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部長等意見交換会(概要)
日時 平成20年4月11日(金曜日)10時15分から11時30分
場所 特別会議室(大)
【政策企画部長】
改革プロジェクトチーム(以下改革PT)による「財政再建プログラム試案」について意見交換を行う。意思決定過程の公開という観点から、プレスには全面公開ということとさせていただいた。はじめに知事から一言。
【知事】
改革PTならびに関係者には短期間で作業していただいたことについて感謝申し上げる。賽は振られた。ここから議論がスタートする。徹底した庁内での議論とともに、府民の議論を巻き起こしてほしい。真剣な議論、徹底した議論の先に真実が見えると思うので、よろしくお願いしたい。議会の先生方、府民の皆さんからも意見を聞きながら進めていきたい。
【政策企画部長】
引き続き改革PTから説明。
【改革PT長】
(「財政再建プログラム試案」をもとに説明)
今後のスケジュールについて、4月14日から18の間、部局担当者とPT担当者と間で庁内調整を行い、論点を絞った上で、4月21日から25の間に、部局長とPTとの議論を個別に、知事同席のもと公開で行う。
議会に対しては、今後ご意見を伺っていく。各会派の部会ごとの会合については基本的には所管部局でお願いしたいが、必要があれば説明に伺う。
市町村に対しては、4月14日の市町村財政担当部長会議の場で説明を行うとともに、その説明を踏まえて開催される4月17日に市長会・町村会合同会議の場で、知事出席のもと、市町村長からご意見を伺う。合同会議は5月にも開催される予定。
部局や議会との議論は5月にも引き続き行い、5月下旬、府としての最終案をとりまとめる前に、知事と部局長との意見交換会を開催。それを踏まえて、6月上旬に府としての改革プログラム策定。
【政策企画部長】
それでは各部局長からご意見を。
※以下意見交換(読みやすくするため発言内容や順番を整理しています)
【健康福祉部長】
総論として、PT試案の考え方・哲学が見えてこない。健康福祉部では、10年かけて制度の見直しを進め、個人給付から自立支援へとシフト。市町村や福祉事業者の協力も得て、個人給付を減らす代わりに、自立支援を強化するということで理解を得てきたところ。負担は増え、支援も削られるということでは府民への説明が難しい。
「救命救急センター」が特出しされているのも気になった。救急医療体制が社会問題となっている中であり、府民にいたずらに不安を与えるのではと危惧する。府民の命に関わる話なので、きっちりと議論したい。改革については、今しかないということは理解するが、財政削って、府民の生活や命を削ることがあってはならない。
【改革PT長】
十分議論をさせてほしい。「救命救急センター」については、そういう課題がある中で議論をする必要があったので、こういう取扱いをさせていただいた。ご理解をいただきたい。
【教育長】
教育委員会では予算のほとんどが人件費。何をどこまで削減するのかをはっきりしてほしい。現場の士気に関わる話なので。将来に負担を先送りしないと言うが、将来を担う子どもたちに投資をどう考えるのかという視点で議論をさせてほしい。
府が今日のような財政状況となったのは、国が三位一体の改革や地方負担による公共事業を進めてきたことにも原因がある。そういうことも盛り込むべき。
【総務部長】
人件費については、教育長ご指摘のとおり。早急に具体化を進めていく。
【都市整備部長】
維持管理について、府内の橋梁のうち、耐用年数を超えるものが6割を超えている。そこで、将来に負担を先送りしないため、架け替えではなく、予防保全で対応してきた。維持管理は一割削減とあるが、経費節減のための取組みまで見直しの対象とするのは自己矛盾ではないか。
啓発事業は原則全て廃止となっているが、必要性の高いものもある。個別に議論させてほしい。
【商工労働部長】
「大阪維新プログラム」では、大阪経済の力を高め、積極的にアピールとある。そのためには頑張る中小企業の支援は不可欠。これまでも産業界や国、市町村と連携してきたところだが、試案では中小企業に対する支援策が大幅に見直しされている。これから関係団体や市町村に精力的に説明に回るが、前向きな方向で議論していきたいと思う。
次世代産業に関してもバイオ振興等を提案していくので、相談させてほしい。
【生活文化部長】
出資法人の見直し・廃止に関して、その前提として、プロパー職員をどうするかが見えてこないと議論が進まない。総務部の方でご検討をお願いしたい。
補助金の見直しについては、見直しの期間や金額がはっきりせず、関係団体等に説明できないので、明確にしていただきたい。
【総務部長】
出資法人のプロパー職員の処遇について、対象が相当数になると想定されるので難しい問題。これから議論を進めていくが、良い知恵があれば積極的に出してほしい。
【環境農林水産部長】
2月発表された今後の財政収支見通し(9年間で6,500億円見直しが必要)との関係はどうか。
