、凶悪事件が発生すれば何日も家に帰らず捜査にあたる。非番でも仕事をし、夜遅くまでの業務が常態化している。全警察官の27%が夜間勤務をしており、府民のための安全安心確保のため、府民が寝静まっているときに人知れず治安を守るため、非常に厳しい業務を強いている。
今回、サミット警備を控え、本部だけでなく、警察署の警察官も動員し警備にあたることとしており、本部・警察署における減員分を残った者でカバーすることとなる。警察が重要案件に柔軟に対応するには人員のボリュームが必要。なお、警察業務はドメスティックバイオレンスやストーカー事案等、これまで以上に広範化・複雑化し、処理に時間がかかるようになっている。
【公安委員会】
(「警察官及び警察専門嘱託員定数の削減」について、資料に沿って説明)
【改革PT】
本府の財政状況が非常に厳しく公安委員会においてもご協力していただきたいというのが今回のPTの提案。一つは交通巡視員から警察官に切り替え、単独配置している定数の見直し。もう一つは警察専門嘱託員。空き交番対策をしてきたことは分かるが、様々な事務のうち、警察官OBでなくともいけるものがあるのであれば、アルバイトの活用等を検討していただきたい。
【公安委員会】
常に、限られた人数を最大限活用するようにしており、人の配置についても毎年見直している。政令定数が過去6年で増加しているが、国から簡単にもらえるものではなく、内部部門を削って、第一線に人を投入することを続け、それでも足りないということを国に訴えてのもの。それでも人が足りない。第一線では人が足りない状態。当然、さらなる縮減努力は検討していくが、現時点では、縮減して搾り出した人員はたとえ一人でも第一線に出したいのであって、総数として削るということは今の治安状態ではありえない。
【改革PT】
交通巡視員の520人は政令等で決まっているのか。
【公安委員会】
地方交付税上は交通巡視員で見ていただいている。
【改革PT】
交付税の算定上に使われているからといって必ずしも配置しなければならないものではない。また、政令定数を1,680人増やしていただいているが、その間の実働部隊の増員は1,341人であり、300人程度の差がある。そういうところを活用し、必ずしも実働部門にしわ寄せせずに、警察力を落とさずに、520人を減らせる余地がどこかにあるのではないか。1人でも2人でも下げられる余地がないかを見ていただきたい。
【公安委員会】
実働部門に投入していないというものではない。増員していただいてもすぐに新たな警察官として活用できるものではない。警察学校での数ヶ月の訓練がいる。また金融問題時からの時限付きの増員分168名が平成18年に削減されている。政令定数の増があればまずは1人でも2人でも現場に出せないかという努力をしている。今後も第一線に投入していきたいと考えている。
【改革PT】
専門嘱託員について、業務補助や受け付け案内等については、警察官OBでないといけない仕事なのか。
【公安委員会】
警察署の窓口業務は、単純な受付案内だけではなく、警察に助けを求めてくる方の最初の聞き手であり、その時の対応が重要である。正確な部署に案内しないと、その後の対応が後手に回ってしまう。また、補助業務というのも電話を受けるにせよ、緊急の助けを求める電話にしても、落ち着いて対応していただくためには、経験に基づく適切な対応が求められるところである。
【公安委員会】
(「第二枚方警察署(仮称)新設事業の延伸」について、資料に沿って説明)
【改革PT】
平成20年度の財政が厳しいので1年間遅らしていただきたいというお願い。他の手立ても含めてご相談を引き続きさせていただきたい。
【三輪副知事】
実働部隊の増員1,341人は、政令定数の増、交通取り締まりの民間委託や府庁職員の府警事務部門への応援全てを反映したものとして理解してよいのか。
【公安委員会】
大量退職が進み、学校定員が増えており、結果として少ない印象となる。
【三輪副知事】
政令定数の増が実働に反映されるのはいつ頃になるのか。
【公安委員会】
警察官は学校を卒業したらすぐに実働部隊となる。
【三輪副知事】
20年度はとらえる時期の問題だけであり、学校を卒業したらすぐに政令定数の増に反映されると理解してよいのか。
【公安委員会】
実員と定数の違いはあるものの、基本的にはその通りである。
【三輪副知事】
私からのお願いですが、福祉や医療のセーフティーネットについても一定の見直しを行っていかねばならないとPTは考えており、これからここに提案されているもの以外も含めてセーフティーネットにつながる話であっても、ギリギリの工夫の余地がないのかという視点でPTと議論していただきたい。
【公安委員会】
警察というのはきわめて特殊な業務でありますので、今後ご検討をおねがいしたい。
【総務部長】
人件費の削減・福利厚生や手当関係等について、知事部局で検討しているが、知事・警察・教職員と府庁合わせてやりたいと思っているので、よろしくお願いしたい。
【公安委員会】
警察の特殊性を考えていただきたい。
<以上>
※聞き取りにくい箇所があったため、発言内容は一部不正確なところもありますが、ご了承下さい。