また、議論をすることによって、国の予算要求のように復活折衝の余地はあるのか、それとも、スクラップ&ビルドになるのかを教えてほしい。
【改革PT長】
収支見通しが前提となっていることに変わりはない。H21・22年度に関しては、900億円として、新規施策を進めるのか、改革を前倒しにすることで見直し額トータルの削減を図るのか、一定の到達点が見えてきた段階で議論させてほしい。
H20年度については、試案では1,100億円でギリギリまで見直しを行っている。歳入の確保など努力を進めていくが、現段階で復活のための財源があるわけではない。
【重要政策PT長】
重要政策PTの案については、5月の連休明けの発表を予定。従来の再生重点予算のように予算枠を確保しているわけではない。財政再建の議論と平行して議論を進め、純粋に政策議論を重ねた上で、最終的には知事が判断する。
【知事】
復活を行うかどうかも含めて徹底的に議論をしてほしい。修正の余地がないというわけではない。じっくり議論を聞いた上で、最後は私が政治決断する。
【にぎわい創造部長】
これまで、府が一定の負担をし、国や市町村、民間からも協力を得ることで、大きな事業を進めてきたという実績がある。全て府直接執行と割り切る必要はないと思う。方法論については議論させていただきたい。
【住宅まちづくり部長】
府の裁量の有無等、機械的に見直しをするのはどうか。少しはビルド系の話をいれないと、そもそも議論が進まないように思う。
【政策企画部長】
「大阪維新プログラム」にもあるが、「財政再建」と「政策創造」はセット。「政策創造」も検討中だが、「財政再建」の見直しの方向が示されないと進めにくい。今後「政策創造」の中身が明らかになってくるので、あわせて議論を進めていければ。
【知事】
「大阪維新プログラム」は「財政再建」「政策創造」「府庁改革」3本柱。今回はそのうち「財政再建」が先行して出てきたということ。
【小河副知事】
この試案では削減の話しか出てこないので、今後は部長から逆提案していくことが大事。そうでないと、間違ったメッセージが発信されてしまう。
【住宅まちづくり部長】
個別事業に関する見直し理由の中に「他府県では例がない」というものが見受けられるが、独自にオンリーワンの施策をやるところに意義があるものもある。やはり総論では哲学がほしい。
【改革PT長】
今の話はビルドの思想であり、この試案は削るだけというご指摘だと思うが、今回のミッションはそういうところにあると考えている。
ただ、短期間でとりまとめたため、重要政策PTとは十分議論できないまま先行して走ってきた。今後はあわせて議論する必要があると考えている。部局と意見交換する際には、重要政策PTにも同席していただくことでどうか。
【三輪副知事】
そういう方向性で良いと思う。今回は部局と調整せず、知事直轄のPTがとりまとめ、意思決定過程を公にするため、こういうやり方となった。PTの責任ではない。様々な批判があるのは当然だと思うが、今後ビルドの議論とあわせて進めていければ。
【知事】
こういうやり方になったのは私の責任。本来、同時に議論すべきだと思うが、短期間での作業を指示したため、それが無理になったので軌道修正をかけた。
次回の記者会見(4月16日予定)までに、私の思い、改革の基本理念を示す。その大きな視点を踏まえた上で、議論を進めてほしい。
【重要政策PT】
今後、改革PTとの連携を進めていくが、見直し対象全てを重要政策PTでカバーするのは難しい。ゼロベースでの見直しを前提とした議論を進める中で、重点分野など必要なものについてリカバリーしていく。
【水道企業管理者】
両PTの連携というレベルではなく、一つの部隊として進めてほしい。
他の部長等からも発言があったが、見直し・廃止を行うものにこそメッセージは必要。それがないと、関係団体や府民が納得できない。先程改革PTからは削ることがミッションとの発言があったが、それは違うと思う。
【改革PT長】
哲学なく削ることがミッションという意味ではない。個別に精査しているものについては、一定の考えのもとに見直しを行っている。不十分な点もあるが、部局と話をしていないので、今後の議論を進める中で詰めていきたい。
【水道企業管理者】
メッセージ性がないのはあくまでもこの試案であって、今日から部局との共同作業がスタートし、府としてのメッセージを作っていくということで良いか。
【改革PT長】
そのつもりで進めていきたい。
【知事】
今回の試案について、個別の事業には言及していないが、見直しの方向性については改革PT長に伝えており、それに沿ったものとなっている。決して単なる数字合わせではない。
【小河副知事】
繰り返しになるが、知事からのメッセージはあくまでも一部、各部局からのメッセージを示していかないと、誤解を受けることとなる。各部局が担当する行政がどうあるべきかを示した上で、議論を進めていければ。
【政策企画部長】
今日はあくまでもスタートで、今後議論を進めていくということで。最後に知事から一言。
【知事】
この試案を真剣、かつ、妥協のない議論を徹底的に進めてほしい。それを踏まえた上で最終決断したい。
<以上>